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Vegetables―スピンオフ―
Trick or Treat! 3
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「――ふ――ゃあっ……も、やめ――」
息も途切れ途切れの懇願は更なる追い打ちに変わった。硬くした身体の隙間に律の手が割り込んでくる。
全身は汗ばんで抵抗する手指もツルツルと滑ってしまう。
「ひぁ――! もう無理――! 律!」
背後から抱きすくめられ、がっちりホールドされたおれの全身を容赦なく律の手が攻めていく。
息が上がって言葉がまともに出てこない。
「いい……加減に……!」
いい加減にしろ! そう蹴り上げた足を簡単に捕まえられ――。
「ぅわ……や――やだって、ソレ……!」
律の指先は足裏の敏感な部分に、字を書くかのような動きを見せる。必死に身体を捻って逃れようとしても、足首をしっかりと握った律の手はビクともしない。
「イタズラはくすぐり……だったよな?」
ニヤニヤと見下ろす律が憎らしい。涙目のままに睨みつけてみたものの、明らかに効果はなさそうだ――というか逆効果……。
「ごめん! 悪かったし――」
苦し紛れに謝るおれに律が吹き出す。
「千章、おまえ何謝ってんだ」
「何ってないけど、とにかく謝る! 謝るからもう止めろ」
悔しいけど敵わないし、これ以上は正直、身体がもたない。必死なおれに律が爆笑寸前といった体だ。
「イタズラをやめさせたきゃ、菓子がいるんだぞ?」
律の身体が今までとは違う、ゆったりとした動きでおれの上に覆いかぶさる。
「だから――ないって」
今にもくっつきそうなほど接近した律に、困ったように繰り返す。こんなことならカボチャでなんか菓子を作っとくべきだったか?
「あるだろ――?」
律の手が首筋にそっと触れ、耳の後ろをなぞり上げる。くすぐってただけとはいえ、全身を触られたあとの蒸気した肌にその指が触れるとぞくりとする。
「俺の好物――食わせないつもりか?」
って――ちょっと待て……!
「菓子って――おれかよ!?」
いや、普通気づかないだろ。気づいたとしても自分で自分を菓子だとか、そんな恥ずかしいこと言えるわけもない。
「食わせないならイタズラ継続だな」
今度はエロいイタズラな? ――律が耳元で囁いた。
おれが答えを返す前に、律の手は服の裾から侵入している。
「ちょ――それってどっち選んでも一緒じゃん!」
律の手を慌てて押し返そうとするも、当然ながら手遅れだ。
しばらく焦ってたものの、ふっと力を抜いた。フローリングに身体を投げ出す。
「おい――」
不満そうに見下ろす律に笑いかける。
「ご褒美の菓子を食うのと、イタズラで食うの――」
律の頬を両手で挟んで引き寄せる。
「――どっちのほうが甘い――?」
語尾は重なった唇に吸い込まれていった――。
Happy Halloween?
<完>
息も途切れ途切れの懇願は更なる追い打ちに変わった。硬くした身体の隙間に律の手が割り込んでくる。
全身は汗ばんで抵抗する手指もツルツルと滑ってしまう。
「ひぁ――! もう無理――! 律!」
背後から抱きすくめられ、がっちりホールドされたおれの全身を容赦なく律の手が攻めていく。
息が上がって言葉がまともに出てこない。
「いい……加減に……!」
いい加減にしろ! そう蹴り上げた足を簡単に捕まえられ――。
「ぅわ……や――やだって、ソレ……!」
律の指先は足裏の敏感な部分に、字を書くかのような動きを見せる。必死に身体を捻って逃れようとしても、足首をしっかりと握った律の手はビクともしない。
「イタズラはくすぐり……だったよな?」
ニヤニヤと見下ろす律が憎らしい。涙目のままに睨みつけてみたものの、明らかに効果はなさそうだ――というか逆効果……。
「ごめん! 悪かったし――」
苦し紛れに謝るおれに律が吹き出す。
「千章、おまえ何謝ってんだ」
「何ってないけど、とにかく謝る! 謝るからもう止めろ」
悔しいけど敵わないし、これ以上は正直、身体がもたない。必死なおれに律が爆笑寸前といった体だ。
「イタズラをやめさせたきゃ、菓子がいるんだぞ?」
律の身体が今までとは違う、ゆったりとした動きでおれの上に覆いかぶさる。
「だから――ないって」
今にもくっつきそうなほど接近した律に、困ったように繰り返す。こんなことならカボチャでなんか菓子を作っとくべきだったか?
「あるだろ――?」
律の手が首筋にそっと触れ、耳の後ろをなぞり上げる。くすぐってただけとはいえ、全身を触られたあとの蒸気した肌にその指が触れるとぞくりとする。
「俺の好物――食わせないつもりか?」
って――ちょっと待て……!
「菓子って――おれかよ!?」
いや、普通気づかないだろ。気づいたとしても自分で自分を菓子だとか、そんな恥ずかしいこと言えるわけもない。
「食わせないならイタズラ継続だな」
今度はエロいイタズラな? ――律が耳元で囁いた。
おれが答えを返す前に、律の手は服の裾から侵入している。
「ちょ――それってどっち選んでも一緒じゃん!」
律の手を慌てて押し返そうとするも、当然ながら手遅れだ。
しばらく焦ってたものの、ふっと力を抜いた。フローリングに身体を投げ出す。
「おい――」
不満そうに見下ろす律に笑いかける。
「ご褒美の菓子を食うのと、イタズラで食うの――」
律の頬を両手で挟んで引き寄せる。
「――どっちのほうが甘い――?」
語尾は重なった唇に吸い込まれていった――。
Happy Halloween?
<完>
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