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それから私たちは話すことはなかった。
半月くらい家の中で会っても話すことはなかった。
そして
「これ…」
週末珍しく早く帰ってきたなと思ったら、私に封筒を渡し、それが離婚届で
私はそれに名前を記入した。
「俺が出す?」
「…私が出すよ」
既に隆也さんは記入済なので、あとは提出するだけだ。
「…隆也さん、ありがとう」
何にありがとうか解らないけど、一言言った。
「…」
「短い間だったけど、私…」
「…で、なに?それは」
急にこっちをみて隆也さんが私に言った
「…んで、泣いてるの?」
えっ?
あっ
「あっ、あ、ごめん」
自分でも気が付いてなかった。
私涙を流してる。
「あ、いや、なんでだろ?ごめん」
どうして?涙が止まらない。
グイッ
「…え?」
腕を強く捕まれ
「…言いたいことあるんじゃないの?」
久々に触れる腕がジンジンする。
「な、なにかって…」
「言いたいこと、あるでしょ?」
「…な、ないよ」
今さら言って何になるの?
「晴海さん!!」
「…な、ないよ!何も」
ないと言ってるのに、涙が止まらない。
「ご、ごめん、顔洗って…」
洗面所に行こうとするも阻止され
「言って!」
離そうとしない。
「俺たちもう最後になるんだから、言ってよ!」
…最後…
そうだ。離婚するんだから、もう会わないんだ、私たち。
「晴海さん!!」
強い目で私をみて訴える。
あー、もう…
止まらない涙…
きっと私は…
「…った」
「え?」
「辛かった!苦しかった!」
そう、辛かった!苦しかった!
そう言うと、オイオイ泣いてしまった。
「…」
「…わ、わたし、隆也さんが好きでもないで結婚するの知ってた。だから、せめて嫌な思いさせないようにと…」
この結婚生活は、愛されてないことは知ってたので
「せ、せめて、少しでも楽しくなれればと…」
そうだ。愛のない結婚ならせめて楽しくと思ったんだった。
ギクシャクしない、それで…
それで…
「…どういうこと?」
始めてみる怒りのような、苛立ちのような顔。
「どういうことって…」
そのままだけど
「俺が好きでもないで結婚?いつ誰が言ったの?」
「…お見合いのときに、お義母さんと隆也さんが言ってて」
「え?」
「歳は離れてるけど、悪い人じゃなさそうだからって…、お義母さんが言うなら進めるって」
「っ!?」
ビックリした顔をしてる。
まさか聞かれてたとは思ってなかったんだろうな。
「だから、お見合いも結婚も隆也さんの意志じゃないんだと…」
「…あっ」
言葉を詰まらせてる。
そして
「…だからか」
「え?」
「だから…何も言わなかったのか」
何も言わなかったんじゃない。何も言えなかったんだよ
「俺が…、出くわしたのも、聞けなかったのも…」
「…」
掴んだ腕を緩め
「…ごめん」
私は首左右に振って
「だって、隆也さんからしたら辛かったと思うし、…好きでもない相手と結婚して、あの人が本当に好きな人だったとしたら…」
「…あっ、ち、違う!」
「え?」
「違うんだ、確かに、彼女と会ってたのは認めるよ。でも違うんだ」
違うって?
「俺…、晴海さんが、俺にあまりにも興味ないから、イラっとしてその時言い寄ってきた後輩につい…」
!?
「出来心と言ったらそうなる。最低なことしたと思ってる。でも、あまりにも俺に興味ないから…」
ど、どういうこと?
「俺…、確かに見合いは気乗りしなかったよ。物心ついたときから血の繋がってない両親に育てられて迷惑かけまいとしてずっと生きてきた。だから、見合いの話しも初めはまだ若いし考えてないと言ったんだが、義母さんが孫の顔みたいとか言い出して…」
やっぱり、そういうことか。
「彼女もいなかったしね、仕事も少しずつ色々やれるようになってきて、しばらくは仕事中心でもいっかって思ってたから」
涙は止まり、隆也さんの話しに耳を傾けるけど、やっぱり私でなくてもよかったんだなーと実感してしまう。
「…勘違いしてるかもだけど、もしかして晴海さんは俺のこと少しは好きでいてくれたってこと?」
…
…
そんなこと考えたことなかった。
隆也さんが好きかどうかなんて…
楽しく出来るように…てそればかり考えてた。
私が隆也さんのこと好きなんてこと…
な、なに?気持ちが凄い楽になった気がする。
「わ、わたし…」
もしかして認めたくなかっただけ?凄いドキドキする。
好き…
私、隆也さんのこと、きっと好きなんだ。
「…晴海さん?」
1度好きと思ったら気持ちが収まらなくなりそう。
でも、離婚するんだよ!もう全てが遅い
「…」
「…違うのかな?」
好きだと言ってどうするの?言ったからってどうにもならないじゃん。
「晴海さん…」
「そ、それ聞いてどうするの?」
そうだ、今更そんなこと聞いたって意味ない。
「…俺は晴海さんが好きだ」
!?
「なっ…」
「確かに、お見合いもその後もその気ではなかったよ!でも好きでなければ結婚して欲しいって言わないよ!」
「そ、そんな…、だって」
「俺は、晴海さんの魅力をどんどん知って好きになったよ」
信じられない。
今まで好きなんて一言も…
「晴海さんは俺にいつも優しくって、いつも気を遣ってくれて、俺でなくても結婚したかったんだろうなって」
「ち、違う!」
「え?」
「ずっと、楽しくやろうとそのこもしか考えてなかったけど、私今気が付いた。隆也さんに嫌われたくなかった。好きだから…嫌われたくなかったんだ」
そういうと、腕を引っ張られて
「…俺達…、似た者同士すぎ」
抱き締められて
「もう、そんなこと考えないで」
「…え?」
「腹立ったら怒っていいし、言いたいことは言って欲しい。俺もする。年下で頼りないけど、晴海さんを守りたい」
「…だ、だって離婚…」
「するわけないだろ!こんなの知ってするわけない!!」
「俺のこと年下過ぎて頼りない?」
「…そんなことはないと思う。私からしたら年上過ぎて女と思われてないだろうと思ってたし」
「…それ逆だよ、俺のが…」
そう言うと、また腕にちからを込めて
「もう浮気しない!あのこともとっくに切れてるよ!」
「え、でも、週末いつもいなかったし」
「俺、資格とりたくって週末はスクール行って勉強してるんだよ」
「そ、そうなの?」
てっきり彼女のことろかと…
「彼女には悪いことした。言い寄られて勢いで…、その気持ちを晴海さんに伝えることが出来ず、彼女で発散しようとしてた。何度も謝罪して終わらせて貰ったよ」
少し離れて私の顔をみて
「晴海さん、調子がよすぎて申し訳ないけど、俺達これからスタートしたい」
「…」
好きだけど、でも…
「私でいいの?」
「晴海さんがいい。」
軽くキスされて
「言っとくけど俺、甘えん坊で我が儘で嫉妬深い。マジでガキだよ!」
「わ、私も、年上だからって必死だっけど本当は…」
「いいよ!何でも。だからずっといよう?いい?」
「…うん」
身体が熱くなる。
「隆也さん、好き」
「!!」
え?
「もう、煽らないで!」
えっ?
見ると困った顔してる。
「晴海さんにそんなこと言われたら制御できないよ!」
制御って…
急な展開にビックリで、でも自分の気持ちに気づかなかったことにもビックで
「本当に…、私のこと好きなの?」
「信用出来ない?」
「だって、うーん」
と言うと、キスをされて頭をガッチリホールドされた。
隆也さんはいつも優しいキスだったから、そうなのかと思ったら
「ん~ん!!」
息が出来ないくらい苦しくって、それで私を離さないようなキスが…
激しい…
ついてくのに必死で、あまりの情熱なキスにクラッとしそうになった。
長いキスのあと
「…ごめん、我慢できない」
「え?」
そのまま後ろにあるソファに倒されて
「晴海さん、俺もう無理だから。ずっと子供っぽくないように、嫌われないように、晴海さんが少しでも俺に心開くようにって考えてた。でも…、猫かぶっても仕方ない。ありのままの俺見て!だから晴海さんもありのままの見たい」
「あ、ちょっ!!」
それからの隆也さんは、がっつくように溺愛した。
いつも穏和に優しく抱く隆也さんと大違い。
「あっ、ヤベー!!」
と、言いながら愛情一杯注ぐ。
「ちょ、…隆也さんもう無理!!」
あまりの長さについ言ってしまった。
だって、多分だけど4時間以上な気がする。
こんなの初めてで、もう身体が…
「ごめん、俺少し性欲強いんだよね」
少し…、強烈にの間違いじゃない!?
