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4 (※ほんのちょっと流血します)
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親分の首を噛むという行為の本当の意味に気づいたのは、親分に微妙に軟禁状態生活にされて、それが緩み始めて、割とすぐだった。
私も、その頃にはちょっとだけおっきくなっていた。ほんとにちょっとだけどね。
集落からちょっと近い外に散歩に行ったら、大人の男女、いやオスとメスが甘ったるい雰囲気を醸し出している場面に、遭遇した。邪魔しちゃ悪いと思って、茂みにこっそり隠れていたら、オスがメスの後ろ首にエロい感じで噛みついた。フェロモン出てますって感じでね!
そしたら、メスの白い毛皮がオスと同じ色の毛皮の色にぶわっと変わったのだ。オスは、焦げ茶色の毛皮の色をしていて、メスも全く同じ色に染まった。
これはあれだ。あなた色に染まるという、結婚衣装的なあれだ。
それを裏付けるように、その大人のオスとメスは、直後うっふんあっはんな交尾をおっぱじめてしまったのだから。もう間違いない。
白いままのメスたちは、大抵オスが勝手に首に噛みつこうものなら、威嚇して怒っていた。でも、さっきのは多分両想いで、合意で、だからこそ毛皮の色がオスの色と同じに変色したんだと思う。
その事実もろもろに衝撃を受けた私は、とぼとぼと親分の巣穴に戻りかけて、足を止めた。
冷静になってまた考えてみると、戻らない方がいいに決まってる。
だって、私はまだチビだ。対して親分はとっくに成人している大きさ。しかも他のオスより一回りも大きい。そして、他のまだ色が白いメスたちにもてる。
ここはこっそり私がいなくなった方が、親分のためだろう。
親分が何を考えて私の首を噛むのか、分からないわけじゃない。
が、こんなチビで小さいうちから変なことしないで欲しい。どこかの物語の主人公のように幼いうちから仕込む気なのか? そう突っ込みを入れたくなった。
親分のことは(初対面は最悪だったけど)嫌いじゃない。
でも、番になるとかそういう好意と行為に対し、私は親分に応えることは出来ないはずだ。
だってやっぱり、どう見ても、親分たちと私の外見ちょっと違うもの。野生の勘でも、私は親分たちと似てるけど、何かが違うと訴えてくる。
子どもだって多分望めないんじゃないかな? それを考慮すると、親分が子ども望んでるなら、私では余計に親分の番に相応しくない。
ぐるぐるぐるぐる、木の幹に寄り掛かって考えてたら、いつの間にか眠っちゃってたみたい。
私の傍らには、いつ来たのか、親分が寄り添ってくれていた。私が起きたのが分かると、親分は頬ずりをして巣穴に帰るぞという仕草をする。
躊躇していたら、親分は仕方ないなという感じで、私を右腕(右前足)に抱え、不安定な三本足で走り出す。
こんなことまでして、親分は親分なりに私を大切にしてくれる。
純粋にそれは嬉しい。でも、親分の気持ちに応えられないであろうことを考えると、申し訳ない気持ちでいっぱいになる。
どうすればいいんだろう?
また私だけで逃げようとしても、きっと親分は追って来る。
親分、他のメスじゃダメなの?
