45 / 125
第二章 サムジャともふもふ編
第44話 サムジャ、皆と約束
しおりを挟む
「やっぱり教会は高いのか?」
「高い高い。ちょっとした怪我でもとんでもない金額要求されるって話だもの」
「私達じゃ手が出ないわね」
「ふむ……」
俺はパピィの命が掛かっていたことだから百万ゴッズも惜しくなかったが、やはり相当な寄付金を要求されるようだな。
「シノはこの子を助けるのにどれぐらい支払ったの?」
「百万ゴッズだな」
「「「「「百万ゴッズーーーーーー!?」」」」」
周囲にいた皆に随分と驚かれてしまった。
「信じられない。確かに最近の教会は要求される寄付が高い高いとは聞いていたけどそこまでだなんて」
「それをすっと支払える兄貴はやっぱすげーぜ!」
「いやいや、そもそもそんな大金どうしてあっさり支払っちゃったのよ!」
タンは俺を凄いと言ってくれたが、ルンは険しい顔を見せていた。
「パピィを助けてもらったしな。教会の力がなければ危なかった」
「それは勿論わかるけど、でも高すぎよ」
「クゥ~ン……」
ルンが一人憤っているとパピィがしょげた顔を見せた。申し訳なく思ったのかもしれない。
「ちょ、違うのよ! パピィは悪くないしむしろ助かってくれてありがとうで、だから、悪いのは教会よ!」
「またぶっちゃけるわねルンも」
ビシッと何故かシエロに指を突きつけて宣言するルンに、シエロが苦笑した。
「まぁでも気持ちはわからなくはないわ。正直怪我の多いギルドにとって見れば教会は本来重要よ。治療を受ける面でね。だけど以前の司祭から今の大神官に変わってからは寄付金が上がってかなりの稼ぎ頭でないと支払えないのよ」
シエロが肩を竦め続けた。
「教会で治療を受けられないと結果的に皆、依頼に対して及び腰になるのよね……依頼が失敗に終わることも増えてきたし参っちゃうわ」
う~ん、なるほど。怪我をしても教会があれば何とかしてくれると思えるうちはまだ無理がきくが、そうでなければどうしても慎重にならざるを得ないからな。
「本当教会なんとかならないかしらね。大体その百万ゴッズも支払い過ぎだし本来なら取り返しても良い金額よ! ねぇパピィ」
「アンッ!」
パピィが元気よく吠えた。しかしもう支払ったものは仕方ない。今更返せともいえないしな。
それに今は教会よりも通り魔事件の方だしな。
「兄貴、俺達に何か手伝えることがあったら何でも言ってくれよな!」
「あぁ、わかった。その時は頼むよ」
そしてファイト団とも一旦わかれた。
「ところでシノ。その事件も大事だけど、明日はどうしようか?」
あぁ、そうか。ルンとも正式にパーティーを組むことになったしな。
「今後はルンの為にも、もっと頑張らないとな」
「え? わ、私のために?」
「あぁ、一緒になるんだから勿論それだけ稼がないといけないし」
「い、一緒に!」
「ちょっと。どう聞いてもパーティーのことじゃない。何を勘違いしているの?」
「わ、わかってるわよ!」
うん? 目を細めたシエロにぷんぷんとルンが言い返してるな。勘違いって何がだ?
「それにルン、明日はバザーを見に行くって言ってなかった?」
「あ、そうだった!」
「うん? バザー?」
「この街で年に数回やってる大規模な商いの催事よ。中央広場で行うの」
「掘り出し物がみつかることがあるのよ!」
ルンが張り切って言った。なるほど。
「そ、そうだ。シノもどう? 事件のことはわかるけど明日の昼なら息抜きの意味も込めて、とか?」
ルンが上目遣いに聞いてきた。バザーか……稼ぎもあるし、孤児院へ仕送りする分は残しておく必要あるけど、見て回るのは楽しいかもな。
「わかった。明日はバザーにいくか」
「う、うん! そうね!」
「それ、私も行っていい?」
俺がルンと約束を交わしたところで、シエロも話に乗ってきた。
「シエロは仕事じゃない」
「受付嬢にも休みぐらいあるわよ。明日丁度その休みだったしバザーにも興味があったし」
「そうか。なら皆で行くか?」
「アンッ!」
うん。パピィも嬉しそうだしな。
「そ、そうね。皆でね」
「あら、何か不満?」
「べ、別にそんなことないわよ! そんなこと!」
「それなら良かった」
というわけで俺の明日の予定は皆でバザーに行くこととなった。今日は結構な稼ぎになったし、たまにはそういうのを見て回ってもいいよな。
「ワンワン!」
「あぁ、何か面白いものがあればいいな」
「パピィは何か美味しいものがいいかもねぇ~パピィ」
「バザーには屋台も出店されているしね」
そうか。それならパピィも嬉しいかもな。
そして明日の予定が決まった後、待ち合わせ場所をシエロと決めて俺たちはギルドを出た。
