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執着旦那と愛の子作り&子育て編
【別視点:???】
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見晴らしの良い丘にそびえたつ大樹。
その根元には小さく質素なテーブルと椅子が並べられ、その上には茶と茶菓子と言うにはほど遠い、野生の干した木の実が木皿に並べられている。
そんなテーブルに2人の男が着いていた。
1人は地面につきそうなほど長い銀色の髪を持ち、男は机に肘をつきながら美しい顔に厳しい表情を浮かべながら遠くの空を見ていた。
もう1人は甘栗色の髪にルビィーのような瞳を持つ男で、前者よりも小柄だ。
頬はこけ血色の悪い肌に目元には濃いクマが出来ている。
手入れをすれば可愛らしい表情であったろうが、今はただの病人の様だ。
だからなのか景色の良い場所にいても視線はずっと手の中にあるカップから離れなかった。
そんなことがここ最近ずっと続けられていた。
時折、銀色の髪の男が話しかけ、甘栗色の髪の男が答えることが続く。
そしてまた。銀色の髪の男がポツリとつぶやいた。
「・・・小癪ですね」
そう呟くともう1人の男はピクンと体を揺るがす。
彼の手の中にあるカップの水面は次第に大きく波打ち始め、それに気づいた銀の男は放させようと手を伸ばしてくる。
「危ないですよ」
「っ煩い!!」
その反応にまたかと言う様に銀色の髪の男は小さくため息をついた。
「何故あいつは!いつも・・・いっつも私を邪魔するんだ!!」
そう言って自らにかかるのも気にせずカップを振り上げると、そのまま感情のままテーブルに叩きつける。
病弱そうな男だとしてもテーブルに叩きつければ当然見るも無残な形になる。
割れた音と共にあたりに破片が飛散した。
そして、その破片は銀の男の頬を傷つける。
「!・・・ぁ・・・ぁぁ・・・ぁあああっ」
白い頬に広がる赤い線に、甘栗色の髪の男は顔面蒼白になりながら頬に手を伸ばす。
「これくらい大丈夫です」
「早く治せっ!!その顔に傷を付けないでって言っただろ!?」
傷つけたのは割れた破片の所為なのに、心配などすることもなく避けなかった男を叱り飛ばし血走った目を釣り上げた。
ここ数ヶ月ですっかりと変わってしまった甘栗色の髪の男。
元から素直な性格ではなかったが、すっかりヒステリックになってしまった。
そんな男の相手をしている銀色の髪の男はこんなことしょっちゅうだった。
甘栗色の髪の男がこんな風におかしくなったのは、とある男の来訪があった日からだ。
普段から銀色の髪の男は小屋から出ることをあまり許可されないため、その男がどんな人間が来たのかはたのかはわからないがたのかはわからないが、顔面蒼白で小屋に帰ってくるなり「私を追ってきたんだ!」と、可哀そうなほど震え銀色の髪の男を逃がさない様にぎゅうっと抱きしめていた。
それは、暗くなり夜の帳がおりても続けられ、結局再び朝日が昇るまで甘栗色の男は怯え続けた。
銀色の髪の男は余りにも哀れで、昼になりようやく元凶が帰ったことを知らせる。
甘栗色の髪の男はそれに安堵をしていたようだが、そこからより一層情緒はおかしくなった。
我儘は今まで以上に酷くなり、銀色の髪の男を束縛した。
おまけに暴力をふるうまでにもなった。
それでも、男の元からは離れることはない。
「火傷はありませんか?」
言われた通りに傷を修復し、好きそうな笑みを浮かべればホッとしたように息をついた。
とっくに冷めた茶は熱くはないが、衣服に広がったシミを見ると・・・・いつもの我儘が始まった。
「着替えさせてよ」
