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睦月
仕返しの回・イタズラ(全2話)
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【仕返しの回】~アルスの日常~
齋藤先生「サトシ、お前また再試だぞ。」
俺の回答用紙を突き付けてくる、国語担当の齋藤先生。
俺を含め、クラスのほぼ全員がこいつを嫌ってるだろう。
サトシ「でもよ、たんねんは書けてただろ?」
得意気に、回答用紙に書かれた「たんねん」という単語を指差す。
齋藤先生「じゃあたんねんはどれか指差してみろ」
ため息をつき、問題用紙の文章問題を見せる。
サトシ「んなもんとっくに忘れとるわ」
忘れたというか、そもそもたんねんがどの漢字のことなのかを俺は知らない。
それもそのはず、気付かれないよう試験監督に読み上げさせたものだ。
自分で勉強するわけがないだろう。
齋藤先生「それじゃあ意味がないよ」
あかん、今すぐこいつをしばきたい。
その眉を潜めて口が半開きな表情どうにかしろ。
齋藤先生「んで、再試はいつ受けるんだ?」
サトシ「明後日やるわ」
ここで俺は、こいつに仕返しすることにした。
サトシ「てか思ったんだけどさぁ」
ゆらりと、窓際へ移動する。
サトシ「先生、いつも換気しろだの言ってんやんか。」
解錠した窓を、そのまま全開にする。
サトシ「自分はしないんだな、都合のいいやつ。」
開いた窓から、強風が差し込む。
サトシ「明後日、再試頼んますわ。」
教務室を出ようとする俺を、後ろから呼び止める声が響いたが、それは全て無視しておいた。
さて、部活に行くとするか。
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
【イタズラ】~ナタモチ~
放課後、サッカー部は外で活動をしていた。
隼士「いや寒い寒い!」
腕をこすりながら、アップメニューを延々と繰り返している。
しかし、いくら体を動かしても、寒いという事実に変わりはない。
隼士「こんな日はミーティングにしてくれよ!あぁ、熱々のコーンスープが飲みたい...。」
グラウンドには風を防ぐようなものが無いので、寒さをしのげない。
隼士「ん?あれは...。」
ふと校舎を見やると、一階の部屋にサトシの姿が見えた。
隼士「あそこは教務室...ははーん、さては再試のことだな?」
俺はこっそりと窓の外まで近付き、様子を伺った。
そこには、サトシと国語担当の齋藤先生がいたので、間違いはないようだ。
隼士「う~わ、この中とか絶対暖かいじゃん、ズルいぞあいつめ...。」
こっちは極寒の中耐えながらやっているというのに。
でも、あの先生の説教を食らうとなったら、そっちもそっちで嫌ではある。
窓が閉まっているので、内容を聞き取ることができず、見ることしかできなかった。
しばらくして、サトシが窓際へと近付いてきた。
もしかして、気付かれた?
サトシは窓を開けたのち、廊下側へと去っていった。
齋藤先生「おい、閉めろ!逆恨みか!」
齋藤先生の声が響く。
なんとなくの予想だが、嫌気をさしたサトシが窓を開けたのちに、その場をあとにしたのだろう。
隼士「やるな、あいつ。」
俺はその開けられた窓を押さえた。
齋藤先生「ぐ、ぐぐ...なんだこれ、閉まらないぞ!?」
俺の存在に気付くことなく、先生は必死になって窓を閉めようとしていた。
僕らはいつも換気で寒い思いをしているのに、自分だけいい環境でいられると思わないでほしいぜ。
齋藤先生「サトシ、お前また再試だぞ。」
俺の回答用紙を突き付けてくる、国語担当の齋藤先生。
俺を含め、クラスのほぼ全員がこいつを嫌ってるだろう。
サトシ「でもよ、たんねんは書けてただろ?」
得意気に、回答用紙に書かれた「たんねん」という単語を指差す。
齋藤先生「じゃあたんねんはどれか指差してみろ」
ため息をつき、問題用紙の文章問題を見せる。
サトシ「んなもんとっくに忘れとるわ」
忘れたというか、そもそもたんねんがどの漢字のことなのかを俺は知らない。
それもそのはず、気付かれないよう試験監督に読み上げさせたものだ。
自分で勉強するわけがないだろう。
齋藤先生「それじゃあ意味がないよ」
あかん、今すぐこいつをしばきたい。
その眉を潜めて口が半開きな表情どうにかしろ。
齋藤先生「んで、再試はいつ受けるんだ?」
サトシ「明後日やるわ」
ここで俺は、こいつに仕返しすることにした。
サトシ「てか思ったんだけどさぁ」
ゆらりと、窓際へ移動する。
サトシ「先生、いつも換気しろだの言ってんやんか。」
解錠した窓を、そのまま全開にする。
サトシ「自分はしないんだな、都合のいいやつ。」
開いた窓から、強風が差し込む。
サトシ「明後日、再試頼んますわ。」
教務室を出ようとする俺を、後ろから呼び止める声が響いたが、それは全て無視しておいた。
さて、部活に行くとするか。
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
【イタズラ】~ナタモチ~
放課後、サッカー部は外で活動をしていた。
隼士「いや寒い寒い!」
腕をこすりながら、アップメニューを延々と繰り返している。
しかし、いくら体を動かしても、寒いという事実に変わりはない。
隼士「こんな日はミーティングにしてくれよ!あぁ、熱々のコーンスープが飲みたい...。」
グラウンドには風を防ぐようなものが無いので、寒さをしのげない。
隼士「ん?あれは...。」
ふと校舎を見やると、一階の部屋にサトシの姿が見えた。
隼士「あそこは教務室...ははーん、さては再試のことだな?」
俺はこっそりと窓の外まで近付き、様子を伺った。
そこには、サトシと国語担当の齋藤先生がいたので、間違いはないようだ。
隼士「う~わ、この中とか絶対暖かいじゃん、ズルいぞあいつめ...。」
こっちは極寒の中耐えながらやっているというのに。
でも、あの先生の説教を食らうとなったら、そっちもそっちで嫌ではある。
窓が閉まっているので、内容を聞き取ることができず、見ることしかできなかった。
しばらくして、サトシが窓際へと近付いてきた。
もしかして、気付かれた?
サトシは窓を開けたのち、廊下側へと去っていった。
齋藤先生「おい、閉めろ!逆恨みか!」
齋藤先生の声が響く。
なんとなくの予想だが、嫌気をさしたサトシが窓を開けたのちに、その場をあとにしたのだろう。
隼士「やるな、あいつ。」
俺はその開けられた窓を押さえた。
齋藤先生「ぐ、ぐぐ...なんだこれ、閉まらないぞ!?」
俺の存在に気付くことなく、先生は必死になって窓を閉めようとしていた。
僕らはいつも換気で寒い思いをしているのに、自分だけいい環境でいられると思わないでほしいぜ。
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