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Vegetablesー3ー
happy end 3
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「つかれたー……」
俺はダンボールが置かれたフローリングに倒れこんだ。律に手伝ってもらったとは言え、何往復したんだろう。
律はというと、さすがに汗ばんでいるものの、涼しい顔でペットボトルの茶を飲んでいる。
「おい、さっさと片づけろ」
「ちょっと待ってくれ……ダンボールは明日開けるから」
「あのな、まだ三時だぞ。このくらい今日中に片づけろ」
そういって律はペットボトルを差し出してくる。容赦ねぇな……。俺は仕方なく起き上がって茶を飲んだ。
「家電とかは動かしてやるから置く場所言え」
「あ、一緒に運ぶって」
「むしろ邪魔」
「…………」
ひでぇ……。俺は仕方なく手近なダンボールを開けながら、テレビはそこ、冷蔵庫は――と指示だけ出すことにした。
もし律がいなかったら、部屋が片付くまで三日はかかったかも知れない。むしろ不自由がない範囲で片づけすら放棄したかも。
部屋はキッチンとダイニングで八畳、それに和室六畳と、一人で住むには微妙に広い。お陰で家具をすべて配置してもガラガラでいまいち落ち着かなかった。
「お、終わった……」
むちゃくちゃ疲れた――。なんだかんだ言って、結局一日で全部終わった。かなり律のお陰だ。
外はもう真っ暗になっている。
「おい、メシ行くぞ」
「律、頼むからちょっと休憩」
「おまえ休憩なんかしたら、そのまま寝るだろが」
いや、それだけ疲れてるんだけどな……。でも多分、律は究極に腹減ってるんだろうなぁ。俺は最後の気合で立ち上がった。
「マルイもう閉まるんじゃないか?」
時計を見るとすでに八時を過ぎようとしている。マルイの閉店時間は決まってなくて、客が途切れたら店を閉める。
「じゃあ、そこのスーパーでいい。とにかく腹減った」
結局、閉店間際のスーパーで値引きされた惣菜を買い込む。さすがの俺も今日は作る元気がない。
「おい、律、なにビールとか入れてんだよ」
「しっかり働いたんだから飲ませろ」
そうじゃなくて――おまえ、車で来てるのに。まぁ、送ってやればいいか。
俺はダンボールが置かれたフローリングに倒れこんだ。律に手伝ってもらったとは言え、何往復したんだろう。
律はというと、さすがに汗ばんでいるものの、涼しい顔でペットボトルの茶を飲んでいる。
「おい、さっさと片づけろ」
「ちょっと待ってくれ……ダンボールは明日開けるから」
「あのな、まだ三時だぞ。このくらい今日中に片づけろ」
そういって律はペットボトルを差し出してくる。容赦ねぇな……。俺は仕方なく起き上がって茶を飲んだ。
「家電とかは動かしてやるから置く場所言え」
「あ、一緒に運ぶって」
「むしろ邪魔」
「…………」
ひでぇ……。俺は仕方なく手近なダンボールを開けながら、テレビはそこ、冷蔵庫は――と指示だけ出すことにした。
もし律がいなかったら、部屋が片付くまで三日はかかったかも知れない。むしろ不自由がない範囲で片づけすら放棄したかも。
部屋はキッチンとダイニングで八畳、それに和室六畳と、一人で住むには微妙に広い。お陰で家具をすべて配置してもガラガラでいまいち落ち着かなかった。
「お、終わった……」
むちゃくちゃ疲れた――。なんだかんだ言って、結局一日で全部終わった。かなり律のお陰だ。
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「おい、メシ行くぞ」
「律、頼むからちょっと休憩」
「おまえ休憩なんかしたら、そのまま寝るだろが」
いや、それだけ疲れてるんだけどな……。でも多分、律は究極に腹減ってるんだろうなぁ。俺は最後の気合で立ち上がった。
「マルイもう閉まるんじゃないか?」
時計を見るとすでに八時を過ぎようとしている。マルイの閉店時間は決まってなくて、客が途切れたら店を閉める。
「じゃあ、そこのスーパーでいい。とにかく腹減った」
結局、閉店間際のスーパーで値引きされた惣菜を買い込む。さすがの俺も今日は作る元気がない。
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そうじゃなくて――おまえ、車で来てるのに。まぁ、送ってやればいいか。
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