そう言うチラリとこちらを見てくる甘栗色の髪の男。
銀色の髪の男は拒否することもなく、男を抱き抱えると大樹の根本に建てられた小屋に連れて行く。
ベッド傍に下ろすと衣服を脱がし始める。
「今からでも謝罪されてはどうですか?」
「誰に」
「丘の下にいる者たちに」
「はぁ?なんで」
「辛いのでしょう」
「辛くないよ。
あんな奴らやっぱりクズだった。
所詮下民は下民。
私が絆されたのが馬鹿だったんだ」
「・・・」
「あの男に媚びる人間なんてゴミ以下だね!!」
醜く不愉快な笑い声を立てる甘栗色の髪の男。
「そんなことより。
愛を教えてあげる。知りたいんだろ?」
挑発的で下品な笑みを浮かべ、ベッドの上で自ら足を大きく開くと銀色の男の腰に足を絡め引き寄せる。
質の悪い男娼のようだが、哀れにもこの男はそんな男しか相手をしたことが無い。
男はあくまでも上位に立っているように振る舞う。
しかし。
その瞳は恐怖で溢れていた。
気付いているのだ。
これがとっくに意味を持たないことだと。
そして、銀色の髪の男よりも、何も自分が持っていないことに。
「えぇ」
そう返事をすると、甘栗色の髪の男の口角がほっとしたように上がる。
「好きなだけ私の体を味わえばいい」
痛々しいほどの虚勢を纏いながら、銀色の髪の男に縋る。
それは言葉を求められているサインだ。
「『愛しています』」
「っ・・・私もっ・・・君しかいらないっ」
縋る様に銀色の髪の男の首に腕を回した。
・・・
・・
・
甘栗色の髪の男は藁のしかれたベッドの上で、気を失ったように横たわっている。
月明りの下では余計に血の気が無いように見えた。
そんな男を憐れむ目で見下ろしていたが、銀の髪の男は踵を返すと小屋から出ていった。
そして、昼間の大樹の元に戻ると再びその椅子にかけ遠くの空を眺める。
「・・・煩わしい」
男は酷く腹の虫の居所が悪い。
うざったそうに舌打ちをしたが、暫くしてニィッと残忍な笑みを浮かべた。
「少し遊んでやろう」
その根元には小さく質素なテーブルと椅子が並べられ、その上には茶と茶菓子と言うにはほど遠い、野生の干した木の実が木皿に並べられている。
そんなテーブルに2人の男が着いていた。
1人は地面につきそうなほど長い銀色の髪を持ち、男は机に肘をつきながら美しい顔に厳しい表情を浮かべながら遠くの空を見ていた。
もう1人は甘栗色の髪にルビィーのような瞳を持つ男で、前者よりも小柄だ。
頬はこけ血色の悪い肌に目元には濃いクマが出来ている。
手入れをすれば可愛らしい表情であったろうが、今はただの病人の様だ。
だからなのか景色の良い場所にいても視線はずっと手の中にあるカップから離れなかった。
そんなことがここ最近ずっと続けられていた。
時折、銀色の髪の男が話しかけ、甘栗色の髪の男が答えることが続く。
そしてまた。銀色の髪の男がポツリとつぶやいた。
「・・・小癪ですね」
そう呟くともう1人の男はピクンと体を揺るがす。
彼の手の中にあるカップの水面は次第に大きく波打ち始め、それに気づいた銀の男は放させようと手を伸ばしてくる。
「危ないですよ」
「っ煩い!!」
その反応にまたかと言う様に銀色の髪の男は小さくため息をついた。
「何故あいつは!いつも・・・いっつも私を邪魔するんだ!!」
そう言って自らにかかるのも気にせずカップを振り上げると、そのまま感情のままテーブルに叩きつける。
病弱そうな男だとしてもテーブルに叩きつければ当然見るも無残な形になる。
割れた音と共にあたりに破片が飛散した。
そして、その破片は銀の男の頬を傷つける。
「!・・・ぁ・・・ぁぁ・・・ぁあああっ」
白い頬に広がる赤い線に、甘栗色の髪の男は顔面蒼白になりながら頬に手を伸ばす。
「これくらい大丈夫です」
