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理想的彼女
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「着けてどうするんですか?」
携帯電話で隼人は黒沢に聞いた。
「手を繋いでいるところでも良いから写真を撮って欲しい。」
「そんなの探偵に頼んだ方が良いですよ。」
「高木さん…あなたにしか出来ない事です。」
そこで電話は切れてしまった。
黒沢の言われた通りに隼人は写真を撮った。
喫茶店で待つ黒沢にデジカメごと渡した。
「やはり、あなたは才能がある。わたしは暫く快楽を味わって来ます。それなので新しいパートナーを紹介します。」
「糸井マリエです。よろしくお願いします。」
「はぁ…。」
違う席にマリエは座っていた。
半年が経過した。
新しい命が無事に誕生した。
美生という名前をつけた。
美しく生きて欲しいと願いを込めて。
隼人は、この半年間、マリエから依頼を受けて十人以上の命を奪った。
「生きてて良い人間と悪い人間がいます。」
マリエは、機械的に話す。
「死にゆくものには走馬灯が見え生きるものには日常が訪れる。」
菅原財閥は、執事の黒沢が花梨と結婚して黒沢財閥と名前を変えていた。
そんな時に黒沢から連絡が隼人に入った。
「久しぶりですね。」
「はい…。」
「マリエ君から聞いてます。立派な殺人マシーンになりましたね。」
「俺は…もうやめたいと思っています。」
「親になってびびったか?」
黒沢の口調が変わった。
「いや…。それは関係ないですけど。」
「ノーノーノー!良心なんて捨てるんだ。自分で明日の光は掴むんだ。」
「…。」
「君は、薬と殺人衝動からは抜け出せないよ。」
「失敗したら?」
「わたしの手駒を集めて君も家族も消すだけだ。」
「まぁ、良い。久しぶりに我が家に招待するよ。今晩屋敷に来なさい。」
と黒沢は言って電話は切れた。
マリエは新聞を開きながらコーヒーをブラックで飲んでいた。
「ブラックって美味しいですか?」
「わたしは生まれてずっとコーヒーはブラックなんで。」
「そうですか…。」
「何か言いたい事がありますか?」
「コーヒーを最初からブラックで飲んでいると砂糖やミルクなんて必要ないのかなと思って…。」
「そうですね。うまれた時からですからね、躊躇も戸惑いもありません。」
マリエは、タバコに火をつけて深いため息をついた。
菅原家の面影がないくらい庭は日本庭園になって建物も近代的になっていた。
黒沢家の色なんだろうか…。
マリエは、勝手知ったように先を歩いて行く。
そして客間に隼人とマリエは執事に通された。
「お久しぶりですね。高木さん。」
螺旋階段から黒沢と花梨が降りて来た。
「花梨、高木様に挨拶するんだ。」
花梨は、チラッと隼人を見ただけで視線を反らした。
「悪い子にはお仕置きだ!」
黒沢が手に収まるくらいのスイッチボタンを押した。
そして花梨は、身体中を痙攣させて倒れた。
執事に、部屋に放り込んどけと黒沢は命令した。
「まったくこれだから女は困る。」
黒沢は、言葉とは裏腹に今の時の流れを楽しんでいた。
「マリエ、高木さんにキスしなさい。」
「待って下さい!さっきから何ですか?」
「昔、サド伯爵という男がいた。彼は性に対して飽くなき探求をした。わたしはね、サド伯爵のようになりたいのだよ。」
マリエは高木に強引にキスしてきた。
マリエのキスは甘かった。
「高木さんはいけない人だ。人を殺める事に理由付けしている。いや、言い訳と言った方が正しいかな。」
「俺は、黒沢さん、あんたを尊敬している。しかし、快楽に溺れては殺人は出来ない!」
「あくまでもストイックに仕事をこなしたいと言うところか…。」
「マリエの気持ちを無視するんだな?」
「は?何の事ですか?」
「マリエは、高木さん、あんたが好きなんだよ。」
黒沢は服の上からマリエの胸を触った。
マリエは、頬を赤くした。
「俺はな、性の快楽を否定的な人間は大嫌いなんだよ!」
「じゃあ、俺にどうしろと?」
隼人の思考はオーバヒート寸前だった。
