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第一章 サハル砂漠編
4 少年Aとの出会い
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「よっっと!」
少年は大きな斧を振りかざし、地面を叩いた。
その衝撃によって、辺り一面にいた小動物も俺も含め、宙に浮いた。
「創生術〝解〟」
「いたーー!」
少年は一点の小動物目掛け飛び、その斧で首を切り落とした。
「ふぅ、やっと回収できた。鯨の鱗。
珍しいんだから本当に困っちゃうよ」
少年は持っていた斧を地面へと刺し、安堵した表情で輝く小さな鱗を眺めていた。
「ありがとうございます」
俺は少年にお礼を言った。また、命を助けられてしまった。
だが、本当に助かった。もし、この少年がいなかったら確実に俺は死んでいた。
「全然いいよー! ところで、君、死にかけじゃん
その傷、大丈夫?」
俺の左腕のことだ。もう止血が間に合っておらず、そろそろ意識も朦朧としてきている。
「この近くに病院とかって……ない…ですよね…?」
「病院? なにそれ??」
そうか、この世界にはそもそもそのようなものが存在していない可能性を考慮してなかった、
そろそろまずいな、さっきまで、危機的状況にいたからか落ち着いていたが、
安心してから一気に痛みと血が出始めた気がする。
「なんかよくわかんないけど、しょうがないなぁ。
創生術〝治癒〟」
少年の創生術で俺の左腕の血は止まった。
しかし意外だった、異世界での治癒は再生するものだと思っていたが、
ただ止血するだけなのかと、おこがましいがそう思ってしまった。
「ありがとうございます!!」
「やっぱここらのマナだとこの程度しか治せないか」
少年はそう言った。マナの量によって何か変わるのかもしれない。
俺は治癒させてもらったことと、意識が朦朧としていたことが合い重なって、
周りに気を配れていなかった。
周りを見渡すと、まだたくさんの小動物がそこにはいた。
「あっ…あのっ…後ろ!! たくさんまでいますよ!」
「あぁ、こいつらなら大丈夫だよ
根はいい子だし、そもそも乱暴じゃないんだ」
少年は何食わぬ顔でこちらを見た。
「安心して大丈夫だって!
こいつらはカバネリスって言って、その名の通り、人の屍を一飲みしちゃう事から
名付けられたんだ。
でも、自分が飲み込めないサイズの物体を見ると怖気づいてしまうんだよ。
だから、大丈夫!
いくよ、神具・巨人の斧」
少年が斧を呼ぶと、斧は地面から浮き少年の手へと引き付けられるように戻ってきた。
そして、斧は一瞬の内に巨大化し、どのくらいだろうか、
都内の割と高めなビルくらいの大きさになった。
「もういいよ、ありがとう」
斧の大きさがだんだんと小さくなっていき、少年の背中に背負える程度の元の大きさに戻った。
この世界は本当に不思議だ、創生術やら神器やら、なんでもありじゃないかと思った。
「凄い斧ですね。
本当にありがとうございました」
「まだお礼を言うのは早いでしょ。
その左腕、早く治しに行かないと。
今は痛みもなくて、止血も出来てるけど、早いに越したことはないからね!
マナの濃い部分に向かうよー!
ちょうど、僕も下に向かう所だったし!
僕の名前はアイン、よろしく!
君は一体何者? さっき創生術使った時にも疑問だったんだけど、
もしかして、鯨子の生き残りか成れ果てか何かなのかい?」
「いやいやいやいや!
僕はただの貧民街出身の名無しです
そんな有名な者ではないと思います…多分……」
なんだよ鯨子って、この世界ヤバそうだし、もう色々関わりたくない、
正直言って、ここを抜けたらスローライフを送りたいと思えてきた。
ご覧ください、この左手を!! 食われております。
こんなのもうごめんだ。
「そうだよねー!
いや、まさか鯨子の系列の人物なわけないよね!!
もしそうだったら、今ここにいるはずないもんね」
そんなアリバイがあったのか!
よかった。他の鯨子達とやらに感謝しよう。
「そうですよ!」
笑いながら俺はそう言うと、アインは安心している様子だった。
「じゃ、向かおっか、最下層!」
そう言ってアインは巨人の斧を巨大化させ、
地面をその斧で叩き割った。
床が崩れ、俺達はそれに伴って、下へと落ち始めた。
少年は大きな斧を振りかざし、地面を叩いた。
その衝撃によって、辺り一面にいた小動物も俺も含め、宙に浮いた。
「創生術〝解〟」
「いたーー!」
少年は一点の小動物目掛け飛び、その斧で首を切り落とした。
「ふぅ、やっと回収できた。鯨の鱗。
珍しいんだから本当に困っちゃうよ」
少年は持っていた斧を地面へと刺し、安堵した表情で輝く小さな鱗を眺めていた。
「ありがとうございます」
俺は少年にお礼を言った。また、命を助けられてしまった。
だが、本当に助かった。もし、この少年がいなかったら確実に俺は死んでいた。
「全然いいよー! ところで、君、死にかけじゃん
その傷、大丈夫?」
俺の左腕のことだ。もう止血が間に合っておらず、そろそろ意識も朦朧としてきている。
「この近くに病院とかって……ない…ですよね…?」
「病院? なにそれ??」
そうか、この世界にはそもそもそのようなものが存在していない可能性を考慮してなかった、
そろそろまずいな、さっきまで、危機的状況にいたからか落ち着いていたが、
安心してから一気に痛みと血が出始めた気がする。
「なんかよくわかんないけど、しょうがないなぁ。
創生術〝治癒〟」
少年の創生術で俺の左腕の血は止まった。
しかし意外だった、異世界での治癒は再生するものだと思っていたが、
ただ止血するだけなのかと、おこがましいがそう思ってしまった。
「ありがとうございます!!」
「やっぱここらのマナだとこの程度しか治せないか」
少年はそう言った。マナの量によって何か変わるのかもしれない。
俺は治癒させてもらったことと、意識が朦朧としていたことが合い重なって、
周りに気を配れていなかった。
周りを見渡すと、まだたくさんの小動物がそこにはいた。
「あっ…あのっ…後ろ!! たくさんまでいますよ!」
「あぁ、こいつらなら大丈夫だよ
根はいい子だし、そもそも乱暴じゃないんだ」
少年は何食わぬ顔でこちらを見た。
「安心して大丈夫だって!
こいつらはカバネリスって言って、その名の通り、人の屍を一飲みしちゃう事から
名付けられたんだ。
でも、自分が飲み込めないサイズの物体を見ると怖気づいてしまうんだよ。
だから、大丈夫!
いくよ、神具・巨人の斧」
少年が斧を呼ぶと、斧は地面から浮き少年の手へと引き付けられるように戻ってきた。
そして、斧は一瞬の内に巨大化し、どのくらいだろうか、
都内の割と高めなビルくらいの大きさになった。
「もういいよ、ありがとう」
斧の大きさがだんだんと小さくなっていき、少年の背中に背負える程度の元の大きさに戻った。
この世界は本当に不思議だ、創生術やら神器やら、なんでもありじゃないかと思った。
「凄い斧ですね。
本当にありがとうございました」
「まだお礼を言うのは早いでしょ。
その左腕、早く治しに行かないと。
今は痛みもなくて、止血も出来てるけど、早いに越したことはないからね!
マナの濃い部分に向かうよー!
ちょうど、僕も下に向かう所だったし!
僕の名前はアイン、よろしく!
君は一体何者? さっき創生術使った時にも疑問だったんだけど、
もしかして、鯨子の生き残りか成れ果てか何かなのかい?」
「いやいやいやいや!
僕はただの貧民街出身の名無しです
そんな有名な者ではないと思います…多分……」
なんだよ鯨子って、この世界ヤバそうだし、もう色々関わりたくない、
正直言って、ここを抜けたらスローライフを送りたいと思えてきた。
ご覧ください、この左手を!! 食われております。
こんなのもうごめんだ。
「そうだよねー!
いや、まさか鯨子の系列の人物なわけないよね!!
もしそうだったら、今ここにいるはずないもんね」
そんなアリバイがあったのか!
よかった。他の鯨子達とやらに感謝しよう。
「そうですよ!」
笑いながら俺はそう言うと、アインは安心している様子だった。
「じゃ、向かおっか、最下層!」
そう言ってアインは巨人の斧を巨大化させ、
地面をその斧で叩き割った。
床が崩れ、俺達はそれに伴って、下へと落ち始めた。
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