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長月
2つの名・本来の名前の回(全2話)
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【2つの名】~ナタモチ~
藍夏「そういえばクレさ」
昼休み、フルーツサンドを食べるクレに藍夏は話を切り出した。
藍夏「あんたちはちゃんって呼ばれるけど、あれってミドルネームとかなの?」
他クラスの友達だろうか、ある休み時間にクレと話している生徒がいた。
その時、クレをちはちゃんと呼んでいたのだ。
私が尋ねると、クレは食べていた物を飲み込むと、「千春は名字だよ!」と告げた。
事実を明かすと、藍夏は「えっ!?」と声を上げて驚く。
彼女の本名は千春 クレイアネ。
名前のような名字に、初対面の人は惑わされることが多いようだ。
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
【本来の名前の回】~アルスの日常~
エル「私の名前、本当はなんていうか知ってる?」
話をするクレと藍夏の間に入り、エルは自分の名前についてを問う。
藍夏「なんだっけ、なんかエレメントみたいなのだったような。」
藍夏にくすりと笑い、エルはアルスの方へと視線を向ける。
エル「アルス君は知ってるよね!」
付き合いの長いアルスは、当然知っているはずだ。
しかしアルスは、少し考えたのちに「忘れた」と言った。
エル「ちょっと!」
冗談めかして呟くアルスに、エルはズイッと顔を近付けた。
クレ「呼んであげないとエルちゃん、悲しい気持ちになっちゃうよ~!」
笑いながら泣くジェスチャーをするクレ。
エルはクレの腕に抱きつき、潤った瞳をアルスに向けた。
アルス「え~、なにゼントだった?」
エル「もうそれ知ってるから!」
ボケを挟むアルスに、エルのツッコミが炸裂した。
アルス「分かったって、エルゼント。」
アルスは彼女の名前を口にすると、パッとなにか閃いた表情を浮かべた。
アルス「なんか久々に呼んだな。いつもエルって呼んでるからこっちに定着してるわ。」
そう言うと、同意見だという藍夏も「呼びやすいからね、エルの方が。」と同調した。
アルス「...ん?どうしたんだエル、具合でも悪いのか?」
エルを見ると、うつむいて黙り込んでいた。
さっきまであれだけ笑っていたというのに、一体どうしてしまったのだろう。
アルスはクレと一緒に顔を覗き込むと、エルは顔を赤くして汗をかいていた。
アルス「え、マジでどしたん!?熱あるのか!?」
クレ「大変!保健室連れてかないと!」
2人は急いで、エルを保健室へと連れて行った。
藍夏「...名前呼ばれて照れただけでしょ。」
教室から去っていく3人を静かに見届ける藍夏。
フッと微笑み、携帯をいじり始めた。
藍夏「そういえばクレさ」
昼休み、フルーツサンドを食べるクレに藍夏は話を切り出した。
藍夏「あんたちはちゃんって呼ばれるけど、あれってミドルネームとかなの?」
他クラスの友達だろうか、ある休み時間にクレと話している生徒がいた。
その時、クレをちはちゃんと呼んでいたのだ。
私が尋ねると、クレは食べていた物を飲み込むと、「千春は名字だよ!」と告げた。
事実を明かすと、藍夏は「えっ!?」と声を上げて驚く。
彼女の本名は千春 クレイアネ。
名前のような名字に、初対面の人は惑わされることが多いようだ。
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【本来の名前の回】~アルスの日常~
エル「私の名前、本当はなんていうか知ってる?」
話をするクレと藍夏の間に入り、エルは自分の名前についてを問う。
藍夏「なんだっけ、なんかエレメントみたいなのだったような。」
藍夏にくすりと笑い、エルはアルスの方へと視線を向ける。
エル「アルス君は知ってるよね!」
付き合いの長いアルスは、当然知っているはずだ。
しかしアルスは、少し考えたのちに「忘れた」と言った。
エル「ちょっと!」
冗談めかして呟くアルスに、エルはズイッと顔を近付けた。
クレ「呼んであげないとエルちゃん、悲しい気持ちになっちゃうよ~!」
笑いながら泣くジェスチャーをするクレ。
エルはクレの腕に抱きつき、潤った瞳をアルスに向けた。
アルス「え~、なにゼントだった?」
エル「もうそれ知ってるから!」
ボケを挟むアルスに、エルのツッコミが炸裂した。
アルス「分かったって、エルゼント。」
アルスは彼女の名前を口にすると、パッとなにか閃いた表情を浮かべた。
アルス「なんか久々に呼んだな。いつもエルって呼んでるからこっちに定着してるわ。」
そう言うと、同意見だという藍夏も「呼びやすいからね、エルの方が。」と同調した。
アルス「...ん?どうしたんだエル、具合でも悪いのか?」
エルを見ると、うつむいて黙り込んでいた。
さっきまであれだけ笑っていたというのに、一体どうしてしまったのだろう。
アルスはクレと一緒に顔を覗き込むと、エルは顔を赤くして汗をかいていた。
アルス「え、マジでどしたん!?熱あるのか!?」
クレ「大変!保健室連れてかないと!」
2人は急いで、エルを保健室へと連れて行った。
藍夏「...名前呼ばれて照れただけでしょ。」
教室から去っていく3人を静かに見届ける藍夏。
フッと微笑み、携帯をいじり始めた。
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