婚約破棄され売れ残りなのに、粘着質次期宰相につかまりました。

みゆきんぐぅ

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婚約編

【別視線:ガリウス】

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宰相室には不機嫌さを隠しもしない低い声が部屋を満たす。
声の主は言わずもがなレオンである。
怒声をあげることはないが逆にそれが相手に圧を与えている。
報告をするガリウスとアルベルトを見る視線は冷たく、まるで視線で人が殺せるのではないかと思うほど厳しいものだった。

ガリウスはそれを聞きながら、頭の中ではシャリオンのことを考えていた。
おそらくこの部屋で今真面目にレオンの話を聞いているのはアルベルトだけだろう。
他の面子、・・・宰相のサポートとしてこの部屋に在籍するメンバーは、シャリオン捜索のために思考を巡らせているだろう。
それはレオンに命令されたからというわけでなく、シャリオンの危機に自ら残っているのだ。

数時間前に腕の中にいたシャリオンが今は無い。
ふつふつと静かな怒りに燃えながらも、それに反比例して酷く落ち着いている。
手元の時計に目をやりながら、あの時状況を思い返す。




☆☆☆



数時間前。




シャリオンとともにアボットが主催する夜会最終日に参加していた。

優しいシャリオンは、『自分を攫おうとしている人物が知りたいから』と、言ってはいるが自分のことは二の次だというのは分かっていた。
そんなシャリオンを抑止するためにも、今日もガリウスは同伴する。

夜会の会場にてヘインズにどう接触するか。
どうやってヘインズからソフィアの話を聞き出すかを2人でひっそりと話していたところだった。

魔法で照らされていた部屋の電気が唐突に落とされる。
咄嗟にシャリオンへ手を伸ばすが、そこにあるはずの腕が届く範囲になかった。
瞬時に魔法であたりを照らすが、どこをみてもシャリオンは近くに居ない。

だが、代わりに目を泳がすヘインズを見逃さずゾルに捕らえさせた。
足元に転がされる男を見る目は冷たい。
感情のままに怒りに震えたい気持ちなど、シャリオンの以前の婚約破棄知った依頼だ。
だが、怒りに暴力を振っても、シャリオンは帰らない。
それどころか、遠のくのは分かっている。
視線だけは緩めることなく男を見据える。

「ハ、ハイシア様のことはっし、知らないッ!!」
「お前が赤蜘蛛を使ってシャリオンを誘拐させたことはすでに調べがついている」
「!何故そのことを!?」
「やはりか」
「!」

この状況に気が動転しているのを見計らってカマを掛けると墓穴を掘った。

「シャリオンを攫えと本当に指示したのは誰です」
「!」

赤蜘蛛の依頼元はヘインズで間違いないだろうが、この男がシャリオンを欲していたとは思えない。
それを望む他の誰かがまだいるはずだ。

「っ・・・私は妻をっソフィアを人質にされてそれで!」

ガリウスの気迫にたじろくヘインズは聞いてもいないことを話し始めた。
聞いたのは誰か?であるのに。
しかし、その言葉で殺気をみなぎらせたのはクロエだ。

「クロエ。今は下がれ」

今にも切り込もうとしたクロエを、影でついていたゾルがそれを引き留める。

「やはり、・・・お前がクロエッ・・・ぐぇっ」

クロエと気づいたヘインズが起き上がろうとしたのを、ゾルがみぞおちを膝で押し付け動きを封じる。

「余計なことはしゃべるな。息をするだけでお前を殺したくなる人物が多いことを忘れるな」

クロエを止めたゾルも同様に怒りに満ちている。

「い・・・言えない」
「貴方の命と引き換えになってもですか」
「!?」
「シャリオンが無事に帰らない場合、貴方は誘拐の援助をしたわけですから罪に問われます。
例え法が貴方を守っても、レオン様がそれをお許しになると思いますか」
「!っ・・・、・・・わ・・・、私が動いてたのは、・・・っ・・・、・・・私の、為だっ」

