75 / 193
第二章 冒険者登録編
第74話 農民VS筋肉
しおりを挟む
「それでは試合を始めてください」
「うむ! 我が筋肉に淀みなし! ゆくぞ! 筋肉増強!」
試合開始の号令と共に中山の筋肉が大きく盛り上がった。ただでさえ分厚い筋肉の層がより一層厚く逞しくなっていく。これが中山のスキルか。筋肉に自信がありそうとは思ったがスキルも筋肉関係とは驚きだ。
中山は特に武器を持っていなかったがそれだけ肉体に自信があるということだろう。己の体が一番の武器といったところか。
「これが俺のジョブ筋肉術師のスキルだ。まさに筋肉が俺の愛に答えてくれた結果なのだ! マッスルーーーー!」
筋肉を誇示するポージングを決めて中山が声を張り上げた。な、中々暑苦しいな。しかし筋肉術師とかとんでもないが中山に実にマッチしたジョブだな。
「さぁ語り合おうじゃないか。互いの筋肉の素晴らしさを」
中山がフンッフンッとポーズを変えながらいい笑顔を見せていた。とは言え盛り上がる筋肉の圧力が凄まじい。
「さぁ奏でよう俺の筋肉の行進曲を! 筋肉大砲!」
言うが早いか中山が畳を蹴り俺に向けて一直線に飛んできた。いや頭突きかよ!
「あぶな!」
「ワゥン!?」
「ピキィッ!?」
「マッ!?」
横に飛んで避けた俺の耳に三匹の声も聞こえてきた。中山の行動に驚いたようだな。俺もだ。まさか頭突きとはまさに脳筋。
「やるではないか。それでこそ筋肉だ!」
「いや、意味がわからないんだが……」
避けた俺の横をすっ飛んでいった筈の中山は既に立ち上がって腕組みし嬉しそうにしていた。正直俺は筋肉には自信がないぞ。
中々驚かされたがこっちも黙ってばかりとはいかない。ただ俺の持ってる棒で鍬術が使えるかと言うと疑問だ。そうなると教わった技術だけで乗り切るしか無いか。
「ハッ! ハッ!」
「ムッ、むぅ!」
俺は出来るだけコンパクトに動いて棒で突き、時には振り中山に当てていった。この筋肉にダメージが通るかと言うと微妙だが、中山は嫌がっているな。
「やるではないか。だが効かぬ! 筋肉大旋風!」
すると中山が豪快に回転し両腕を振り回した。これはまさに筋肉の暴力だな。回転力も凄まじく筋肉が唸り声を上げているようだ。
だけどこれだけ回転していれば意外とダメージが通るかも? 俺はカウンターのダメージに期待して思い切って中山に突きを放ったのだが――バキッと言う音がして棒が砕けてしまった。この棒じゃ鋼のような中山の筋肉に敵わなかったか。
「武器が折れましたがどうしますか?」
「あ、それじゃあ俺の負けで」
「何ィ! これで終わりだと言うのか! 筋肉ショック!」
香川に聞かれたので俺は負けを宣言したが中山は随分と驚いていた。まぁこれが漫画の主人公とかなら、例え武器が折れても戦い抜く! と言うのかもだけど、流石にジョブが農民の俺では武器なしだとキツイからな。最初に負けても講習に影響はないと聞いていたし。
「期待させてたなら申し訳ないけど、それだけ貴方の筋肉が凄かったということですよ」
「おお! わかるかこの筋肉美が!」
ショックを受けていた中山の筋肉を褒めると、嬉しかったのか更に様々なポージングを決めてきた。クセは強いけど慣れると親しみが湧いてきた気がする。
「悪いな負けた」
「ワン!」
「ピキィ~!」
「マァ!」
「まぁ仕方ないよね。無理して怪我するほうが影響でそうだし」
ちょっと不甲斐なかったかなと思いつつも皆に話すと、モコ、ラム、マールは励ましてくれるようにすり寄ってきてくれた。
そして愛川もモコたちに同調してくれたようだ。そう言ってくれると俺も気が楽になるな。
ちなみにこの後、一人余るということで中山がもう一試合こなしていた。そこでは見事に筋肉の力を見せつけ勝っていたな。
「ここでの講習はここまでです。次の場所に移りましょう」
そして俺たちは再び香川の後をついて行った。最初に言っていた通り今の試合では落とされる人はいなかったな。いや最初のテストといい本来は落とされるようなものではないのかもしれない。
そう考えるとあの於呂って男のヤバさが際立つな――そんなことを考えていると俺たちは裏口を通り外に出ることになった。香川が足を止めた先は庭のようになっていてその先にマンホールより一回りぐらい大きそうな穴が空いていた。
「ここでは皆さんにダンジョンを探索してもらいます。難易度の低いダンジョンではありますが決して油断しないようにしてください」
そして香川が次にやることを説明してくれたわけだが、まさかここでダンジョンに挑むことになるとはね――
「うむ! 我が筋肉に淀みなし! ゆくぞ! 筋肉増強!」
試合開始の号令と共に中山の筋肉が大きく盛り上がった。ただでさえ分厚い筋肉の層がより一層厚く逞しくなっていく。これが中山のスキルか。筋肉に自信がありそうとは思ったがスキルも筋肉関係とは驚きだ。
中山は特に武器を持っていなかったがそれだけ肉体に自信があるということだろう。己の体が一番の武器といったところか。
「これが俺のジョブ筋肉術師のスキルだ。まさに筋肉が俺の愛に答えてくれた結果なのだ! マッスルーーーー!」
筋肉を誇示するポージングを決めて中山が声を張り上げた。な、中々暑苦しいな。しかし筋肉術師とかとんでもないが中山に実にマッチしたジョブだな。
「さぁ語り合おうじゃないか。互いの筋肉の素晴らしさを」
中山がフンッフンッとポーズを変えながらいい笑顔を見せていた。とは言え盛り上がる筋肉の圧力が凄まじい。
「さぁ奏でよう俺の筋肉の行進曲を! 筋肉大砲!」
言うが早いか中山が畳を蹴り俺に向けて一直線に飛んできた。いや頭突きかよ!
「あぶな!」
「ワゥン!?」
「ピキィッ!?」
「マッ!?」
横に飛んで避けた俺の耳に三匹の声も聞こえてきた。中山の行動に驚いたようだな。俺もだ。まさか頭突きとはまさに脳筋。
「やるではないか。それでこそ筋肉だ!」
「いや、意味がわからないんだが……」
避けた俺の横をすっ飛んでいった筈の中山は既に立ち上がって腕組みし嬉しそうにしていた。正直俺は筋肉には自信がないぞ。
中々驚かされたがこっちも黙ってばかりとはいかない。ただ俺の持ってる棒で鍬術が使えるかと言うと疑問だ。そうなると教わった技術だけで乗り切るしか無いか。
「ハッ! ハッ!」
「ムッ、むぅ!」
俺は出来るだけコンパクトに動いて棒で突き、時には振り中山に当てていった。この筋肉にダメージが通るかと言うと微妙だが、中山は嫌がっているな。
「やるではないか。だが効かぬ! 筋肉大旋風!」
すると中山が豪快に回転し両腕を振り回した。これはまさに筋肉の暴力だな。回転力も凄まじく筋肉が唸り声を上げているようだ。
だけどこれだけ回転していれば意外とダメージが通るかも? 俺はカウンターのダメージに期待して思い切って中山に突きを放ったのだが――バキッと言う音がして棒が砕けてしまった。この棒じゃ鋼のような中山の筋肉に敵わなかったか。
「武器が折れましたがどうしますか?」
「あ、それじゃあ俺の負けで」
「何ィ! これで終わりだと言うのか! 筋肉ショック!」
香川に聞かれたので俺は負けを宣言したが中山は随分と驚いていた。まぁこれが漫画の主人公とかなら、例え武器が折れても戦い抜く! と言うのかもだけど、流石にジョブが農民の俺では武器なしだとキツイからな。最初に負けても講習に影響はないと聞いていたし。
「期待させてたなら申し訳ないけど、それだけ貴方の筋肉が凄かったということですよ」
「おお! わかるかこの筋肉美が!」
