毎日!アルスの日常365

星月

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神無月

みかん抗争・相手はハンバーグ・展望台で撮った写真の回(全3話)

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【みかん抗争】

カヤサ「こいつは俺のだ!」
厚史「ズルいぞおい!」

カヤサと厚史は朝から、教室内で追いかけっこをしていた。

アルス「なんの騒ぎや」

エルと共に登校してきたアルスは、その様子を眺めていたクレと飛鳥に状況を尋ねた。

飛鳥「クレがみかんをあげたら、取り合いが始まってさ。」

抗争を繰り広げる2人を、携帯で動画に収めながら簡単に説明した。

クレは「賑やかだね~!」と楽しそうにしている。

飛鳥「あんたがあげなければ、あのバカ達の耳をつんざくような奇声を聞かなくて済むってのに。」

うんざりしたような表情を浮かべる飛鳥だが、その手にしている携帯は一体なんだというのだろうか。
表ではそう言っているが、実は思い出の1つと考え裏では楽しんでいると、みんなは気付いていた。

微笑むクレとエルに顔を合わせると、アルスは歩を進め「おいお前ら」と2人を呼び止める。

アルス「休戦だ、今日くらいは平和に過ごそう。」

カヤサの手からみかんを取ると、人差し指の先に乗せバランスを保つ。

カヤサ「まあ...たまにはな?」

頭の後ろで手を組み、カヤサは意外にもあっさりと提案に乗った。

厚史「じゃあ、3人で分けるか!」

近くの机の上に腰掛け、厚史は解決策を講じた。

アルス「え、俺もいいん?」

パシッとみかんを掴み直すアルスに、カヤサは「当たり前だろ?俺達の仲じゃねぇか!」と肩を組む。

アルス「さんきうな、ほんじゃ皮取るで。」

礼を述べると、アルスはみかんの皮を剥き始めた。

厚史「お前器用だな!?」

途中でちぎれることの無かった剥いたみかんの皮は、綺麗な渦を巻いていた。

アルス「これ取りやすかったわ。...で、三等分にすりゃいいんだよな?」

そう言うと、アルスはカヤサと厚史に3つずつ渡した。

カヤサ「ん?お前ちょっと見せろ。」

違和感を覚えたカヤサはすかさずアルスの手首を掴み、右手に乗せられたみかんの個数を数えた。

カヤサ「いち、に、さん...お前5個あるじゃねぇか!」

カヤサが声を上げると、アルスは「バレたか」と口元を緩ませた。



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【相手はハンバーグ】~ナタモチ~

隼士は弁当箱を開けると、大きなハンバーグが入っているのが分かった。

隼士「うおっ!?マジかよ!」

軽い気持ちで中身を覗いてしまったが、こいつはつまみ食いできるような相手ではない。

まだ2限目が終わったばかりだと言うのに、食欲がそそられる。
こんなことになるのなら、覗き見しなければよかったと後悔した。

堂々と鎮座するハンバーグから誘惑のオーラが漂い、つい手が伸びようとしてしまう。

一口くらい...そんな甘い気持ちを抑制し、隼士は弁当箱の蓋を閉めた。



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【展望台で撮った写真の回】~アルスの日常~

ユウキ「なに見てるの?」

ユウキは休み時間、一緒に携帯の画面を見ている近藤と杏姉に声をかけた。

近藤「この前2人でな、ちょっとした登山をしたんだよ。」

近藤は振り向くと、携帯の画面を見せてくれた。

杏姉「展望台の上で、私と近藤君の2人で撮ってみたのですが...。」

少し恥ずかしそうに、杏姉が説明をする。

画面には、近藤がシャッターを切ったであろう自撮り写真が表示されていた。
背景に広がる自然の奥には、小さくなった町が見える。

ユウキ「へぇ~、いい写真だね!よく撮れてると思う!」

写真を称賛すると、近藤は嬉しそうに笑い、杏姉は照れるように微笑んだ。

近藤「こういう2人で映る写真、あまり無かったんだよな。これからはたくさん撮っていきたいと俺は思ってるぜ!」
杏姉「カメラに映るのは苦手ですが...頑張ってみますね。」

顔を合わせて笑顔を浮かべる2人を見て、ユウキは温かな気持ちに包まれた。
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