消えた記憶

詩織

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誰にも必要とされない女 【丸山美玖 編】

次のデート?

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数日は何事もなく、いつもの日常だった。

工場で仕事して誰とも話さない日々。

あれ?メール?

見てみると、マテオさんからメールがきてた。

〈次の週末、デート誘いたいんだけど〉



「えええ!?」

休憩中に叫んだので周りの人が

「どうしたの?」

と、心配されて

「いえ、なんでもないです。すいません」

と、ペコペコ頭を下げた。

〈もし図書館行きたいなら、図書館デートでもいいから〉

と付け加えてメールがきた。

ちよ、ちょっとなんで私と?

〈予定はないですけど、私でいいんですか?〉

と、返信すると

〈美玖ちゃんとデートがしたい〉

と、言われた。

妹みたいなそういう面倒みたい存在とか?

どっちにしても、マテオさんとまた会えると思ったら、ワクワクしてしまった。


仕事が終わって家に帰って気がつく。

全くオシャレ感のない私。

少しは女子力あげたいけど

と、ネットやら色々みて、近くのコスメショップに行って

「す、すいません。私にあうメイクって教えてもらいませんか?」

お店の人に恥を覚悟で言ってしまった。

店員さんはビックリして

「一緒に似合うと探しましょう」

と言って笑顔で言ってくれて、1時間半もずっとマンツーマンで相手してくれて、メイクまで教えてくれた。


今まで行ったことない洋服もみて、デートとはいっても気合の入りすぎない程度の服をお店の人に相談しながら選んでもらって、大量の買い物をした。

自分に、こんな行動力があるなんて…

でも、メイクも出掛ける服も買ったことないし、恥だと思ってても聞くしかない。

当日は図書館で待ちあわせして、マテオさんが何処かに連れてってくれるらしい。

待ち合わせは11時だけど、本が読みたかったので9時には図書館に来ていた。

11時少し前にマテオさんが来て、私はマテオさんに向かって歩いて行った。

「こんにちは!」

「え?」

マテオさんは、ビックリした顔してる。

「あっ」

やっぱり似合わなかったかな?

「あ、あの、すいません。えっと…」

普段メイクもしないし、こんなスカートなんかはいたことないし、髪も昨日美容院行ってきたし、やっぱり慣れないことするとダメか。

「美玖ちゃん、いい!」

「え?」

「かわいい!」

嬉しそうにマテオさんは見ていた。

「今日のために?それなら、俺にすげー嬉しいけど」 

「前回の時、普段着でお出掛けしたし、なんか申し訳なくって」

「そんなこと気にしないでいいのに。でも、今日の美玖ちゃん見たことないから新鮮で俺凄い嬉しいけど」

と、言われた。

褒められてるのかな?

「マテオさんは、いつもステキですけど。」

と、言ったら

「え?」

と、私の顔をみた。

もしかして、失礼なことでも言った?

「いや、美玖ちゃんからそんなこと言われるなんて、嬉しいなーと」

「え?マテオさんなら色んな方に言われてると思うんですけど」

「美玖ちゃんは特別だよ」

と、返された。

やっぱり、そういうこと言うように見えないから特別なのかな?

と、色々考えてると

「じゃ、行こっか!」

と、手を出された

「え?」

「デートだしいいでしょ?」

と言って、私の手をひっぱり


ひぃーー!手繋いでるんですけど!!

ちょっと、刺激強すぎる!

手を繋ぎながら最寄り駅まで歩き、電車に乗った。

まだどこ行くかも教えてくれなくって…、でもマテオさんとこうやって出掛けるのは楽しみで、マテオさんはニコニコしながら

「美玖ちゃんはほんと素直でいいよね」

マテオさんから見た私ってどういイメージなんだろ?

連れてきて貰った先は

「遊園地?」

「うん、美玖ちゃんといっぱい遊びたくって」

「あのー、私遊園地来たことが…」

「うん。だからいっぱい遊ぼう!!」

観覧車とかジェストコースターとか見たことはあっても、乗ったことはない。

もう、次から次へと色んな乗り物に乗れて、楽しくって

高い乗り物もあまり怖くなかっので、ガンガンと周ってしまった。

「マテオさん、次アレ行きたいです」

私が嬉しそうに言うと、嬉しそうに付き合ってくれた。

絶叫マシンもそこまで怖くなく、それでも連続乗ると

「酔っちゃいました」

と言ったら

「乗りすぎ!俺少し休憩したい」

フードコートで休憩した。

小さい頃、遊園地行きたくってお母さんに1度だけ行きたいと言った記憶あるな。勿論無理だったけど

「あのー、すいません」

2人でフードコートでジュースを飲んで休んでると、若い女性2人組が声かけてきた。

「マテオさんですよね?」

「あ、あ、はい」

「ファンだったんです。握手いいですか?」

「え?」

私はビックリして声をあげた。

ファン?

「あ、いや今は…」

「お願いします!」

と、何度も女性が言うので

「わかりました」

と、握手をした。

「ありがとうございます。あの写真もいいですか?」

「いや、それはもうすいません。今デート中なんで」

と、言うと女性は私をみて

「あっ、すいません」

そう言って、少し考えていた。

「行こっか!」

と、私を引っ張ってフードコートを後にした。



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