もういい時間でもあったのでこのまま宿に戻ろうと思ったのだが、ふと向こうからどこかで見たような顔ぶれが、いやそうだ。
「あれは、大神官だな」
「え? あれが、そうなのね」
「グルゥ――」
俺がルンと話していると、向こうも気がついたようでこっちに近づいてきた。大神官の周りには別の神官の姿もある。
「これはこれは。その節はどうも。ふむ子犬も随分と元気になったようで何よりだ」
大神官、確か名前はハデルと言ったな。にこやかな顔で俺とパピィを交互に見る。
「それにしても隣りにいるのは随分と可愛らしい子じゃないか。君の彼女かね?」
「え? か、彼女、そんな……」
「彼女は俺の冒険者仲間だ」
何か勘違いしているようだからすぐに訂正させてもらった。ルンも迷惑だろうしな。
「……えぇ、そうね。私がただの仲間のルンよ」
うん? 何だろう? 何か少し不機嫌になったような。
「ルン、冒険者でその見た目、あぁもしかしてギルド長の娘かな?」
するとハデルが思い出したように尋ねた。それにルンが眉をひそめる。
「そうですが、それが何か?」
随分と不機嫌になったな。そういえばギルド長の娘として見られるのがいやなんだったか。
「ふむ、やはりそうか。ならば少しは教会に協力頂けるよう説得してもらえないかね? ギルドとしても教会の魔法は大事であろう? 我々も本来ならもう少し治療費を安くしてあげたいのだが、中々良い返事がもらえなくてね」
「……一体何の協力かしりませんが、私と父は別ですので」
そっけなくルンが返す。
「チッ、ギルド長の娘如きが生意気な」
「たかが冒険者は教会の言うとおりにしておけばいいのよ」
ふむ、ハデルは何も言わないが、周囲の神官は不満そうだな……
「高い高い。ちょっとした怪我でもとんでもない金額要求されるって話だもの」
「私達じゃ手が出ないわね」
「ふむ……」
俺はパピィの命が掛かっていたことだから百万ゴッズも惜しくなかったが、やはり相当な寄付金を要求されるようだな。
「シノはこの子を助けるのにどれぐらい支払ったの?」
「百万ゴッズだな」
「「「「「百万ゴッズーーーーーー!?」」」」」
周囲にいた皆に随分と驚かれてしまった。
「信じられない。確かに最近の教会は要求される寄付が高い高いとは聞いていたけどそこまでだなんて」
「それをすっと支払える兄貴はやっぱすげーぜ!」
「いやいや、そもそもそんな大金どうしてあっさり支払っちゃったのよ!」
タンは俺を凄いと言ってくれたが、ルンは険しい顔を見せていた。
「パピィを助けてもらったしな。教会の力がなければ危なかった」
「それは勿論わかるけど、でも高すぎよ」
「クゥ~ン……」
ルンが一人憤っているとパピィがしょげた顔を見せた。申し訳なく思ったのかもしれない。
「ちょ、違うのよ! パピィは悪くないしむしろ助かってくれてありがとうで、だから、悪いのは教会よ!」
「またぶっちゃけるわねルンも」
ビシッと何故かシエロに指を突きつけて宣言するルンに、シエロが苦笑した。
「まぁでも気持ちはわからなくはないわ。正直怪我の多いギルドにとって見れば教会は本来重要よ。治療を受ける面でね。だけど以前の司祭から今の大神官に変わってからは寄付金が上がってかなりの稼ぎ頭でないと支払えないのよ」
シエロが肩を竦め続けた。
「教会で治療を受けられないと結果的に皆、依頼に対して及び腰になるのよね……依頼が失敗に終わることも増えてきたし参っちゃうわ」
う~ん、なるほど。怪我をしても教会があれば何とかしてくれると思えるうちはまだ無理がきくが、そうでなければどうしても慎重にならざるを得ないからな。
「本当教会なんとかならないかしらね。大体その百万ゴッズも支払い過ぎだし本来なら取り返しても良い金額よ! ねぇパピィ」
「アンッ!」
パピィが元気よく吠えた。しかしもう支払ったものは仕方ない。今更返せともいえないしな。
それに今は教会よりも通り魔事件の方だしな。
「兄貴、俺達に何か手伝えることがあったら何でも言ってくれよな!」
「あぁ、わかった。その時は頼むよ」
そしてファイト団とも一旦わかれた。
「ところでシノ。その事件も大事だけど、明日はどうしようか?」
あぁ、そうか。ルンとも正式にパーティーを組むことになったしな。
「今後はルンの為にも、もっと頑張らないとな」
「え? わ、私のために?」
「あぁ、一緒になるんだから勿論それだけ稼がないといけないし」
「い、一緒に!」
「ちょっと。どう聞いてもパーティーのことじゃない。何を勘違いしているの?」
「わ、わかってるわよ!」
うん? 目を細めたシエロにぷんぷんとルンが言い返してるな。勘違いって何がだ?
