協奏曲

復讐

生来は、隼人の事だから頭脳戦で来ると思っていたが

日本刀を持って屋敷にやって来た。

何人の人間を殺したらそんなに刀が赤くなるのだろうというぐらい隼人の刀は赤かった。

「五十嵐！出て来い！」

庭で隼人が叫んでいる。

「俺の刀は血が欲しい欲しいって言って泣いてるんだよ！五十嵐出て来い！」

生来は、ビビって外に出て行けない。

腰が抜けていた。

屋敷の中に隼人は侵入して来た。

生来は、震える足を握って椅子から立った。

日本刀を手に取り隼人が来るのを待った。

悲鳴がいくつも聞こえてくる。

扉を蹴り壊し全身血まみれの隼人が立っていた。

「おい！五十嵐！何でだよ！何で二人を殺した？」

「む、昔からお前が気にくわなかったからだよ。どうだ？大切な人間が殺される気分は？」

生来は、声が震えている。

「あぁ、酷い二日酔いの気分だ。」

隼人は、目を閉じて呟いた。

「で、お前は俺に大切な人間を殺されたのか？」


「ああ！そうだよ！お前が高校時代にフッた女が飛び降り自殺したのを覚えてるか？」

「知らねーぞ！お前から脅されているとは聞いたがな。」

「違う！俺は脅してなんか…。」

隼人は、血まみれの日本刀を自分の服で拭き取り

生来の心臓を一突きした。

生来の口からは血が溢れ出した。

「このゴキブリ野郎が、あの世で許してもらえ。」

隼人は刀を捻った。

そこで生来の意識は飛び死んだ。