しかし、意外なことに断固としてヘインズは誰に指示をされたか言わなかった。
それならば、拷問をさせて聞き出すしかないだろう。

すると入口のあたりがざわめき始めた。
ちらりと見れば、他にも数名の貴族が使用人に取り押さえられている。
ガリウスが入口の方を見れば、第二騎士団と第一騎士団が現れた。

この区域は第二騎士団の領域であり、彼等が使用人が捕縛した人物を引き取っていく。
使用人は・・・第一騎士団の特殊部隊が扮していたようである。

現れたアルベルトを冷たく睨視するガリウス。

「この落ち度。どう落とし前を付けるか覚えておくことです」
「っ」
「と、今すぐに切り捨ててやりたいところではありますが。・・・力を貸してもらいましょうか。
そちらとセットで」

そう言ってちらりと第一騎士団団長のクルト・シュルヤヴァーラを見ると苦笑を浮かべ『噂通りの男だな』とつぶやいた。

「あなた方はここを制圧してもらいます。
蟻一匹、・・・侯爵1人も残さず捕えてください」
「侯爵ならもう別室に足を運んでいただいているよ」

名指しと同義の事言うと、アルベルトが仕事をしていたらしい。
光が消えたあと、入室が遅くなったのはそれが理由か。
ここは城などではなく侯爵の屋敷。
外から警備をしていたとはいえ、脅威の速さと言えるのだが。

「こちらにいる貴族以外の男女は全員保護。面倒を見ているという体裁の貴族には一切引き渡しを応じないこと」
「!」

とりあえずの間はこれで、しのげるだろう。
今はそれよりもシャリオンだ。


「さて。もう1人の方は素直に吐きますかね」


どうしてやろうかと、冷たい笑みを浮かべながら『保護している』と言う男の部屋に向かうガリウスに、
その後をアルベルトが付いてくる。
ここの制圧はクルトだけで十分だからというが、大方ガリウスのやりすぎを抑止するためだ。



☆☆☆




別室にいるというアボットの元へと向かうガリウス。
部屋に入室すると、こちらに立ち上がり近寄ろうとするアボットは両隣に居る騎士達に取り押さえられた。

「こちらに『保護』されておりましたか。アボット侯爵」

白々しくいうガリウスにアボットが睨みつけてきた。
ガリウスは心の中では怒りで渦を巻いていたが、表面上は人当たりの良い笑みを浮かべていた。

「っくっ・・・これが保護のものかねぇ!?」
「えぇ。ところで貴方の管理する屋敷で突如照明が消え、混乱を極めるときに貴方はどこへ行こうといのでしょうか」
「!・・・そ、それは」
「貴方主催の夜会ですよね?それにしては席を外しすぎでは?」
「っうるさい!うるさい!!子爵ごときが侯爵である私に口出しするな!」
「そうですか。
私は次期宰相という立場ではありますが、それでもそういうことでしたら公爵をお呼びしましょうか」

その言葉に一気に顔が顔が青ざめた。
公爵と言ったらシャリオンの父、レオンだと思ったのだろう。

「私はそれで構いませんよ。それで事が早く済むなら公爵1人召喚するのも容易いです」

確かに公爵には逆らえない。
しかし、これとは別の問題である。

「ただ、私がお呼びする公爵様は少々気が短く、・・・特に今回の件ではどう言った仕打ちがされるか責任もてませんが構いませんね?」
「っ・・・いや」
「遠慮せずとも構いませんよ。それにかの方も愛息子のことに積極的にお話なさりたいと思います。
・・・ただ今後貴方の領地が半分以下にされるくらいのご覚悟はされてくださいね」
「!」
「あの方は自身で罰を下す権限をお持ちですから」
「!!」

宰相であり王家の血を引く公爵であるレオンは、この国で例外として多数の権限を持っている。それを忘れていたのだろうか。
そうでなくとも、よくレオンの息子をかどわかしたものだ。

「惚れられた息子の家を潰したお前に言われたくないだろう」

そうちゃちゃを入れたのはアルベルトである。
単語どの家のことを言っているかわからなかったが構わない。

「勝手につぶれただけですよ。・・・そんな話は良いのです。
本題に入りましょうか」

果たしてすべてが終わるときに侯爵でいられるか見ものだな。と、隣で見ているアルベルトは思った。
ガリウスは床に跪かされているアボットの前のソファーに悠然と腰を掛けた。

「さぁ。侯爵。私と楽しいお話をしましょうか」
「っ」

アボットの前にガリウスは魔法紙を差し出す。
それは、シャリオンと結んだよりも強い成約を持つ魔法紙だ。

「合意いだけるなら、こちらにサインを」

アボットはここで拒否をしめす事は出来ない。
レオンに尋問を行われては、本当に領地を削られる可能性があったからだ。
忌々しくこちらを一瞥してくるが、それでもペンを握ると署名する。
横柄に見えるが、恐怖を感じているのかペンを持つ手が震えていた。

「シャリオンは無事ですか。証明と署名を」
「っ」

男は『無事である』と記述し名前を書く。
魔法紙は肯定を示す。
だがこの質問は微妙である。
アボットが今現在の安否を知らないからだ。
安全であろう場所にいるに過ぎない。

「シャリオンはこの屋敷にはいますか。証明と署名を」
「・・・」
「シャリオンはこの王都にいますか。証明と署名を」

このやり取りは一見面倒ではあるが、法廷での証明になるため抜かすことのできない手順だ。

「シャリオンは攫われたのですか。証明と署名を」
「・・・」
「シャリオンが攫われた件で貴方は主犯ですか。証明と署名を」
「っ」
「シャリオンが攫われた件で貴方を指示、もしくは提案したものはいますか。証明と署名を」
「っ・・・」
「シャリオンが攫われた件でファングス家は関係ありますか。証明と署名を」


するとアボットの手が止まる。


「どうしましたか?証明と署名をどうぞ」
「っ」
「関係ないと書いていただければ良いのですよ」
「・・・それは」
「真実でなければその紙が証明してくれるだけです。
ですが・・・そうですね。
貴方が攫ったわけではなく、主犯でもなく指示されたわけですから、
貴方が自ら証言した場合は、魔法紙で証明と署名をしたケースよりも、情状酌量の可能性はありますね」
「!」
「っ関係ある!ファングス伯爵ッ
いや・・・ジェームズ(ファングスの事)は、陛下と王太子の転覆をはかっている!!」
「それはそれは。・・・証明と署名を頂いても宜しいですか?
貴方の身を守るためです。
この書類を見ればあなたが脅されてかの家に力を貸していたことが明白そうです」
「!」

ガリウスがそう促すとアボットはそこに証明と署名を残した。

「そのシャリオンはどちらに今いるのですか?」
「・・・居場所は知らん。・・・攫ったのは私ではないのだ!」

攫ったのは別ということか。使えない男である。


まだヘインズの方が骨があるのかもしれないな


あの男は、何かを必死に隠している。
この男よりまだ何かを思って行動していた。

アボットが書いたのは罪悪感ではない。剥奪が怖いのだ。
簡単に寝返ったのは、伯爵より身分が上だからだろうか。

「お疲れさまでした。これで大丈夫ですよ。ご協力ありがとうございました」

その言葉にほっとしたように息をついた。

「ところで貴方はご子息かご息女はいらっしゃいましたか?」
「?・・・いや、・・・いないが」
「そうですか。それは困りましたね。領地を見る者が・・・そういえば、うちに行儀見習い中の子息が1人いましたね」

正確なところを言えば、賠償としてもらい受けた人物だ。
だが、追い出すにはちょうどいい。

「・・・?」
「どうかされましたか?」
「なぜ・・・私に子供とはどういう意味が?」
「それはあなたが国外追放になるからですよ」


そういってにっこりとほほ笑むとアボットは呆然とこちらを見てきた。

「約束したのは領地を減らさないことです。
なのでその件はレオン様にお話ししておきます。
ですが領地減少以外に貴方に見合う刑は、無期懲役で死山での鉱山労働か国外追放しかありません。
それを断ったのは貴方ですよ?」
「っ・・・き・・・さまっ」
「精々私に暴言を今のうち吐いておくことです。明日には貴方は平民になっているのですからね」
「ぅ・・・うそだ・・・、嘘だっ嘘だっ嘘だぁぁぁっ!ぐあぁっ」

