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進路指導室
「...神崎は痛いのが好きなのか...?」
「...ま、そうだね」
そうなんだ。
俗に言うマゾ、と言うやつであろうか。
躊躇ってると、手を叩くだけでいい。と言い出したので、仕方なしに彼の手を軽く叩いてやった。
すると、彼は顔を手で覆ってしまう。
「い、痛い?」
「勃った」
「!?」
そんな上級者いるはずが無い。
35の男に手を叩かれて勃起するなんて一体どんなトリガーなんだ。
きっと神崎のおちゃめな冗談に決まっている。
「ぶつかった時にいい香りがしてさ、泣きそうな顔で謝る姿に興奮して」
身を乗り出し、私の耳元に唇を寄せた彼が低い声で囁く。
「金曜の夜は、あんたでオナニーしたんだ」
ここ数日で男2人にオカズにされた。
あまりにも唐突な発言に驚き過ぎて身体が硬直している。
「あと」
くい、とネクタイを引っ張られれば自然と身体が神崎に近付く。
「すげー噛み痕見えてたよ。見せてくんない?あんたの身体がどうなってるか」
見られた。
思わず手で首を隠しても、時すでに遅し。
距離が近かったためか、薄くなったとは言え、見えてしまったのだろう。
こんな噛み痕をつけた若王子を心の中でぶん殴る。
「見せてくれないなら、ほかの先生に相談しちゃおうかな。姫神先生に沢山の噛み痕があるって...」
「っ、脅すのか...」
「相談って言ってるじゃん...若王子なら知ってるかな?」
知っててなのか、当てずっぽうなのか的確に該当の人物の名前を出され冷や汗をかいた。
ただ、これ以上面倒事に巻き込まれるのは御免だ。
震える手でネクタイを外し、ワイシャツのボタンを3つ開けると、薄くなった噛み痕や、内出血して未だに赤みを帯びた肌が現れる。
「...奥さんの趣味?」
「馬鹿言え...そんなのとっくの昔に離婚してる...」
目を細めた彼は、噛み痕にそっと指を這わせた。
冷たい手が肌に触れ、ピクっと反応した姿を見逃す訳が無い。
「肌、キメ細かくて綺麗だね...俺もあんたの身体に痕残したいな...」
「もういいだろ...」
神崎の手を振り払い、ボタンを閉める。
席を立ちプリントを抱えると、彼も立ち上がり私の方へと歩み寄ってきた。
「神崎...」
「あんたさ...誰に飼われてんの」
後ずさるも、壁まで追いやられれば、逃げ場はない。
そのまま壁に腕をついて、私の腰を抱き寄せる彼はペロリと唇を舐めた。
「俺に乗り換えろよ...身体の痕もそいつの記憶も全部消してあげる」
「結構!もう暗いから帰りなさい!」
出せる分の力をぐっと込めて押し返すと、彼の綺麗な顔が苦痛に歪む。
「...怒った顔もたまらなくいいな」
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