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復帰

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久しぶりに、ラケットを握った。

ゆうは、部活動に参加する事になったが三十分ほどで、部室に入って寝袋の中に滑り込んだ。

「どうしたの?」

と舞とオセロをしている誠が聞いてきた。

「はぁ‥。レベルが低すぎる。練習にならん!寝る!」

「そもそも、動機が不純だよ。スポーツ推薦のために部活するなんて。」

舞が久しぶりに元気そうに言った。

「目標の為なら手段を選ばないからな、ゆうはさ。」

誠も同調するように言った。

「あー!もうサボり?」

渚が、ジャージ姿で部室に入って来た。

「健太郎いないし。」

野村健太郎。ゆうが唯一実力を認めた部員だ。

「野村君、転校したって。」

「マジかよ‥。」

ゆうは、ガックリした。

「仕方ないな、わたしのパパの知り合いがプロの卓球選手でコーチもしてるから、ゆうが良かったら」

「頼む!」

間髪入れずにゆうは、舞に頭を下げた。
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