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新しい環境
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初めて葉山君の家に来た。
今日からここが私の家になる。
しっかりとしたセキュリティの高そうなマンション。間取りは3LDKと聞いてる。
駅からも近いし、スーパーなどのお店も近い。都心でこんないい場所に住めるって流石御子息だなと
使ってない部屋があるので、その部屋を好きなようにと言われた。
同じ部屋で寝るんじゃないのか?と思ったが、好きでもないのにそこまで一緒にだとシンドいか…と納得もしてしまう。
「うちの両親に会ってくれる?」
すぐではないが、会ってほしいと言われた。
そりゃ、お嫁さんになるんだもんな。全く会わないという訳にはいかない。
少しずつ生活用品を揃えつつ、葉山君が仕事に行ってる間は家事をし、色々近所を探索したり公園デビューなんてものもしてみたり、今まで和真に寂しくさせた分、ずっと和真の側にいれる幸せを噛み締めていた。
「彼女が戸川加奈さん、そして和真」
葉山君の実家に行き、ご両親の前でそのように紹介された。
「はじめまして戸川加奈です。」
頭を下げ挨拶をすると、
「一人で出産して育てて、本当に苦労させちゃいましたね。これからは拓真にまかせて、私に出来ることあったら何でも言ってくださいね!」
お義母さんは私に向かってそう言ってくれた。
社長…でなく、お義父さんは何も言わず少し離れた所から私と和真をみていた。
どう思われてるんだろ?
いいイメージに思われてはいないのは確かだな。
本来なら社長令嬢と結婚するはずが、私だもんな。
「ご両親は既に他界されてると聞いてます。すぐには無理かもだけど私達のことを本当の両親と思って何でも甘てね」
「ありがとうございます」
幼稚園のときに交通事故で亡くした両親。兄弟もいなく、葬式のときに誰か引き取るの?と言う話合いがあり、母の姉夫婦が面倒みると言ってくれた。特に嫌な思い出もなく大事に育ててくれたが、叔母夫婦の子供とは兄弟のように打ち解けれず、なんとなく負い目を感じ高校卒業と同時にすぐ家を出てしまった。
親と思って甘えたりしたことはなく、面倒みてもらってるから迷惑かけないようにっと、小さいながらいつも思っていた。
私自身、葉山君には話したことないが、奈緒子から聞いたんだろう。
葉山君には兄弟がいて、弟さんがいるようたが海外留学中のようだ
自宅で食事をしお義母さんとは身の上話などを少し話し、子供の育て方もアドバイスしてもらった。
帰り際
「これからは無理せず、拓真に何でも言いなさい」
お義父さんから言われたのはこれだけだった。
なんとなく、葉山君と似て口下手なのかな?とも思うが、本当に歓迎されてるのかは未だ解らなかった。
ただ和真を見たときは二人とも嬉しそうにあやしてた。
葉山君の実家はやっぱり豪邸で、お手伝いさんなんかも数人みかけた。やっぱり別世界だなーと…
家に着いて
「これ」
と言って、テーブルの上に置いたのは婚姻届。
引っ越しの整理なり環境に慣れたりで、色々ドタバタしてたので落ち着いたときにと言われてた。両親も紹介したことだし、このタイミングなんだろうな。
保証人には、葉山君のお義父さんと奈緒子が書かれてた。
「もう少し待っててくれませんか?」
ここまできて、後戻りは出来ない。
でも、愛されてない結婚に気持ちの整理ができない。この家に来てから身体の関係は全くないし、必要最低限しか話さない。
葉山君が起きる前に朝ごはんを作り、ご飯を食べてもらい見送る。その間家事をして和真と散歩したり買い物行ったり、そして葉山君が帰って来る前に夕飯を作り、ご飯中も特に話すことなく、ただ最近は和真と一緒にお風呂に入ってくれる。はじめこそ、慣れなくって躊躇してたが、何回もやってるうちに慣れてはじめてきてた。