「まぁ、食事を取りながら考えようじゃないか。」
黒沢は、無表情で言った。
携帯電話で隼人は黒沢に聞いた。
「手を繋いでいるところでも良いから写真を撮って欲しい。」
「そんなの探偵に頼んだ方が良いですよ。」
「高木さん…あなたにしか出来ない事です。」
そこで電話は切れてしまった。
黒沢の言われた通りに隼人は写真を撮った。
喫茶店で待つ黒沢にデジカメごと渡した。
「やはり、あなたは才能がある。わたしは暫く快楽を味わって来ます。それなので新しいパートナーを紹介します。」
「糸井マリエです。よろしくお願いします。」
「はぁ…。」
違う席にマリエは座っていた。
半年が経過した。
新しい命が無事に誕生した。
美生という名前をつけた。
美しく生きて欲しいと願いを込めて。
隼人は、この半年間、マリエから依頼を受けて十人以上の命を奪った。
「生きてて良い人間と悪い人間がいます。」
マリエは、機械的に話す。
「死にゆくものには走馬灯が見え生きるものには日常が訪れる。」
菅原財閥は、執事の黒沢が花梨と結婚して黒沢財閥と名前を変えていた。
そんな時に黒沢から連絡が隼人に入った。
「久しぶりですね。」
「はい…。」
「マリエ君から聞いてます。立派な殺人マシーンになりましたね。」
「俺は…もうやめたいと思っています。」
「親になってびびったか?」
黒沢の口調が変わった。
「いや…。それは関係ないですけど。」
「ノーノーノー!良心なんて捨てるんだ。自分で明日の光は掴むんだ。」
「…。」
「君は、薬と殺人衝動からは抜け出せないよ。」
「失敗したら?」
「わたしの手駒を集めて君も家族も消すだけだ。」
「まぁ、良い。久しぶりに我が家に招待するよ。今晩屋敷に来なさい。」
と黒沢は言って電話は切れた。
マリエは新聞を開きながらコーヒーをブラックで飲んでいた。
「ブラックって美味しいですか?」
「わたしは生まれてずっとコーヒーはブラックなんで。」
「そうですか…。」
「何か言いたい事がありますか?」
「コーヒーを最初からブラックで飲んでいると砂糖やミルクなんて必要ないのかなと思って…。」
「そうですね。うまれた時からですからね、躊躇も戸惑いもありません。」
マリエは、タバコに火をつけて深いため息をついた。
菅原家の面影がないくらい庭は日本庭園になって建物も近代的になっていた。
黒沢家の色なんだろうか…。
マリエは、勝手知ったように先を歩いて行く。
そして客間に隼人とマリエは執事に通された。
「お久しぶりですね。高木さん。」
螺旋階段から黒沢と花梨が降りて来た。
「花梨、高木様に挨拶するんだ。」
花梨は、チラッと隼人を見ただけで視線を反らした。
「悪い子にはお仕置きだ!」
黒沢が手に収まるくらいのスイッチボタンを押した。
そして花梨は、身体中を痙攣させて倒れた。
執事に、部屋に放り込んどけと黒沢は命令した。
「まったくこれだから女は困る。」
黒沢は、言葉とは裏腹に今の時の流れを楽しんでいた。
「マリエ、高木さんにキスしなさい。」
「待って下さい!さっきから何ですか?」
「昔、サド伯爵という男がいた。彼は性に対して飽くなき探求をした。わたしはね、サド伯爵のようになりたいのだよ。」
マリエは高木に強引にキスしてきた。
マリエのキスは甘かった。
「高木さんはいけない人だ。人を殺める事に理由付けしている。いや、言い訳と言った方が正しいかな。」
「俺は、黒沢さん、あんたを尊敬している。しかし、快楽に溺れては殺人は出来ない!」
「あくまでもストイックに仕事をこなしたいと言うところか…。」
「マリエの気持ちを無視するんだな?」
「は?何の事ですか?」
「マリエは、高木さん、あんたが好きなんだよ。」
黒沢は服の上からマリエの胸を触った。
マリエは、頬を赤くした。
「俺はな、性の快楽を否定的な人間は大嫌いなんだよ!」
「じゃあ、俺にどうしろと?」
隼人の思考はオーバヒート寸前だった。
「まぁ、食事を取りながら考えようじゃないか。」
黒沢は、無表情で言った。
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