絶叫を止めたのはアルベルトだ。
ため息をつくとこちらに視線をなげてきた。

「助かります。うるさくて思わず護身用のナイフで切り付けてしまいそうでした」
「それで殺してしまったほうがこの男も幸せだったかもな」
「まさか。私が死ぬなんて生ぬるいことさせるわけありません。
あぁ。でも利き手と片足の腱を切って野に転がしてもよかったかもしれませんね」
「ぅわ・・・」
「あなたは事情聴取に何かを期待したのかもしれませんが・・・さほど面白くなかったでしょう?」
「まぁそっちは普通だったが」
「・・・。さて。こちらはレオン様に報告に参りましょうか」
「あー・・・、私は騎士館に帰ろうかな」
「貴方がシャリオンに傷つけないと言ったのは約束を破ったのは覚えてますか?」
「私は返事をしてなかった・・・」
「ん?」
「っ・・・行くよ!!行けばいいんだろ!」
「えぇ。手間取らせないでください。・・・きっとレオン様は怒り狂ってますが、私はシャリオンがどこにいるか探らねばならないんです」
「・・・それでメインで叱られろと」
「私もちゃんと同席しますよ」

にっこりとほほ笑みを浮かべた。


☆☆☆




それはつい4時間以内の出来事だった。
宰相室のレオンはまだ怒りに満ちている。

今回、こちらに一切告げなかったのは陛下である。
おおむね、自分の息子可愛さにちょっかいを出すファングス家を潰させるために、シャリオンを利用したのだ。
レオンにはガリウスから勿論報告し、事前に知らせてはいたが陛下から直接言われてなければそこに介入できなかった。
それに、特殊部隊を最終的に使わせたのは陛下だ。
第二騎士団長に他の団員を動かせる権限はない。
守ると言わせたにも関わらずこの体たらく。
とにもかくにも今は陛下の顔を見たくないであろうに、現れた陛下に冷酷な笑みを浮かべ部屋に迎えた。

「これはこれは陛下。このような部屋にいかがなされたのでしょうか。今少々立て込んでおりまして」
「・・・嫌味はよせ」
「貴様の愚かな判断でシャリオンが死ぬとき、私は単語シャリオンの領地へ戻り、一国としてこの国と敵対する」
「!?」

真っ青になってレオンを見る陛下は、見たこともないくらいに動揺している様子だった。
領地はこの国と隣接している。そして小さい訳でもない上に、レオン側に立つ貴族も少なくないだろう。

「お前が持っている情報をすべて出せ」
「っ・・・わかった」
「ファングス家に連なるもの全てだ」

この2人は付き合いも長く、レオンの方が年上ということもあり、アンオフィシャルであればこのようなやり取りである。
とはいえ、レオンの冷たさはいつもより数倍もあるが。


出された書類を手分けしてみている中で、1人の男に目が行った。
そしてその情報に凍り付く。
魔力が高い使用人を核を挿入した上で無理やりレイプして出来た子供の名前。

「メサ・・・」

セレドニオ・メサの名前が記載されていたのだ。
そして特記事項に驚いた。



「っ・・・あの男ッ・・・黒魔術師かッ」



黒魔術師はただの術師よりも厄介だった、
そう呟いた途端、あの男から買ったシャリオンのタリスマンと対のペンダントが服の下でパキリと音を立てる。


「ッ・・・・?・・・・!」



それを取り出すと、音の原因は分かったがそこに浮かび上がるものに息を飲んだ。


┬┬┬

いつも「しおり」ありがとうございます!
本当に嬉しいです。
あとちょっとなので、もうしばらくお付き合いいただけると嬉しいです。
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