不遇スキル「わらしべ長者」で殺せぬ勇者 〜魔力ゼロでも無双します〜

カジキカジキ

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学園生活2

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 リバーシ効果は凄かった、ロイは気に入って何度もゲームに誘われたし、コンドール商会に新規の注文もしているらしい。ロイの周りの取り巻きも、ゲームであれロイと接する事ができるとあって好意的だ。

 そうして王立学園に入ってからあっという間に三ヶ月が過ぎた、リバーシを渡した効果なのか、もう随分とロイやその取り巻きの貴族の子女とも話せるようになったのだけれど、唯一ゆいいつ話せていないのが侯爵令嬢のアニータさんだ。

 最初の自己紹介の時に助けて貰い、そのお礼もちゃんとしたつもりなんだけど。あれ以来、話しをする事が出来ていない。席も離れて座るようになったし、本当にあれは何だったんだろう?

 そして間も無く学園が冬休みに入る。その前にテストがあるのだけれど、寮生達は久しぶりに家に帰れるとあってソワソワしている感じだ。

 僕も、コンドール商会のエマさんに、必ず戻るようにと言われていた。

「アベルはまた今度も一番かな」

 食堂で、何時ものメンバーと話していると。

「今度は、そうはいかなくてよアベル」

 そう言って現れたのは、ずっと話せていなかったアニータさんだった。

「アニータさ……アニータ。久しぶり、やっと話せたね、嬉しいよ」

 僕が、アニータさんと話せた事を喜ぶと。アニータさんは顔を真っ赤にして横を向いた。

「学年で一番は私の定位置なの、申し訳ないですが今回は取り戻させて頂きますわ」

 どうやら宣戦布告をしにきたみたい。

「ぼくも精一杯頑張るよ、アニータも頑張ってね」

 そう言うと、アニータさんは真っ赤な顔をしたまま、食堂から出て行ってしまった。

「アベルは、何と言うか」

「アベルよね」

 アンネもアルフ先輩も何言ってるの?

 授業が終わり、寮の部屋へ戻ると今日は終わり、ではなくテストの為の勉強が待っている。

 アニータさんからも励まされた? ので、今回も精一杯頑張ります(主にイヅミが)

(アベルも勉強するにゃ。知識を増やせば、もっと役に立つにゃ)

(はいはい、分かってます)

 教室で授業を受けて、さらに寮に戻ってからもテスト勉強と言う日を数日続けて。

 迎えたテスト期間も問題なくやり遂げた僕は、テストの結果を確認してからコンドール商会に戻る事になっていた。

「二人は今回の出来はどうだったの?」

 今日もアンネとアルフ先輩が一緒だ、二人は何時も一緒にいるけど本当に仲良しなんだな。

「僕は、今回は自信があるよ。なんせアベルに勉強を見て貰ったからね」

「それズルい、私も一緒に勉強したかったな。ねぇ、次のテストの時は何処かで三人で一緒に勉強しましょうよ」

「そうだね、それが出来ると楽しいね」

 そうやって話しをしていると、テストの順位が貼り出された場所へと到着した。相変わらず人がたくさん集まっている。

「さて、今回のアベルの順位は……」

「アベルさん!! 次こそは負けません事よ!」

 目を真っ赤に染めハンカチを握りしめたアニータさんが、それだけを言うと立ち去った。

「今回も一番はアベルか……」

「見る前に結果が分かっちゃったね」

 二人の結果も見ようと、取り敢えず貼り出された紙を確かめる。

「やった、上がってる!」

「私も、少しだけ上がったわ」

 二人も頑張っていたようだ。

 テストの結果が良くて、二人とも両親に自慢が出来ると笑顔で帰って行った。

 そして、ふと思ったのだけれど。それまでずっと一番を取っていたアニータさんは親から何て言われるのだろう。あんなに目を真っ赤に腫らせていたのだ、相当に悔しいのもあるのだろうけれど親からも厳しく言われるのだろうか?

 そんな心配をしていると。

「アニータの事は心配するな、俺がフォローしておくよ」

 横を見ると、いつの間にかロイが立っていた。

「ロイ、僕には貴族の役目とか分からないから、アニータさんの事よろしく頼むね。でロイの方は大丈夫なの?」

「俺か? 俺は、いつもの事だから大丈夫だ」

 何が大丈夫なのか分からないけれど、ロイがそう言うのならと、アニータさんの事は任せて僕もコンドール商会へと帰った。





「と、言う事がありました」

 コンドール商会に帰ると。何とそこにはコンドールさんも帰って来て僕を迎えてくれていた。

 何も聞いていなかったから本当にビックリしたよ。そして、久しぶりに知ってる人に会えてとても嬉しかった。

 ただ、顔を見て早々に「リバーシの件なんだが」と神妙な顔で言われてビックリしたよ。何でもロイに渡したリバーシが王様にも好評で、王様と王妃様、それに第一王子と第二王子の分まで頼まれたんだって。

 なので、市井に売り出すのは王家への献上が全て終わってからだと言われてしまったよ。今は、どんなデザインが良いのか聞いているのと、マッターホルンさんの所でも最高級の材料集めに走り回っている最中みたい。

 僕はもう自分用を手に入れているので気にしないけれど、既にコンドール商会に色々な所から注文が入っているみたいで、その対応にも追われていると言っていた。

「第三王子に、フォンテンバッハ侯爵家の次女アニータ嬢。それに、寮長と言うアルフも男爵家の嫡男で、アンネと言うのもあのマッターホルン材木商の娘さんだろ? やっぱり王立学園だと知り合う友人も凄いな」

「そんな事よりアナタ、アベル君の学年一位をお祝いしないと。アベル君も、たくさん用意したからお腹いっぱい食べてね」

 そう言われて、僕は久しぶりに優しい雰囲気に囲まれて美味しい食事を楽しみました。

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