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第33話 誰にも祝福されない
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「正気なの!? 向こうから断ってきたのよ?」
話し始めると、母さんは絶叫した。母さんにとっては確かに『困惑案件』に違いない。
僕だって、わかってる。
秀ちゃんのご両親は、僕に見切りをつけて、切り捨てたんだってことを。
まだ少し気の早いこたつの上に置かれたみかんが、鮮やかな色を放つ。
「秀ちゃんと約束したんだ。ふたりでがんばって、同じ大学に進学しようって」
「ちょっと待って。母さん、何がなんだか⋯⋯。秀一郎くんも、この案に賛成したって言ったって。あっちから、婚約解消を言ってきたのに」
母さんは、文字通り頭を抱えた。
湯のみから立ち上る湯気は、すっかり消えて、お茶が冷めてしまったことを教える。
僕のせいだ。問題を持ち込んだから。
「音寧、ちょっと待って。母さん、理解に苦しむんだけど。あんな扱いを受けておいて、まだ秀一郎くんとお付き合いしたいと思ってるの?」
「それは家同士の話で、⋯⋯僕たちは気持ちが途切れたことはないから」
「アンタ、バカなの!? 結婚に漕ぎ着けたとしても、きっとバカにされるんだよ、あの家で」
「秀ちゃんがきっと、守ってくれるよ」
ぽかんとした顔をして、母さんは頭を上げた。
「本気?」
「母さん、母さんだって知ってるでしょう? 今まで秀ちゃんが僕を、どれくらい優先してくれてたかってこと。秀ちゃんを信じてる。僕たち、もしも今回の話し合いが上手くいかなかったら、って話はしてないんだ。上手く行かせるって思ってるから」
きっと秀ちゃんだって、同じ気持ちに違いない。
きちんとした形で、みんなの助けを借りて、僕たちは番になる。
これは今までのように、周りに期待されたからじゃない。自分たちの意思で、だ。
みかんの横に置かれた、母さんの握りしめた指先が、白くなる。ギュッと力を込めている。何かを考えながら――。
やっぱりわかってもらえないかな、と不安になる。
ここでわかってもらえないと、日高先生のところで、秀ちゃんのご両親も交えての話し合いが難しくなる。
僕はずっと心配をかけてきた。
家族でたったひとり、Ωに生まれてきたこと、それがみんなの心配のタネだった。
秀ちゃんとの婚約が決まって、僕の受け皿になってくれるとわかった時、家族は心底そのことに安心したに違いない。
なのに、一方的に婚約を破棄されて。
「音寧、秀一郎くんのことは諦めた方がいいんじゃない? アンタたちが『運命の番』だってことは、先生もそう言うんだから、きっと間違いないんだと、それは信じる。でもね、祝福されない結婚ていうのはね」
「してあげればいいじゃないか」
帰宅して着替えを済ませてきた父さんが、そう言った。
「『誰にも祝福されない結婚』が不幸なら、うちだけでも祝福してやればいい。音寧はやさしくていい子だ。ずっとみんなの言うことを聞いて、Ωだっていうことに負けずに辛抱してきた。
それを支えてくれたのは、秀一郎くんだろう? 婚約前からずっと、音寧を気にかけてくれて」
父さんはそこまで言うと、母さんの冷めたお茶に口をつけた。父さんが僕たちのことに意見するのを、初めて聞いた。
「音寧、もし本当にお前たちの気持ちが同じだと言うなら、父さんは応援しよう。なんなら榊原さんに頭を下げてもいい」
「あなた!」
「⋯⋯音寧の隣でいつも見守っていたのは、母さんだってことはわかってるよ。でも音寧も来年には18だ。手を離してやっても、いいんじゃないか?」
母さんは手で顔を覆った。泣いているのかもしれない。
母さんにとっては、理不尽極まりない話に違いないから。
「⋯⋯何を言っても無駄みたいね。誰もわたしの味方になってくれそうにないし。わたしの気持ちなんてわからないわよね。音寧をΩに産んでしまった、わたしの気持ちなんて」
「母さん、それは違うよ! 僕は母さんに感謝してる。Ωに生まれたから、秀ちゃんの隣に立つことができるんだから」
涙に濡れた手で、母さんは僕の手を握りしめた。母さんの後悔が本物なんだと感じさせた。
でも僕は、僕の信じるものを選ぶんだ、ということを伝えるために、微笑んだ。
「『運命』とかそういうのは関係ないんだ。寧ろそのせいで、秀ちゃんに近寄れなくなったし。僕、秀ちゃんのことが⋯⋯」
「音寧、母さんが悪かったから。お前の気持ちはわかってるの。ただ、向こうから婚約解消してきたくせにって、どうしても思っちゃって。
でも、秀一郎くんがどんなにお前を大切にしてくれてるかわかってるつもりだし⋯⋯寒い中、自転車で会いに来てくれるなんて、アンタ、幸せ者だよね」
僕は母さんの言葉で、自分が真っ赤になるのを感じた。
母さん、気付いてたんだ! 僕と秀ちゃんが時々、家の中と外で話をしてたこと。秀ちゃんだって、決して大きな声は出さなかったのに。
「いいなぁ、音寧は。青春真っ只中じゃん。そうね、将来のことはまだ決めなくてもさ、秀一郎くんが音寧がいいって言ってくれるなら、どんな障害があってもやってみたらいいわ。母さんだって、アンタのためだったら、いくらでも頭くらい下げるわよ」
「母さんも、父さんも、ありがとう⋯⋯。わがままばっかり言って、ごめんなさい」
「いやぁね。今までわがままなんて、言ったことないじゃない。それでも言ってきたんだから、音寧にとって、この事がどれくらい大事なのか、やっぱり親がわかってあげないとね」
僕は泣き虫だ。
涙がこぼれないように、顔を上げた。
こたつの上のシーリングライトの明かりが、滲んで見えた。
みんな、僕にやさしい。そのことが、僕の胸を熱くした。
◇
『よかったよ。ホッとした。――音寧のご両親には、恨まれても仕方ないことをしたと思ってたから』
秀ちゃんは電話の向こうで、安堵のため息をついた。僕が、秀ちゃんが自転車で会いに来ていることを、母さんが知ってると言うと、彼は一瞬黙って『恥ずかしいな。俺ばっかり一生懸命だ』と笑った。
その言葉は僕にとっては心外で、『僕だって秀ちゃんのことなら、一生懸命なのに』と言い返した。
風が強いから、と断ったのに、秀ちゃんは今日も僕の部屋の窓が見える位置に、自転車を停めていた。
開け放った窓から入る夜気が冷たい。厚手のカーディガンを羽織って、窓辺に立っていた。
『土曜日、予約取れたから』
『⋯⋯うん』
『うちの親は簡単には首を縦に振りそうにないから、適当な理由を付けて連れて行くよ。音寧はがんばって親を納得させたのに、情けないな』
『そんなことないよ! だって、僕に勇気をくれたのは、秀ちゃんだから⋯⋯』
半分欠けた月を、薄い雲が風に吹かれて横切る。冷えびえとした夜の空の下、僕らは息を潜めた。
『音寧、今すぐ抱きしめて、キスしたい』
あ、36.8℃。
一瞬で体温が上がったのがわかる。
だって僕もそう思ってた。秀ちゃんの腕の中に包まれて、そして――。秀ちゃんならきっとやさしく。
『音寧、バニラの香り、ここまで漂ってる。薬、飲んで早く寝た方が良くないか?』
『わかってる。わかってるけど、もう少しこのまま、せめて声だけでも聞かせて?』
『バカだな。声くらいなら、惜しまずいつでも』
『うん。僕さ、しあわせだよ。キスは今すぐできなくても、秀ちゃんは僕の心の隣にいつもいてくれるんだもん』
秀ちゃんの声が途切れて、風の音さえ聴こえない。
でも彼がこっちを見ているのは、明白だった。言葉を探してる。何かを伝えようとして。
『ごめんな。してやれることが少なくて。こんなことしかしてやれない』
『十分だよ。ああ、でも僕は本当は、僕のフェロモンで秀ちゃんを惹きつけられたらいいと、そう思ってるのかもしれない』
『帰る。ここにいると本当に、バニラの香りに酔いそうだ。おばさんがいくら俺がここに来てるって知ってても、突然、家に上がったら驚くだろう?』
そうだね、と僕は笑った。
そして僕の匂いが秀ちゃんに染み付くといいのに、なんてことを思っていた。
街灯が、その姿を照らしている。彼はそっと手を振った。
『念の為に熱を計って、早く寝ろよ。どうせ勉強するつもりだったんだろう? 今日くらい、予習はサボれ。明日、ノート持ってってやるから』
『いつもありがとう』
『⋯⋯明日の朝、迎えに来ようか?』
『それは先生のところで話し合ってからにしよう。母さんもどんな顔して秀ちゃんに会ったらいいか、困っちゃうかもしれないし』
確かに、と言うと、「じゃあな」と電話を切って、僕の王子様は帰って行った。
その自転車の軌跡が、星屑のように光って見える気がした。
話し始めると、母さんは絶叫した。母さんにとっては確かに『困惑案件』に違いない。
僕だって、わかってる。
秀ちゃんのご両親は、僕に見切りをつけて、切り捨てたんだってことを。
まだ少し気の早いこたつの上に置かれたみかんが、鮮やかな色を放つ。
「秀ちゃんと約束したんだ。ふたりでがんばって、同じ大学に進学しようって」
「ちょっと待って。母さん、何がなんだか⋯⋯。秀一郎くんも、この案に賛成したって言ったって。あっちから、婚約解消を言ってきたのに」
母さんは、文字通り頭を抱えた。
湯のみから立ち上る湯気は、すっかり消えて、お茶が冷めてしまったことを教える。
僕のせいだ。問題を持ち込んだから。
「音寧、ちょっと待って。母さん、理解に苦しむんだけど。あんな扱いを受けておいて、まだ秀一郎くんとお付き合いしたいと思ってるの?」
「それは家同士の話で、⋯⋯僕たちは気持ちが途切れたことはないから」
「アンタ、バカなの!? 結婚に漕ぎ着けたとしても、きっとバカにされるんだよ、あの家で」
「秀ちゃんがきっと、守ってくれるよ」
ぽかんとした顔をして、母さんは頭を上げた。
「本気?」
「母さん、母さんだって知ってるでしょう? 今まで秀ちゃんが僕を、どれくらい優先してくれてたかってこと。秀ちゃんを信じてる。僕たち、もしも今回の話し合いが上手くいかなかったら、って話はしてないんだ。上手く行かせるって思ってるから」
きっと秀ちゃんだって、同じ気持ちに違いない。
きちんとした形で、みんなの助けを借りて、僕たちは番になる。
これは今までのように、周りに期待されたからじゃない。自分たちの意思で、だ。
みかんの横に置かれた、母さんの握りしめた指先が、白くなる。ギュッと力を込めている。何かを考えながら――。
やっぱりわかってもらえないかな、と不安になる。
ここでわかってもらえないと、日高先生のところで、秀ちゃんのご両親も交えての話し合いが難しくなる。
僕はずっと心配をかけてきた。
家族でたったひとり、Ωに生まれてきたこと、それがみんなの心配のタネだった。
秀ちゃんとの婚約が決まって、僕の受け皿になってくれるとわかった時、家族は心底そのことに安心したに違いない。
なのに、一方的に婚約を破棄されて。
「音寧、秀一郎くんのことは諦めた方がいいんじゃない? アンタたちが『運命の番』だってことは、先生もそう言うんだから、きっと間違いないんだと、それは信じる。でもね、祝福されない結婚ていうのはね」
「してあげればいいじゃないか」
帰宅して着替えを済ませてきた父さんが、そう言った。
「『誰にも祝福されない結婚』が不幸なら、うちだけでも祝福してやればいい。音寧はやさしくていい子だ。ずっとみんなの言うことを聞いて、Ωだっていうことに負けずに辛抱してきた。
それを支えてくれたのは、秀一郎くんだろう? 婚約前からずっと、音寧を気にかけてくれて」
父さんはそこまで言うと、母さんの冷めたお茶に口をつけた。父さんが僕たちのことに意見するのを、初めて聞いた。
「音寧、もし本当にお前たちの気持ちが同じだと言うなら、父さんは応援しよう。なんなら榊原さんに頭を下げてもいい」
「あなた!」
「⋯⋯音寧の隣でいつも見守っていたのは、母さんだってことはわかってるよ。でも音寧も来年には18だ。手を離してやっても、いいんじゃないか?」
母さんは手で顔を覆った。泣いているのかもしれない。
母さんにとっては、理不尽極まりない話に違いないから。
「⋯⋯何を言っても無駄みたいね。誰もわたしの味方になってくれそうにないし。わたしの気持ちなんてわからないわよね。音寧をΩに産んでしまった、わたしの気持ちなんて」
「母さん、それは違うよ! 僕は母さんに感謝してる。Ωに生まれたから、秀ちゃんの隣に立つことができるんだから」
涙に濡れた手で、母さんは僕の手を握りしめた。母さんの後悔が本物なんだと感じさせた。
でも僕は、僕の信じるものを選ぶんだ、ということを伝えるために、微笑んだ。
