118 / 160
Vegetables―スピンオフ―
あいつらの旅行 4
しおりを挟む
律の手が湯よりも熱を持ち始めたおれの中心へと下ろされる。強弱をつけて握られ身体に痺れが走る。
「千章――」
「……ふ……んんっ……」
意地悪く耳元で呼ぶ声に必死で唇を噛み締めた。今ヘタに口を開くととんでもない声が出てしまいそうだった。
「耳とかすげぇピンク色――コッチはどうなってんだ?」
背中から回された律の指が硬くなった胸の突起を摘まんだり転がしたりと遊んでいる。
もう温泉のせいだけじゃなく全身が熱い。
「っ律……やばいか・ら……なぁっ」
涙目になりながら必死に懇願するおれを律は面白そうに見下ろして――
「どうしたい?」
わざとらしいっ……。落ち着き払った声に腹が立つ。それでもおれの身体はすでにいっぱいいっぱいな訳で……。
「――部屋、戻るっ」
「せっかく来たばっかりなのにもったいない。もうちょっと浸かってけよ」
一転普段どおりの口調でしゃべる律は、それでも手は休むことなく湯の中で遊んでいる。
「やだってっもう――」
律の手を掴まえながら俯いて必死に訴える。きっと今、顔だって見られたら危険なレベルだと思う。温泉には他にも客が来てたはずだけど、おれはもう怖くて顔を上げることすらできずにいた。
「もっとシテ欲しいって言ってる場所もあるみたいだな?」
律の指が形状を硬く変化させたおれの部分部分を順になぞっていく。
「や……はっぁあっ……」
「ココも、ココも――いつもより硬い。興奮したか?」
「っ違っ……んっ」
「違う? へぇ?」
「っ……いい加減にっ!……って、ぁあっ――」
背中に回されていた律の腕が下へとおり、湯の中で座っているおれの後部へと触れた。そのまま持ち上げるかのように入り口をゆっくり揉み解している。
「さすがに水の中じゃキツイか――」
「ったりまえっ……ゃ、湯入るっ、て……変なカンジ――も、触んな……」
いくら滑りのあるお湯といっても真水には違いなく、侵入を試みる律の指先はキシキシとぎごちなく蠢いている。指で作られた隙間から入る温水がなんともいえず、おれは必死に目を瞑って抵抗した。
目を開けた先に律が見えてしまうと何かが崩壊してしまう気がしたから――。
「そんなイイ顔すんなよ。このまま襲いたくなるだろ」
おれの心情を見透かしてか律が囁く。
「っ……人いてる……」
「もういねぇよ」
「……うそっ――んっ……やっ何……!」
律の言葉に思わず顔を上げ、周囲を見渡した。さっきまでいた温泉客は見当たらない。
ホッと胸を撫で下ろした瞬間、脇を引き上げられ湯船から外へと出されてしまった。梅雨の合間の弱い光とはいえ、太陽の下にあらぬ姿を晒され羞恥に倒れそうになる。
慌てるおれを楽しそうに見下ろした律は、そのままおれを岩場の上におろしニヤリと笑ってみせた――。
「湯、汚しちまうからな」
言わんとすることは分かる。分かるけど――。
「ばっ……人来たらどうすんだよっ」
ばか、と言いかけて慌てて言葉を飲み込んだ。余計な一言をいって逆襲に合うのは目に見えてる。尻すぼみになったおれを無視して律がゆっくりと近づいてきた。
「へぇ……? こんななってたのか」
「っ見んなよ! って――ちょ、ちょっと待っ……!!」
座ったまま狼狽するおれの膝を押し開けながら律の手がのびてくる……。ってここ外っ……人とか入ってきたらどうするんだよ。
そんなことを思えば思うほど逆に全身が火照ってきてしまう。
「ほら、騒ぐと外に聞こえるかもな? どうせこのままじゃ出られねぇだろが」
「……っ」
「どうして欲しい?」
律は逃げようとするおれを拘束しつつ、完全に起立している俺自身に指を絡めながら耳元で問いかけてくる。
「何でもいいからっ……早くっ」
完全にやる気になってることが分かる律を止めるのは無理だ。だったらせめて早く済ませないとうっかり客でも入ってきたら――。
おれの身体は熱くなったり冷たくなったりを繰り返し妙な興奮を覚えてしまう。
「何でもいい、な? そこの岩んとこ手ついて」
「おい、ちょっと――?」
しまった――と気づいたときは遅かった。余計な一言には気をつけてたはずなのに。
「早く……なんだろ?」
「ッア――律、何つけて……」
後部に冷たい感触を覚え思わず腰が跳ねる。律に誘導され膝をついた姿勢のまま背後を振り向くとなんとも言えず楽しそうな律と目が合った。
「なんたらオイル。脱衣所にあったやつな。声、出すなよ?」
ってなんでそんなもん置いてるんだ――。
「千章――」
「……ふ……んんっ……」