ショックを受けていた中山の筋肉を褒めると、嬉しかったのか更に様々なポージングを決めてきた。クセは強いけど慣れると親しみが湧いてきた気がする。
「悪いな負けた」
「ワン!」
「ピキィ~!」
「マァ!」
「まぁ仕方ないよね。無理して怪我するほうが影響でそうだし」
ちょっと不甲斐なかったかなと思いつつも皆に話すと、モコ、ラム、マールは励ましてくれるようにすり寄ってきてくれた。
そして愛川もモコたちに同調してくれたようだ。そう言ってくれると俺も気が楽になるな。
ちなみにこの後、一人余るということで中山がもう一試合こなしていた。そこでは見事に筋肉の力を見せつけ勝っていたな。
「ここでの講習はここまでです。次の場所に移りましょう」
そして俺たちは再び香川の後をついて行った。最初に言っていた通り今の試合では落とされる人はいなかったな。いや最初のテストといい本来は落とされるようなものではないのかもしれない。
そう考えるとあの於呂って男のヤバさが際立つな――そんなことを考えていると俺たちは裏口を通り外に出ることになった。香川が足を止めた先は庭のようになっていてその先にマンホールより一回りぐらい大きそうな穴が空いていた。
「ここでは皆さんにダンジョンを探索してもらいます。難易度の低いダンジョンではありますが決して油断しないようにしてください」
そして香川が次にやることを説明してくれたわけだが、まさかここでダンジョンに挑むことになるとはね――
238
あなたにおすすめの小説
レベル1の時から育ててきたパーティメンバーに裏切られて捨てられたが、俺はソロの方が本気出せるので問題はない
あつ犬
ファンタジー
王国最強のパーティメンバーを鍛え上げた、アサシンのアルマ・アルザラットはある日追放され、貯蓄もすべて奪われてしまう。 そんな折り、とある剣士の少女に助けを請われる。「パーティメンバーを助けてくれ」! 彼の人生が、動き出す。
ダンジョン発生から20年。いきなり玄関の前でゴブリンに遭遇してフリーズ中←今ココ
高遠まもる
ファンタジー
カクヨム、なろうにも掲載中。
タイトルまんまの状況から始まる現代ファンタジーです。
ダンジョンが有る状況に慣れてしまった現代社会にある日、異変が……。
本編完結済み。
外伝、後日譚はカクヨムに載せていく予定です。
俺だけLVアップするスキルガチャで、まったりダンジョン探索者生活も余裕です ~ガチャ引き楽しくてやめられねぇ~
シンギョウ ガク
ファンタジー
仕事中、寝落ちした明日見碧(あすみ あおい)は、目覚めたら暗い洞窟にいた。
目の前には蛍光ピンクのガチャマシーン(足つき)。
『初心者優遇10連ガチャ開催中』とか『SSRレアスキル確定』の誘惑に負け、金色のコインを投入してしまう。
カプセルを開けると『鑑定』、『ファイア』、『剣術向上』といったスキルが得られ、次々にステータスが向上していく。
ガチャスキルの力に魅了された俺は魔物を倒して『金色コイン』を手に入れて、ガチャ引きまくってたらいつのまにか強くなっていた。
ボスを討伐し、初めてのダンジョンの外に出た俺は、相棒のガチャと途中で助けた異世界人アスターシアとともに、異世界人ヴェルデ・アヴニールとして、生き延びるための自由気ままな異世界の旅がここからはじまった。
おっさん料理人と押しかけ弟子達のまったり田舎ライフ
双葉 鳴
ファンタジー
真面目だけが取り柄の料理人、本宝治洋一。
彼は能力の低さから不当な労働を強いられていた。
そんな彼を救い出してくれたのが友人の藤本要。
洋一は要と一緒に現代ダンジョンで気ままなセカンドライフを始めたのだが……気がつけば森の中。
さっきまで一緒に居た要の行方も知れず、洋一は途方に暮れた……のも束の間。腹が減っては戦はできぬ。
持ち前のサバイバル能力で見敵必殺!
赤い毛皮の大きなクマを非常食に、洋一はいつもの要領で食事の準備を始めたのだった。
そこで見慣れぬ騎士姿の少女を助けたことから洋一は面倒ごとに巻き込まれていく事になる。
人々との出会い。
そして貴族や平民との格差社会。
ファンタジーな世界観に飛び交う魔法。
牙を剥く魔獣を美味しく料理して食べる男とその弟子達の田舎での生活。
うるさい権力者達とは争わず、田舎でのんびりとした時間を過ごしたい!
そんな人のための物語。
5/6_18:00完結!
ダンジョンをある日見つけた結果→世界最強になってしまった
仮実谷 望
ファンタジー
いつも遊び場にしていた山である日ダンジョンを見つけた。とりあえず入ってみるがそこは未知の場所で……モンスターや宝箱などお宝やワクワクが溢れている場所だった。
そんなところで過ごしているといつの間にかステータスが伸びて伸びていつの間にか世界最強になっていた!?
ダンジョンを拾ったので、スキル〈ホームセンター〉で好き勝手リフォームします
ランド犬
ファンタジー
異世界に転移した佐々木悠人は、召喚でも勇者でもなかった。ただ迷い込んだ先で見つけたのは、王都を望む郊外にひっそりと口を開けるダンジョン。足を踏み入れた瞬間、発動したスキルは
――〈ホームセンター〉
壁を張り替え、部屋を増やし、畑や牧場、カフェまで作れる不可思議な力だった。
気ままに始めたリフォームは、もふもふなネコミミ獣人の少女との出会いをきっかけに、思わぬ変化を呼び始める。
拡張され続けるダンジョンの先で、悠人が作り上げる“住める迷宮”とは――?
【完結】スキルを作って習得!僕の趣味になりました
すみ 小桜(sumitan)
ファンタジー
《ファンタジー小説大賞エントリー作品》 どんなスキル持ちかによって、人生が決まる。生まれ持ったスキルは、12歳過ぎから鑑定で見えるようになる。ロマドは、4度目の15歳の歳の鑑定で、『スキル錬金』という優秀なスキルだと鑑定され……たと思ったが、錬金とつくが熟練度が上がらない!結局、使えないスキルとして一般スキル扱いとなってしまった。
どうやったら熟練度が上がるんだと思っていたところで、熟練度の上げ方を発見!
スキルの扱いを錬金にしてもらおうとするも却下された為、仕方なくあきらめた。だが、ふと「作成条件」という文字が目の前に見えて、その条件を達してみると、新しいスキルをゲットした!
天然ロマドと、タメで先輩のユイジュの突っ込みと、チェトの可愛さ(ロマドの主観)で織りなす、スキルと笑いのアドベンチャー。
家の庭にダンジョンができたので、会社辞めました。
希羽
ファンタジー
都内のブラックIT企業で働く社畜・佐藤健太(27歳)。
手取り18万、残業100時間。唯一の資産は、亡き祖母から相続した郊外のボロ戸建てだけ。
「このまま死ぬのかな……」
そう絶望していたある夜、庭の物置の裏に謎の穴が出現する。
そこは、なぜか最弱モンスターしか出ないのに、ドロップアイテムだけは最高ランクという、奇跡のボーナスダンジョンだった。
試しにスライムを叩いたら、出てきた宝石の査定額はなんと――【1,000,000円】。
「……え、これ一個で、俺の年収の3分の1?」
スマホアプリで即換金、ドローン配送で手間いらず。
たった10分の庭仕事で5000万円を稼ぎ出した健太は、翌朝、上司に辞表を叩きつけることを決意する。
※本作は小説家になろうでも投稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる