泣けなかった

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泣けなかった

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私の片想いは不完全燃焼に終わった。

西野賢斗と私は中学2年生のときに出会った。同じクラス、最初はまったく関わりのない存在だと思っていた。クラス替えをして段々とクラスに馴染んでいったとき、彼と話す機会が訪れた。
「それ私も読んでる」
好きな漫画が同じだったのだ。それから好きなシーンや好きなキャラ、話の展開について話は盛り上がった。急に距離が縮んだ気がした。
女絡みが少ない西野。色々話しているうちにアイドルが好きだとか、オタクなこととかがわかった。大人っぽい性格だが同級生と一緒にはしゃぐときは無邪気な顔をして眩しいほどの笑顔をする西野。そんな西野の顔立ちはくっきりした二重にスっと通っている鼻筋、シュッとした骨格、いわゆるイケメンだった。
「さーちんさん、これ」
そう言って西野からプリントを渡された。"さーちん"私のあだ名だ。クラスの女子だけではなく男子にも知れ渡り呼ばれているあだ名。ただ、さん付けされただけで不覚にもときめいてしまったのだった。
それからだんだんと好きという感情が芽生えてきた。正直いって顔はタイプではなかった。しかし、大人っぽい性格、寝癖をつけて登校する姿、友達とはしゃぐ姿、たまに大きな声を出したら声が裏返るところとかに惹かれていった。
ああ、好きだなと思う瞬間が増える。授業中、部活中、寝る前の布団の中。一日中西野のことを考える日々が続いた。
結局、ずっと片想いしていたまま自分の気持ちを伝えることもなく中学校生活が終わりを迎えた。別々の高校、なぜ私は好きと言えなかったのだろうと後悔するよりも、高校生になったら自然と恋人ができると変な期待をしていた。
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