そう思うけど、きちんとそれについて親分と真面目に話し合いたいけど、そう言った意思疎通は出来なくて。もどかしい思いを抱くしかない。
だから、巣穴から帰って、陽が落ちて真っ暗となり、後は眠る時間になって、親分がいつものように私の首を甘噛みするたびに、私の胸は痛んだ。ちょっとだけ涙が出た。
ごめんね、親分。
多分私はどうあがいても、親分とおんなじパステルカラーみたいな黄緑色には変色しない。両想いになれたのだとしても、きっとそう。
親分、ごめん・・・・・・。
それから優純不断で馬鹿な私はいい案も思いつかず、日々は過ぎていった。
ちょっとだけまた、私は成長したと思う。まだまだ体躯は小さいけどね。
基本私は親分がいないときはみんなと交流しない。みんなは私に嫌がらせとかはしないけど、ちょっと距離は置いてる。やっぱり、私がみんなとちょっと違うからっていうのがあると思うんだけど。
まあ、私自身そんな距離感が嫌ではないので、そのままでいた。
だけど、最近子どもや若いオスたちが親分のいないときに近づいて来ては、私の後ろ首を甘噛みしてくと言う悪戯をするようになった。その意味を考えれば、悪質と言えば悪質だけど、本人たちからすれば多分調子に乗ってナンパしてる感じなんだと思う。
まだ色の白いメスたちは、オスにそんなイタズラされようものなら、すぐに気づいて威嚇して怒る。合意という名の両想いじゃなきゃ、大抵そう言う反応であしらってる。
多分、親分たちの種族は、気配を察知するのに長けていて、誰かが近づく気配に敏感なんだと思う。
でも、私はそれが下手くそすぎて、誰かに首を噛まれてしまうという有様。前世が人間だったからかな? 私が間抜けすぎるんだろうか?
私が簡単に後ろ首を甘噛みされるのを面白がって、ある日、親分たちのいない所でよくいう不良っぽいやんちゃなオスたちが、私を押さえ込んで集団で後ろ首を甘噛みしてくるという事件が起こってしまった。
さすがに代わる代わる後ろ首を甘噛みされるのは堪らず、地面に押さえ込まれたまま泣くに泣いた。
しかも、親分と違って下手くそだからか、歯とか牙が食い込んで痛い奴もいたし、ふざけんなって感じだ。
抵抗しなかったわけじゃないけど、チビで非力な私では太刀打ちできなかった次第である。
そんな私を見るに見かねて、番の色に染まってたり、白いままだったりするメスたちが助けてくれた。
うん、なんだ。みんな強かった。
親分たちオスが来るまでに、私に悪ふざけしてた奴ら、ぼっこぼこにしてくれたんだ。
私は泣きながらメスたちに感謝した。だってその中には親分に思いを寄せてたメスだっていたのに。
それくらいいいってことよばりに、ある意味漢らしいこざっぱりしたメスたちの、優しさと強さを知った。
その後、メスたちとちょっとだけ仲良くなれた、と思う。
ちょっとした戦闘訓練的戦い方とか、教えてもらった。たまに、みんなが食べてる木の実も取って来ては、お裾分けするようにもなったんだ。
また、そんな事件もあり、親分は私の首に対処してくれた。
あんなことがあっても、悪さをしてメスたちにのされた以外の若いオスが、未だにたまに私の後ろ首を甘噛みしようとしてくることも、あったからだと思う。
親分は、私の首周りを他のオスに噛まれないように、どこから持って来たのか、銀の金属のようなものを加工して、首に巻くようにつけてくれた。首あてとでもいおうか? 後ろ首に三角形を描くように巻かれたそれは、スカーフとも言えなくもない。
巣穴から出る時は、絶対につけなきゃ、親分は怒った。
そうそう。私に悪戯したオスたちは、改心して真面目になったみたい。
メスたちに命令されては、せっせと狩りや採集に行っている。そして、メスたちに貢ぐって感じだ。
親分の睨みも強くなったからか、そいつらは私に近づかなくなった。ま、そんなもんだろう。
奴らの中の下手くそな甘噛み野郎のせいで、やはり後ろ首は傷が出来てた。道理で痛かったわけだよ。
その傷が治るまで、親分は頑張って甘噛みを止めてくれた。ほんとに治るまでだったけどね。その間、鼻チュウとキスはめっちゃくちゃされたけどね!
かさぶたもぽろりとれて、後ろ首も元に戻れば、後ろ首の甘噛み行為を親分からまたされる。
巣穴から帰り、親分は私の首あてを外して、私の後ろ首を甘噛みするんだ。
いやいやと抗議しても、親分は私の小さな体を拘束し、何回も何回も首を甘噛みした。
前より執拗にその行為をするようになったの、多分気のせいじゃ、ない。
私も、その頃にはちょっとだけおっきくなっていた。ほんとにちょっとだけどね。
集落からちょっと近い外に散歩に行ったら、大人の男女、いやオスとメスが甘ったるい雰囲気を醸し出している場面に、遭遇した。邪魔しちゃ悪いと思って、茂みにこっそり隠れていたら、オスがメスの後ろ首にエロい感じで噛みついた。フェロモン出てますって感じでね!
そしたら、メスの白い毛皮がオスと同じ色の毛皮の色にぶわっと変わったのだ。オスは、焦げ茶色の毛皮の色をしていて、メスも全く同じ色に染まった。
これはあれだ。あなた色に染まるという、結婚衣装的なあれだ。
それを裏付けるように、その大人のオスとメスは、直後うっふんあっはんな交尾をおっぱじめてしまったのだから。もう間違いない。
白いままのメスたちは、大抵オスが勝手に首に噛みつこうものなら、威嚇して怒っていた。でも、さっきのは多分両想いで、合意で、だからこそ毛皮の色がオスの色と同じに変色したんだと思う。
その事実もろもろに衝撃を受けた私は、とぼとぼと親分の巣穴に戻りかけて、足を止めた。
冷静になってまた考えてみると、戻らない方がいいに決まってる。
だって、私はまだチビだ。対して親分はとっくに成人している大きさ。しかも他のオスより一回りも大きい。そして、他のまだ色が白いメスたちにもてる。
ここはこっそり私がいなくなった方が、親分のためだろう。
親分が何を考えて私の首を噛むのか、分からないわけじゃない。
が、こんなチビで小さいうちから変なことしないで欲しい。どこかの物語の主人公のように幼いうちから仕込む気なのか? そう突っ込みを入れたくなった。
親分のことは(初対面は最悪だったけど)嫌いじゃない。
でも、番になるとかそういう好意と行為に対し、私は親分に応えることは出来ないはずだ。
だってやっぱり、どう見ても、親分たちと私の外見ちょっと違うもの。野生の勘でも、私は親分たちと似てるけど、何かが違うと訴えてくる。
子どもだって多分望めないんじゃないかな? それを考慮すると、親分が子ども望んでるなら、私では余計に親分の番に相応しくない。
ぐるぐるぐるぐる、木の幹に寄り掛かって考えてたら、いつの間にか眠っちゃってたみたい。
私の傍らには、いつ来たのか、親分が寄り添ってくれていた。私が起きたのが分かると、親分は頬ずりをして巣穴に帰るぞという仕草をする。
躊躇していたら、親分は仕方ないなという感じで、私を右腕(右前足)に抱え、不安定な三本足で走り出す。
こんなことまでして、親分は親分なりに私を大切にしてくれる。
純粋にそれは嬉しい。でも、親分の気持ちに応えられないであろうことを考えると、申し訳ない気持ちでいっぱいになる。
どうすればいいんだろう?
また私だけで逃げようとしても、きっと親分は追って来る。
親分、他のメスじゃダメなの?
そう思うけど、きちんとそれについて親分と真面目に話し合いたいけど、そう言った意思疎通は出来なくて。もどかしい思いを抱くしかない。
だから、巣穴から帰って、陽が落ちて真っ暗となり、後は眠る時間になって、親分がいつものように私の首を甘噛みするたびに、私の胸は痛んだ。ちょっとだけ涙が出た。
ごめんね、親分。
多分私はどうあがいても、親分とおんなじパステルカラーみたいな黄緑色には変色しない。両想いになれたのだとしても、きっとそう。
親分、ごめん・・・・・・。
それから優純不断で馬鹿な私はいい案も思いつかず、日々は過ぎていった。
ちょっとだけまた、私は成長したと思う。まだまだ体躯は小さいけどね。
基本私は親分がいないときはみんなと交流しない。みんなは私に嫌がらせとかはしないけど、ちょっと距離は置いてる。やっぱり、私がみんなとちょっと違うからっていうのがあると思うんだけど。
まあ、私自身そんな距離感が嫌ではないので、そのままでいた。
だけど、最近子どもや若いオスたちが親分のいないときに近づいて来ては、私の後ろ首を甘噛みしてくと言う悪戯をするようになった。その意味を考えれば、悪質と言えば悪質だけど、本人たちからすれば多分調子に乗ってナンパしてる感じなんだと思う。
まだ色の白いメスたちは、オスにそんなイタズラされようものなら、すぐに気づいて威嚇して怒る。合意という名の両想いじゃなきゃ、大抵そう言う反応であしらってる。
多分、親分たちの種族は、気配を察知するのに長けていて、誰かが近づく気配に敏感なんだと思う。
でも、私はそれが下手くそすぎて、誰かに首を噛まれてしまうという有様。前世が人間だったからかな? 私が間抜けすぎるんだろうか?
私が簡単に後ろ首を甘噛みされるのを面白がって、ある日、親分たちのいない所でよくいう不良っぽいやんちゃなオスたちが、私を押さえ込んで集団で後ろ首を甘噛みしてくるという事件が起こってしまった。
さすがに代わる代わる後ろ首を甘噛みされるのは堪らず、地面に押さえ込まれたまま泣くに泣いた。
しかも、親分と違って下手くそだからか、歯とか牙が食い込んで痛い奴もいたし、ふざけんなって感じだ。
抵抗しなかったわけじゃないけど、チビで非力な私では太刀打ちできなかった次第である。
そんな私を見るに見かねて、番の色に染まってたり、白いままだったりするメスたちが助けてくれた。
うん、なんだ。みんな強かった。
親分たちオスが来るまでに、私に悪ふざけしてた奴ら、ぼっこぼこにしてくれたんだ。
私は泣きながらメスたちに感謝した。だってその中には親分に思いを寄せてたメスだっていたのに。
それくらいいいってことよばりに、ある意味漢らしいこざっぱりしたメスたちの、優しさと強さを知った。
その後、メスたちとちょっとだけ仲良くなれた、と思う。
ちょっとした戦闘訓練的戦い方とか、教えてもらった。たまに、みんなが食べてる木の実も取って来ては、お裾分けするようにもなったんだ。
また、そんな事件もあり、親分は私の首に対処してくれた。
あんなことがあっても、悪さをしてメスたちにのされた以外の若いオスが、未だにたまに私の後ろ首を甘噛みしようとしてくることも、あったからだと思う。
親分は、私の首周りを他のオスに噛まれないように、どこから持って来たのか、銀の金属のようなものを加工して、首に巻くようにつけてくれた。首あてとでもいおうか? 後ろ首に三角形を描くように巻かれたそれは、スカーフとも言えなくもない。
巣穴から出る時は、絶対につけなきゃ、親分は怒った。
そうそう。私に悪戯したオスたちは、改心して真面目になったみたい。
メスたちに命令されては、せっせと狩りや採集に行っている。そして、メスたちに貢ぐって感じだ。
親分の睨みも強くなったからか、そいつらは私に近づかなくなった。ま、そんなもんだろう。
奴らの中の下手くそな甘噛み野郎のせいで、やはり後ろ首は傷が出来てた。道理で痛かったわけだよ。
その傷が治るまで、親分は頑張って甘噛みを止めてくれた。ほんとに治るまでだったけどね。その間、鼻チュウとキスはめっちゃくちゃされたけどね!
かさぶたもぽろりとれて、後ろ首も元に戻れば、後ろ首の甘噛み行為を親分からまたされる。
巣穴から帰り、親分は私の首あてを外して、私の後ろ首を甘噛みするんだ。
いやいやと抗議しても、親分は私の小さな体を拘束し、何回も何回も首を甘噛みした。
前より執拗にその行為をするようになったの、多分気のせいじゃ、ない。
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