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良いですよ
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孤独と繰り返される毎日の混沌。みんな窒息しそうな金魚のような目をゴシゴシして生きていく。その先に何があっても何もない事を知りながら。楽しいという快楽は薬物やセックスでしか補え無いわけではない。ただ好きな人が、ただ側に居てくれれば良いと雫は願う。そして叶わなくて嘆く、そこに幸せがあるのではないかと雫は考えている。『良いですよ。』とアプリに返信メールが来たのは土曜日の昼下がりの時で狂とテレビゲームをしている時だった。狂は、少し興奮してどうするつもりだよ、おい!その女に会って僕はビール好きの十六歳高校生だって告白するのか?しないよ。ただ、雫には、その『良いですよ。』の文字がとても温かくて優しいものだと感じた。たまに来る出会い系のメールのような粗悪で俗物的とは感じなかった。
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