意地悪く耳元で呼ぶ声に必死で唇を噛み締めた。今ヘタに口を開くととんでもない声が出てしまいそうだった。
「耳とかすげぇピンク色――コッチはどうなってんだ?」
背中から回された律の指が硬くなった胸の突起を摘まんだり転がしたりと遊んでいる。
もう温泉のせいだけじゃなく全身が熱い。
「っ律……やばいか・ら……なぁっ」
涙目になりながら必死に懇願するおれを律は面白そうに見下ろして――
「どうしたい?」
わざとらしいっ……。落ち着き払った声に腹が立つ。それでもおれの身体はすでにいっぱいいっぱいな訳で……。
「――部屋、戻るっ」
「せっかく来たばっかりなのにもったいない。もうちょっと浸かってけよ」
一転普段どおりの口調でしゃべる律は、それでも手は休むことなく湯の中で遊んでいる。
「やだってっもう――」
律の手を掴まえながら俯いて必死に訴える。きっと今、顔だって見られたら危険なレベルだと思う。温泉には他にも客が来てたはずだけど、おれはもう怖くて顔を上げることすらできずにいた。
「もっとシテ欲しいって言ってる場所もあるみたいだな?」
律の指が形状を硬く変化させたおれの部分部分を順になぞっていく。
「や……はっぁあっ……」
「ココも、ココも――いつもより硬い。興奮したか?」
「っ違っ……んっ」
「違う? へぇ?」
「っ……いい加減にっ!……って、ぁあっ――」
背中に回されていた律の腕が下へとおり、湯の中で座っているおれの後部へと触れた。そのまま持ち上げるかのように入り口をゆっくり揉み解している。
「さすがに水の中じゃキツイか――」
「ったりまえっ……ゃ、湯入るっ、て……変なカンジ――も、触んな……」
いくら滑りのあるお湯といっても真水には違いなく、侵入を試みる律の指先はキシキシとぎごちなく蠢いている。指で作られた隙間から入る温水がなんともいえず、おれは必死に目を瞑って抵抗した。
目を開けた先に律が見えてしまうと何かが崩壊してしまう気がしたから――。
「そんなイイ顔すんなよ。このまま襲いたくなるだろ」
おれの心情を見透かしてか律が囁く。
「っ……人いてる……」
「もういねぇよ」
「……うそっ――んっ……やっ何……!」
律の言葉に思わず顔を上げ、周囲を見渡した。さっきまでいた温泉客は見当たらない。
ホッと胸を撫で下ろした瞬間、脇を引き上げられ湯船から外へと出されてしまった。梅雨の合間の弱い光とはいえ、太陽の下にあらぬ姿を晒され羞恥に倒れそうになる。
慌てるおれを楽しそうに見下ろした律は、そのままおれを岩場の上におろしニヤリと笑ってみせた――。
「湯、汚しちまうからな」
言わんとすることは分かる。分かるけど――。
「ばっ……人来たらどうすんだよっ」
ばか、と言いかけて慌てて言葉を飲み込んだ。余計な一言をいって逆襲に合うのは目に見えてる。尻すぼみになったおれを無視して律がゆっくりと近づいてきた。
「へぇ……? こんななってたのか」
「っ見んなよ! って――ちょ、ちょっと待っ……!!」
座ったまま狼狽するおれの膝を押し開けながら律の手がのびてくる……。ってここ外っ……人とか入ってきたらどうするんだよ。
そんなことを思えば思うほど逆に全身が火照ってきてしまう。
「ほら、騒ぐと外に聞こえるかもな? どうせこのままじゃ出られねぇだろが」
「……っ」
「どうして欲しい?」
律は逃げようとするおれを拘束しつつ、完全に起立している俺自身に指を絡めながら耳元で問いかけてくる。
「何でもいいからっ……早くっ」
完全にやる気になってることが分かる律を止めるのは無理だ。だったらせめて早く済ませないとうっかり客でも入ってきたら――。
おれの身体は熱くなったり冷たくなったりを繰り返し妙な興奮を覚えてしまう。
「何でもいい、な? そこの岩んとこ手ついて」
「おい、ちょっと――?」
しまった――と気づいたときは遅かった。余計な一言には気をつけてたはずなのに。
「早く……なんだろ?」
「ッア――律、何つけて……」
後部に冷たい感触を覚え思わず腰が跳ねる。律に誘導され膝をついた姿勢のまま背後を振り向くとなんとも言えず楽しそうな律と目が合った。
「なんたらオイル。脱衣所にあったやつな。声、出すなよ?」
ってなんでそんなもん置いてるんだ――。
0
あなたにおすすめの小説
塾の先生を舐めてはいけません(性的な意味で)
ベータヴィレッジ 現実沈殿村落
BL
個別指導塾で講師のアルバイトを始めたが、妙にスキンシップ多めで懐いてくる生徒がいた。
そしてやがてその生徒の行為はエスカレートし、ついに一線を超えてくる――。
男子高校に入学したらハーレムでした!