「早く治せっ!!その顔に傷を付けないでって言っただろ!?」
傷つけたのは割れた破片の所為なのに、心配などすることもなく避けなかった男を叱り飛ばし血走った目を釣り上げた。
ここ数ヶ月ですっかりと変わってしまった甘栗色の髪の男。
元から素直な性格ではなかったが、すっかりヒステリックになってしまった。
そんな男の相手をしている銀色の髪の男はこんなことしょっちゅうだった。
甘栗色の髪の男がこんな風におかしくなったのは、とある男の来訪があった日からだ。
普段から銀色の髪の男は小屋から出ることをあまり許可されないため、その男がどんな人間が来たのかはたのかはわからないがたのかはわからないが、顔面蒼白で小屋に帰ってくるなり「私を追ってきたんだ!」と、可哀そうなほど震え銀色の髪の男を逃がさない様にぎゅうっと抱きしめていた。
それは、暗くなり夜の帳がおりても続けられ、結局再び朝日が昇るまで甘栗色の男は怯え続けた。
銀色の髪の男は余りにも哀れで、昼になりようやく元凶が帰ったことを知らせる。
甘栗色の髪の男はそれに安堵をしていたようだが、そこからより一層情緒はおかしくなった。
我儘は今まで以上に酷くなり、銀色の髪の男を束縛した。
おまけに暴力をふるうまでにもなった。
それでも、男の元からは離れることはない。
「火傷はありませんか?」
言われた通りに傷を修復し、好きそうな笑みを浮かべればホッとしたように息をついた。
とっくに冷めた茶は熱くはないが、衣服に広がったシミを見ると・・・・いつもの我儘が始まった。
「着替えさせてよ」
そう言うチラリとこちらを見てくる甘栗色の髪の男。
銀色の髪の男は拒否することもなく、男を抱き抱えると大樹の根本に建てられた小屋に連れて行く。
ベッド傍に下ろすと衣服を脱がし始める。
「今からでも謝罪されてはどうですか?」
「誰に」
「丘の下にいる者たちに」
「はぁ?なんで」
「辛いのでしょう」
「辛くないよ。
あんな奴らやっぱりクズだった。
所詮下民は下民。
私が絆されたのが馬鹿だったんだ」
「・・・」
「あの男に媚びる人間なんてゴミ以下だね!!」
醜く不愉快な笑い声を立てる甘栗色の髪の男。
「そんなことより。
愛を教えてあげる。知りたいんだろ?」
挑発的で下品な笑みを浮かべ、ベッドの上で自ら足を大きく開くと銀色の男の腰に足を絡め引き寄せる。
質の悪い男娼のようだが、哀れにもこの男はそんな男しか相手をしたことが無い。
男はあくまでも上位に立っているように振る舞う。
しかし。
その瞳は恐怖で溢れていた。
気付いているのだ。
これがとっくに意味を持たないことだと。
そして、銀色の髪の男よりも、何も自分が持っていないことに。
「えぇ」
そう返事をすると、甘栗色の髪の男の口角がほっとしたように上がる。
「好きなだけ私の体を味わえばいい」
痛々しいほどの虚勢を纏いながら、銀色の髪の男に縋る。
それは言葉を求められているサインだ。
「『愛しています』」
「っ・・・私もっ・・・君しかいらないっ」
縋る様に銀色の髪の男の首に腕を回した。
・・・
・・
・
甘栗色の髪の男は藁のしかれたベッドの上で、気を失ったように横たわっている。
月明りの下では余計に血の気が無いように見えた。
そんな男を憐れむ目で見下ろしていたが、銀の髪の男は踵を返すと小屋から出ていった。
そして、昼間の大樹の元に戻ると再びその椅子にかけ遠くの空を眺める。
「・・・煩わしい」
男は酷く腹の虫の居所が悪い。
うざったそうに舌打ちをしたが、暫くしてニィッと残忍な笑みを浮かべた。
「少し遊んでやろう」
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