外れスキル『瑕疵(バグ)』はチートスキルでした ~幼馴染のパーティを追放された俺は、スキルを駆使して復讐する~

夢咲 天音

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一話完結

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 幼馴染の魔剣士アレス、獣人の戦士ミーナ、エルフの魔法使いレイラと共にダンジョンを攻略している俺は、モンスターとの戦闘後に眩い光に包まれた。

「ついに……俺もスキルに目覚めたんだ!!」

 戦闘後に極稀な確率で付与されるスキルではあるが、パーティを組み高ランクを目指すうえで、それは必要不可欠なもの。

「よかったなユーリ!」

 幼馴染の魔剣士アレスは俺にそう言って、赤い髪の毛を触りながら微笑んだ。

「これでミーナたちもAランクに一歩近づいたのニャ!」

 猫耳をぴくりと動かし、獣人の戦士ミーナは喜びながら言った。

「これで全員スキル覚醒したわね」

 エルフの魔法使いレイラも俺を見つめてそう言い、小さく拍手をした。

 アレスは『終焉の業火』というAクラスの攻撃スキル、ミーナは『合金の鉤爪』というBクラスの攻撃スキル、レイラは『加護の福音』という、Aクラスの回復や防御系の補助スキルに目覚めている。
 どれも実戦に役立つ有能なスキルばかりだ。

「ユーリ、覚醒したスキルを見せてくれよ!」

 アレスは自分の事のように嬉しそうに言い、俺はそれに頷きステータスウインドーを表示した。
 思えば、なかなかレベルも上がらなくて、パーティの皆に迷惑をかけていたな……。
 これで俺も皆の役に立つことができる!

 今はBランクパーティの俺たちだけど、Aランクに昇格して功績を挙げ、いずれは勇者パーティと呼ばれるようになるんだと夢見ていた……はずなのだが。

 表示を見た全員が言葉を失い、ダンジョンが静寂に包まれた。

 俺のステータスは何故かレベル1。魔力も攻撃力も防御力も……表示されている全ての数値が1になってしまった。
 積み上げてきたレベルも何もかもが……。
 駆け出しのFランク冒険者以下のステータス。例えるなら5歳児程度の力しかないのだ。

 そして、肝心のスキルの欄には『瑕疵バグ』Fクラスと表示されていた。
 スキルの下の備考欄には『???』としか書かれていない。

 俺はショックを隠しきれず、崩れるように項垂れた。
 気まずい空気が辺りを包み込んだが、それを振り払うかのようにアレスがコホンと咳払いをして口を開いた。

「お前、今日限りでクビな」
「パーティのお荷物がいなくなって清々するニャ」
「私達に相応しいメンバーが必要ね」

 俺に投げかけられた言葉は、残酷な現実を突きつけるには十分過ぎた。
 ステータス開示をして覚醒したスキルを見た途端に、3人は憐れみる目で俺を見つめ、手のひらを返して冷たくなってしまった。
 いや、今までスキルが覚醒していない事もあり、ランク昇格の足枷となっていた俺に対して蓄積した苛立ちや鬱憤が爆発したのだろう。
 こんな能力だと無理もない……か。

 俺は自らの不幸を呪うかのように、深くため息を吐こうとしたのだが、その時地面が大きく揺れた。

「おっと!? こりゃ、大物が来そうだな!!」

 アレスはニヤリと口を歪めて剣を構え、スキル『終焉の業火』によって剣の刃に炎が広がった。
 それに併せてミーナは茶髪の髪を逆立て、レイラも青い長髪を靡かせながら戦闘態勢に入ったのだが、その大物が視界に入った途端に俺以外の3人の表情が強ばる。
 そして先程までの余裕の表情は完全に無くなり、ジリジリと後ずさりを始めた。

「あれは……ケルベロス!?」

 レイラが目を見開きそう言った。

「ケルベロスって、討伐ランクAじゃなかったかニャ!?」

 ミーナも驚き声を上げた。

「今の俺達には危険すぎる。 一旦撤退だ!!」

 Aクラスのスキルを持っていたとしても、総合的な能力でBランク程度のパーティだと判断された俺たちにできるのは逃げることだけ。
 今居るここは、ダンジョンの中でも比較的階層が浅いところなので、脱出できる可能性が高い。
 ちなみに、その浅い階層に討伐ランクAのモンスターが出現する事が極稀だ。

 一時撤退は、現状で無駄な犠牲を避けるため、パーティの安全を考えたアレスの即断だった。
 その一声で俺たちは来た道を引き返すために走り出したのだが、ケルベロスはそれを上回る速さで追いかけてきた。
 ジリジリとケルベロスとの差が詰まり始めたその時、レイラが走りながら魔法陣を展開した。
 おそらく妨害魔法を使い、ケルベロスの足止めをするのだろう。

過重力の衣グラヴィスト・ウェア

 しかし、予想は見事に外れて、レイラの唱えた魔法の閃光が俺を包んだ。

「えっ!?」

 重りを巻きつけているかのように急に身体が重たくなり、俺は走る事ができずに思わず地面に膝をついた。

「悪く思わないでね。 私たちが助かるためにはこうするしかないのよ」
「レイラ! よくやった!! じゃあな雑魚ユーリ」
「あとは頼んだのニャ!!」

 3人はそう言って走り去っていった。

「裏切られたのか……」

 俺は瞬間的に今の状況を理解し悟った。
 使えないメンバーは切り捨てる。だからといって、追放すればパーティの印象は悪くなるし、殺してしまえばギルドに処分されてしまうだろう。
 それなら、ダンジョン内で魔物に襲われてしまえば事故死としてギルドに報告できる。
 自らパーティを抜ける気の無い俺を、強制的に追放させる手段だ。

 アレス達はいつからこうするつもりだったのだろう……。さっきのおめでとうって言葉は何だったんだ?
 スキルを知ってからの反応といい、俺を犠牲にするのは咄嗟の判断には思えなかった。まるで計画していたかのように……。
 小さな頃から勇者と呼ばれるくらい凄いパーティになろうと、アレス達と話していた思い出が、走馬灯のように駆け巡ってゆく。

「ウガァァァァァァァァァ!!!!」

 ケルベロスが咆哮を上げて、俺の身体に大きく鋭い爪を振り下ろす。
 痛いというよりは熱い。そんな感覚に包まれたまま、俺の視界は徐々に暗くなってゆき、意識は遠のいた。

──────
────
──

 筈なのだが、気が付くと俺はギルドの建物の前に立っていた。
 ケルベロスに遭遇してパーティに裏切られた記憶があるのに、どうしてこんなところにいるのだろう。
 不思議なことに身体には爪で裂かれた痛みも傷も見当たらない。

 今の状況に混乱しつつ記憶を整理するために、俺は人気の無い路地裏に入り込んでステータスを確認した。

「……!! なんだよこれ!?」

 俺は目を見開きながら声を漏らした。

 覚醒した時にはFクラスの外れスキルが記載されていた欄に、今は『瑕疵バグ』S+クラスと記載されている。

 そして、レベルは9999。
 魔力、攻撃力、防御力、素早さ、その他全てのステータスが9999となっていたのだ。
 これは夢なのだろうか……。ギルドの認定しているAランクのパーティのレベルが60前後。
 覚醒前の俺は37、アレス達に至っては40から50程だったのに。
 Aランクのパーティの160倍超のレベル……。そう考えると口元が自然と緩んでしまう。

「ねえ、貴方は何者なの?」

 不意に声をかけられ、俺は驚きながら声のする方を見た。
 すると、視線の先には金髪サイドテールの可愛らしい小柄な少女が、腕組みをして立っていたのだ。

「俺は……って、いきなり名乗るわけないだろ? 先にアンタが名乗ってくれよ」
「私を知らないなんてどこの田舎者よ。 まあいいわ、特別に自己紹介してあげるわ」
「あぁ……」

 えらく上からモノを言う少女だと思いつつ、俺は適当に相槌を打つ。
 少女は俺と目を合わせると、ニコっと笑みを浮かべて口を開いた。

「私はこの国の第二王女、ミーシャよ」
「へぇー王女ね。 ……って、王女!?」

 俺は驚いて声が裏返ってしまった。
 それを見てミーシャは、凄いでしょと言わんばかりに、腕を組んだまま小ぶりな胸を張った。

「今度は貴方が名乗る番よ」

 ミーシャはそう言って、ジーッと俺を見つめている。

「俺は──」
「ユーリね」
「言わせろよ!!」

 ミーシャが俺の名前を言い当てたので、思わずツッコミを入れた。
 それより、何故俺の名前を知っていたんだ?

「鑑定スキルって便利なのよねー」

 心を読んだのかと思ってしまう言葉をミーシャは呟き、俺を見つめた。
 ギルドで素材を鑑定する職員から聞いた事があるが、鑑定スキルは確かSクラスだったよな。
 あまりに持っている人がいなくて、重宝されるとか何とか……。
 極希に覚醒するスキルのなかで、さらに極稀なSクラス。

「それで俺の名前も分かったんだな?」
「正解、その通りよ」

 そう言ってミーシャはフフフと笑ったが、すぐに真顔になり口を開く。

「それにしても……ユーリ、貴方とんでもないスキルを持ってるのね」
瑕疵バグのことか?」
「そうよ、そんなスキル見たことも聞いた事もないもの」

 確かにミーシャの言う通り、聞いた事ないな。

「だよな。 しかもFクラスのスキルだったのに、S+クラスに変化してるし──」
「ええ!! クラスが変わったの!? ありえないわよ、そんなの!!」

 俺の言葉を遮るようにミーシャは反応して声を上げた

「ありえないって言われてもな──」
「──マジで傑作だったよな!!」
「──ウケるニャー」

 俺が話していると、聞き覚えのある声が表の方から聞こえたので、見つからないようにミーシャの手を引き路地のさらに奥へ隠れた。

「ちょっと! 何よ急に!」

 ミーシャは頬を少し赤らめながら俺を見つめた。
 怒っている感じではなさそうなので安心だ。

「悪いんだけど、少しだけ静かにしていてくれ」

 俺が小声でそう呟き、表の様子を伺っているのに気付いたのか、ミーシャはコクリと小さく頷いた。
 その時俺の脳内に直接声が響き渡る。

『盗聴スキルを習得しました』
『情報共有スキルを習得しました』

 路地から離れているのに、聞きたい声が目の前で話しているかのように聞き取れる。
 隣にいるミーシャも同じ感覚になったのか、俺を見つめて目をパチパチさせている。
 ステータスを表示して確認すると──

 相変わらず『瑕疵バグ』S+クラスと書かれているのだが、その下の備考欄に『盗聴スキル付与』と『情報共有スキル付与』が追加されていた。

「新しいスキルが増えたのか……」
「この状況で2つもスキルが追加されるなんて……」

 ステータスを一緒に見ていたミーシャも驚きながら小声で呟いた。
 俺もミーシャに同意して頷くと、気を取り直して表の会話に聞き耳を立てた。

「ケルベロスが出てきてくれたおかげニャー」
「邪魔で雑魚なユーリが死んでくれたおかげでが入った事だし、今日は祝い酒にするか!!」
「いいわね、賛成だわ」
「まあ、幼馴染ってだけでアイツをパーティに入れたのは俺の優しさ? ってか黒歴史だな! ガハハハハ!!」

 そう言ってアレスは下品に笑う。

「黒歴史を忘れるくらい飲んで楽しむニャ!!」
「そういえば……裏切られたって絶望に満ちたアイツの表情、最高に面白かったわよね」

 アレスの両腕にミーナとレイラが抱きつき、3人は笑いながら酒場へ入っていった。
 ダンジョン内でクエスト遂行中にパーティのメンバーが死亡した場合、ギルドに報告すると、残りのパーティにその見舞金が支払われるのだが……それをこんな風に使うのか。
 アレス達が死んだと思っている俺は、何故か元気に生きている。
 そしてここで、3人が楽しく話している内容をしっかりと聞くことになるとは、何とも複雑な気持ちだ。
 そもそも、仲間だと思っていたのは俺だけだったのか。
 俺は悔しさから思わず歯を食いしばり、奥歯がギリギリ音を立て、強く拳を握る手が震えた。
 ミーシャは心配そうに俺を見て口を開いた。

「ねえ、今の話に出てきたユーリってまさか……」
「ミーシャ、信じられないかもしれないけど、俺はケルベロスに殺されたはずなんだ。 だが、どうやら……とんでもないステータスになったうえで、ここに戻ってきたみたいなんだ」

 ミーシャは今の会話と俺の態度で勘づいたようだ。
 ありのままの事実だが、理解できるような内容ではないのは承知の上。
 だけど、俺は裏切られて殺されるまでの出来事を全てミーシャに話した。
 ミーシャは何も言わずに時々頷いて相槌を打ち、話し終えると俺をそっと抱きしめてくれた。
 裏切られて傷ついた時に優しくするのは反則だろう。
 だけど、その優しさのおかげで、少しだけ冷静さを取り戻すことができた。

「……ありがとう。 ところで、ミーシャは王女なんだろ? もしも、俺に抱きついてるところを誰かに見られたら、立場的にマズいんじゃないか?」
「……それもそうね」

 俺の言葉に諭されて、ミーシャは抱きつくのを止めた。

「ねえ、ユーリ……」
「どうした?」
「3人に復讐するつもり?」

 ミーシャの問いかけに、俺は黙り込んだ。

「もし復讐するのなら、私も力を貸すわ。 何だかユーリが可哀想だもの」
「……気持ちだけ受け取っとくよ。 俺は自分の手でアイツ等に復讐するから」
「……そっか」

 ミーシャはそう言って、俺の手をギュッと握った。

「どうしたんだ?」
「私もユーリについて行くわ」
「ついて行くって、王女なら王族の務めがあるんじゃないのか? 俺に構ってて──」
「いいの! ユーリの復讐が終わってからでも、どうにかなるわ」

 俺の言葉を遮り、真っ直ぐにこちらを見つめてミーシャは言った。
 そこまで言われると断るわけにはいかないか。

「わかった」
「ありがとう、ユーリ」

 そう言うと、ミーシャは俺に満面の笑みを見せたのだった。

「さて……どう復讐してやろうかな」
「それなら、私にいい案があるんだけど?」

 ミーシャは俺の耳元で名案を囁く。

「なるほど、それは面白そうだな」

 俺はミーシャの名案にクックックと笑みを浮かべた。
 そして、ミーシャと共に行動に移るため、裏路地を出発して酒場に向かった。

──────
────
──

「新しいメンバーはどうするかなー」
「Aランクになるには、強い人が必要ニャー」
「私達と同程度に強い人を勧誘してみるべきだわ」

 酒場ではアレス達が今後の方針を話し合っているようだ。
 俺は建物の外から、その酒に酔って浮かれた口調の会話を聞いていた。
 もちろん先ほど習得した『盗聴スキル』と『情報共有スキル』を使っているのだが。
 ミーシャも俺の『情報共有スキル』を通してアレス達の会話を聞き、頃合いを見て酒場に入っていった。

「いらっしゃい!! ……って、これは王女様!!」

 店主はカウンターを飛び越えて、ミーシャの手前で膝をつき頭を下げる。
 ミーシャはアレス達の元へ歩いてゆく。

「そこの者達!」

 ミーシャはアレス達を見渡し睨めつけながら、鋭く声を発した。

「あぁん? って、王女様!?」
「ふにゃ!? 何でミーナ達のところに!?」
「お初にお目にかかります」

 3人はミーシャに対して素早く跪き、頭を下げた。

「突然ですまないが、お前達に聞きたいことがある。 ……良いか?」
「なんでしょうか」

 ミーシャの問いに、いち早くレイラが返事をした。

「ユーリという冒険者を探している。 些細な情報でも構わないのだが、何か知らないか?」

 ミーシャの言葉に3人の顔色は悪くなってゆく。

「ユ……ユーリと言いましても、そのような名前の冒険者は何人も居るでしょうから、私たちには……」

 レイラは知らないと言いたそうな表情で答えた。

「アレス様、あのお荷物の事言わないのかニャ?」
「言わない方がいいだろう。 王女相手だ、無難にやり過ごすんだ」
「分かったニャ」

 アレスとミーナが小声で話し合っているのも、俺とミーシャにはしっかり聞こえていたが、あえて気づかないふりをした。

「知らないのならよい。 突然の押しかけで申し訳ない」

 ミーシャはそう言って一礼すると踵を返した。
 そして、歩み始めるとアレス達は安堵のため息を漏らした。

「そういえば──」

 ミーシャがそう言ってアレス達の方を振り返った。

「「「はいっ」」」

 3人が同時に返事をする。

「お前たちは3人でパーティを組んでいるのか?」
「さすがは王女様、よくお気付きで……」

 ミーシャの問いに間髪入れずにレイラが答えた。
 通常ギルドに登録されるパーティは4人で構成される。
 今の3人で居る状況をミーシャは聞き出す。

「もう1人居たのですが、ひと月程前にダンジョンを攻略中に、突然現れた魔物から私達を庇って命を落としたのです」

 レイラは主演女優賞レベルの演技で涙を見せつつミーシャに話した。

「それはさぞ辛かったろうな……」

 レイラの言葉が嘘だと知りつつ、ミーシャも彼女以上の演技で言葉を返した。

「お前達がよければ……なのだが、Aクラス並の実力者を1人だけなら用意できそうなのだ……」
「え、Aクラス並!?」

 レイラは驚きの表情で声を発して、ミーシャを見つめた。
 一方のアレスとミーナは頭を下げたままニヤリと笑っていた。

「興味があるのなら、明日の夜に街から出て門の横でまっているのだな」
「承知しました」

 ミーシャはそう言って酒場を後にした。

──────
────
──

 酒場を出たミーシャと俺は、路地裏で再び合流した。

「おかえり、ミーシャ」
「ただいま! ユーリ、アイツ等粛清してもいい?」
「どうしたんだ、急に?」
「王女として、国のゴミ掃除をしようかなって思ったの」

 ミーシャの口元は笑っているが、目は微塵も笑っていなかった。

「復讐は俺がやるから、アレス達なんかのためにミーシャの手は汚させないよ」
「……そっか、わかったわ」
「今の話の流れだと、明日の夜に街の外へ出て決着をつければいいのかな?」
「まあ、そうなるわね。 それと、街の外なら少しくらい派手に暴れても大丈夫よ」

 俺の問いかけに答えたミーシャは、今度は少しだけ微笑んだ。

「その前に準備をするから、ミーシャ……付き合ってくれるか?」
「いいわよ。 私まで久しぶりにワクワクしてきたわ!」
「それなら、王族の特権でダンジョンの探索許可を貰いたい」

 国が管理するダンジョンはギルドで探索許可を得て行動する事になっている。
 それは、ギルドが管理業務を委託されているからなのだ。とはいえ、王族にも探索許可を出すくらいの権限は十分にあるのだ。

 ギルドでは死んだ扱いの俺が、自ら探索許可を貰いに行くのは非常に面倒な事になりそうだ。
 だからミーシャの権限でギルドを通すことなく探索許可を貰うのだ。

「そのくらい、全然構わないわ」

 ミーシャはそう言って小さな魔法陣を浮かべる。
 すると探索許可証がミーシャの手元に出現し、サインを書いてあっという間に発行してくれたのだ。
 俺は探索許可証を受け取ると、ミーシャと共にアレス達に裏切られたダンジョンに向かった。


──────
────
──

 俺とミーシャはダンジョンの入口で衛兵に探索許可証を提示する。

「これは王女様、失礼いたしました。 どうぞお通りください」

 衛兵は跪き頭を下げて、俺とミーシャを中へ通してくれた。
 ちなみに俺の探索許可証には、ミーシャの護衛という内容の文章が記載されている。

 ダンジョンの中を少し進むと、正面からゴブリンが現れた。
 パーティを組んでいた時には皆の力の強さで簡単に倒せていたが、当時ソロで戦うと苦戦を強いられていたかもしれない相手だ。
 討伐ランクDのゴブリンだが、今の俺にとっては倒せない相手では無いだろう。
 俺が剣を鞘から抜いて構えた瞬間、脳内にまた声が響き渡った。

『上級剣術スキルを習得しました』
『武装強化スキルを習得しました』

 俺が構えていた剣が、まるで木の枝のような軽さに感じるようになった。
 ゴブリンがこちらに気付き近寄ってくる。
 俺は剣を握り地面を強く蹴った。

 その刹那────

 目にも止まらぬ、まさに一閃でゴブリンは胴を切断され絶命した。

「えっ……?」
「ユーリ……?」

 何が起こったのか、斬った俺も一緒にいたミーシャも理解が追いつかず、お互いの顔を見合わせた。
 俺はステータスを表示する。すると『瑕疵バグスキル』の下の備考欄に新しく『上級剣術スキル付与』と『武装強化スキル付与』という文字が追加されていた。

「なんだかユーリ、人間離れしちゃったわね……」
「うん……間違いなくスキルの恩恵だからね……」

 俺はミーシャと話しながら、ダンジョンの奥へと足を進めてゆく。
 すると、見覚えのある場所にたどり着いた。
 地面に大きな爪痕が残っている事を除けば……の話なのだが。

 俺は歩く足を止めて、ゆっくりと深呼吸をした。

「ここってまさか……」

 ミーシャは俺の方をチラっと上目遣いに見てくる。

「そのまさかだ。 半日前に俺がケルベロスに遭遇した場所だ」

 おそらくケルベロスはもう一度現れる。
 何となくだが、そんな気がするのだ。

『探知スキルを習得しました』

 また脳内に声が響き、新しい力を得たようだ。

「ミーシャ……。 ケルベロスが来るぞ。 俺の後ろに居てくれ」
「わ、わかったわ!」

 そう言った直後に大地が揺れ始めた。
 半日前に遭遇したのに、数ヶ月ぶりにも思えるほど遠く感じる。
 あっという間にケルベロスの巨体が俺とミーシャの前に現れたので、俺は剣を構えようとしたが僅かに遅く、ケルベロスが攻撃を先に仕掛けてきた。
 振り下ろす大きな爪が迫ってくるのだが、以前とは違って景色がスローモーションに映って見えるため、俺はその軌道を避けて鞘に入れたままの剣でケルベロスの額を突いた。
 するとケルベロスの巨体は勢いよく吹き飛び、ダンジョンの壁へ叩きつけられて絶命した。

「大したこと無かったか……」
「ケルベロスって討伐ランクAだったわよね……」

 極端にステータスが増えた俺にとっては、拍子抜けするほどあっけなく終わった。

「さて、こいつをアレス達の集合場所に移動させようか」
「ちょっと待って!! ケルベロスを運び出すつもり!?」
「ああ、そのつもりだが?」

 俺の発言に、ミーシャの眉がピクリと動いたのを見逃さなかった。
 それとほぼ同時に脳内に声が響く。
『次元収納スキルを習得しました』

「それってまさか……?」
「ああ、そのまさかだ。 どうやら収納スキルも習得したみたいだ」
「ユーリの『瑕疵バグ』は常識破りね……」

 ミーシャはそう言って苦笑いをすると、俺もつられて苦笑いをした。

「とりあえず目的は果たしたから、ダンジョンから出ることにするか」
「そうね、そうしましょ!」

 特に残る理由も無かったので、俺とミーシャはダンジョンを立ち去った。

──────
────
──

「レイラ、見事な演技だったな!」
「王女を欺くのも面白いものね」
「ミーナは途中から笑いを堪えるのに必死だったのニャ」

 とある宿屋の一室でそんな会話が交わされていた。
 明日の夜にAランクのメンバーをパーティに加入させることができる。
 これで念願のAランクパーティへの昇格が手の届くところまでやってくる。

「ついでに王女を手懐けりゃ、俺らは王族にも顔が利くスゲェパーティになるぞ!!」
「そうなるように頑張るニャ!!」
「王女だろうと、私の演技と嘘に騙されて終わりですわ」

 ミーシャが提案したユーリの復讐のシナリオ通りに物語が進んでいる事を、まだ3人は知らない。

──────
────
──

「ミーシャ、アレス達は来ると思うか?」
「何不安になってるの? 欲望の塊みたいな3人なら、こんなおいしい話に乗らない訳が無いわ。 間違いなく来るわよ!」

 俺の問いにミーシャは自信満々に答えてこちらをジッと見つめた。

「それもそうか」

 俺はそう言って、クックックと笑いながら、収納していたケルベロスの死骸を平地に出現させる。
 これで無事に復讐が終われば、また新しい人生をスタートさせよう。ミーシャの力になってあげるのがいいかもしれないな……。
 そんな事を考えていると、門が開き人影が見えた。

「間違いない、アレス達3人だ」

 俺はケルベロスの死骸の前に立ち、3人が近付いてくるのを待つ。
 ミーシャはそれを街の隔壁に寄りかかって傍観するようだ。
 3人の欲に溺れた表情が暗闇でも容易に想像できる。
 月明かりでも顔が分かるほど近づいたところで、アレス達は俺を見て驚いた表情をする。

「ユ……」
「アレス、ミーナ、レイラ……そんなに驚いた顔をして、どうしたんだ?」

 俺はニヤリと微笑みながら3人を交互に見つつ尋ねる。

「何でここにお荷物が居るのニャ!? もしかして幽霊かニャ!?」
「そんな訳ないわよ! 魔法か何かよ!!」
「つーかお前、雑魚の癖にどうやってここに来たんだ? あぁん!?」

 説明するのも面倒だから、俺は後ろの死骸を見てみろとジェスチャーした。
 見ているうちに表情が険しくなってゆき、3人はそれが何の死骸か察したようだ。

「何でお前みたいなのがケルベロスを倒せたんだよ!?」
「たまたま居合わせたAランクパーティに助けてもらったんでしょ?」
「でも、あの時ミーナ達以外居なかった気がするニャ……」

 静かにしろと言わんばかりに俺が3人を睨めつけると、レベル差の圧力からか黙り込んでくれた。

「ケルベロスは俺が倒した」
「……はぁ?」
「俺のレベルを見れば分かるだろ?」

 そう言って俺は3人にステータスを開示した。

「……なんだよそれ! レベル9999!?」
「スキルがS+クラスになってるのニャ!?」
「私たちを騙したのね!!」

 俺を裏切ってケルベロスの囮にした奴に騙した呼ばわりされるとは……。

「裏切ったのは君達の方じゃないか?」
「うるせぇ!! うるせぇ!! うるせぇ!!」
「ちょっと、アレス様落ち着くニャ!!」

 アレスは剣を抜き『終焉の業火』を発動して俺の方を睨む。そしてアレスの持つ剣の刃が炎に包まれた。

「どんなインチキ使ったのか知らねえけど、お前みたいな雑魚は俺らと住む世界が違うんだよ!! おい、ミーナ、レイラ!! ユーリを始末するぞ!!」
「お荷物の幽霊なんか怖くないニャ!!」
「加護の福音が私達を守ってくれますわ!!」

 前衛でアレスとミーナが連携して剣と鉤爪を振るう。
 レイラのスキル『加護の福音』によって、2人のステータスは大幅に上昇している。
 だが、先のケルベロスよりも格下の2人の攻撃は、空気中のホコリが漂うかの如く止まって見える。
 だから意図も簡単に攻撃を躱せてしまうのだ。
 ちなみに俺は剣を鞘から抜いてもいない。復讐とはいえ、あっけなく終わっても面白く無いので、レベル差を考えてハンデを与えたつもりなのだ。
 
「チョロチョロ逃げてんじゃねーぞ!! 大人しく斬られて死ね!!」
「幽霊だニャー、当たらないニャー!!」

 喚きながら繰り出される攻撃を暫く躱していると、脳内にまた声が響く。

『スキル奪取を習得しました』

 俺はその意味を理解して、すぐに復讐のプランを変更した。
 まずはアレスとミーナの腹部に軽くパンチを当てた。

「オゲェェ……」
「ウニャァ……」

 崩れるように地面に手を着く二人の顔を、俺は左右の手で掴んだ。

「スキル発動……『スキル奪取』なんてな」

 俺はわざと声に出しながらスキルを使ってみた。

『終焉の業火を奪取しました』
『合金の鉤爪を奪取しました』

 問題なく聴き慣れた声が脳内に響いた。
 すると、アレスの持っていた剣から炎が消え、ミーナの鉤爪は粉々に砕け散った。
 そして2人を心配したレイラが近づく。

「おい……なんだよそれ……」
「無いのニャ……無くなってるのニャ……」

 アレスとミーナが覚醒したスキルは俺の物になった。
 つまり2人は2度とスキルを覚醒する事ができない。
 という事は、Aランクパーティは絶望的になったのだ。

「お前らを殺す価値なんて無い。 だからそれで勘弁してやる」

 そう言いながらレイラの背後に回り込み、頭を掴んで『スキル奪取』を発動させた。

「ちょっと……やめてぇぇぇぇーー!!」

レイラの悲鳴が虚しく木霊した。

『加護の福音を奪取しました』

 これが俺の復讐だ。
 命は残したが、勇者を目指す冒険者生命は絶たれてしまった。ただそれだけの事だ。

 3人は茫然自失のまま項垂れている。

「ユーリ、お疲れ様!」
「ミーシャ、ありがとう」

 俺はミーシャと握手を交わした。

──────
────
──

 復讐を果たした翌日の夜。
 俺はミーシャに呼び出され、いつもの路地裏に向かった。

「──そういえば、ユーリはもう一度冒険者をやってみたいと思ってるの?」

 到着すると、俺はミーシャから唐突な質問が投げかけられた。
 色々と一晩考えていたから、答えは決まっている。

「今は考えてないけど、いずれは挑戦しようと思ってるよ」
「それを聞いて安心したわ」

 そう言うとミーシャは、俺に1枚のカードを手渡した。

「これは……!!」

 俺の冒険者カードだ。だが、今までのCランク冒険者の表記が変わっている。
 何故かBランク冒険者で登録されているのだ。

「3人がギルドに、ユーリが死んだって虚偽の報告をしたから、私が反論してきたの」
「それで俺の冒険者カードが復活したのか……」
「ちなみに、私の護衛をした功績を加味して、Bランクに昇格させてあげてるから。 レベル9999の化物になりましただなんて言ったら、それこそ大事になるものね」

 ミーシャは笑いながらそう言った。
 確かにギルドの常識が崩れ去ってしまう予感しかしないな。

「ありがとう、ミーシャ」

 俺はそう言って、ミーシャを抱きしめた。

「バカバカ!! 誰かに見られたらどうするつもりよ!?」
「前に抱きしめてくれたお礼だよ」
「バカ……」

 ミーシャは顔を赤くしながら、腕を振りほどいて俺を見つめて、腕組みをして仁王立ちをした。

「王女にこんな事して、どうなるか分かってるの!?」
「知らないよ? とりあえず、Bランク冒険者の俺が、命に変えても必ず王女ミーシャを護衛するからな」
「あー!! もう……調子狂うわ。 ユーリ、行くわよ!!」

 ミーシャは足早に歩き始めた。

「ちょ、まってくれよミーシャ!!」

 俺は護衛として、ミーシャを守りながらも時折ギルドの手伝いをする事にした。
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