はやしかわともえ
BL
閲覧ありがとうございます。
ゆっくり書いていきます。
毎日19時更新です。
よろしくお願い致します。
2022.04.28
お気に入り、栞ありがとうございます。
とても励みになります。
引き続き宜しくお願いします。
2022.05.01
近々番外編SSをあげます。
よければ覗いてみてください。
2022.05.10
お気に入りしてくれてる方、閲覧くださってる方、ありがとうございます。
精一杯書いていきます。
2022.05.15
閲覧、お気に入り、ありがとうございます。
読んでいただけてとても嬉しいです。
近々番外編をあげます。
良ければ覗いてみてください。
2022.05.28
今日で完結です。閲覧、お気に入り本当にありがとうございました。
次作も頑張って書きます。
よろしくおねがいします。
陰キャな俺、人気者の幼馴染に溺愛されてます。
陽七 葵
BL
主人公である佐倉 晴翔(さくら はると)は、顔がコンプレックスで、何をやらせてもダメダメな高校二年生。前髪で顔を隠し、目立たず平穏な高校ライフを望んでいる。
しかし、そんな晴翔の平穏な生活を脅かすのはこの男。幼馴染の葉山 蓮(はやま れん)。
蓮は、イケメンな上に人当たりも良く、勉強、スポーツ何でも出来る学校一の人気者。蓮と一緒にいれば、自ずと目立つ。
だから、晴翔は学校では極力蓮に近付きたくないのだが、避けているはずの蓮が晴翔にベッタリ構ってくる。
そして、ひょんなことから『恋人のフリ』を始める二人。
そこから物語は始まるのだが——。
実はこの二人、最初から両想いだったのにそれを拗らせまくり。蓮に新たな恋敵も現れ、蓮の執着心は過剰なモノへと変わっていく。
素直になれない主人公と人気者な幼馴染の恋の物語。どうぞお楽しみ下さい♪
男子寮のベットの軋む音
なる
BL
ある大学に男子寮が存在した。
そこでは、思春期の男達が住んでおり先輩と後輩からなる相部屋制度。
ある一室からは夜な夜なベットの軋む音が聞こえる。
女子禁制の禁断の場所。
鬼上司と秘密の同居
なの
BL
恋人に裏切られ弱っていた会社員の小沢 海斗(おざわ かいと)25歳
幼馴染の悠人に助けられ馴染みのBARへ…
そのまま酔い潰れて目が覚めたら鬼上司と呼ばれている浅井 透(あさい とおる)32歳の部屋にいた…
いったい?…どうして?…こうなった?
「お前は俺のそばに居ろ。黙って愛されてればいい」
スパダリ、イケメン鬼上司×裏切られた傷心海斗は幸せを掴むことができるのか…
性描写には※を付けております。
身体検査
RIKUTO
BL
次世代優生保護法。この世界の日本は、最適な遺伝子を残し、日本民族の優秀さを維持するとの目的で、
選ばれた青少年たちの体を徹底的に検査する。厳正な検査だというが、異常なほどに性器と排泄器の検査をするのである。それに選ばれたとある少年の全記録。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる