協奏曲

あらら

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仕事

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隼人が目をさましたのは病院のベッドの上だった。

美羽が美生を抱いて隼人と呼んでナースコールを押した。

診断結果は、誰かしらに○○を切られてそこから○○を抜かれたらしい。

マリエの仕業しかない。

しかし、記憶がないと美羽にも医者にも隼人は言った。

しばらく入院する事になった。

偶然からの人殺し…。

何故、あの時、菅原美樹を抱かなかったのだろうか。

抱いていれば俺は、殺人鬼にならなかったのに…。

マリエは、何故、そこまでして隼人の遺伝子にこだわるのか分からなかった。

妻も子供もいない病室にマリエが現れた。

「具合はどうですか?」

「君が言えるの?」

「わたしは何もしてません。酔ったあなたを自宅まで送り届けました。それだけです。」

早い口調で言われて隼人は口を挟めなくなった。


「仕事の依頼がたまっています。今はわたしがあなたの代わりに業務をこなしています。」

「それなら良いじゃない。俺じゃなくても。」

「黒沢氏は、あくまでもあなたに仕事を流していると考えています。あなたの代わりはいないんです。」

「じゃあ、俺の○○を切って○○を抜いた犯人に伝えてよ。入院中だ何も出来ない。」

マリエは、なに食わぬ顔をして隼人の○○に触れた。

「いて!何すんだよ?」

「痛みがあるのは治る前兆です。」

サイボーグ女はニコリともしない。

「俺は、仕事はしない。」

マリエは、大きな瞳で隼人を見て狂ったように笑い声を上げた。

「何がおかしいだよ?」

「黒沢から逃げれば可愛い奥さんと娘さんがどうなるか分かってます?」

隼人の耳の中にキーンと音が鳴った。

マリエの頬に平手打ちしていた。

「お前、今何て言った!」

マリエは笑いが止まらないらしい。

「あなた…自分の事ばっかりね。ちゃんと奥さんと娘さんの将来考えてるの?」

「お前に何が分かる?家族もいないんだろ?」

「うん、事故に見せ掛けて殺したわ。家族の絆なんて脆いって証明したくてね。」


「ちゃんと教育受けたのかよ?人を安易に傷つけてはいけないと…。」

「あなた、もう人間失格よ。殺人鬼さん。」

再びマリエは笑い声を上げた。

何度もマリエの頬を隼人は叩いた。

看護師に止められるまで…。

殺してやりたい!心の中で叫んでいた。
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