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逢いに来たよ
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あの出来事から約1ヵ月。
あの店に行ってない。
省吾君と話すのも楽しかったけど付き合うとなると別だし、しかも親会社の社長の息子とか
別世界だ。
「なに?」
周りがざわざわしてる。
「どうしたの?」
「なんか、幹部のお偉方さんが来るんだって」
幹部のお偉方さん?
「よくわからないんだけど、滅多に来ない人が来るとかで」
そう言うと
部長が
「すいません、集まってください!」
事業部のみんなに集合をかける。
「急な話ですが、これから親会社の幹部の方が見学に来られるようです。」
「え?」
「急じゃないですか?」
あちこちで、ざわざわしだして、そんな疑問も言ってる人がいた。
「あくまでも、皆さんの仕事ぶりを見学したいとかで特に特別な何かはしないでいいとのことです」
まさか、省吾君も来るの?
だとしても、いくら子会社とはいえ、500人以上いる会社で私を見つけることなんか出来ないし
事業部というのも言ってないし、事業部の中でも課はいっぱあるからな。
まぁできるだけ、ノートパソコンみるようにして下向いてれば問題ないか。
部長のその集合から間もなくして、その幹部の人達は来社したようだ。
1階から順に見学をしてるようだ。
私たちの部は4階なのでしばらく時間かかる。
私の中では、省吾君が居る?居ない?で頭がいっぱいだった。
4階に来た。
誰か来たか見たいが、怖くって見れない。
部長と課長が挨拶に行ってるのがわかる。
「どうか、そのままで」
本社から来た幹部の方は、部長と課長にそういって席に戻らせた。
少しずつフロアを歩き回ってる。
みんなも仕事はしてるが、やっぱり気になって上の空な感じがしてる。
私も上の空だが、必死にノートパソコンと睨めっこしてた。
バーと違い今の私は眼鏡もかけてるし、髪の毛も若干ぼさっとしてて前かがみだし左右の髪で顔はほぼ見えてない。
しかもかなりのうす化粧。
すぐ同一人物とは思えんだろう。
多分、6~7人くらいで歩いてる。上を見ようとしないからわからないけど、2人は女性がいるみたいだ。
少しずつこちらに来てるのが解るが、服装雰囲気からして年配者の方々な感じがする。
ってことは、省吾君はいない。
よかったぁー
っと撫でおろしたとき
「逢いに来たよ」
え?
うそ!?
後ろから聞こえる。
間違いない。省吾君の声だ。
硬直してどうしていいか解らない。
「うちの柴崎が何か?」
何かを察したようで、課長が大急ぎで向かってきた。
「いや、何をされてるのか少し気になったので覗かして頂いただけで、失礼しました」
省吾君はあっさり答えた。
課長は
「柴崎さん、今何してるか説明して」
え?
「いえ、作業のお邪魔をしては申し訳ないです。結構ですよ」
「でも折角なんで、お聞きください」
おい、課長!省吾君はいいと言ってるぞ!
「柴崎さん」
課長に言われて、ここはもう逃げれず
顔を上げて、後ろに向きを変え幹部の方々の方に頭を下げて
「事業部分析課の柴崎と申します」
と言った。
笑顔でいる省吾君。
顔が熱い。やばい。そんな笑顔で見られても私はどうしたらいいわけ?
「ノートパソコンで画面が小さくすいません。このデータはお客様のからご意見をもとに...」
と説明をした。
プレゼンもしたことないのになんで私が?っと言いたいが、もうヤケクソだった。
「柴崎さん、ありがとうございます。とても分かりやすかったです」
私が説明した後、省吾君はうれしそうに言った。
私は幹部の方々にもう1度深く一礼した。
他の幹部の方が歩き出したので、省吾君続けて歩き出した。
そして
「またね」
声は出してないが、口でそう言ってたのがわかる。
やっぱり省吾君は、違う世界だ。
あの店に行ってない。
省吾君と話すのも楽しかったけど付き合うとなると別だし、しかも親会社の社長の息子とか
別世界だ。
「なに?」
周りがざわざわしてる。
「どうしたの?」
「なんか、幹部のお偉方さんが来るんだって」
幹部のお偉方さん?
「よくわからないんだけど、滅多に来ない人が来るとかで」
そう言うと
部長が
「すいません、集まってください!」
事業部のみんなに集合をかける。
「急な話ですが、これから親会社の幹部の方が見学に来られるようです。」
「え?」
「急じゃないですか?」
あちこちで、ざわざわしだして、そんな疑問も言ってる人がいた。
「あくまでも、皆さんの仕事ぶりを見学したいとかで特に特別な何かはしないでいいとのことです」
まさか、省吾君も来るの?
だとしても、いくら子会社とはいえ、500人以上いる会社で私を見つけることなんか出来ないし
事業部というのも言ってないし、事業部の中でも課はいっぱあるからな。
まぁできるだけ、ノートパソコンみるようにして下向いてれば問題ないか。
部長のその集合から間もなくして、その幹部の人達は来社したようだ。
1階から順に見学をしてるようだ。
私たちの部は4階なのでしばらく時間かかる。
私の中では、省吾君が居る?居ない?で頭がいっぱいだった。
4階に来た。
誰か来たか見たいが、怖くって見れない。
部長と課長が挨拶に行ってるのがわかる。
「どうか、そのままで」
本社から来た幹部の方は、部長と課長にそういって席に戻らせた。
少しずつフロアを歩き回ってる。
みんなも仕事はしてるが、やっぱり気になって上の空な感じがしてる。
私も上の空だが、必死にノートパソコンと睨めっこしてた。
バーと違い今の私は眼鏡もかけてるし、髪の毛も若干ぼさっとしてて前かがみだし左右の髪で顔はほぼ見えてない。
しかもかなりのうす化粧。
すぐ同一人物とは思えんだろう。
多分、6~7人くらいで歩いてる。上を見ようとしないからわからないけど、2人は女性がいるみたいだ。
少しずつこちらに来てるのが解るが、服装雰囲気からして年配者の方々な感じがする。
ってことは、省吾君はいない。
よかったぁー
っと撫でおろしたとき
「逢いに来たよ」
え?
うそ!?
後ろから聞こえる。
間違いない。省吾君の声だ。
硬直してどうしていいか解らない。
「うちの柴崎が何か?」
何かを察したようで、課長が大急ぎで向かってきた。
「いや、何をされてるのか少し気になったので覗かして頂いただけで、失礼しました」
省吾君はあっさり答えた。
課長は
「柴崎さん、今何してるか説明して」
え?
「いえ、作業のお邪魔をしては申し訳ないです。結構ですよ」
「でも折角なんで、お聞きください」
おい、課長!省吾君はいいと言ってるぞ!
「柴崎さん」
課長に言われて、ここはもう逃げれず
顔を上げて、後ろに向きを変え幹部の方々の方に頭を下げて
「事業部分析課の柴崎と申します」
と言った。
笑顔でいる省吾君。
顔が熱い。やばい。そんな笑顔で見られても私はどうしたらいいわけ?
「ノートパソコンで画面が小さくすいません。このデータはお客様のからご意見をもとに...」
と説明をした。
プレゼンもしたことないのになんで私が?っと言いたいが、もうヤケクソだった。
「柴崎さん、ありがとうございます。とても分かりやすかったです」
私が説明した後、省吾君はうれしそうに言った。
私は幹部の方々にもう1度深く一礼した。
他の幹部の方が歩き出したので、省吾君続けて歩き出した。
そして
「またね」
声は出してないが、口でそう言ってたのがわかる。
やっぱり省吾君は、違う世界だ。
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