美形貴族のお坊ちゃん×極悪非道のツン/ヤンデレ海賊の激甘執着ラヴ

ゆっくり

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三章

Side レイ〈2/3〉

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 ルイスが親しげにアルバートと話している。俺はその様子を死んだ目をしながら見ていた。なぜなら、吐き気がするからだ。

「そうやな、ここ来たことあるし。なーレイちゃん」

 そう問いかけられたので、俺はアルバートを睨みつける。あれはまだ、俺が幼かったころだ。アルバートの海賊船に入るか?と聞かれていいえと返したら、一週間ほど暴力を振るわれながら犯された。王宮、そしてサーカスでのトラウマが残る俺を、部下たちと笑い物にして犯した。そんな最悪な記憶。
 言い返すことができない。言葉に詰まった。

 突然、ルイスに手を引かれた。俺は、そのままついて行った。というより、ついていかざるを得なかった。少し通りを抜けて、裏道に入って行った。何をするつもりだろう。

「大丈夫ですか?さっきから、体調が悪そうですけど」

「………うるさい、さっさと連れて行け」

 おそらく顔色が悪いのだろう、普段無表情のその顔を心配そうに歪めて、俺の頬に手を添えようとしてくる。昨日のこともあって、ルイスは俺を大層心配しているようだった。だが、俺は極限状態でないと、ルイスに頼ることが出来ない性分だ。昨日のあれも、色々な要因が重なって狂っていただけだった。

「同情するな。俺はそこまで落ちぶれていない」

 俺はそう言って彼を睨みつけた。彼の前では声が出る。彼と二人きりなら声が出ることがわかった。俺は、彼といることに安心しているのだろうか。


 その後連れてこられた場所も最悪すぎた。そこは、俺が以前犯された激安宿屋だった。以前俺を犯した時も、そのニヤけ面で案内していた。俺はそのアルバートの顔をズタズタに切り裂いてやりたいほど恨んでいる。
 
「すごい………」

 そして最悪も最悪なのが、ルイスは夜市を感動したように見て、フラフラと色んなところを見たがったことだ。俺と手を繋いでいるのを忘れたのか、グイグイと進んでいく。いつの間にか俺とルイスは手が離れてしまっていた。
 それに気がついた瞬間、俺は絶望した。なぜ俺を置いていった、どこに行った。ふざけるな。そんな言葉が頭をよぎるがどれも口からは出なかった。

「はしゃいじゃって可愛ええよな」

 そして、アルバートに肩を組まれた。俺は吐き気がして、その手を振り払い逃げようとする。アルバートは俺の足に足をかけて、俺を転ばせた。そして道の真ん中にもかかわらず俺を上から押さえつけた。この体制は嫌だ。こわい。

「船ん中では今まで可愛がってくれてありがとうな、レイちゃん。ルイスが帰ってくるまで楽しもか。な?」

 そう言って俺を引きずり、あの宿屋のルイスに告げた部屋に入った。俺はその時点で吐きそうだった。もう嫌だ、あんな目にはもう合いたくない。

「ガタガタ震えて可愛いな、思い出に残るようにいっぱい殴ったるから覚悟しとき」

 そう言って、まず部下に痛めつけられた俺の腹を殴った。激痛が走り、俺は立っていられなくなる。怖い。次に、ベッドに投げられて、ベッドのシーツをズタズタに引き裂いて足を結ばれた。動けない。
 それでも声は出なかった。怖くて怖くてたまらないのに、泣き声も呻き声も口からはこぼれない。俺はいま、正常に息ができているのだろうか。

「ズボン脱がしてから足結べばよかった。まあええわ。中途半端に脱がしとこ」

 着ているものを中途半端に剥ぎ取られて、素肌が外気にさらされる。視界がぼんやりしてあまり見えていないが、あちこちにできた体の傷は明らかに炎症があり熱を持っていた。

「相変わらず、使いも強いひんのにでっかいな!トラウマで抱くこともできんくなった不能のちんちん」

 自己防衛なのか、あまり彼が何を言っているのかは理解できなかった。頭がぼんやりしてくる。

「ビッチなレイちゃん、流石にすぐには入らんかな?」

 その声は鮮明に聞こえて血の気が引く。彼は、何の慣らしもせずに入れる気だ。そんなことをしたら壊れる。と言うかそんなこと不可能だ。できない。壊れる。痛い。

「適当に慣らしたるわ」

 彼は滑りのある液体を指に垂らし、いきなり指を二本突っ込んでぐちぐちと言わせて俺の中をかき混ぜる。痛いし苦しいだけで何の快楽もないその感覚は俺を痛めつけるだけだ。苦しい、痛い。

「なんや緩ない?昨日ルイスちゃんとしっぽりやってたんか?」

 ルイスはそんなことはしないという声はついに口から出ることは無かった。俺は逃げようとベッドの上でもがくが、どうしようもなかった。

「んじゃ、入れるし」

「や、やめ……」

 その声を聞いて、アルバートはニヤニヤした。そして、俺の顔を掴んで引き寄せる。

「お前声出るやん。なあ、あの人殺した時どう思ったん?なあ、うちの軍団滅ぼした時どう思った?」

 ああ、こんなことなら復讐なんてしなければよかった。それかこいつを殺しておけば。俺は彼の前に立てば息も出来ないし頭も真っ白になる。何度も殺そうとしたが、殺すことなんてできなかった。怖くて怖くて、ただこいつを自由にすれば、目の届かないところにやれば、またいつ恐ろしい目に合わせられるんだろうという恐怖で眠れなくなる。だから、地下牢に閉じ込めた。手の届くしかし見えない、そして出てこられない地下牢に。

「声上げろ!!人形抱いててもつまらんねん!殴られたいんか??」

 いきなり激昂して、そして何度か頬を殴られた。痛い。これもまた、俺がしたことの因果か。俺が、俺が…

 挿入。痛み。苦しみ。

「なあ、あの人殺した時どう思ったん?なあ、なあ!なあ!!」

 シラフの状態でのセックスでイッたことはない。自慰でもイッたことがない。体の構造上夢精はするが、この手の行為で快楽を得たことがない。この行為は俺にただ苦痛を与える。

 
「誰かいる?」

 頭がぼんやりする。ルイスが帰ってきたのか。俺はいま、どうなっている?どうなってこんな苦痛?苦痛??

 電気がつけられた。ルイスは無表情、いや、嫌悪感を表す表情でこちらを見ている。俺が、穢らわしい何かだと、そう思っているのだろうか。長年恨み、恨み、そして恨み続けた相手にいとも簡単に強姦された俺を、穢らわしいと思っているのだろうか。

 ルイスとアルバートが何か会話をしているが、頭がぼんやりして何と言っているのかは分からなかった。

「なんで?おもろいやんこの顔見たってや、ルイスちゃん」

 顔をガッと掴まれて、ルイスの方に向けられる。先ほど、眉を顰めてこちらを見ていたのを知っているので、俺はそちらを見たくはなかった。ルイスはまだこちらを困ったような顔でみている。

「……いいからそこどいて」

 そう言って、ルイスは俺を軽々と持ち上げた。俺は驚いてその体にしがみついた。昨日も今日も、助けてくれたのはルイスだ。人生で俺を助けてくれたのはルイスしかいなかった。

「ちょっと待ちいや!」

 その声を遠くに聞き、俺はルイス・ベイリーに横抱きにされてその悪魔の手から逃れることに成功したのであった。


 

 路地裏。あたりはすっかり夜だった。ルイスは俺をそこに下ろしてまた、あの心配そうな顔で

「大丈夫?」

 と問いかけてきた。
 俺は一種の混乱状態にあった。信じ切るのは怖い。裏切られた時、本当に死にたくなる。絶対に死ぬ。
 しかし、優しくしてくれるこいつに身を委ねて精神的な拠り所としたい。そんな二つの感情に板挟みになっていた。
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