「『運命』とかそういうのは関係ないんだ。寧ろそのせいで、秀ちゃんに近寄れなくなったし。僕、秀ちゃんのことが⋯⋯」
「音寧、母さんが悪かったから。お前の気持ちはわかってるの。ただ、向こうから婚約解消してきたくせにって、どうしても思っちゃって。
でも、秀一郎くんがどんなにお前を大切にしてくれてるかわかってるつもりだし⋯⋯寒い中、自転車で会いに来てくれるなんて、アンタ、幸せ者だよね」
僕は母さんの言葉で、自分が真っ赤になるのを感じた。
母さん、気付いてたんだ! 僕と秀ちゃんが時々、家の中と外で話をしてたこと。秀ちゃんだって、決して大きな声は出さなかったのに。
「いいなぁ、音寧は。青春真っ只中じゃん。そうね、将来のことはまだ決めなくてもさ、秀一郎くんが音寧がいいって言ってくれるなら、どんな障害があってもやってみたらいいわ。母さんだって、アンタのためだったら、いくらでも頭くらい下げるわよ」
「母さんも、父さんも、ありがとう⋯⋯。わがままばっかり言って、ごめんなさい」
「いやぁね。今までわがままなんて、言ったことないじゃない。それでも言ってきたんだから、音寧にとって、この事がどれくらい大事なのか、やっぱり親がわかってあげないとね」
僕は泣き虫だ。
涙がこぼれないように、顔を上げた。
こたつの上のシーリングライトの明かりが、滲んで見えた。
みんな、僕にやさしい。そのことが、僕の胸を熱くした。
◇
『よかったよ。ホッとした。――音寧のご両親には、恨まれても仕方ないことをしたと思ってたから』
秀ちゃんは電話の向こうで、安堵のため息をついた。僕が、秀ちゃんが自転車で会いに来ていることを、母さんが知ってると言うと、彼は一瞬黙って『恥ずかしいな。俺ばっかり一生懸命だ』と笑った。
その言葉は僕にとっては心外で、『僕だって秀ちゃんのことなら、一生懸命なのに』と言い返した。
風が強いから、と断ったのに、秀ちゃんは今日も僕の部屋の窓が見える位置に、自転車を停めていた。
開け放った窓から入る夜気が冷たい。厚手のカーディガンを羽織って、窓辺に立っていた。
『土曜日、予約取れたから』
『⋯⋯うん』
『うちの親は簡単には首を縦に振りそうにないから、適当な理由を付けて連れて行くよ。音寧はがんばって親を納得させたのに、情けないな』
『そんなことないよ! だって、僕に勇気をくれたのは、秀ちゃんだから⋯⋯』
半分欠けた月を、薄い雲が風に吹かれて横切る。冷えびえとした夜の空の下、僕らは息を潜めた。
『音寧、今すぐ抱きしめて、キスしたい』
あ、36.8℃。
一瞬で体温が上がったのがわかる。
だって僕もそう思ってた。秀ちゃんの腕の中に包まれて、そして――。秀ちゃんならきっとやさしく。
『音寧、バニラの香り、ここまで漂ってる。薬、飲んで早く寝た方が良くないか?』
『わかってる。わかってるけど、もう少しこのまま、せめて声だけでも聞かせて?』
『バカだな。声くらいなら、惜しまずいつでも』
『うん。僕さ、しあわせだよ。キスは今すぐできなくても、秀ちゃんは僕の心の隣にいつもいてくれるんだもん』
秀ちゃんの声が途切れて、風の音さえ聴こえない。
でも彼がこっちを見ているのは、明白だった。言葉を探してる。何かを伝えようとして。
『ごめんな。してやれることが少なくて。こんなことしかしてやれない』
『十分だよ。ああ、でも僕は本当は、僕のフェロモンで秀ちゃんを惹きつけられたらいいと、そう思ってるのかもしれない』
『帰る。ここにいると本当に、バニラの香りに酔いそうだ。おばさんがいくら俺がここに来てるって知ってても、突然、家に上がったら驚くだろう?』
そうだね、と僕は笑った。
そして僕の匂いが秀ちゃんに染み付くといいのに、なんてことを思っていた。
街灯が、その姿を照らしている。彼はそっと手を振った。
『念の為に熱を計って、早く寝ろよ。どうせ勉強するつもりだったんだろう? 今日くらい、予習はサボれ。明日、ノート持ってってやるから』
『いつもありがとう』
『⋯⋯明日の朝、迎えに来ようか?』
『それは先生のところで話し合ってからにしよう。母さんもどんな顔して秀ちゃんに会ったらいいか、困っちゃうかもしれないし』
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