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quaecunque sunt vera
viginti
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突然の斎の行動に、天弥はその顔を見上げる。
「乗れ」
助手席のドアを開け、促す。天弥は半ば斎に押し込まれるように、助手席へと乗り込んだ。斎は手にした鞄を天弥に手渡すと、すぐに運転席側へと周り込み、急いで乗り込む。そしてドアの鍵をかけ、素早くエンジンをかけた。
車内という切り離された空間のためか、いつでもここから逃げ出せる状態に安心したのか、斎は少し落ち着きを取り戻し天弥は見た。ジッと自分を見つめる天弥へと向かって手を伸ばし、その髪に触れる。掌に触れる柔らかな感触と温もりのおかげか落ち着きを取り戻す。たかが強い風が吹いただけだ、昨夜のような事が起きるわけではない、そう自分に言い聞かせる。
天弥の髪から手を離すと斎は煙草を取り出し、一本咥え火を点けた。
自分が何か訳の分からない事に巻き込まれているのは、嫌でも理解している。それに関しては、自分自身、好奇心が勝るところがあるから構わない。だが、天弥を巻き込むことは望んではいない。
更に落ち着きを取り戻すため、吸い込んだ煙をゆっくりと吐き出した。
天弥の事や、本の事も何も分かっていないというのに、謎ばかりが増えていく状況をどうしたものかと考え込む。今現在、自分に関して起こっている事は、あのサイラスという少年が何かを知っていそうということぐらいだ。
先程、対峙したときの言葉や態度に、何か謎を解き明かす手がかりはないかと、丁寧に思い起こしていく。だが、特に手がかりとなるような言葉は見当たらない。分かった事といえば、絢子を探している事、アニメが好きだという事ぐらいだった。出来ればもっと色々と聞き出したいとは思っていたのだが、天弥が居た為にどうでもよくなってしまったのだ。
斎は灰皿の蓋を開け、そこへ灰を落とす。
あの時、サイラスの視線で天弥が背後にいることに気がついた。その時の言葉で、天弥がおそらく会話を聞いていたのだろうということも予想できた。
その言葉を思い出したとたん、疑問が生まれる。サイラスは天弥を見ながら、それどころではないだろうと言ってきた。天弥の事を知っている口ぶりだった。そしてそれは、冷静に考えてみれば、天弥との関係を知っているとしか思えない発言である。
もしそうだとしたら、なぜ知られているのか、そして昨夜の事と天弥の事は何か繋がりがあるのだろうか。思いつく事は一つしかない。それは、ラブクラフトが創作した神話世界だ。天弥の本であるネクロノミコンも、昨夜現れた少年が口にしたアーカム、そして風を象徴する旧支配者の下級奉仕種族と同じ名前、同じ姿の異形のもの、すべてがその創作世界のものだ。
煙草を灰皿へと押し付けるとため息を吐いた。ふと自分を見つめる視線に気がつき、そちらを見る。何か心配そうな表情で自分を見つめる天弥の姿が目に入った。
「あ、悪い……、少し考え事をしていた」
天弥の表情が変わり安心したような笑みが浮かぶ。
「少しドライブして、その後は飯でも食いに行くか?」
食事に反応したのか、天弥は嬉しそうに微笑んだ。
「はい」
嬉しそうな返事を聞くと斎は、車を走らせた。
「乗れ」
助手席のドアを開け、促す。天弥は半ば斎に押し込まれるように、助手席へと乗り込んだ。斎は手にした鞄を天弥に手渡すと、すぐに運転席側へと周り込み、急いで乗り込む。そしてドアの鍵をかけ、素早くエンジンをかけた。
車内という切り離された空間のためか、いつでもここから逃げ出せる状態に安心したのか、斎は少し落ち着きを取り戻し天弥は見た。ジッと自分を見つめる天弥へと向かって手を伸ばし、その髪に触れる。掌に触れる柔らかな感触と温もりのおかげか落ち着きを取り戻す。たかが強い風が吹いただけだ、昨夜のような事が起きるわけではない、そう自分に言い聞かせる。
天弥の髪から手を離すと斎は煙草を取り出し、一本咥え火を点けた。
自分が何か訳の分からない事に巻き込まれているのは、嫌でも理解している。それに関しては、自分自身、好奇心が勝るところがあるから構わない。だが、天弥を巻き込むことは望んではいない。
更に落ち着きを取り戻すため、吸い込んだ煙をゆっくりと吐き出した。
天弥の事や、本の事も何も分かっていないというのに、謎ばかりが増えていく状況をどうしたものかと考え込む。今現在、自分に関して起こっている事は、あのサイラスという少年が何かを知っていそうということぐらいだ。
先程、対峙したときの言葉や態度に、何か謎を解き明かす手がかりはないかと、丁寧に思い起こしていく。だが、特に手がかりとなるような言葉は見当たらない。分かった事といえば、絢子を探している事、アニメが好きだという事ぐらいだった。出来ればもっと色々と聞き出したいとは思っていたのだが、天弥が居た為にどうでもよくなってしまったのだ。
斎は灰皿の蓋を開け、そこへ灰を落とす。
あの時、サイラスの視線で天弥が背後にいることに気がついた。その時の言葉で、天弥がおそらく会話を聞いていたのだろうということも予想できた。
その言葉を思い出したとたん、疑問が生まれる。サイラスは天弥を見ながら、それどころではないだろうと言ってきた。天弥の事を知っている口ぶりだった。そしてそれは、冷静に考えてみれば、天弥との関係を知っているとしか思えない発言である。
もしそうだとしたら、なぜ知られているのか、そして昨夜の事と天弥の事は何か繋がりがあるのだろうか。思いつく事は一つしかない。それは、ラブクラフトが創作した神話世界だ。天弥の本であるネクロノミコンも、昨夜現れた少年が口にしたアーカム、そして風を象徴する旧支配者の下級奉仕種族と同じ名前、同じ姿の異形のもの、すべてがその創作世界のものだ。
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