「それにルン、明日はバザーを見に行くって言ってなかった?」
「あ、そうだった!」
「うん? バザー?」
「この街で年に数回やってる大規模な商いの催事よ。中央広場で行うの」
「掘り出し物がみつかることがあるのよ!」
ルンが張り切って言った。なるほど。
「そ、そうだ。シノもどう? 事件のことはわかるけど明日の昼なら息抜きの意味も込めて、とか?」
ルンが上目遣いに聞いてきた。バザーか……稼ぎもあるし、孤児院へ仕送りする分は残しておく必要あるけど、見て回るのは楽しいかもな。
「わかった。明日はバザーにいくか」
「う、うん! そうね!」
「それ、私も行っていい?」
俺がルンと約束を交わしたところで、シエロも話に乗ってきた。
「シエロは仕事じゃない」
「受付嬢にも休みぐらいあるわよ。明日丁度その休みだったしバザーにも興味があったし」
「そうか。なら皆で行くか?」
「アンッ!」
うん。パピィも嬉しそうだしな。
「そ、そうね。皆でね」
「あら、何か不満?」
「べ、別にそんなことないわよ! そんなこと!」
「それなら良かった」
というわけで俺の明日の予定は皆でバザーに行くこととなった。今日は結構な稼ぎになったし、たまにはそういうのを見て回ってもいいよな。
「ワンワン!」
「あぁ、何か面白いものがあればいいな」
「パピィは何か美味しいものがいいかもねぇ~パピィ」
「バザーには屋台も出店されているしね」
そうか。それならパピィも嬉しいかもな。
そして明日の予定が決まった後、待ち合わせ場所をシエロと決めて俺たちはギルドを出た。
もういい時間でもあったのでこのまま宿に戻ろうと思ったのだが、ふと向こうからどこかで見たような顔ぶれが、いやそうだ。
「あれは、大神官だな」
「え? あれが、そうなのね」
「グルゥ――」
俺がルンと話していると、向こうも気がついたようでこっちに近づいてきた。大神官の周りには別の神官の姿もある。
「これはこれは。その節はどうも。ふむ子犬も随分と元気になったようで何よりだ」
大神官、確か名前はハデルと言ったな。にこやかな顔で俺とパピィを交互に見る。
「それにしても隣りにいるのは随分と可愛らしい子じゃないか。君の彼女かね?」
「え? か、彼女、そんな……」
「彼女は俺の冒険者仲間だ」
何か勘違いしているようだからすぐに訂正させてもらった。ルンも迷惑だろうしな。
「……えぇ、そうね。私がただの仲間のルンよ」
うん? 何だろう? 何か少し不機嫌になったような。
「ルン、冒険者でその見た目、あぁもしかしてギルド長の娘かな?」
するとハデルが思い出したように尋ねた。それにルンが眉をひそめる。
「そうですが、それが何か?」
随分と不機嫌になったな。そういえばギルド長の娘として見られるのがいやなんだったか。
「ふむ、やはりそうか。ならば少しは教会に協力頂けるよう説得してもらえないかね? ギルドとしても教会の魔法は大事であろう? 我々も本来ならもう少し治療費を安くしてあげたいのだが、中々良い返事がもらえなくてね」
「……一体何の協力かしりませんが、私と父は別ですので」
そっけなくルンが返す。
「チッ、ギルド長の娘如きが生意気な」
「たかが冒険者は教会の言うとおりにしておけばいいのよ」
ふむ、ハデルは何も言わないが、周囲の神官は不満そうだな……
0
あなたにおすすめの小説
捨て子の僕が公爵家の跡取り⁉~喋る聖剣とモフモフに助けられて波乱の人生を生きてます~
伽羅
ファンタジー
物心がついた頃から孤児院で育った僕は高熱を出して寝込んだ後で自分が転生者だと思い出した。そして10歳の時に孤児院で火事に遭遇する。もう駄目だ! と思った時に助けてくれたのは、不思議な聖剣だった。その聖剣が言うにはどうやら僕は公爵家の跡取りらしい。孤児院を逃げ出した僕は聖剣とモフモフに助けられながら生家を目指す。
【死に役転生】悪役貴族の冤罪処刑エンドは嫌なので、ストーリーが始まる前に鍛えまくったら、やりすぎたようです。
いな@
ファンタジー
【第一章完結】映画の撮影中に死んだのか、開始五分で処刑されるキャラに転生してしまったけど死にたくなんてないし、原作主人公のメインヒロインになる幼馴染みも可愛いから渡したくないと冤罪を着せられる前に死亡フラグをへし折ることにします。
そこで転生特典スキルの『超越者』のお陰で色んなトラブルと悪名の原因となっていた問題を解決していくことになります。
【第二章】
原作の開始である学園への入学式当日、原作主人公との出会いから始まります。
原作とは違う流れに戸惑いながらも、大切な仲間たち(増えます)と共に沢山の困難に立ち向かい、解決していきます。
悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる
竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。
評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。
身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。
【収納∞】スキルがゴミだと追放された俺、実は次元収納に加えて“経験値貯蓄”も可能でした~追放先で出会ったもふもふスライムと伝説の竜を育成〜
あーる
ファンタジー
「役立たずの荷物持ちはもういらない」
貢献してきた勇者パーティーから、スキル【収納∞】を「大した量も入らないゴミスキル」だと誤解されたまま追放されたレント。
しかし、彼のスキルは文字通り『無限』の容量を持つ次元収納に加え、得た経験値を貯蓄し、仲間へ『分配』できる超チート能力だった!
失意の中、追放先の森で出会ったのは、もふもふで可愛いスライムの「プル」と、古代の祭壇で孵化した伝説の竜の幼体「リンド」。レントは隠していたスキルを解放し、唯一無二の仲間たちを最強へと育成することを決意する!
辺境の村を拠点に、薬草採取から魔物討伐まで、スキルを駆使して依頼をこなし、着実に経験値と信頼を稼いでいくレントたち。プルは多彩なスキルを覚え、リンドは驚異的な速度で成長を遂げる。
これは、ゴミスキルだと蔑まれた少年が、最強の仲間たちと共にどん底から成り上がり、やがて自分を捨てたパーティーや国に「もう遅い」と告げることになる、追放から始まる育成&ざまぁファンタジー!
伯爵家の三男に転生しました。風属性と回復属性で成り上がります
竹桜
ファンタジー
武田健人は、消防士として、風力発電所の事故に駆けつけ、救助活動をしている途中に、上から瓦礫が降ってきて、それに踏み潰されてしまった。次に、目が覚めると真っ白な空間にいた。そして、神と名乗る男が出てきて、ほとんど説明がないまま異世界転生をしてしまう。
転生してから、ステータスを見てみると、風属性と回復属性だけ適性が10もあった。この世界では、5が最大と言われていた。俺の異世界転生は、どうなってしまうんだ。
解呪の魔法しか使えないからとSランクパーティーから追放された俺は、呪いをかけられていた美少女ドラゴンを拾って最強へと至る
早見羽流
ファンタジー
「ロイ・クノール。お前はもう用無しだ」
解呪の魔法しか使えない初心者冒険者の俺は、呪いの宝箱を解呪した途端にSランクパーティーから追放され、ダンジョンの最深部へと蹴り落とされてしまう。
そこで出会ったのは封印された邪龍。解呪の能力を使って邪龍の封印を解くと、なんとそいつは美少女の姿になり、契約を結んで欲しいと頼んできた。
彼女は元は世界を守護する守護龍で、英雄や女神の陰謀によって邪龍に堕とされ封印されていたという。契約を結んだ俺は彼女を救うため、守護龍を封印し世界を牛耳っている女神や英雄の血を引く王家に立ち向かうことを誓ったのだった。
(1話2500字程度、1章まで完結保証です)
世界最強の賢者、勇者パーティーを追放される~いまさら帰ってこいと言われてももう遅い俺は拾ってくれた最強のお姫様と幸せに過ごす~
aoi
ファンタジー
「なぁ、マギそろそろこのパーティーを抜けてくれないか?」
勇者パーティーに勤めて数年、いきなりパーティーを戦闘ができずに女に守られてばかりだからと追放された賢者マギ。王都で新しい仕事を探すにも勇者パーティーが邪魔をして見つからない。そんな時、とある国のお姫様がマギに声をかけてきて......?
お姫様の為に全力を尽くす賢者マギが無双する!?
お前には才能が無いと言われて公爵家から追放された俺は、前世が最強職【奪盗術師】だったことを思い出す ~今さら謝られても、もう遅い~
志鷹 志紀
ファンタジー
「お前には才能がない」
この俺アルカは、父にそう言われて、公爵家から追放された。
父からは無能と蔑まれ、兄からは酷いいじめを受ける日々。
ようやくそんな日々と別れられ、少しばかり嬉しいが……これからどうしようか。
今後の不安に悩んでいると、突如として俺の脳内に記憶が流れた。
その時、前世が最強の【奪盗術師】だったことを思い出したのだ。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる