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第三章 放置ダンジョンで冒険者暮らし編
第104話 ゴブリンとの初戦闘
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「ギャギャッ!」
「ギャッ!」
数匹のゴブリンがこっちを指さして騒ぎ始めた。どうやら気づかれたようだ。それなりに距離はあるが目はいいのか。尖った耳からして耳もいいのかもしれない。
「あいつら武器なんて持ってるのかよ」
「フンッ。そんなものこの筋肉で弾き返してくれる!」
熊谷が眉を顰め、中山は力こぶを見せつけた。ゴブリンは手に剣やナイフなどを持っている。更に弓矢を手にしているのもいた。
出来たばかりのダンジョンでどうやって調達したのか不思議だけど、そこを気にしていても仕方ない。
「戦うしかないか……」
「ワン!」
「ピキィ!」
「マァ!」
俺の呟きに反応してモコ、ラム、マールの三匹も声を上げ意欲を示した。本当はあまり危険な目には合わせたくないのだけど、こういうところに来ている以上、ある程度の覚悟は必要だろう。
「聖なる加護!」
愛川の声がダンジョン内に響いた。すると俺を含めた皆の体が淡く光った。
「これである程度攻撃に耐えられる筈だよ」
愛川が説明してくれた。愛川のジョブは僧侶だ。だからこういった相手を補助する魔法が得意なのだろう。
「助かるぜ」
「うむ。これで俺の筋肉もより輝くぞ!」
「ありがとう愛川!」
「ワン!」
「ピキィ!」
「マァ!」
全員で愛川にお礼を言い、ゴブリンを迎え撃とうと身構えた。
「マァ~!」
するとマールが両手を広げ、かと思えば地面から生えた蔦が何匹かのゴブリンに絡まらり動きを鈍くさせた。
マールの魔法か。これはかなり有効な魔法だと思う。
「ギャッ!」
「弓持ちがいる気をつけろ!」
蔦で動きの止まったゴブリンだが、熊谷が叫んだ。弓持ちが構わず矢を射ろうとしていたからだ。
「ピキィ!」
するとラムが液体を弾丸のように飛ばして弓持ちに命中させた。弓持ちが怯み構えが解ける。
「お前は厄介だからな!」
熊谷が身軽な動きで壁走りを見せ弓持ちゴブリンに近づいて首を刈った。熊谷あんなに動けたのか。ジョブの効果もあるのだろうけど、基本的な身体能力も高いんだと思う。
「俺の筋肉を味わえ!」
「ギャギャッ!?」
一方で中山はドッシリとした体勢からの筋肉の暴力でゴブリンを圧倒していた。
「ワンワン!」
そしてモコだ。山守家の道場で鍛えられたからか以前にもまして動きに切れがある。ゴブリンが間合いに近づくと同時に旋風脚で蹴り飛ばした。
これはもしかして俺の出番ない? と思ったりもしたが甘くはない。一匹のゴブリンがこっちに迫ってきていた。ここで俺が阻止しないと愛川の方に行ってしまう。
それは避けたいな。俺は鍬を構え覚悟を決めた。俺が相手するゴブリンは手斧を所持している。武器を持った相手との戦闘、愛川の魔法である程度攻撃に耐えられるとはいえ、怖くないといえば嘘になるか。
だけど、拳銃に比べたら大した事ない!
「ウォォオオオオ!」
気合いを声で表現し、俺はゴブリン目掛けて鍬を振った。ゴブリンが手斧で防ごうとするが、鍬の刃が手斧をへし折った。
そしてそのまま鍬はゴブリンの頭部を捉え、ゴブリンが地面に叩きつけられた。
「よしッ!」
「風間さん凄い!」
ゴブリンを倒したことで思わずガッツポーズが出た。愛川の声も聞こえてなんだかちょっとこそばゆい。
俺は改めて状況を確認したけど、他の皆もゴブリンを撃退できたようだ。とりあえずは一安心か――
「ギャッ!」
数匹のゴブリンがこっちを指さして騒ぎ始めた。どうやら気づかれたようだ。それなりに距離はあるが目はいいのか。尖った耳からして耳もいいのかもしれない。
「あいつら武器なんて持ってるのかよ」
「フンッ。そんなものこの筋肉で弾き返してくれる!」
熊谷が眉を顰め、中山は力こぶを見せつけた。ゴブリンは手に剣やナイフなどを持っている。更に弓矢を手にしているのもいた。
出来たばかりのダンジョンでどうやって調達したのか不思議だけど、そこを気にしていても仕方ない。
「戦うしかないか……」
「ワン!」
「ピキィ!」
「マァ!」
俺の呟きに反応してモコ、ラム、マールの三匹も声を上げ意欲を示した。本当はあまり危険な目には合わせたくないのだけど、こういうところに来ている以上、ある程度の覚悟は必要だろう。
「聖なる加護!」
愛川の声がダンジョン内に響いた。すると俺を含めた皆の体が淡く光った。
「これである程度攻撃に耐えられる筈だよ」
愛川が説明してくれた。愛川のジョブは僧侶だ。だからこういった相手を補助する魔法が得意なのだろう。
「助かるぜ」
「うむ。これで俺の筋肉もより輝くぞ!」
「ありがとう愛川!」
「ワン!」
「ピキィ!」
「マァ!」
全員で愛川にお礼を言い、ゴブリンを迎え撃とうと身構えた。
「マァ~!」
するとマールが両手を広げ、かと思えば地面から生えた蔦が何匹かのゴブリンに絡まらり動きを鈍くさせた。
マールの魔法か。これはかなり有効な魔法だと思う。
「ギャッ!」
「弓持ちがいる気をつけろ!」
蔦で動きの止まったゴブリンだが、熊谷が叫んだ。弓持ちが構わず矢を射ろうとしていたからだ。
「ピキィ!」
するとラムが液体を弾丸のように飛ばして弓持ちに命中させた。弓持ちが怯み構えが解ける。
「お前は厄介だからな!」
熊谷が身軽な動きで壁走りを見せ弓持ちゴブリンに近づいて首を刈った。熊谷あんなに動けたのか。ジョブの効果もあるのだろうけど、基本的な身体能力も高いんだと思う。
「俺の筋肉を味わえ!」
「ギャギャッ!?」
一方で中山はドッシリとした体勢からの筋肉の暴力でゴブリンを圧倒していた。
「ワンワン!」
そしてモコだ。山守家の道場で鍛えられたからか以前にもまして動きに切れがある。ゴブリンが間合いに近づくと同時に旋風脚で蹴り飛ばした。
これはもしかして俺の出番ない? と思ったりもしたが甘くはない。一匹のゴブリンがこっちに迫ってきていた。ここで俺が阻止しないと愛川の方に行ってしまう。
それは避けたいな。俺は鍬を構え覚悟を決めた。俺が相手するゴブリンは手斧を所持している。武器を持った相手との戦闘、愛川の魔法である程度攻撃に耐えられるとはいえ、怖くないといえば嘘になるか。
だけど、拳銃に比べたら大した事ない!
「ウォォオオオオ!」
気合いを声で表現し、俺はゴブリン目掛けて鍬を振った。ゴブリンが手斧で防ごうとするが、鍬の刃が手斧をへし折った。
そしてそのまま鍬はゴブリンの頭部を捉え、ゴブリンが地面に叩きつけられた。
「よしッ!」
「風間さん凄い!」
ゴブリンを倒したことで思わずガッツポーズが出た。愛川の声も聞こえてなんだかちょっとこそばゆい。
俺は改めて状況を確認したけど、他の皆もゴブリンを撃退できたようだ。とりあえずは一安心か――
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