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キス

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「早く!」


正弘は、ミヨリに連れられてまた、咲の牧場に向かった。


ミヨリは、少し大きな瞳が赤くなっている。


泣いた?


今日も行列だった。


正弘とミヨリは並んだ。


ミヨリは、恥ずかしがっている咲に手を振った。


咲は小さく手を振り返した。


正弘とミヨリの番になるとイケメン遠藤修一が出て来た。


「咲さんの、お兄さんですか?」


爽やかすぎる笑顔で聞いてきた。


「はぁ、そうです。」


遠藤修一は、接客している咲の唇を奪った。


つまりキスしたのだ。


時が一瞬、いやスローモーションになった。


正弘は、本能的に拳を固めた。


その瞬間、ミヨリから正弘はキスされた。


唇に…。


甘い…。


心臓の音が聞こえた。


怒りが爆発寸前でストップした。

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