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朝の公園
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春先の早朝。
その公園には既に数人の人影があった。
朝に近所をぶらぶらと歩く習慣のあったAは散歩のついでにやってきた。
「静かでいい公園がある」
昨日、そう言ってきたのは友人のBだった。
「なんだよ急に」
「お前ってよく散歩するんだろ?明後日俺とその公園行ってみない?」
Bは普段散歩の話などふってこない。
不審に思いつつ答える。
「明後日は無理だよ」
「じゃああとで地図送っとくから。明日行ってこい。6時までには着けよ? 人が増えるからな」
ついでとは言っても正規のルートから外れて1時間近くかかるのでAは午前3時には家を出なくてはならなかった。
到着したのは5時30分。
Aは門扉を開けて公園に入ると近くにあったベンチに腰掛た。
2時間あまり歩き続けて慣れていたが今日は凍えるような寒さだ。
Aは隣に座っている老人を一瞥した。
貧乏ゆすりをしておりどうにも落ち着かない様子である。
Aは老人に話しかけてみた。
「今日は寒いですね」
老人の手は小刻みに震えている。
「お前、ここは初めてか?」
その声も震えていた。
このようなことを聞かれたことは今までになかった
「はい」
「……そうか」
その他の会話はなかった。
ほかの人にも話しかける。
「こんにちわ」
「……」
話しかけられた女はAを睨むとすぐに逃げてしまった。
ベンチに戻り公園を見渡す。
山の地形を利用しているのか坂があった。
この公園は高低差のある2つのエリアに分かれているようだ。
すると車の走行音が聞こえてきた。
(なんだ、ちゃんと整備された道もあったのか)
車は坂の上で止まったようだ。
その瞬間、公園にいた人々が一斉に走り出した。
全員で坂を上っていく。
間もなくして何かを話している声が聞こえてきた。
(何かイベントでもあるのだろうか……)
Aが坂に向かって歩き出したとき、悲鳴が聞こえた
Aは歩を速める。
「……噓だろ……」
坂を上がり切ったときAは目の前の光景に唖然とした。
フードをかぶった何名かの男が先程まで隣に座っていた老人を大きな袋へ入れているところだった。
老人の首からは血が流れている。
よく見ると他にも中に何かが入った袋が車に積まれている。
おそらく坂の上に向かったほかの人々だろう。
男の一人がこちらに気づきナイフを持ってAのほうへ歩いてきた。
咄嗟にAは身構える
「誰に言われてここに来た? おまえは誰だ?」
「え…」
予想外の問いにすぐには答えを出せなかったがなんとか言葉を発した。
「B…Bに聞いてこの公園を知りました! 僕の名前はAです……本当です!」
男は書類を出して何かを書き込んだ
「いいか? 条件を呑めば殺さないでおいてやる。
条件は——」
「昨日のはどうだった?」
Cはそれと無く尋ねた。
「よかったよ」
「へえ。俺も久しぶりにしてみようかな、散歩」
「いいじゃん。明日にでも行ってみないか?静かでいい公園があってさ——」
その公園には既に数人の人影があった。
朝に近所をぶらぶらと歩く習慣のあったAは散歩のついでにやってきた。
「静かでいい公園がある」
昨日、そう言ってきたのは友人のBだった。
「なんだよ急に」
「お前ってよく散歩するんだろ?明後日俺とその公園行ってみない?」
Bは普段散歩の話などふってこない。
不審に思いつつ答える。
「明後日は無理だよ」
「じゃああとで地図送っとくから。明日行ってこい。6時までには着けよ? 人が増えるからな」
ついでとは言っても正規のルートから外れて1時間近くかかるのでAは午前3時には家を出なくてはならなかった。
到着したのは5時30分。
Aは門扉を開けて公園に入ると近くにあったベンチに腰掛た。
2時間あまり歩き続けて慣れていたが今日は凍えるような寒さだ。
Aは隣に座っている老人を一瞥した。
貧乏ゆすりをしておりどうにも落ち着かない様子である。
Aは老人に話しかけてみた。
「今日は寒いですね」
老人の手は小刻みに震えている。
「お前、ここは初めてか?」
その声も震えていた。
このようなことを聞かれたことは今までになかった
「はい」
「……そうか」
その他の会話はなかった。
ほかの人にも話しかける。
「こんにちわ」
「……」
話しかけられた女はAを睨むとすぐに逃げてしまった。
ベンチに戻り公園を見渡す。
山の地形を利用しているのか坂があった。
この公園は高低差のある2つのエリアに分かれているようだ。
すると車の走行音が聞こえてきた。
(なんだ、ちゃんと整備された道もあったのか)
車は坂の上で止まったようだ。
その瞬間、公園にいた人々が一斉に走り出した。
全員で坂を上っていく。
間もなくして何かを話している声が聞こえてきた。
(何かイベントでもあるのだろうか……)
Aが坂に向かって歩き出したとき、悲鳴が聞こえた
Aは歩を速める。
「……噓だろ……」
坂を上がり切ったときAは目の前の光景に唖然とした。
フードをかぶった何名かの男が先程まで隣に座っていた老人を大きな袋へ入れているところだった。
老人の首からは血が流れている。
よく見ると他にも中に何かが入った袋が車に積まれている。
おそらく坂の上に向かったほかの人々だろう。
男の一人がこちらに気づきナイフを持ってAのほうへ歩いてきた。
咄嗟にAは身構える
「誰に言われてここに来た? おまえは誰だ?」
「え…」
予想外の問いにすぐには答えを出せなかったがなんとか言葉を発した。
「B…Bに聞いてこの公園を知りました! 僕の名前はAです……本当です!」
男は書類を出して何かを書き込んだ
「いいか? 条件を呑めば殺さないでおいてやる。
条件は——」
「昨日のはどうだった?」
Cはそれと無く尋ねた。
「よかったよ」
「へえ。俺も久しぶりにしてみようかな、散歩」
「いいじゃん。明日にでも行ってみないか?静かでいい公園があってさ——」
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