24 / 38
第24話 人を食う
しおりを挟む
◇ 7日前(土曜日) ◇
――酷い雨になるらしいから、パソコンには良くないんじゃないかな? 明日の天気で考えない?
――その方がいいと思ってたところです。心配してくれてありがとうございます。
朝、跳ね上がる雨の中、畑から小松菜を採っておひたしにした。土のついた小松菜にはいのちの息吹を感じる。葉山様のお陰だ。昨日は買い物に出られなかったので、今朝はウインナーと目玉焼き。つくづく献立の幅が狭い。
それでも彼は何も言わず、変わらない顔で食べてくれるからありがたい。
テレビには六時のニュース。電車の遅延情報を流している。土砂降りだ――。
「さすがに買い物に行くか」
「先生、車もないのにこの雨の中無謀ですよ」
「傘がある。リュックがある。有結もいるのにいいものも食べさせてやらないのは罪悪感が募るだろう? こんなに小さいのに」
「立派にもうアラサーですが」
お前さぁ、と手で呼ばれて近づく。大きな手が近づいてきてまたがしっとやられるのかと思えば、今日はそうじゃなかった。
「こんなに小さな頭をして。小学生くらいだぞ?」
「頭の大きさで年齢を決めないでください」
「まぁそうなんだけど何か買ってくる。近い方のスーパーに行くから心配しなくていいぞ」
はぁ、と同意する。さすがに一緒に行きます、とは言わなかった。
「あれ? 金沢さん、その髪は!?」
「……似合いませんか?」
「かわいいよ。顎の細さが出て、前より断然似合ってる。全体的に軽くて明るい印象を受けるよ」
そこまで言われるとなんだかくすぐったくなって、顔を隠したくなってくる。真正面から見られるのが恥ずかしい。髪を切ったので実際少しはメイクにも時間をかけた。
「そうか、切ったんだね。で、耀二は?」
「……買い物に。止めたんですけど」
「馬鹿だな。もう少し待てば車で乗せていったものを」
仕方ないですよ、とわたしは葉山さんにタオルを渡した。
コーヒーを出して、ふたりで座卓に着いた。明日の天気は良くなるのか、パソコンだけでも運べるのか、そんな話をまったりとして、まるで現実が非現実のように思えてくる。
誠と暮らしていた時の方が濃度がこくて、いまは引き伸ばされたテープのようだ。ふわふわして、重みがない。信じられないでいるだけ。捨てる神あれば拾う神あり、なんてことが本当にあるってことを。
「仕事、休んでるんでしょう?」
「そんなことないです。話を詰めるくらいの絵ならiPadでも十分描けますから」
「iPadがあるのか」
「どこででも描けるよう、念の為」
なるほど、と葉山さんは言って、一向にやまない雨を眺めていた。要するにわたしたちにはそれほど話すようなことはなくて、ただただ教師の帰りを待っていた……。
聞いてもいいことと悪いことがある。
それでも大抵の場合、聞きたい気持ちが優先する。
ずっと一緒だった葉山さんなら少しは知ってるかもしれない、ともじもじしていた。
「あれから進展はあったの? ああ、聞かなくてもその髪型が物語ってる? ……まさか失恋したからじゃないよね?」
「そういうわけで切ったんじゃないです。新しい自分になれるかなと思って」
「なるほど。なれそうなの、耀二と」
「わかんない……」
雨音は容赦なく古い家の屋根を叩いて、まるで嵐の深い海の底のような気分にさせる。わたしは不安に思いながらそこに座って、空の向こうを思っている。まったくあの人は無事なんだろうか?
「葉山さんは……亡くなった女性のことをご存知ですか?」
持ち上げたカップを彼は下げた。そうして指で湯呑みを軽く弾いた。
「絵麻さんのこと?」
「名前は知らないけど……」
彼は障子の向こうにあるはずの紫陽花を見ているかのように目を細めて遠くを見た。相変わらず雨が強くてやはり教師が心配になる。座卓の表面を葉山さんが落ち着かないというように細かく何度もタップする。
「耀二の絵、もう見た?」
「いえ、お互いのプライバシーは尊重し合ってるので」
「そう。彼女は附属高から一緒だったから知らないわけではないよ。……あのさ、耀二の絵は前にも話した気がするけど人を食うから。それをみんな『感動』って名前で呼ぶのかもしれないけど、同じく描いてる方にしてみたら堪らないんだ」
それと、死んでしまったという女性に何の関係があるのかまったくわからなかった。わかったのは彼女の名前が『絵麻』さんだということだけだった。
玄関の扉が開く音がして、不在だった主の帰りを知らせる。
わたしは予め用意していたタオルを持って出迎えた。
「なんだ、葉山が来てるのか」
「はい、ずっとふたりで待ってて」
「じゃあ昼飯は葉山が作るからどんと構えてればいい」
ひどいなぁ、と居間から声が上がった。何が食べたいの、とその声は言った。
「ほら、言った通りだろう?」
とりあえず教師はシャワーを浴びることになった。濡れてないところはないくらいにびしょ濡れで、渡したエコバッグもひたひたになって帰ってきた。
「まったく相変わらず無茶するなぁ」
「いまは『ひとり暮らし』じゃないからな。預かってるなら責任を取らないと」
「まぁいいや、スパゲッティでもいい?」
「ある物なら何でも使ってくれ」
葉山さんは大きな鍋にお湯をぐらぐらと沸かし始めた。それから「ちょっと外に出るね」と言って紫蘇を摘んできた。紫蘇も食べ頃があるから、と言って細かい千切りにしてザルを出した。
「わたし、スパゲッティ茹でますよ」
「アルデンテで頼むよ」
葉山さんらしい笑顔で彼はそう言った。なのでわたしは付き合って、無理ですよ、と答えた。
「おお、いい匂いだな」
「いいところに出てきたな」
「出来たてですよ」
スパゲッティをフライパンからお皿に分けている時、教師は丁度やって来た。バターの甘い香りがぷんと部屋いっぱいに広がる。
「葉山さんの奥さんになる人はいいなぁ」
「結婚したらほとんどする機会はないでしょう。仕事があるからね」
「えー、なんか冷たい。そういうものですか?」
「そもそも結婚する気ないから」
そういう選択をする人もいる。多くは仕事の好きな人だ。それについてどうこう言うつもりはない。
「葉山、お前、結婚しないの? 相手はたくさんいるだろう?」
「結婚より大切なものがあってもいいだろう?」
麺が伸びちゃう、という話になり急いで席に着く。今日のランチはたらこのスパゲッティだ。お店でしか食べたことがないので秘かに感動を覚える。
「美味しいなぁ。どこで覚えたんですか?」
「料理本と料理番組。むかしはクックパッドもYouTubeもなかったでしょう?」
「だから葉山さんの料理はきちんきちんとしてるんですねぇ」
まあねぇ、と彼も満更ではないようだった。
わたしも教師の胃袋を支えるならもう少しスキルアップするべきだと考える。誠との時は、酷い手抜きだとシリアルと牛乳だけだったし――。でもあの時はそれで良かったんだ。お互い学生だったし、一緒にだるい朝を迎えて、冷たい牛乳でシリアルを流し込んで。
「苦手だった? たらこ」
「全然そんなことないです! むしろ感激しちゃって、むかしお店で食べたたらこスパを思い出しちゃって」
「お店のと比べないでよ。向こうはプロなんだからさ」
「これめちゃくちゃ美味しいので今度教えてください」
素直なのは良し、と葉山さんは言った。その間教師は無心にスパゲッティを食べているように見えたけれど、どこかぼんやりしていた。疲れたんだろう。
「こんな雨の日にパンを買ってくるとはねぇ」と言って葉山さんはガーリックトーストを作ってくれた。今度は香ばしいパンの香りが広がる。
「どうせ耀二はスパゲッティじゃ足りなかったんじゃない?」
「よくわかったな」
カリッと焼いたパンは誰のテーブルにも平等にたくさんの粉を撒き散らした。
――酷い雨になるらしいから、パソコンには良くないんじゃないかな? 明日の天気で考えない?
