犬と殺人と夜の散歩

あらら

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神様の怒り

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「く…くるしい。」


「大丈夫だ。すぐに楽にしてやる。」


俺様は狩りを再び始めた。


女の肌、苦しみに歪んだ顔…。


全てが芸術的だ。


俺様はズボンを脱ぎ女の中に入った。


「キツいな…。遊んでない証拠だな。それとも処女か…。処女は良いぞ。母マリアは俺様を処女で産んだんだ。」


「変態が!」


と女が俺様に唾を吐いた。


いけないぞ、いけないぞ、俺様の芸術に唾を吐く女は不要だ。


「死ね。」


俺様は、強く首を絞めた…。



また…か…。


「行くぞ!」


と飛松に言われて春男達はブルーシートの中に入った。


鼻がもげるような異臭する。


死体を見て春男は、吐いた。


「バカ野郎!現場荒らしてんじゃあねーよ!」

と先輩に春男は腹を蹴られてまた吐いた。


「使えねーな!」

「やめろ!」


と飛松の一言で荒れた空気が和んだ。


飛松は、春男をブルーシートの外に出して


「合格だ。」

「え?」

「吐かない奴は正常じゃねーさ。」

「すみません。」

「バカ野郎、叱ってるんじゃあねーよ。褒めてるんだよ。」

「先に署に戻って仮眠室で寝てろ。」

「はい…。すみません。」

春男は、複雑な気持ちで


仮眠室の扉を開けた。


疲れてる?緊張してる?


疲労感が出てきたのか?


「違うんじゃない。」


太郎がエロ本を見ていた。

畳の上に大の字になって。

「何だよ、刑事は暇か?」


「暇だよ。聞き込みばっかり。」

「大切な事だろ?」


春男も畳の上で大の字になった。


「春男は、優しすぎるんだよ!やめちまえよ!刑事課に来いよ。」


「俺は鑑識で頑張ってみるよ。」


「ゲーゲー吐いてたのにかよ。」


「見てたのか?」

「腐れ縁だろ。俺達は…。」

「あぁ…。」






次の日、春男の腹に蹴りを入れた先輩は太郎の入れたコーヒーで


下痢ピーになり


トイレの中から出てこれなくなった。
 

春男は、腐れ縁に感謝した。


しかし、連続殺人事件は続いていた。
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