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Vegetablesー3ー
決戦 4
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「佐倉君、大丈夫かい?」
社長が心配そうに奥から出てきた。
「すみません社長、お騒がせしました」
俺が頭を下げると「いやいや、気にしなくていいよ」と社長はいつものように穏やかに笑ってくれた。
「あきちゃんすごいねー。あんな迫力美人とケンカしてるんだ。それもなんか三角関係みたいな?」
「拓……別に俺はケンカしたわけじゃ――」
あ、でもケンカ買ったのかも。一応これって勝ったのかな。
「なぁ、千章……おまえの相手ってさぁ――」
智の声に俺はギクッとなった。しまった。モロ名前出してたし、こいつは律とここで会ってるし――。
「あっ、と、智。その話はまた今度……ってな?」
智が俺のことをジーっと睨んでいる。
「おまえさ、ファミレスで俺の話聞いてるときも、これっぽっちもそんな素振り見せなかったよなぁ?」
「いや……だから……」
「俺、あんときむっちゃ心細かったんだぞ?」
「知るか! あのなぁ、俺はそこまでオープンにはなれねぇんだよ!」
「ってか、いろいろ聞かせろ!」
「――っ冗談! ふざけんな」
「いやマジで、先輩だろ?」
「絶対にいやだ!」
俺と智の攻防を拓だけがよくわからずに、ポカンと眺めていた。
「あのさぁ? さとちゃん、あきちゃん? なんか、ぼくだけ分かってないみたいなんだけど、説明してくんない?」
拓がおずおずと割り込んできた。
「智! 言うな!」
「おまえ、この期に及んでまだ隠すつもりかよ」
「当たり前だ!」
「大仰際がわりぃぞ」
「なんとでも言え! つうか……言うならせめて……俺がいないときにしてくれ……」
だんだん声が小さくなっていく。
「なに? 千章、おまえ恥ずかしいわけ?」
智が勝ち誇ったように突っついてくる。おまえらの鉄の心臓と一緒にするなよ――俺は繊細なんだ。
環が気の毒そうに俺を見ている。というか、そもそも環が最初に原因を作ったんだけどな。
そんな俺らの馬鹿騒ぎを社長がにこにこしながら見ていた。もしかして社長にも何気にばれてる?
木瀬悠理! おまえなんか――大っ嫌いだ!
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あ、でもケンカ買ったのかも。一応これって勝ったのかな。
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智が俺のことをジーっと睨んでいる。
「おまえさ、ファミレスで俺の話聞いてるときも、これっぽっちもそんな素振り見せなかったよなぁ?」
「いや……だから……」
「俺、あんときむっちゃ心細かったんだぞ?」
「知るか! あのなぁ、俺はそこまでオープンにはなれねぇんだよ!」
「ってか、いろいろ聞かせろ!」
「――っ冗談! ふざけんな」
「いやマジで、先輩だろ?」
「絶対にいやだ!」
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「あのさぁ? さとちゃん、あきちゃん? なんか、ぼくだけ分かってないみたいなんだけど、説明してくんない?」
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「智! 言うな!」
「おまえ、この期に及んでまだ隠すつもりかよ」
「当たり前だ!」
「大仰際がわりぃぞ」
「なんとでも言え! つうか……言うならせめて……俺がいないときにしてくれ……」
だんだん声が小さくなっていく。
「なに? 千章、おまえ恥ずかしいわけ?」
智が勝ち誇ったように突っついてくる。おまえらの鉄の心臓と一緒にするなよ――俺は繊細なんだ。
環が気の毒そうに俺を見ている。というか、そもそも環が最初に原因を作ったんだけどな。
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