「はぁー」
ベットに横にお互いになって、隣で急ため息をつく。
そりゃー、疲れるでしょ?と思いきや
「あのまま離婚進めないでよかった」
と隣で言う。
あっ、そうだった。
今が強烈すぎて吹っ飛んでたけど、私たち離婚するんだった。
「もう、離婚はしないからね。解ってると思うけど」
私の顔を触ってこっちをみる。
「出会いは見合いだけど、でも俺は晴海さんに会えてよかったと思ってる。」
「うん、私も」
「うん」
そう言ってチュッとキスをする。
「ねぇ、これからは隆也でいいから」
「え?」
「だから、俺も晴海って呼びたい」
「…うん」
今までの出来事が嘘のように、この数時間で全てが変わった。
まだ、幸せとかそういうのに気持ちがついていけないけど、また一緒に生活出きることは素直に喜びたいと思う、
「じゃ、行ってくるね」
「あ、晴海!」
「ん?」
チュッ
「外すなよ!」
「…うん」
そう言って玄関に向かう。
外すなよ!の意味は結婚指輪。
普段から指輪はしなかったし、会社でも旧姓で仕事してるからないほうが楽だった。
指輪をしない私を見て隆也もしてなかった。
けど、これからは2人とも指輪をしようってことに。
「おはようございます」
と挨拶をして席にすわる。
「永沢主任、すいません。昨日お話ししてた書類ですがご確認お願いします」
「あっ、了解です」
そう言って、書類に目を通そうとしたら
「あれ?主任…、指輪?ファションリング?じゃないですよね、これって」
はやっ!!もう気づくか?
「あ、うん。…そうね」
「これって、もしかして結婚指輪とか?」
「まぁ、そういうことになるかな」
「えええっ!!!」
と、叫ぶ
ちょ、ちょっと!!
「主任ご結婚されてたんですか!?」
テンション高めに言われ、周りも注目!
「あっ、うん。そうね」
「知らなかったです!」
「えっ!?永沢さん、結婚してたの?」
同僚の子もたまたま近くにいて
「あ、いや…、まぁうん」
「え!?いつですか?」
と、その後は質問責めだった。
けど、何度も質問責めにあっても今は仕事中だし
「と、とりあえず今は勤務時間だから、この件は終わりにしましょう」
と、無理やり話を切り替え、まだ聞きたかったって顔の人もいたけど中断することに成功した。
昼休み、いつものように1人で社食にいってたら、隆也からチャットがきた。
『やべー!いつ結婚したの?って質問責めだったわ(^-^;』
ぷっ
私と同じじゃん!!
すぐに
『私も凄かったよ』
って、返したとき
「お疲れ様」
「あっ」
田上課長が近くにきた。
「そこいい?」
有無も言わず、前に座った。
「驚いたよ!結婚してたんだな」
ちょっと凄くない!?まだ3時間くらいだよ、ばれて。
どういう連絡網持ってるのよ!
「…情報早いですね」
「そういうのが好きな女子社員はどこも居るからな」
「…なるほど」
「で、色々悩んでたから倒れたりしてたわけだ」
「いえ、ただの体調管理不足です」
「…まぁ、そういうことにしとくよ!幸せ?」
な、なに?なんでそんなこと聞くのよ!
「…はい」
「なら、よかったよ」
私に優しそうな顔をした。
その後はあまり話さず昼食を食べ、自席に戻った。
午後も仕事するも、皆の興味は訴えてる!
お局の結婚がそんなに興味あるのか?
それともこの人はしないと思ったからの興味なのか?
どっちにしても、今日は注目の対象になってしまった。
残業も1時間ほどして
「じゃ、お先です」
会社を出た。
この指輪でこんな効果あるとは…
女子社員っていつも何処みてるのかしら?
という疑問を持ちながら駅に向かった。
今日は週末だし、お酒でも買って晩酌しながらゆっくりしたいなー
なんてことを考えてたら
「晴海」
えっ!?
「お!すげー!すぐ会えた」
隆也が横から声をかけてきた。
「な、なに?どうしたの?」
「隣の駅で打ち合わせあってさ、現地解散だったんで、確か晴海の会社の駅ここだよなーと思って降りた。時間的にも居そうだったし、少ししたらチャットしようと思ったんだけど、まさか着いたと同時に会えると思わなかったよ」
いやだ、そんな嬉しそうな顔しないでよ!こっちが照れる。
「ほんとに、ビックリしたよー!」
「俺も。ビックリしてる」
隆也は、そっと手を繋いできて
「これから、デートしようよ!」
「えっ!?」
「たまにはいいでしょ?」
そういえば、2人で出掛けたことて久しくないな。
前はよく、家の家具やら足りないものを一緒に買いに行ったけど、用がないと出掛けなかったな。
「美味しいところ、調べといたら」
「うん、わかった。じゃ今日はよろしくね!」
そう言って歩きだそうとしたら
「水沢主任?」
えっ!?
振り向いたら、あの指輪をみつけた女子社員がいた。しかも同僚数人を連れて…
「あっ、お、お疲れ様です」
「も、もしかして、その方旦那さんですか?」
まさか、今日の今日で…、なんていうタイミングよ!!
「あ、うん。そう…」
繋いだ手を離そうとしたが、隆也は離してくれず
「晴海、会社の方?」
と聞かれたので頷くと
「うちの妻がいつもお世話になってます」
と言って軽く頭を下げた。
ひぇー!!妻って…
まぁ、妻だけど…、隆也から言われると照れるよ
「あっ、いや、こちらこそ、いつもお世話になってます」
といって、彼女らも挨拶をした。
「主任、メチャかっこいいじゃないですか」
と言われ、うんっと言ってわからず。
向こうでは勝手に盛り上がってるし…
「じゃ、すいません。私達はこれで失礼します。今後ともよろしくお願いします」
と、隆也は言って
「じゃ、また来週、お疲れ様でした」
私も付け足すように言って、彼女らから離れた。
来週またなんか言われそうだわ…
「晴海」
手をさしのべられてそれに答える。
まだまだ手探りな私たちだけど、夫婦としてゆっくり進めたらいいと思ってる
半月くらい家の中で会っても話すことはなかった。
そして
「これ…」
週末珍しく早く帰ってきたなと思ったら、私に封筒を渡し、それが離婚届で
私はそれに名前を記入した。
「俺が出す?」
「…私が出すよ」
既に隆也さんは記入済なので、あとは提出するだけだ。
「…隆也さん、ありがとう」
何にありがとうか解らないけど、一言言った。
「…」
「短い間だったけど、私…」
「…で、なに?それは」
急にこっちをみて隆也さんが私に言った
「…んで、泣いてるの?」
えっ?
あっ
「あっ、あ、ごめん」
自分でも気が付いてなかった。
私涙を流してる。
「あ、いや、なんでだろ?ごめん」
どうして?涙が止まらない。
グイッ
「…え?」
腕を強く捕まれ
「…言いたいことあるんじゃないの?」
久々に触れる腕がジンジンする。
「な、なにかって…」
「言いたいこと、あるでしょ?」
「…な、ないよ」
今さら言って何になるの?
「晴海さん!!」
「…な、ないよ!何も」
ないと言ってるのに、涙が止まらない。
「ご、ごめん、顔洗って…」
洗面所に行こうとするも阻止され
「言って!」
離そうとしない。
「俺たちもう最後になるんだから、言ってよ!」
…最後…
そうだ。離婚するんだから、もう会わないんだ、私たち。
「晴海さん!!」
強い目で私をみて訴える。
あー、もう…
止まらない涙…
きっと私は…
「…った」
「え?」
「辛かった!苦しかった!」
そう、辛かった!苦しかった!
そう言うと、オイオイ泣いてしまった。
「…」
「…わ、わたし、隆也さんが好きでもないで結婚するの知ってた。だから、せめて嫌な思いさせないようにと…」
この結婚生活は、愛されてないことは知ってたので
「せ、せめて、少しでも楽しくなれればと…」
そうだ。愛のない結婚ならせめて楽しくと思ったんだった。
ギクシャクしない、それで…
それで…
「…どういうこと?」
始めてみる怒りのような、苛立ちのような顔。
「どういうことって…」
そのままだけど
「俺が好きでもないで結婚?いつ誰が言ったの?」
「…お見合いのときに、お義母さんと隆也さんが言ってて」
「え?」
「歳は離れてるけど、悪い人じゃなさそうだからって…、お義母さんが言うなら進めるって」
「っ!?」
ビックリした顔をしてる。
まさか聞かれてたとは思ってなかったんだろうな。
「だから、お見合いも結婚も隆也さんの意志じゃないんだと…」
「…あっ」
言葉を詰まらせてる。
そして
「…だからか」
「え?」
「だから…何も言わなかったのか」
何も言わなかったんじゃない。何も言えなかったんだよ
「俺が…、出くわしたのも、聞けなかったのも…」
「…」
掴んだ腕を緩め
「…ごめん」
私は首左右に振って
「だって、隆也さんからしたら辛かったと思うし、…好きでもない相手と結婚して、あの人が本当に好きな人だったとしたら…」
「…あっ、ち、違う!」
「え?」
「違うんだ、確かに、彼女と会ってたのは認めるよ。でも違うんだ」
違うって?
「俺…、晴海さんが、俺にあまりにも興味ないから、イラっとしてその時言い寄ってきた後輩につい…」
!?
「出来心と言ったらそうなる。最低なことしたと思ってる。でも、あまりにも俺に興味ないから…」
ど、どういうこと?
「俺…、確かに見合いは気乗りしなかったよ。物心ついたときから血の繋がってない両親に育てられて迷惑かけまいとしてずっと生きてきた。だから、見合いの話しも初めはまだ若いし考えてないと言ったんだが、義母さんが孫の顔みたいとか言い出して…」
やっぱり、そういうことか。
「彼女もいなかったしね、仕事も少しずつ色々やれるようになってきて、しばらくは仕事中心でもいっかって思ってたから」
涙は止まり、隆也さんの話しに耳を傾けるけど、やっぱり私でなくてもよかったんだなーと実感してしまう。
「…勘違いしてるかもだけど、もしかして晴海さんは俺のこと少しは好きでいてくれたってこと?」
…
…
そんなこと考えたことなかった。
隆也さんが好きかどうかなんて…
楽しく出来るように…てそればかり考えてた。
私が隆也さんのこと好きなんてこと…
な、なに?気持ちが凄い楽になった気がする。
「わ、わたし…」
もしかして認めたくなかっただけ?凄いドキドキする。
好き…
私、隆也さんのこと、きっと好きなんだ。
「…晴海さん?」
1度好きと思ったら気持ちが収まらなくなりそう。
でも、離婚するんだよ!もう全てが遅い
「…」
「…違うのかな?」
好きだと言ってどうするの?言ったからってどうにもならないじゃん。
「晴海さん…」
「そ、それ聞いてどうするの?」
そうだ、今更そんなこと聞いたって意味ない。
「…俺は晴海さんが好きだ」
!?
「なっ…」
「確かに、お見合いもその後もその気ではなかったよ!でも好きでなければ結婚して欲しいって言わないよ!」
「そ、そんな…、だって」
「俺は、晴海さんの魅力をどんどん知って好きになったよ」
信じられない。
今まで好きなんて一言も…
「晴海さんは俺にいつも優しくって、いつも気を遣ってくれて、俺でなくても結婚したかったんだろうなって」
「ち、違う!」
「え?」
「ずっと、楽しくやろうとそのこもしか考えてなかったけど、私今気が付いた。隆也さんに嫌われたくなかった。好きだから…嫌われたくなかったんだ」
そういうと、腕を引っ張られて
「…俺達…、似た者同士すぎ」
抱き締められて
「もう、そんなこと考えないで」
「…え?」
「腹立ったら怒っていいし、言いたいことは言って欲しい。俺もする。年下で頼りないけど、晴海さんを守りたい」
「…だ、だって離婚…」
「するわけないだろ!こんなの知ってするわけない!!」
「俺のこと年下過ぎて頼りない?」
「…そんなことはないと思う。私からしたら年上過ぎて女と思われてないだろうと思ってたし」
「…それ逆だよ、俺のが…」
そう言うと、また腕にちからを込めて
「もう浮気しない!あのこともとっくに切れてるよ!」
「え、でも、週末いつもいなかったし」
「俺、資格とりたくって週末はスクール行って勉強してるんだよ」
「そ、そうなの?」
てっきり彼女のことろかと…
「彼女には悪いことした。言い寄られて勢いで…、その気持ちを晴海さんに伝えることが出来ず、彼女で発散しようとしてた。何度も謝罪して終わらせて貰ったよ」
少し離れて私の顔をみて
「晴海さん、調子がよすぎて申し訳ないけど、俺達これからスタートしたい」
「…」
好きだけど、でも…
「私でいいの?」
「晴海さんがいい。」
軽くキスされて
「言っとくけど俺、甘えん坊で我が儘で嫉妬深い。マジでガキだよ!」
「わ、私も、年上だからって必死だっけど本当は…」
「いいよ!何でも。だからずっといよう?いい?」
「…うん」
身体が熱くなる。
「隆也さん、好き」
「!!」
え?
「もう、煽らないで!」
えっ?
見ると困った顔してる。
「晴海さんにそんなこと言われたら制御できないよ!」
制御って…
急な展開にビックリで、でも自分の気持ちに気づかなかったことにもビックで
「本当に…、私のこと好きなの?」
「信用出来ない?」
「だって、うーん」
と言うと、キスをされて頭をガッチリホールドされた。
隆也さんはいつも優しいキスだったから、そうなのかと思ったら
「ん~ん!!」
息が出来ないくらい苦しくって、それで私を離さないようなキスが…
激しい…
ついてくのに必死で、あまりの情熱なキスにクラッとしそうになった。
長いキスのあと
「…ごめん、我慢できない」
「え?」
そのまま後ろにあるソファに倒されて
「晴海さん、俺もう無理だから。ずっと子供っぽくないように、嫌われないように、晴海さんが少しでも俺に心開くようにって考えてた。でも…、猫かぶっても仕方ない。ありのままの俺見て!だから晴海さんもありのままの見たい」
「あ、ちょっ!!」
それからの隆也さんは、がっつくように溺愛した。
いつも穏和に優しく抱く隆也さんと大違い。
「あっ、ヤベー!!」
と、言いながら愛情一杯注ぐ。
「ちょ、…隆也さんもう無理!!」
あまりの長さについ言ってしまった。
だって、多分だけど4時間以上な気がする。
こんなの初めてで、もう身体が…
「ごめん、俺少し性欲強いんだよね」
少し…、強烈にの間違いじゃない!?
「はぁー」
ベットに横にお互いになって、隣で急ため息をつく。
そりゃー、疲れるでしょ?と思いきや
「あのまま離婚進めないでよかった」
と隣で言う。
あっ、そうだった。
今が強烈すぎて吹っ飛んでたけど、私たち離婚するんだった。
「もう、離婚はしないからね。解ってると思うけど」
私の顔を触ってこっちをみる。
「出会いは見合いだけど、でも俺は晴海さんに会えてよかったと思ってる。」
「うん、私も」
「うん」
そう言ってチュッとキスをする。
「ねぇ、これからは隆也でいいから」
「え?」
「だから、俺も晴海って呼びたい」
「…うん」
今までの出来事が嘘のように、この数時間で全てが変わった。
まだ、幸せとかそういうのに気持ちがついていけないけど、また一緒に生活出きることは素直に喜びたいと思う、
「じゃ、行ってくるね」
「あ、晴海!」
「ん?」
チュッ
「外すなよ!」
「…うん」
そう言って玄関に向かう。
外すなよ!の意味は結婚指輪。
普段から指輪はしなかったし、会社でも旧姓で仕事してるからないほうが楽だった。
指輪をしない私を見て隆也もしてなかった。
けど、これからは2人とも指輪をしようってことに。
「おはようございます」
と挨拶をして席にすわる。
「永沢主任、すいません。昨日お話ししてた書類ですがご確認お願いします」
「あっ、了解です」
そう言って、書類に目を通そうとしたら
「あれ?主任…、指輪?ファションリング?じゃないですよね、これって」
はやっ!!もう気づくか?
「あ、うん。…そうね」
「これって、もしかして結婚指輪とか?」
「まぁ、そういうことになるかな」
「えええっ!!!」
と、叫ぶ
ちょ、ちょっと!!
「主任ご結婚されてたんですか!?」
テンション高めに言われ、周りも注目!
「あっ、うん。そうね」
「知らなかったです!」
「えっ!?永沢さん、結婚してたの?」
同僚の子もたまたま近くにいて
「あ、いや…、まぁうん」
「え!?いつですか?」
と、その後は質問責めだった。
けど、何度も質問責めにあっても今は仕事中だし
「と、とりあえず今は勤務時間だから、この件は終わりにしましょう」
と、無理やり話を切り替え、まだ聞きたかったって顔の人もいたけど中断することに成功した。
昼休み、いつものように1人で社食にいってたら、隆也からチャットがきた。
『やべー!いつ結婚したの?って質問責めだったわ(^-^;』
ぷっ
私と同じじゃん!!
すぐに
『私も凄かったよ』
って、返したとき
「お疲れ様」
「あっ」
田上課長が近くにきた。
「そこいい?」
有無も言わず、前に座った。
「驚いたよ!結婚してたんだな」
ちょっと凄くない!?まだ3時間くらいだよ、ばれて。
どういう連絡網持ってるのよ!
「…情報早いですね」
「そういうのが好きな女子社員はどこも居るからな」
「…なるほど」
「で、色々悩んでたから倒れたりしてたわけだ」
「いえ、ただの体調管理不足です」
「…まぁ、そういうことにしとくよ!幸せ?」
な、なに?なんでそんなこと聞くのよ!
「…はい」
「なら、よかったよ」
私に優しそうな顔をした。
その後はあまり話さず昼食を食べ、自席に戻った。
午後も仕事するも、皆の興味は訴えてる!
お局の結婚がそんなに興味あるのか?
それともこの人はしないと思ったからの興味なのか?
どっちにしても、今日は注目の対象になってしまった。
残業も1時間ほどして
「じゃ、お先です」
会社を出た。
この指輪でこんな効果あるとは…
女子社員っていつも何処みてるのかしら?
という疑問を持ちながら駅に向かった。
今日は週末だし、お酒でも買って晩酌しながらゆっくりしたいなー
なんてことを考えてたら
「晴海」
えっ!?
「お!すげー!すぐ会えた」
隆也が横から声をかけてきた。
「な、なに?どうしたの?」
「隣の駅で打ち合わせあってさ、現地解散だったんで、確か晴海の会社の駅ここだよなーと思って降りた。時間的にも居そうだったし、少ししたらチャットしようと思ったんだけど、まさか着いたと同時に会えると思わなかったよ」
いやだ、そんな嬉しそうな顔しないでよ!こっちが照れる。
「ほんとに、ビックリしたよー!」
「俺も。ビックリしてる」
隆也は、そっと手を繋いできて
「これから、デートしようよ!」
「えっ!?」
「たまにはいいでしょ?」
そういえば、2人で出掛けたことて久しくないな。
前はよく、家の家具やら足りないものを一緒に買いに行ったけど、用がないと出掛けなかったな。
「美味しいところ、調べといたら」
「うん、わかった。じゃ今日はよろしくね!」
そう言って歩きだそうとしたら
「水沢主任?」
えっ!?
振り向いたら、あの指輪をみつけた女子社員がいた。しかも同僚数人を連れて…
「あっ、お、お疲れ様です」
「も、もしかして、その方旦那さんですか?」
まさか、今日の今日で…、なんていうタイミングよ!!
「あ、うん。そう…」
繋いだ手を離そうとしたが、隆也は離してくれず
「晴海、会社の方?」
と聞かれたので頷くと
「うちの妻がいつもお世話になってます」
と言って軽く頭を下げた。
ひぇー!!妻って…
まぁ、妻だけど…、隆也から言われると照れるよ
「あっ、いや、こちらこそ、いつもお世話になってます」
といって、彼女らも挨拶をした。
「主任、メチャかっこいいじゃないですか」
と言われ、うんっと言ってわからず。
向こうでは勝手に盛り上がってるし…
「じゃ、すいません。私達はこれで失礼します。今後ともよろしくお願いします」
と、隆也は言って
「じゃ、また来週、お疲れ様でした」
私も付け足すように言って、彼女らから離れた。
来週またなんか言われそうだわ…
「晴海」
手をさしのべられてそれに答える。
まだまだ手探りな私たちだけど、夫婦としてゆっくり進めたらいいと思ってる
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普段と変わらない日々は思わぬ形で終わりを迎える…突然の出会い、そして体も心も開かれた少女の人生録。
全体的に性的表現・性行為あり。
他所で知人限定公開していましたが、こちらに移しました。
全3話完結済みです。
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