――その方がいいと思ってたところです。心配してくれてありがとうございます。
朝、跳ね上がる雨の中、畑から小松菜を採っておひたしにした。土のついた小松菜にはいのちの息吹を感じる。葉山様のお陰だ。昨日は買い物に出られなかったので、今朝はウインナーと目玉焼き。つくづく献立の幅が狭い。
それでも彼は何も言わず、変わらない顔で食べてくれるからありがたい。
テレビには六時のニュース。電車の遅延情報を流している。土砂降りだ――。
「さすがに買い物に行くか」
「先生、車もないのにこの雨の中無謀ですよ」
「傘がある。リュックがある。有結もいるのにいいものも食べさせてやらないのは罪悪感が募るだろう? こんなに小さいのに」
「立派にもうアラサーですが」
お前さぁ、と手で呼ばれて近づく。大きな手が近づいてきてまたがしっとやられるのかと思えば、今日はそうじゃなかった。
「こんなに小さな頭をして。小学生くらいだぞ?」
「頭の大きさで年齢を決めないでください」
「まぁそうなんだけど何か買ってくる。近い方のスーパーに行くから心配しなくていいぞ」
はぁ、と同意する。さすがに一緒に行きます、とは言わなかった。
「あれ? 金沢さん、その髪は!?」
「……似合いませんか?」
「かわいいよ。顎の細さが出て、前より断然似合ってる。全体的に軽くて明るい印象を受けるよ」
そこまで言われるとなんだかくすぐったくなって、顔を隠したくなってくる。真正面から見られるのが恥ずかしい。髪を切ったので実際少しはメイクにも時間をかけた。
「そうか、切ったんだね。で、耀二は?」
「……買い物に。止めたんですけど」
「馬鹿だな。もう少し待てば車で乗せていったものを」
仕方ないですよ、とわたしは葉山さんにタオルを渡した。
コーヒーを出して、ふたりで座卓に着いた。明日の天気は良くなるのか、パソコンだけでも運べるのか、そんな話をまったりとして、まるで現実が非現実のように思えてくる。
誠と暮らしていた時の方が濃度がこくて、いまは引き伸ばされたテープのようだ。ふわふわして、重みがない。信じられないでいるだけ。捨てる神あれば拾う神あり、なんてことが本当にあるってことを。
「仕事、休んでるんでしょう?」
「そんなことないです。話を詰めるくらいの絵ならiPadでも十分描けますから」
「iPadがあるのか」
「どこででも描けるよう、念の為」
なるほど、と葉山さんは言って、一向にやまない雨を眺めていた。要するにわたしたちにはそれほど話すようなことはなくて、ただただ教師の帰りを待っていた……。
聞いてもいいことと悪いことがある。
それでも大抵の場合、聞きたい気持ちが優先する。
ずっと一緒だった葉山さんなら少しは知ってるかもしれない、ともじもじしていた。
「あれから進展はあったの? ああ、聞かなくてもその髪型が物語ってる? ……まさか失恋したからじゃないよね?」
「そういうわけで切ったんじゃないです。新しい自分になれるかなと思って」
「なるほど。なれそうなの、耀二と」
「わかんない……」
雨音は容赦なく古い家の屋根を叩いて、まるで嵐の深い海の底のような気分にさせる。わたしは不安に思いながらそこに座って、空の向こうを思っている。まったくあの人は無事なんだろうか?
「葉山さんは……亡くなった女性のことをご存知ですか?」
持ち上げたカップを彼は下げた。そうして指で湯呑みを軽く弾いた。
「絵麻さんのこと?」
「名前は知らないけど……」
彼は障子の向こうにあるはずの紫陽花を見ているかのように目を細めて遠くを見た。相変わらず雨が強くてやはり教師が心配になる。座卓の表面を葉山さんが落ち着かないというように細かく何度もタップする。
「耀二の絵、もう見た?」
「いえ、お互いのプライバシーは尊重し合ってるので」
「そう。彼女は附属高から一緒だったから知らないわけではないよ。……あのさ、耀二の絵は前にも話した気がするけど人を食うから。それをみんな『感動』って名前で呼ぶのかもしれないけど、同じく描いてる方にしてみたら堪らないんだ」
それと、死んでしまったという女性に何の関係があるのかまったくわからなかった。わかったのは彼女の名前が『絵麻』さんだということだけだった。
玄関の扉が開く音がして、不在だった主の帰りを知らせる。
わたしは予め用意していたタオルを持って出迎えた。
「なんだ、葉山が来てるのか」
「はい、ずっとふたりで待ってて」
「じゃあ昼飯は葉山が作るからどんと構えてればいい」
ひどいなぁ、と居間から声が上がった。何が食べたいの、とその声は言った。
「ほら、言った通りだろう?」
とりあえず教師はシャワーを浴びることになった。濡れてないところはないくらいにびしょ濡れで、渡したエコバッグもひたひたになって帰ってきた。
「まったく相変わらず無茶するなぁ」
「いまは『ひとり暮らし』じゃないからな。預かってるなら責任を取らないと」
「まぁいいや、スパゲッティでもいい?」
「ある物なら何でも使ってくれ」
葉山さんは大きな鍋にお湯をぐらぐらと沸かし始めた。それから「ちょっと外に出るね」と言って紫蘇を摘んできた。紫蘇も食べ頃があるから、と言って細かい千切りにしてザルを出した。
「わたし、スパゲッティ茹でますよ」
「アルデンテで頼むよ」
葉山さんらしい笑顔で彼はそう言った。なのでわたしは付き合って、無理ですよ、と答えた。
「おお、いい匂いだな」
「いいところに出てきたな」
「出来たてですよ」
スパゲッティをフライパンからお皿に分けている時、教師は丁度やって来た。バターの甘い香りがぷんと部屋いっぱいに広がる。
「葉山さんの奥さんになる人はいいなぁ」
「結婚したらほとんどする機会はないでしょう。仕事があるからね」
「えー、なんか冷たい。そういうものですか?」
「そもそも結婚する気ないから」
そういう選択をする人もいる。多くは仕事の好きな人だ。それについてどうこう言うつもりはない。
「葉山、お前、結婚しないの? 相手はたくさんいるだろう?」
「結婚より大切なものがあってもいいだろう?」
麺が伸びちゃう、という話になり急いで席に着く。今日のランチはたらこのスパゲッティだ。お店でしか食べたことがないので秘かに感動を覚える。
「美味しいなぁ。どこで覚えたんですか?」
「料理本と料理番組。むかしはクックパッドもYouTubeもなかったでしょう?」
「だから葉山さんの料理はきちんきちんとしてるんですねぇ」
まあねぇ、と彼も満更ではないようだった。
わたしも教師の胃袋を支えるならもう少しスキルアップするべきだと考える。誠との時は、酷い手抜きだとシリアルと牛乳だけだったし――。でもあの時はそれで良かったんだ。お互い学生だったし、一緒にだるい朝を迎えて、冷たい牛乳でシリアルを流し込んで。
「苦手だった? たらこ」
「全然そんなことないです! むしろ感激しちゃって、むかしお店で食べたたらこスパを思い出しちゃって」
「お店のと比べないでよ。向こうはプロなんだからさ」
「これめちゃくちゃ美味しいので今度教えてください」
素直なのは良し、と葉山さんは言った。その間教師は無心にスパゲッティを食べているように見えたけれど、どこかぼんやりしていた。疲れたんだろう。
「こんな雨の日にパンを買ってくるとはねぇ」と言って葉山さんはガーリックトーストを作ってくれた。今度は香ばしいパンの香りが広がる。
「どうせ耀二はスパゲッティじゃ足りなかったんじゃない?」
「よくわかったな」
カリッと焼いたパンは誰のテーブルにも平等にたくさんの粉を撒き散らした。
0
あなたにおすすめの小説
肉食御曹司の独占愛で極甘懐妊しそうです
沖田弥子
恋愛
過去のトラウマから恋愛と結婚を避けて生きている、二十六歳のさやか。そんなある日、飲み会の帰り際、イケメン上司で会社の御曹司でもある久我凌河に二人きりの二次会に誘われる。ホテルの最上階にある豪華なバーで呑むことになったさやか。お酒の勢いもあって、さやかが強く抱いている『とある願望』を彼に話したところ、なんと彼と一夜を過ごすことになり、しかも恋人になってしまった!? 彼は自分を女除けとして使っているだけだ、と考えるさやかだったが、少しずつ彼に恋心を覚えるようになっていき……。肉食でイケメンな彼にとろとろに蕩かされる、極甘濃密ラブ・ロマンス!
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
病弱な彼女は、外科医の先生に静かに愛されています 〜穏やかな執着に、逃げ場はない〜
来栖れいな
恋愛
――穏やかな微笑みの裏に、逃げられない愛があった。
望んでいたわけじゃない。
けれど、逃げられなかった。
生まれつき弱い心臓を抱える彼女に、政略結婚の話が持ち上がった。
親が決めた未来なんて、受け入れられるはずがない。
無表情な彼の穏やかさが、余計に腹立たしかった。
それでも――彼だけは違った。
優しさの奥に、私の知らない熱を隠していた。
形式だけのはずだった関係は、少しずつ形を変えていく。
これは束縛? それとも、本当の愛?
穏やかな外科医に包まれていく、静かで深い恋の物語。
※この物語はフィクションです。
登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。
黒瀬部長は部下を溺愛したい
桐生桜
恋愛
イケメン上司の黒瀬部長は営業部のエース。
人にも自分にも厳しくちょっぴり怖い……けど!
好きな人にはとことん尽くして甘やかしたい、愛でたい……の溺愛体質。
部下である白石莉央はその溺愛を一心に受け、とことん愛される。
スパダリ鬼上司×新人OLのイチャラブストーリーを一話ショートに。
極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です
朝陽七彩
恋愛
私は。
「夕鶴、こっちにおいで」
現役の高校生だけど。
「ずっと夕鶴とこうしていたい」
担任の先生と。
「夕鶴を誰にも渡したくない」
付き合っています。
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
神城夕鶴(かみしろ ゆづる)
軽音楽部の絶対的エース
飛鷹隼理(ひだか しゅんり)
アイドル的存在の超イケメン先生
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
彼の名前は飛鷹隼理くん。
隼理くんは。
「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」
そう言って……。
「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」
そして隼理くんは……。
……‼
しゅっ……隼理くん……っ。
そんなことをされたら……。
隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。
……だけど……。
え……。
誰……?
誰なの……?
その人はいったい誰なの、隼理くん。
ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。
その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。
でも。
でも訊けない。
隼理くんに直接訊くことなんて。
私にはできない。
私は。
私は、これから先、一体どうすればいいの……?
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
【完結】退職を伝えたら、無愛想な上司に囲われました〜逃げられると思ったのが間違いでした〜
来栖れいな
恋愛
逃げたかったのは、
疲れきった日々と、叶うはずのない憧れ――のはずだった。
無愛想で冷静な上司・東條崇雅。
その背中に、ただ静かに憧れを抱きながら、
仕事の重圧と、自分の想いの行き場に限界を感じて、私は退職を申し出た。
けれど――
そこから、彼の態度は変わり始めた。
苦手な仕事から外され、
負担を減らされ、
静かに、けれど確実に囲い込まれていく私。
「辞めるのは認めない」
そんな言葉すらないのに、
無言の圧力と、不器用な優しさが、私を縛りつけていく。
これは愛?
それともただの執着?
じれじれと、甘く、不器用に。
二人の距離は、静かに、でも確かに近づいていく――。
無愛想な上司に、心ごと囲い込まれる、じれじれ溺愛・執着オフィスラブ。
※この物語はフィクションです。
登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる