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第二章・だって契約項目だったもの
13.傷付くことは許しません
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速足で歩くルカを追いかける。
武の家系で本人も剣術を習得していることもあり、近付きすぎると絶対に気付かれるというジーナのアドバイスのもと私たちは離れて尾行していた。
(と言っても、私だけならもう何十回も見失っているんだけどね!)
戦闘の心得のあるジーナが見失わずにいてくれるからこそ成立している尾行に感謝しつつ、追いかけているとルカが路地裏へ入る。
建物の影に隠れ気配を窺っていると、ルカとは別の誰かがやってきたようだった。
「チラチラチラチラ邪魔なんだけど」
吐き捨てるように投げられたその言葉に、一瞬自分のことかとドキッとするが対面している相手に言ったらしく相手がハッと鼻で笑う。
「父親に酷い言い草だな」
「父親? 僕にそんな存在いなかった気がするんだけどね」
(父親って、まさか相手はメリベルト侯爵なの!?)
ルカやルカのお兄様に仕事を押し付け王都にあるタウンハウスでギャンブルにのめり込んでいるという彼が結婚式直前というタイミングで現れたことに嫌な予感がした。
(それに、すごく冷たくて低い声……)
どこかおどけていつも笑っているルカからこんな声が出ていることも気になったし、何よりこんな声を出させている侯爵にも苛立ちを覚える。
「それより凄いじゃないか、あのクロフスの娘を射止めるだなんて!」
「僕が誰と結婚しようと関係ないだろ。あ、承諾印は勝手にもう貰ったから。印章を預けたのはそっちなんだから、承諾の対価にお金を要求するとか無理だからね」
「ははっ、そんなことするはずないだろう? そもそも相手は口一番の富豪だ、大賛成に決まってる!」
「チッ」
苛立ちを隠す気もないルカが思い切り舌打ちをするが、侯爵は気にもせず話を続けた。
「話がないなら僕はもう帰る。目障りだから視界に入るのはもう止め……」
「子供の財産は親の物だと思わないか?」
「何?」
(え?)
侯爵の言葉にルカが警戒した声色を出し、私も脳内でハテナが飛ぶ。
そんな私たちへ説明するように侯爵が言葉を重ねた。
「難しい話でもないさ、家のお金は家族で共有すべきだと思ってね」
「家族? 僕とお前が?」
「ルカがどう思っていても関係ない。お前が俺の息子だという事実は変わらないからな。何も全財産渡せと言っているわけではないさ、少し工面してくれればいいよ」
さも当たり前のように話される内容に愕然としてしまう。
(ルカにお金をせびっているの?)
侯爵がギャンブルに狂い借金まみれだということは知っていた。
領地のお金を持ち逃げするような形で出て行ったこともだ。
けれどまさか、全てを押し付け大量の借用書を残して王都へ行った侯爵が、まさか息子に直接お金を要求しに来るだなんて!
「あんたに渡すお金はない」
「今お金は持ってないのか?」
「今も未来もない」
「ほら、財布くらいは持ってきてるだろ。ひとまずはそれだけでもいい」
「だからっ」
「ふむ、じゃあクロフス男爵家へ行くか」
「……は?」
突然名前を出された私は思わずドキリとする。
ジーナの方へ思わず顔を向けると、表情が完全にガチギレていた。
「ちょ、乗り込んじゃダメだからね? 私たちがここにいるのは内緒……」
「クロフスの持参金はどれくらいになるんだろうな。先に貰えるか交渉するのもいいだろう」
「ッ」
小声でジーナに言い聞かせていた私に飛び込んで来たその言葉に呆然とする。
それは直感だった。
そんな言い方をされたら、きっとルカはお金を渡してしまう。
(私に侯爵が迷惑をかけるくらいなら自分を犠牲にする気がするわ)
きっと領地のお金には手を付けない。また彼の家にある自分の何かを売るのだろう。
そうやって売っていって、きっといつか彼が彼の家族だと認めた人たちとの思い出の品だって売ってしまうのだ。
契約で結ばれただけの私の為に命も腕もかけて守ろうとしてくれる人だから。
(ダメ)
唐突にゲルマンさんと話したことを思い出した。
私は、ルカに幸せになって欲しいのだ。
だから。
「あら、はじめましてですわね? お義父様」
「な……」
突然現れた私にルカが目を見開く。
そんな彼の側まで行き、彼の腕にしがみつくように腕を絡めた。
「お、おぉ、貴女はクロフスの!」
「ふふ、どうぞ仲良くしてくださいませね」
何か言いたそうなルカを、彼の腕を大丈夫だという思いを込めぎゅっと強く抱きしめることで制止する。
その体勢のまま指をパチンと鳴らすと、ジーナが小さな袋に入れたお金を侯爵に差し出した。
「折角お会いできたのでご一緒したいのですが、実は私たちデートの途中でしたの」
「……そ、そうでしたか! どうぞ楽しい時間を」
「ありがとうございます。いずれまた」
「も、もちろんですとも。ルカ、しっかりエスコートするんだぞ」
袋の中身を確認した侯爵は、いそいそとその場を後にする。
その後ろ姿を眺めていると、ルカが絞り出すような声を出した。
「何故、あんなことを」
「?」
「あんなやつにライサがお金を渡す必要なんて……!」
「私が渡さなかったら貴方が渡していたんじゃないの?」
その指摘にルカが黙り込んでしまう。
やはり当たりだったらしい。
「だったら同じでしょ」
「全然、同じなんかじゃ!」
「一緒よ。結果侯爵がお金を手に入れるだけだもの」
「だけど」
「私、お金で解決できる問題なんて些細なものだと思っているのよね」
しがみついていた彼の腕を解放し、フンッと鼻を鳴らしてそう口にする。
「言わなかったかしら? 大切なのは人財よ。お金なんてまた稼げばいいもの」
「それでも」
「もうっ! しつこいわね」
「し、しつこいって」
全然納得してくれないルカについ焦れた私がそう言うと、さっきまで険しい顔をしていた彼がポカンとした。
その顔があまりにもマヌケ面で、少し笑ってしまう。
(うん。こっちの顔の方がずっといいわ)
「あの程度私にとってははした金なの。ルカが気にする価値もないことよ、必要経費だって思っておきなさい」
「必要経費って、全く必要に思えないんだけど」
「いいと言ったらいいの。だからその、……貴方はもう傷付かないで」
いくら彼が家族と認めてなくても、侯爵が血の繋がった実父であるのは変わらない。
そんな相手にただお金をせびられるというのは、本人に自覚があるかないかは別として必ず負の感情を抱いてしまうものだから。
「ライサ……」
「ほら! もう帰るわよ、今日はお兄様も帰ってくるって言ってましたし」
元も通りへ戻るべくそう言いながら歩き出す。
けれど、ルカがなかなか来ないので振り向くと、立ち尽くしたままのルカと目が合った。
(もう、仕方ないわね)
はぁ、とため息を吐いた私は、彼へと手を差し出す。
何度も彼が私へと手を差し伸べてくれたように。
「早くしてよね、私の旦那様」
侯爵ではなく私が貴方の家族だと強調するつもりで言ったものの、気恥ずかしさが勝り私の頬がじわじわと熱くなる。
(さっさと手を取ってよ!)
なかなか握られない手に焦れながら、ついソワソワとしていると、突然ルカが吹き出した。
「な、笑……っ!?」
「――ありがとう、僕のライサ」
「あ、えっ? いや、その」
吹き出したのでいつものように私をからかっているのかと思ったが、向けられた笑顔がふわりと緩んでいたことに動揺しもごもごと口ごもる。
「後をつけて来た理由も教えてね」
「え」
「しかも出てくるし」
「それは~」
「ちゃーんと聞くから」
「こ、今度ね!?」
「言質だよ」
「ひゃっ」
額にちゅ、と突然口付けられて思わず声をあげてしまう。
「い、今はアピールする必要ないでしょう!?」
「あはは」
「また笑って誤魔化すんだから!」
(まぁ、笑ってるからいいのかしら)
楽しそうに笑っている彼を見ながら、私はふっと肩から力を抜いたのだった。
武の家系で本人も剣術を習得していることもあり、近付きすぎると絶対に気付かれるというジーナのアドバイスのもと私たちは離れて尾行していた。
(と言っても、私だけならもう何十回も見失っているんだけどね!)
戦闘の心得のあるジーナが見失わずにいてくれるからこそ成立している尾行に感謝しつつ、追いかけているとルカが路地裏へ入る。
建物の影に隠れ気配を窺っていると、ルカとは別の誰かがやってきたようだった。
「チラチラチラチラ邪魔なんだけど」
吐き捨てるように投げられたその言葉に、一瞬自分のことかとドキッとするが対面している相手に言ったらしく相手がハッと鼻で笑う。
「父親に酷い言い草だな」
「父親? 僕にそんな存在いなかった気がするんだけどね」
(父親って、まさか相手はメリベルト侯爵なの!?)
ルカやルカのお兄様に仕事を押し付け王都にあるタウンハウスでギャンブルにのめり込んでいるという彼が結婚式直前というタイミングで現れたことに嫌な予感がした。
(それに、すごく冷たくて低い声……)
どこかおどけていつも笑っているルカからこんな声が出ていることも気になったし、何よりこんな声を出させている侯爵にも苛立ちを覚える。
「それより凄いじゃないか、あのクロフスの娘を射止めるだなんて!」
「僕が誰と結婚しようと関係ないだろ。あ、承諾印は勝手にもう貰ったから。印章を預けたのはそっちなんだから、承諾の対価にお金を要求するとか無理だからね」
「ははっ、そんなことするはずないだろう? そもそも相手は口一番の富豪だ、大賛成に決まってる!」
「チッ」
苛立ちを隠す気もないルカが思い切り舌打ちをするが、侯爵は気にもせず話を続けた。
「話がないなら僕はもう帰る。目障りだから視界に入るのはもう止め……」
「子供の財産は親の物だと思わないか?」
「何?」
(え?)
侯爵の言葉にルカが警戒した声色を出し、私も脳内でハテナが飛ぶ。
そんな私たちへ説明するように侯爵が言葉を重ねた。
「難しい話でもないさ、家のお金は家族で共有すべきだと思ってね」
「家族? 僕とお前が?」
「ルカがどう思っていても関係ない。お前が俺の息子だという事実は変わらないからな。何も全財産渡せと言っているわけではないさ、少し工面してくれればいいよ」
さも当たり前のように話される内容に愕然としてしまう。
(ルカにお金をせびっているの?)
侯爵がギャンブルに狂い借金まみれだということは知っていた。
領地のお金を持ち逃げするような形で出て行ったこともだ。
けれどまさか、全てを押し付け大量の借用書を残して王都へ行った侯爵が、まさか息子に直接お金を要求しに来るだなんて!
「あんたに渡すお金はない」
「今お金は持ってないのか?」
「今も未来もない」
「ほら、財布くらいは持ってきてるだろ。ひとまずはそれだけでもいい」
「だからっ」
「ふむ、じゃあクロフス男爵家へ行くか」
「……は?」
突然名前を出された私は思わずドキリとする。
ジーナの方へ思わず顔を向けると、表情が完全にガチギレていた。
「ちょ、乗り込んじゃダメだからね? 私たちがここにいるのは内緒……」
「クロフスの持参金はどれくらいになるんだろうな。先に貰えるか交渉するのもいいだろう」
「ッ」
小声でジーナに言い聞かせていた私に飛び込んで来たその言葉に呆然とする。
それは直感だった。
そんな言い方をされたら、きっとルカはお金を渡してしまう。
(私に侯爵が迷惑をかけるくらいなら自分を犠牲にする気がするわ)
きっと領地のお金には手を付けない。また彼の家にある自分の何かを売るのだろう。
そうやって売っていって、きっといつか彼が彼の家族だと認めた人たちとの思い出の品だって売ってしまうのだ。
契約で結ばれただけの私の為に命も腕もかけて守ろうとしてくれる人だから。
(ダメ)
唐突にゲルマンさんと話したことを思い出した。
私は、ルカに幸せになって欲しいのだ。
だから。
「あら、はじめましてですわね? お義父様」
「な……」
突然現れた私にルカが目を見開く。
そんな彼の側まで行き、彼の腕にしがみつくように腕を絡めた。
「お、おぉ、貴女はクロフスの!」
「ふふ、どうぞ仲良くしてくださいませね」
何か言いたそうなルカを、彼の腕を大丈夫だという思いを込めぎゅっと強く抱きしめることで制止する。
その体勢のまま指をパチンと鳴らすと、ジーナが小さな袋に入れたお金を侯爵に差し出した。
「折角お会いできたのでご一緒したいのですが、実は私たちデートの途中でしたの」
「……そ、そうでしたか! どうぞ楽しい時間を」
「ありがとうございます。いずれまた」
「も、もちろんですとも。ルカ、しっかりエスコートするんだぞ」
袋の中身を確認した侯爵は、いそいそとその場を後にする。
その後ろ姿を眺めていると、ルカが絞り出すような声を出した。
「何故、あんなことを」
「?」
「あんなやつにライサがお金を渡す必要なんて……!」
「私が渡さなかったら貴方が渡していたんじゃないの?」
その指摘にルカが黙り込んでしまう。
やはり当たりだったらしい。
「だったら同じでしょ」
「全然、同じなんかじゃ!」
「一緒よ。結果侯爵がお金を手に入れるだけだもの」
「だけど」
「私、お金で解決できる問題なんて些細なものだと思っているのよね」
しがみついていた彼の腕を解放し、フンッと鼻を鳴らしてそう口にする。
「言わなかったかしら? 大切なのは人財よ。お金なんてまた稼げばいいもの」
「それでも」
「もうっ! しつこいわね」
「し、しつこいって」
全然納得してくれないルカについ焦れた私がそう言うと、さっきまで険しい顔をしていた彼がポカンとした。
その顔があまりにもマヌケ面で、少し笑ってしまう。
(うん。こっちの顔の方がずっといいわ)
「あの程度私にとってははした金なの。ルカが気にする価値もないことよ、必要経費だって思っておきなさい」
「必要経費って、全く必要に思えないんだけど」
「いいと言ったらいいの。だからその、……貴方はもう傷付かないで」
いくら彼が家族と認めてなくても、侯爵が血の繋がった実父であるのは変わらない。
そんな相手にただお金をせびられるというのは、本人に自覚があるかないかは別として必ず負の感情を抱いてしまうものだから。
「ライサ……」
「ほら! もう帰るわよ、今日はお兄様も帰ってくるって言ってましたし」
元も通りへ戻るべくそう言いながら歩き出す。
けれど、ルカがなかなか来ないので振り向くと、立ち尽くしたままのルカと目が合った。
(もう、仕方ないわね)
はぁ、とため息を吐いた私は、彼へと手を差し出す。
何度も彼が私へと手を差し伸べてくれたように。
「早くしてよね、私の旦那様」
侯爵ではなく私が貴方の家族だと強調するつもりで言ったものの、気恥ずかしさが勝り私の頬がじわじわと熱くなる。
(さっさと手を取ってよ!)
なかなか握られない手に焦れながら、ついソワソワとしていると、突然ルカが吹き出した。
「な、笑……っ!?」
「――ありがとう、僕のライサ」
「あ、えっ? いや、その」
吹き出したのでいつものように私をからかっているのかと思ったが、向けられた笑顔がふわりと緩んでいたことに動揺しもごもごと口ごもる。
「後をつけて来た理由も教えてね」
「え」
「しかも出てくるし」
「それは~」
「ちゃーんと聞くから」
「こ、今度ね!?」
「言質だよ」
「ひゃっ」
額にちゅ、と突然口付けられて思わず声をあげてしまう。
「い、今はアピールする必要ないでしょう!?」
「あはは」
「また笑って誤魔化すんだから!」
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