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Vegetablesー1-
2週目 水曜日 1
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そういえば、今日はツルさんのデイサービスの日だ。昨日はバタバタして幸子さんにどうするのか聞きそびれてしまった。
経過も気になるし、用事がなければ帰ればいいや、と俺はいつも通り葛西商店へと向かった。
店は今日もシャッターを閉めたまままになっている。もしかして営業できないとか、そんな風になってるのか? と心配になってきた。
裏口へまわろうとしたときスーツ姿の男から声をかけられた。こいつ見覚えが――。
「この店の方ですか?」
忘れもしない。極楽リゾートのチーフマネージャーだ。当時、使い回しはこいつが指示を出しているようだった。通称「陰険ギツネ」。一体なにをしにきているのだろう。
「いえ、わたしはただのホームヘルパーです」
「こちらのお店の話をお聞きしたいのですが?」
「すみません。訪問先のことをお話しすることはできないんです」
このときは女装していてよかったと心から思った。それでも万が一バレたらまずいので、少しうつむき加減で早口にしゃべり、軽く頭を下げて逃げるように裏口に入った。
「おはようございます!」
「あら、美晴ちゃん、来てくれたのね」
幸子さんが少しホッとしたように迎えてくれた。幸子さんは見るからに疲労の色が見える。俺でも何か役に立てそうなら来てよかった。
ツルさんの部屋に向かいながら律の姿を探す。車があったし、まさか出かけてるってことはないだろう。
廊下を歩いていると二階から下りてきた律と会うことができた。俺は唇に指を当ててしゃべらないように伝えると、洗面所のほうに律を引っぱった。
「……外に極楽リゾートのチーフマネージャーが来てる。この店のことを聞いてまわってるっぽい。俺も聞かれたから、もしかしたら知らずに来るお客さんとかにも迷惑かかるかも」
小声で一気にまくして律を見ると、真剣な表情でなにか考えているようだった。こういう表情の律は本当に格好いい。男ならみんな、こういう風に生まれたいと思うんじゃないだろうか。
「そいつは話の通じる人間か?」
「しゃべってるだけでイラつくタイプ。俺からしたらまとまじゃない」
「わかった」
帰りは送るから待っとけ、律はそういって表に出ていった。
経過も気になるし、用事がなければ帰ればいいや、と俺はいつも通り葛西商店へと向かった。
店は今日もシャッターを閉めたまままになっている。もしかして営業できないとか、そんな風になってるのか? と心配になってきた。
裏口へまわろうとしたときスーツ姿の男から声をかけられた。こいつ見覚えが――。
「この店の方ですか?」
忘れもしない。極楽リゾートのチーフマネージャーだ。当時、使い回しはこいつが指示を出しているようだった。通称「陰険ギツネ」。一体なにをしにきているのだろう。
「いえ、わたしはただのホームヘルパーです」
「こちらのお店の話をお聞きしたいのですが?」
「すみません。訪問先のことをお話しすることはできないんです」
このときは女装していてよかったと心から思った。それでも万が一バレたらまずいので、少しうつむき加減で早口にしゃべり、軽く頭を下げて逃げるように裏口に入った。
「おはようございます!」
「あら、美晴ちゃん、来てくれたのね」
幸子さんが少しホッとしたように迎えてくれた。幸子さんは見るからに疲労の色が見える。俺でも何か役に立てそうなら来てよかった。
ツルさんの部屋に向かいながら律の姿を探す。車があったし、まさか出かけてるってことはないだろう。
廊下を歩いていると二階から下りてきた律と会うことができた。俺は唇に指を当ててしゃべらないように伝えると、洗面所のほうに律を引っぱった。
「……外に極楽リゾートのチーフマネージャーが来てる。この店のことを聞いてまわってるっぽい。俺も聞かれたから、もしかしたら知らずに来るお客さんとかにも迷惑かかるかも」
小声で一気にまくして律を見ると、真剣な表情でなにか考えているようだった。こういう表情の律は本当に格好いい。男ならみんな、こういう風に生まれたいと思うんじゃないだろうか。
「そいつは話の通じる人間か?」
「しゃべってるだけでイラつくタイプ。俺からしたらまとまじゃない」
「わかった」
帰りは送るから待っとけ、律はそういって表に出ていった。
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