四元戦士の理

星月

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FLOWER-3.17

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深い森の奥に潜む、一人の女性がいた。
身に纏った真紅のドレスは、微風によってにヒラヒラと靡いている。

泉のほとりに咲く赤色の花に触れながら、彼女は自然との調和を悲願していた。

~~~~~

カツキとマリンは玄関を出ると、自宅の前に一台の車が停まっているのが見えた。
運転席にはシーワ先生の姿が見え、カツキは窓の前へと駆け寄る。

カツキ「シーワさんおはよ~!待ってた~?」

窓が開くと、カツキは挨拶を交わす。
遅れてやってきたマリンも、私の後ろで会釈をしているようだ。

シーワ「おはよう、カツキちゃんとマリンちゃん。」

サングラスを外しながら、カツキとハイタッチをするシーワ。
外したサングラスをケースにしまうと「今着いたところよ、後ろ空いてるから乗った乗った!」と2人に乗り込むよう促した。

カツキ「じゃ、お願いしま~す!」

そう言って、マリンと共に車へと乗り込んだ。

今日は祝日であり、学校は休みであった。
しかし先日、シーワ先生からお出掛けのお誘いを受けたのだった。

___二日前...。

シーワ「カツキちゃん、ちょっといいかな?」

廊下を歩いていたカツキは、後ろからシーワ先生に声を掛けられた。

担当科目である社会科の教材等を抱えていたシーワ先生。
私に向けて、話を切り出した。

シーワ「明日の休み、森の泉に行くのだけれど。カツキちゃん確かどこかで行きたいって話してたよね、よかったら一緒に来ないかしら?」

そんなお誘いにカツキは断る理由もなく「行きた~い!」と即決したのだ。

___そして、今に至る。

シーワ「お昼時には終わる予定だから、用事を済ませたらどこかで食べましょ。」

車を走らせながら、シーワはスケジュールを組む。

カツキ「賛成~!ねぇマリン!なに食べたい?」

私がそう尋ねると、マリンはジェスチャーを介して伝えてくる。

カツキ「あ~いいね!でも向こうにその店あるのかな?」

なんて対話をしていると、あることに気が付いた。
シーワがなにやら、不穏な表情を浮かべているということを。

ミラー越しにそんな表情が窺え、カツキは少し心配そうに尋ねた。

カツキ「シーワさん?どうかしたの?」

身を乗り出し、直接シーワの顔を覗き込む。

ハッとしたシーワは「ううん、なんでもないよ。」と、咄嗟に微笑みを繕う。

シーワ「ただ、向かう先の天気が少し怪しくてね~。」

泉のある森の方向に視線を向けると、確かに黒い雨雲が浮かんでいた。

こっちを含め辺りは晴れているが、明らかに目的地周辺だけ天候が悪い。
シーワはなにかを感じ取った様子であるが、私もこの状況には心当たりがあった。

カツキ「...雨、降らないといいね。」

悪い予感が的中しないことを願いながら、私はそう口にした。
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