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【2.頼りない相棒】
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エリーゼとウィリアムと別れ、待たせた馬車に乗り込んでから、アイリーンはクレイトンに向かって聞いた。
「クレイトン。さっき目配せしたのは何なんですか?」
「あんまりあの人たちの話を聞きすぎる必要はないとお伝えしたくて」
「ええと、どういうことですか?」
アイリーンは少し驚いて聞き返したが、クレイトンが返事をせず、アイリーンから視線を外して小窓の外を眺めるので、アイリーンは変な顔をした。クレイトンの袖をちょいちょいっと引っ張る。
「なぜ何も言わずに外を見るんですか? 私、話しているじゃないですか」
「理由を話したいと思いませんでしたので」
「もう! そういう言い方もどうかと思いますけど、無視して外を見る前に、せめてそう言ってくださいよ。何かと思うじゃないですか」
「すみません」
クレイトンは短く謝ると、もういいですかとばかりに、またしても別な方を向こうとした。
アイリーンは苦笑した。
「本当、何考えているか分からないんですから。エリーゼがあなただけじゃ不安に思うのも納得かも。ってゆか、そのせいで私も巻き込まれているんですよ、ご自覚あります?」
「……」
アイリーンが詰るような言い方をしてもクレイトンが表情も変えないので、アイリーンはため息をついた。
「本当、私って嫌われてるんですね。あなた、私とスターリングの婚約に反対だったりしますか?」
その言葉にはさすがにクレイトンはハッとしたらしく、
「別にあなたのことは嫌いじゃないです。兄上との婚約は大事なものと思っています。僕は歓迎しています」
と答えた。
「そんなにいっぱい喋れるじゃないですか」
とアイリーンが言うと、クレイトンは少し顔を顰めながら、
「話はできますよ。ただ僕は思ったことをあまり話さないだけです」
とムッとしたように答えた。
しかし、クレイトンのムッとした様子には無頓着に、アイリーンは興味ありげに聞いた。
「話さない理由って? 何それ、どういうこと? 思ったことを話せないなんて寂しくはないの?」
あまりにアイリーンが同情を含めた目でこちらを見るので、クレイトンは説明しなければならない気持ちになり、淡々と答えた。
「話してもあまり僕に得がないからです。兄上はいかにも長男で威厳があり、バルドーニ公爵家を継ぐ性質を持っているように見えます。ですから、バルドーニ家では兄上の意見が絶対です。僕と兄上の意見が同じでも違っていても、僕の言葉は必要がありません。むしろ意見が違った場合は、僕にとって不利益しかありません。兄上に逆らうのかと思われるだけですから」
「そんな! あなただってバルドーニ公爵家の立派な息子じゃないですか」
「僕は兄上のスペアです。そのうちバルドーニ公爵家から出るか、分家として一生兄上に仕えるか、どちらかだと思っています。定まらない藻屑のような存在ですね」
クレイトンは首を横に振った。
「そんな言い方! 誰も、私だって、さっきのウィリアムだってエリーゼだって、そんなことは思ってませんよ!」
するとクレイトンはウィリアムの名を聞いて急に嫌悪感を滲ませた顔になった。
「正直なことを言うと、僕はホーランド伯爵家もあまり好きじゃないんです。僕がもう少し若かった頃にひどい扱いを受けましたのでね」
「ひどい扱いって……」
「それは内緒にさせてください」
とクレイトンは答えた。
そう答えつつ、クレイトンは昔のことを思い出してしまい、嫌な気持ちになっていた。
ホーランド伯爵家はつい最近まで領地経営に困る貧乏貴族だったのだ。
もういい加減このままではいけないと思ったホーランド伯爵は、経済状況をよくするために少し強引でも大口の商取引をするしかないと思い立った。
それで伝手を見いだした隣国の大貴族との商取引を何とか成功させると勢い込んだ。
しかし、相手は貧乏貴族のホーランド伯爵家をまともな取引相手とは見てくれない。
それで、ホーランド伯爵は、妹の嫁ぎ先のバルドーニ公爵家の名前を借りたかった。
かといって取引に一部危うさも感じていたホーランド伯は、バルドー二公爵の名を使い失敗したときのリスクを考ると、大々的にバルドー二公爵家の名前は使えないと思った。バルドー二公爵家に損害が及ぶと縁が切られてしまい、後々国内あちこちの方面で困ったことになると思われた。
それで、目を付けたのが甥っ子、しかも次男のクレイトンだったのだ。
クレイトンには何の公式な立場は与えないが、相手にバルドーニ公爵家とのつながりを感じさせることができる。かといって取引が失敗してもバルドーニ公爵やその嫡子スターリングには泥を塗らない、ちょうどいい役回り。
ホーランド伯爵は、妹に無理を言って頼み込み、クレイトンをその商談に強引に同席させたのだった。
クレイトンはそのような扱いを快く思わなかったが、かといって近い親戚の話であり、母の頼みとあったので、渋々応えた。
しかし、なかなか交渉が進まない初めのうち、焦ったホーランド伯爵は半ばクレイトンを人質に差し出すような発言までした。
「いざとなればクレイトンが現場に出てくれる。なあ。甥っ子だしそれくらいしてくれるだろう?」
結果として商取引は成功したからよかった。ホーランド伯爵家は一躍金持ちになった。
クレイトンにも何も実害もなかった。
しかし、あのときの扱いを今でもクレイトンは許していない。自分を人質に売るような伯父の発言も許せないままだ。
クレイトンはそのことをアイリーンにも誰にも言う気はなかったが、はやりホーランド伯爵家が好きではないという気持ちが湧き上がってきて、一人嫌な気持ちになっているのだった。
クレイトンはぼそっと呟いた。
「貧乏貴族だったホーランド伯爵家の息子が、名家であるトゥック侯爵家の令嬢と結婚する? まあ、今は伯父だって金持ちになっていますが。昔を知る身としては少し思うところがありますね。とはいえ、兄上に頼まれたのだから、ウィリアムとエリーゼの件はちゃんとやりますけど……」
クレイトンが少し投げやりな調子で締めくくったので、アイリーンは昔何があったのだろうとハラハラし、何とも言えない気持ちになったが、しかし「ちゃんとやる」というクレイトンの言葉を信じるしかないのだった。
「クレイトン。さっき目配せしたのは何なんですか?」
「あんまりあの人たちの話を聞きすぎる必要はないとお伝えしたくて」
「ええと、どういうことですか?」
アイリーンは少し驚いて聞き返したが、クレイトンが返事をせず、アイリーンから視線を外して小窓の外を眺めるので、アイリーンは変な顔をした。クレイトンの袖をちょいちょいっと引っ張る。
「なぜ何も言わずに外を見るんですか? 私、話しているじゃないですか」
「理由を話したいと思いませんでしたので」
「もう! そういう言い方もどうかと思いますけど、無視して外を見る前に、せめてそう言ってくださいよ。何かと思うじゃないですか」
「すみません」
クレイトンは短く謝ると、もういいですかとばかりに、またしても別な方を向こうとした。
アイリーンは苦笑した。
「本当、何考えているか分からないんですから。エリーゼがあなただけじゃ不安に思うのも納得かも。ってゆか、そのせいで私も巻き込まれているんですよ、ご自覚あります?」
「……」
アイリーンが詰るような言い方をしてもクレイトンが表情も変えないので、アイリーンはため息をついた。
「本当、私って嫌われてるんですね。あなた、私とスターリングの婚約に反対だったりしますか?」
その言葉にはさすがにクレイトンはハッとしたらしく、
「別にあなたのことは嫌いじゃないです。兄上との婚約は大事なものと思っています。僕は歓迎しています」
と答えた。
「そんなにいっぱい喋れるじゃないですか」
とアイリーンが言うと、クレイトンは少し顔を顰めながら、
「話はできますよ。ただ僕は思ったことをあまり話さないだけです」
とムッとしたように答えた。
しかし、クレイトンのムッとした様子には無頓着に、アイリーンは興味ありげに聞いた。
「話さない理由って? 何それ、どういうこと? 思ったことを話せないなんて寂しくはないの?」
あまりにアイリーンが同情を含めた目でこちらを見るので、クレイトンは説明しなければならない気持ちになり、淡々と答えた。
「話してもあまり僕に得がないからです。兄上はいかにも長男で威厳があり、バルドーニ公爵家を継ぐ性質を持っているように見えます。ですから、バルドーニ家では兄上の意見が絶対です。僕と兄上の意見が同じでも違っていても、僕の言葉は必要がありません。むしろ意見が違った場合は、僕にとって不利益しかありません。兄上に逆らうのかと思われるだけですから」
「そんな! あなただってバルドーニ公爵家の立派な息子じゃないですか」
「僕は兄上のスペアです。そのうちバルドーニ公爵家から出るか、分家として一生兄上に仕えるか、どちらかだと思っています。定まらない藻屑のような存在ですね」
クレイトンは首を横に振った。
「そんな言い方! 誰も、私だって、さっきのウィリアムだってエリーゼだって、そんなことは思ってませんよ!」
するとクレイトンはウィリアムの名を聞いて急に嫌悪感を滲ませた顔になった。
「正直なことを言うと、僕はホーランド伯爵家もあまり好きじゃないんです。僕がもう少し若かった頃にひどい扱いを受けましたのでね」
「ひどい扱いって……」
「それは内緒にさせてください」
とクレイトンは答えた。
そう答えつつ、クレイトンは昔のことを思い出してしまい、嫌な気持ちになっていた。
ホーランド伯爵家はつい最近まで領地経営に困る貧乏貴族だったのだ。
もういい加減このままではいけないと思ったホーランド伯爵は、経済状況をよくするために少し強引でも大口の商取引をするしかないと思い立った。
それで伝手を見いだした隣国の大貴族との商取引を何とか成功させると勢い込んだ。
しかし、相手は貧乏貴族のホーランド伯爵家をまともな取引相手とは見てくれない。
それで、ホーランド伯爵は、妹の嫁ぎ先のバルドーニ公爵家の名前を借りたかった。
かといって取引に一部危うさも感じていたホーランド伯は、バルドー二公爵の名を使い失敗したときのリスクを考ると、大々的にバルドー二公爵家の名前は使えないと思った。バルドー二公爵家に損害が及ぶと縁が切られてしまい、後々国内あちこちの方面で困ったことになると思われた。
それで、目を付けたのが甥っ子、しかも次男のクレイトンだったのだ。
クレイトンには何の公式な立場は与えないが、相手にバルドーニ公爵家とのつながりを感じさせることができる。かといって取引が失敗してもバルドーニ公爵やその嫡子スターリングには泥を塗らない、ちょうどいい役回り。
ホーランド伯爵は、妹に無理を言って頼み込み、クレイトンをその商談に強引に同席させたのだった。
クレイトンはそのような扱いを快く思わなかったが、かといって近い親戚の話であり、母の頼みとあったので、渋々応えた。
しかし、なかなか交渉が進まない初めのうち、焦ったホーランド伯爵は半ばクレイトンを人質に差し出すような発言までした。
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