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第8章
あやめの居場所
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店じまいしようとしていたところに電話がなり、美織は受話器を取った。
「はい、フローリスト西原……あら、澤田さん。……え? こっちにも来てないわよ? もう昼過ぎくらいには、山吹さんと帰ったもの。おかしいわねえ、どうしたのかしら。……まさか、事件に、巻き込まれたとか……?」
美織は時計を見た。夜の八時になるところだ。ニュースで、ちょうど昼過ぎに、近くの公園で変死体が見つかったといっていた。最近ネットで騒がれているUMAらしき黒い靄も目撃されたらしい。考えてみれば、山吹とスズオが出ていった直後のことだ。
「ええ、こっちに来たら知らせるわ。……無事だといいけど。……スズオさんも、災難続きね……。え? ああ、そうなの、それも話さなきゃと思ってたのよ。……そう。どうも聞き覚えがあると思ったら、うちの取引先の方でね。……こんなこと、澤田さんに話しちゃっていいのかしら? ねえ、あたしからスズオさんにいうまで、秘密にしていてよ? ……あやめさんね、二駅隣に住んでる、フラワーアレンジメント教室やってる奥さんだったのよ! ……そう。結婚してるっていってたから、スズオさんのことに違いないわ。お花には全然興味がないご主人だって、笑ってたもの。……え? 捜索願? そりゃあ出ないわよ。だって、ね」
不意に美織は言葉を切ってあたりを見回すと、受話器を手で覆うようにして声を潜めた。
「……あやめさん、半年前に、事故で、亡くなったから……」
「はい、フローリスト西原……あら、澤田さん。……え? こっちにも来てないわよ? もう昼過ぎくらいには、山吹さんと帰ったもの。おかしいわねえ、どうしたのかしら。……まさか、事件に、巻き込まれたとか……?」
美織は時計を見た。夜の八時になるところだ。ニュースで、ちょうど昼過ぎに、近くの公園で変死体が見つかったといっていた。最近ネットで騒がれているUMAらしき黒い靄も目撃されたらしい。考えてみれば、山吹とスズオが出ていった直後のことだ。
「ええ、こっちに来たら知らせるわ。……無事だといいけど。……スズオさんも、災難続きね……。え? ああ、そうなの、それも話さなきゃと思ってたのよ。……そう。どうも聞き覚えがあると思ったら、うちの取引先の方でね。……こんなこと、澤田さんに話しちゃっていいのかしら? ねえ、あたしからスズオさんにいうまで、秘密にしていてよ? ……あやめさんね、二駅隣に住んでる、フラワーアレンジメント教室やってる奥さんだったのよ! ……そう。結婚してるっていってたから、スズオさんのことに違いないわ。お花には全然興味がないご主人だって、笑ってたもの。……え? 捜索願? そりゃあ出ないわよ。だって、ね」
不意に美織は言葉を切ってあたりを見回すと、受話器を手で覆うようにして声を潜めた。
「……あやめさん、半年前に、事故で、亡くなったから……」
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