「わかった。好きなときに記入すればいいよ。これは渡しとく。」
なんとなく、事務的すぎてこの人とずっと一緒とか大丈夫なのかな?と思ってしまう。
いつものようにだいたい決まった時間に公園に行き、そしていつも1人でいるお母さんと子供が気になってた。
子供は女の子でお母さんはまだ二十代だろうな。
私もいつも1人で、公園デビューという輪は既に出来てるようで決まったお母さん達がいつも輪になって話していた。
「こんにちわ!」
和真が砂遊びしてるのを見てると、横から声かけてきた。1人でいるお母さんからだ。
それからというもの、あっという間に打ち解け、彼女の名前は内海陽菜。歳は私より7歳も下。3ヶ月前に転勤で引っ越してきてようだ。
私も同じくらいにここに来たので、余計に意気投合した。
女の子の名前は美優ちゃん。和真と同じ歳だった。
今は陽菜ちゃんと話すのがとても楽しい毎日になってる。
「そういえばさ、近くに3年制の幼稚園があるんだって!旦那と話してて、そこに美優を通わせて、パートでもしようかと思ってるの。これから何かとお金かかるしね」
そっかぁー、もしそうなったらこうやって公園で話すことも少なくなるな。私も働いてみるかな。
新年度の募集はまだしているみたいだ。
「あのー、相談なるんだけど」
自分の寝室で仕事をしようとして部屋に入る葉山君を呼び止めた
「どうしたの?」
「実は近くに3年制の幼稚園があって4月から和真をそこに行かせようかと思ってるの」
「確かに幼稚園は行ってもとは思うけど無理に3年制でなくてもいいんじゃない?」
「和真が幼稚園行ってる間、パートでもしようかなと」
「え?お金足りないの?」
「いや、十分なくらい貰ってるよ。」
「なら、別に無理に仕事しなくてもいいんじゃない?」
「そうだけど…」
今の生活は和真と一緒に居られる幸せと葉山君の家政婦みたいな生活と…、これで人生終わらせたくないみたいな、とりあえず何かしたかった。
「色々やってみたくって。それに和真はいつも1人だから集団に早く慣れさせるのも大事だし」
とまぁ、なんか上手く丸め込ませて最終的に
「好きなようにしたらいいよ」
と言ってくれた。
幼稚園の書類が必要なタイミングで入籍をし、春から和真を幼稚園に行かせることにし、私は近くの設計事務所でデータ入力などをメインにする事務の仕事をパートですることになった。
陽菜ちゃんとは
「同じ組だといいね!公園で遊ぶこと減るけど、こっちに友達少ないからこれからもいい友達でいてね!」
と、言い合える関係になって、今ではよくLINEをする仲になっていた。
今日からここが私の家になる。
しっかりとしたセキュリティの高そうなマンション。間取りは3LDKと聞いてる。
駅からも近いし、スーパーなどのお店も近い。都心でこんないい場所に住めるって流石御子息だなと
使ってない部屋があるので、その部屋を好きなようにと言われた。
同じ部屋で寝るんじゃないのか?と思ったが、好きでもないのにそこまで一緒にだとシンドいか…と納得もしてしまう。
「うちの両親に会ってくれる?」
すぐではないが、会ってほしいと言われた。
そりゃ、お嫁さんになるんだもんな。全く会わないという訳にはいかない。
少しずつ生活用品を揃えつつ、葉山君が仕事に行ってる間は家事をし、色々近所を探索したり公園デビューなんてものもしてみたり、今まで和真に寂しくさせた分、ずっと和真の側にいれる幸せを噛み締めていた。
「彼女が戸川加奈さん、そして和真」
葉山君の実家に行き、ご両親の前でそのように紹介された。
「はじめまして戸川加奈です。」
頭を下げ挨拶をすると、
「一人で出産して育てて、本当に苦労させちゃいましたね。これからは拓真にまかせて、私に出来ることあったら何でも言ってくださいね!」
お義母さんは私に向かってそう言ってくれた。
社長…でなく、お義父さんは何も言わず少し離れた所から私と和真をみていた。
どう思われてるんだろ?
いいイメージに思われてはいないのは確かだな。
本来なら社長令嬢と結婚するはずが、私だもんな。
「ご両親は既に他界されてると聞いてます。すぐには無理かもだけど私達のことを本当の両親と思って何でも甘てね」
「ありがとうございます」
幼稚園のときに交通事故で亡くした両親。兄弟もいなく、葬式のときに誰か引き取るの?と言う話合いがあり、母の姉夫婦が面倒みると言ってくれた。特に嫌な思い出もなく大事に育ててくれたが、叔母夫婦の子供とは兄弟のように打ち解けれず、なんとなく負い目を感じ高校卒業と同時にすぐ家を出てしまった。
親と思って甘えたりしたことはなく、面倒みてもらってるから迷惑かけないようにっと、小さいながらいつも思っていた。
私自身、葉山君には話したことないが、奈緒子から聞いたんだろう。
葉山君には兄弟がいて、弟さんがいるようたが海外留学中のようだ
自宅で食事をしお義母さんとは身の上話などを少し話し、子供の育て方もアドバイスしてもらった。
帰り際
「これからは無理せず、拓真に何でも言いなさい」
お義父さんから言われたのはこれだけだった。
なんとなく、葉山君と似て口下手なのかな?とも思うが、本当に歓迎されてるのかは未だ解らなかった。
ただ和真を見たときは二人とも嬉しそうにあやしてた。
葉山君の実家はやっぱり豪邸で、お手伝いさんなんかも数人みかけた。やっぱり別世界だなーと…
家に着いて
「これ」
と言って、テーブルの上に置いたのは婚姻届。
引っ越しの整理なり環境に慣れたりで、色々ドタバタしてたので落ち着いたときにと言われてた。両親も紹介したことだし、このタイミングなんだろうな。
保証人には、葉山君のお義父さんと奈緒子が書かれてた。
「もう少し待っててくれませんか?」
ここまできて、後戻りは出来ない。
でも、愛されてない結婚に気持ちの整理ができない。この家に来てから身体の関係は全くないし、必要最低限しか話さない。
葉山君が起きる前に朝ごはんを作り、ご飯を食べてもらい見送る。その間家事をして和真と散歩したり買い物行ったり、そして葉山君が帰って来る前に夕飯を作り、ご飯中も特に話すことなく、ただ最近は和真と一緒にお風呂に入ってくれる。はじめこそ、慣れなくって躊躇してたが、何回もやってるうちに慣れてはじめてきてた。
「わかった。好きなときに記入すればいいよ。これは渡しとく。」
なんとなく、事務的すぎてこの人とずっと一緒とか大丈夫なのかな?と思ってしまう。
いつものようにだいたい決まった時間に公園に行き、そしていつも1人でいるお母さんと子供が気になってた。
子供は女の子でお母さんはまだ二十代だろうな。
私もいつも1人で、公園デビューという輪は既に出来てるようで決まったお母さん達がいつも輪になって話していた。
「こんにちわ!」
和真が砂遊びしてるのを見てると、横から声かけてきた。1人でいるお母さんからだ。
それからというもの、あっという間に打ち解け、彼女の名前は内海陽菜。歳は私より7歳も下。3ヶ月前に転勤で引っ越してきてようだ。
私も同じくらいにここに来たので、余計に意気投合した。
女の子の名前は美優ちゃん。和真と同じ歳だった。
今は陽菜ちゃんと話すのがとても楽しい毎日になってる。
「そういえばさ、近くに3年制の幼稚園があるんだって!旦那と話してて、そこに美優を通わせて、パートでもしようかと思ってるの。これから何かとお金かかるしね」
そっかぁー、もしそうなったらこうやって公園で話すことも少なくなるな。私も働いてみるかな。
新年度の募集はまだしているみたいだ。
「あのー、相談なるんだけど」
自分の寝室で仕事をしようとして部屋に入る葉山君を呼び止めた
「どうしたの?」
「実は近くに3年制の幼稚園があって4月から和真をそこに行かせようかと思ってるの」
「確かに幼稚園は行ってもとは思うけど無理に3年制でなくてもいいんじゃない?」
「和真が幼稚園行ってる間、パートでもしようかなと」
「え?お金足りないの?」
「いや、十分なくらい貰ってるよ。」
「なら、別に無理に仕事しなくてもいいんじゃない?」
「そうだけど…」
今の生活は和真と一緒に居られる幸せと葉山君の家政婦みたいな生活と…、これで人生終わらせたくないみたいな、とりあえず何かしたかった。
「色々やってみたくって。それに和真はいつも1人だから集団に早く慣れさせるのも大事だし」
とまぁ、なんか上手く丸め込ませて最終的に
「好きなようにしたらいいよ」
と言ってくれた。
幼稚園の書類が必要なタイミングで入籍をし、春から和真を幼稚園に行かせることにし、私は近くの設計事務所でデータ入力などをメインにする事務の仕事をパートですることになった。
陽菜ちゃんとは
「同じ組だといいね!公園で遊ぶこと減るけど、こっちに友達少ないからこれからもいい友達でいてね!」
と、言い合える関係になって、今ではよくLINEをする仲になっていた。
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