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5話 悪役令嬢×ヒロイン
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「ラインハルト殿下、私はレオン殿下の婚約者です。あなたの婚約の申し込みは受け入れられませんわ」
その言葉にレオンはほっとした顔をするが私はレオンの婚約も受け入れませんけどと意地悪を言う。
だけど、そんなやりとりをして、あぜラインハルトが婚約を申し込んできたのか思い出した。
ドキドキ学園フラワープリンスのシステムでは婚約をするとライバルがヒロインに婚約を申し入れて勝負をするシステムなのだ。
婚約者がいようとも新たに婚約して奪うことができる。途中で推しが変わる人のために作られた救済システムなのだ。
だがラインハルトは私の婚約の受け入れ拒否を拒む。
「私の国では婚約者がいる相手に婚約を申し込むことができます。私はこの国の国王陛下バラムント・フロース・ローズ様から本国にいるのと同じように暮らしていいと言われています。つまりあなたに婚約を申し込むことができるのです」
「ふざけるな! そんなのは俺が許さない!」
「レオン落ち着いてください」
私がそう言うとレオンはクッとまるで漫画のように悔しがりそっぽを向いた。
私はラインハルトにレオンとは確かに婚約を解消しようとしていますが、だからと言って婚約者がいる身でそんな不誠実なことはできませんと伝えた。
とは言え、実際はラインハルトとならバッドエンドに進むことはない。
パクリ乙女ゲームたるドキドキ学園 フラワープリンスのヒロインはクラリス・リザードテイルなのだ。
そう悪役令嬢とヒロインの名前が同じでイラストも同じなのだ。
だからこそパクリと言われているのだ。
故に、ラインハルトと婚約すればそれだけでバッドエンドは免れることができる。
私にとってこんなに良い話はないのだが、それでも婚約者がいる身でそんな不誠実なことはできない。
何より王妃の仕事は思ったよりも優雅ではない。常にすべての貴族夫人の頂点でなくてはならない。
流行を追う側ではなく作る側であってこそ王妃であり、変な物を発表すれば陰で嘲笑されるのだ。
だからこそ私の目標はレオンと婚約破棄をし、義弟に家を継がせ、悠々自適に引きこもり怠惰な生活をするのが夢なのだ。
「ラインハルト様、国王陛下があなた様の治外法権を認めたとしても、私はやはりそのような不誠実なことはできないのです。お許しください」
ラインハルトは私の言葉に頷き、それでも私はあなたをお慕いしておりますと私の手を取りキスをした。
もちろん包帯がぐるぐる巻きなのでキスは全く意味がないのだがレオンの金髪の髪の毛が怒りで真っ赤に燃えたかと思うほど逆立った。
その形相に私も気圧され流石にとめられないなと思ったが、彼の怒りが爆発する寸前、医務室のドアが勢いよく開いた。
皆の注目がドアを開けた人にうつるとレオンは開けた者の顔を見て怒りが一気に萎えた。
「義姉さん、大丈夫!」
それは私の義弟、ベラルド・リザードテイルだった。
その言葉にレオンはほっとした顔をするが私はレオンの婚約も受け入れませんけどと意地悪を言う。
だけど、そんなやりとりをして、あぜラインハルトが婚約を申し込んできたのか思い出した。
ドキドキ学園フラワープリンスのシステムでは婚約をするとライバルがヒロインに婚約を申し入れて勝負をするシステムなのだ。
婚約者がいようとも新たに婚約して奪うことができる。途中で推しが変わる人のために作られた救済システムなのだ。
だがラインハルトは私の婚約の受け入れ拒否を拒む。
「私の国では婚約者がいる相手に婚約を申し込むことができます。私はこの国の国王陛下バラムント・フロース・ローズ様から本国にいるのと同じように暮らしていいと言われています。つまりあなたに婚約を申し込むことができるのです」
「ふざけるな! そんなのは俺が許さない!」
「レオン落ち着いてください」
私がそう言うとレオンはクッとまるで漫画のように悔しがりそっぽを向いた。
私はラインハルトにレオンとは確かに婚約を解消しようとしていますが、だからと言って婚約者がいる身でそんな不誠実なことはできませんと伝えた。
とは言え、実際はラインハルトとならバッドエンドに進むことはない。
パクリ乙女ゲームたるドキドキ学園 フラワープリンスのヒロインはクラリス・リザードテイルなのだ。
そう悪役令嬢とヒロインの名前が同じでイラストも同じなのだ。
だからこそパクリと言われているのだ。
故に、ラインハルトと婚約すればそれだけでバッドエンドは免れることができる。
私にとってこんなに良い話はないのだが、それでも婚約者がいる身でそんな不誠実なことはできない。
何より王妃の仕事は思ったよりも優雅ではない。常にすべての貴族夫人の頂点でなくてはならない。
流行を追う側ではなく作る側であってこそ王妃であり、変な物を発表すれば陰で嘲笑されるのだ。
だからこそ私の目標はレオンと婚約破棄をし、義弟に家を継がせ、悠々自適に引きこもり怠惰な生活をするのが夢なのだ。
「ラインハルト様、国王陛下があなた様の治外法権を認めたとしても、私はやはりそのような不誠実なことはできないのです。お許しください」
ラインハルトは私の言葉に頷き、それでも私はあなたをお慕いしておりますと私の手を取りキスをした。
もちろん包帯がぐるぐる巻きなのでキスは全く意味がないのだがレオンの金髪の髪の毛が怒りで真っ赤に燃えたかと思うほど逆立った。
その形相に私も気圧され流石にとめられないなと思ったが、彼の怒りが爆発する寸前、医務室のドアが勢いよく開いた。
皆の注目がドアを開けた人にうつるとレオンは開けた者の顔を見て怒りが一気に萎えた。
「義姉さん、大丈夫!」
それは私の義弟、ベラルド・リザードテイルだった。
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