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1章
銀色の魔物
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このところ、ようやく寒さも落ち着き、ぽかぽかとした陽気が続くようになってきた。
特に今日は天気もよく、外を歩けば山桜が雨のようにふりそそぎ、肩を桃色に染めていく。
こんな日は薬草採取にもってこいだと、子どもたちを連れて森へ出かけた。
僕は村で子どもたちに薬草学と魔法学を教えて暮らしている。両親は子供の頃、銀色の魔物に食べられて死んでしまった。それからは村の大人たちが僕を育ててくれた。
その恩を返したいと、日中は小さな子どもたちのお世話を買って出ているのだ。
女の子が3人、男の子が4人。全部で7人。今日は2人来られなかったから、5人だけ。
子どもはみんな、素直で可愛い。何があっても、守ってあげたいと思っている。
「シアンセンセー、桜、綺麗!」
「うん。綺麗だねえ」
「お空晴れてて、ぽかぽか」
「眠くなっちゃうかな? 今日は勉強やめて、みんなでお昼寝する?」
「するー!」
薬草採取から、いいお昼寝場所探しに目的を変更し、僕らは桜舞う森の中をのんびりと歩く。
「鳥さん!」
「……本当だ。あんなにたくさん」
しかもかなり、上空だ。珍しい。確かあの鳥は普段もっと低空を飛ぶはず。懐っこくて、人にとまったりもするのに。
そういえば……。今日は、獣が全然出てこない。
うららかな春の陽気にごまかされていたけれど、とても静かすぎる。
「先生! あそこ、血が……たくさん!」
「えっ?」
「おっきいクマさん……死んでる」
喉元を噛みちぎられている。
大きな熊の死体に怯える子どもたちを庇うように、あたりを見回した。
少なくとも今、この平和な森にはこの大きな熊を一撃で倒せるだけの魔物がいる。
熊にしたって人間の怖さを知っているから、普段は森の奥から出てきたりしない。何かに追われていたと考えるのが妥当だ。
もし何かが出てきたら、僕では敵わない。それでもこの子たちだけは、守らなくては。
「みんな。今日はお昼寝は中止だ。帰ろう」
「シアン先生、怖い……」
「平気だよ。何があっても、僕が……」
がさりと音がして、後ろの草むらから銀色に輝く美しい狼が這い出してきた。
……銀色の、魔物……。
「きゃあああ!」
「やだ、おれ、食べられたくない!」
子どもたちが背中に回り込んでしがみついてくる。
僕は子どもたちの肩を押して魔物とは逆側に突き放した。
「ここは僕が食い止めるから、みんな、早く逃げて!」
「でも先生……ッ」
「いいから! 村に向かって走って!」
僕よりも大きな狼は、今にもこちらに飛びかかりそうな声を出して唸っている。
きっと僕なんかより子どものほうが柔らかくて美味しいだろうけど、一片たりともくれてやるわけにはいかない。
子どもたちが泣きながら走り出すのを確認し、僕は狼にしがみついた。
「僕を全部食べていいから、子どもたちは逃してやってくれ……!」
柔らかい毛が肌をくすぐる。死の恐怖が目の前にあるのに、心地よさが身体を満たした。
なんでだろう。敵意を……感じない。
桜の花びらが、一枚、一枚、銀色の毛皮にふりつもっていく。
それは酷く幻想的な光景で、こんな時だというのに魅入ってしまいそうになる。
「カテもシナイのに、コドモ、ニガス?」
「えっ!?」
銀色の魔物は人語を解するという話は聞いたことがあったけど、喋りかけてくるとは思わなかった。
人と同じように喋れる器官もなさそうなのに、どうやって声を出しているのか……。状況も忘れて喉に手をやると、狼はぐるると甘えるように唸った。
「オマエ、オレのオヤなる」
「オヤ? ……親?」
理解不能な言葉と共に、狼は小さな人間の子どもへと姿を変えた。
でも耳と尻尾は……そのままついてる。
「オヤ、コロされて、オレだけナッタ。サミシカッタ」
「殺された……」
聞くまでもない。この子の親を殺したのは、人間だ。
人は食べると強大な魔力が手に入るという銀色の魔物を狩り、銀色の魔物は人の肉を好む。
「オマエ、ヤサシイノ見てた。ずっと。オレにも、ヤサシイ?」
「ずっと、見てた? 僕を?」
尋ねると、こくんと頷く。今度は目の前で小さな黒い子犬の姿になってみせた。
化けるのはまだ不慣れなのか、ところどころに銀の毛が混じっている。
「タクサンノコドモと、イッショいた。オレフエテも、ヘイキだ?」
銀色の魔物は親の仇でもある。それでも。人間に親を殺されたこの子が庇護を求めて人里近くまで下りてきたことを考えると、冷たくすることなんてできなかった。孤独のつらさは、僕もよく知っている。
それに、僕の両親を殺したのは少なくとも……彼とは違う、個体だ。
キラキラとした金色の瞳が、僕を見ている。尻尾も揺れてる。
こうしていると、本当にただの子犬みたいだ。
撫でてとでも言いたげに見えて、おそるおそる頭に手を置くと、きゅうんと嬉しそうに鳴いた。
どうしよう。連れて帰るのか、この子を。
確かに子どもの扱いに慣れてはいるけど……親代わりなんて、僕につとまるのか?
何より、銀色の魔物が人に混ざって暮らせるものだろうか。
僕が答えられずにいると、彼は黒い耳をピンと立てて警戒体勢をとった。
「ニンゲン、たくさん、クル……!」
きっと子どもたちが助けを呼んでくれたんだ。
いくらこの子に敵意がないといっても、銀色の魔物の肉は人間にとって妙薬。自分で食べずとも、高値で売れる。
見つかれば狩られてしまうことは、想像に難くない。
撫でた時のぬくもりが、まだ手に残っている。
……見殺しになんて、できるはずがない。
「人間の姿になれる?」
再び人の姿になったその子の頭に持ってきていたタオルを頭巾のように巻き、身体を薄手のコートでおおった。
人でいうなら大体3、4歳くらいだろうか。この大きさなら抱えることもできる。コートに隠れて尻尾も見えないはずだ。
「いい? おとなしくしててね。絶対に声を出さないこと」
「ン」
しばらくすると、村の人たちが武器を持って駆けつけてきた。ざっと十人以上はいる。
「シアンくん、大丈夫か? 魔物は?」
「冒険者が追っていたみたいで、逃げていきました」
警戒するようにあたりを見回し、危険がないとわかると大きな溜息をついて肩を落とした。
悔しがる人、ホッとする人、僕の心配をしてくれる人、倒れている熊に喜ぶ人、様々だ。
「その子は……?」
「怯えるように、草むらに隠れていて。きっと魔物が餌として咥えていたのでしょう」
「そうだな。奴らは人間の肉を好むから……。君も、その子も無事で良かった」
僕は子どもをあやすように、身体を揺すった。実際にこのくらいの年齢なのかもわからなかったけど、赤子でも抱いているような気分になっていた。
「しばらくは、森には近づかないようにしてくれ」
「はい。お子さんたちを、危険に晒してしまってすみませんでした」
「何を言う。命をかけてまで、守ってくれたんだろう? みんな心配していたんだぞ」
横から、友人のコイズがドーンとぶつかるようにして、抱きついてきた。腕の中で魔物が、唸った気がした。
「本当に無事で良かった! シアン!」
コイズ。彼は僕より背が高く、逞しい。ツンツンとした緑色の髪が特徴的で、村の子供たちには雑草だとからかわれ親しまれている。歳は少し離れていて、僕は彼を兄のように思っていた。
先日結婚して、子供が産まれたばかり。なのに、こうして駆けつけてきてくれたんだ。
「それで、その子どもはどうするんだ? お前が育てるのか?」
「……うん。そうしようと、思ってる」
「おとなしいけど大丈夫か? 死んでたりしない?」
「平気だよ。酷く怯えていたから……。まだ、恐怖が薄れないんだと思う」
むしろ、今は本当に恐怖しているかもしれない。大勢の人間に囲まれて。
この人数では、この子が小さくなくとも退治されてしまう。
「しかし惜しかったな。肉を売れば向こう二年は村人全員が贅沢できるだけのお金になったのに」
コイズの言葉に、僕は思わず抱きしめる腕に力を込めた。
「……駆けつけてきてくれたと思ったら、まさかそっちが目的だったのか?」
「そ、そんなわけないだろ! 俺はお前を心配してだな」
村の人たちがドッと笑う。
村のみんなは、僕を本当の子どものように可愛がってくれた。僕にとっても、かけがえのない家族のようなものだ。
なのに僕は……親友にさえも内緒で、銀色の魔物を連れ帰ろうとしている。
まだ小さいとはいえ、厄災を招くことになるかもしれないのに。
何より大きくなって村の誰かに手をかけたら……そう考えると、足元から冷えていく感じがする。
「コイズ、シアンを村まで送り届けてくれ。私たちはもう少し、そのあたりを探ってみる。贅沢云々の前に、危険だからな……」
「熊も持ち帰らないとな! 銀色の魔物の肉は手に入らなかったが、今夜は熊鍋だ!!」
熊はすでに、横で解体され始めていた。
自分が仕留めた獲物を横取りされて、この子はどんな気持ちでいるだろう。
それにしても……いくら僕が言ったからとはいえ、本当におとなしいな。寝てるのかな。
「よし、行くぞ、シアン」
「うん。ありがとう」
コイズに肩を抱かれながら、村へ歩き出す。
自分でも気づかないでいたけど、僕は震えていたらしい。
疲弊しきった心を癒やすように背中を撫でられて、ようやく落ち着いてきた。
驚きのほうが勝っていたとはいえ、恐怖がなかったわけじゃない。本気で死ぬ覚悟をした。
「桜が綺麗だな」
「うん……」
「怖かったろ?」
「さすがにね」
「でも、子どもたちがホントにカッコよかったって言ってたぞ」
「そっか……」
「ミリアムなんて、絶対にお兄ちゃんのお嫁さんになるって息巻いてた」
「ハハ……。光栄だな」
会話をするごとに、腕の中の責任が重くのしかかってくる。
コートとタオルの隙間から顔を覗き込んでみると、パチリと目があった。起きてた。彼は大きな目をまん丸にして、ジッと僕を見ていた。
「お前、その子を育てるって言ってたけど……」
「な、何?」
まさか尻尾でも出ていたのかと抱え直す。
「親がまだ生きてる可能性っていうのは、ないのか?」
「ああ……。亡くなったと言ってたよ」
「一応、街とかで親を探してみたほうがいいんじゃないか?」
「そうだな。落ち着いたら……」
コイズは僕を心配してくれてるんだろう。
僕がこの子に自分を重ねて見てるって、きっとそう思ってる。
僕も小さい頃に、両親を失った。殺したのは銀色の魔物。
そしてこの子の親を殺したのは、僕たち人間。
同じような境遇に同情したし、縋られて手を離せなかった。
「結婚もまだなのに、子持ちとは。婚期を逃すぞ。いっそ本当に、ミリアムとの結婚もアリかもな」
「考えとく」
「本気か! 10歳差だぞ! うちの娘はやらんからな!」
「……冗談に決まってるだろ」
単にその台詞を言ってみたかっただけだったのか、コイズは満足そうに笑った。
娘が産まれてから、すっかり親馬鹿になっている。
そんな他愛ない会話をしながら、僕らは無事に村へと戻った。
……まあ、危険は僕の腕の中にいるのだし、平和なこの村付近で無事でなくなることなど早々ないのだけど。
「送ってくれてありがとう。コイズはこれからどうするんだ?」
「あの熊結構でかかったからなあ。持ち帰るの手伝ってくる。その子のこともあるだろうけど、お前はちゃんと休めよ。絶対に心臓がビックリしてるんだからな」
「ふふ……。平気だよ。それじゃ、今夜の熊鍋楽しみにしてる」
「おう!」
コイズを見送っていると、僕の帰りに気づいた村の子どもたちがワラワラと寄ってきた。
「センセ……! シアンセンセー! し、死んじゃったかと思ったあああ!」
「魔物は? 魔物は大丈夫だったの?」
「怪我してない?」
口々に僕の身を案じながら、大泣きで服に縋ってくる。
「少し血がついてるよう……怪我した?」
僕に一切怪我はない。だとすると、この子が怪我をしてるのかもしれない。おとなしいのも、そのせいかも。
「僕にはどこも、怪我はないよ。あっ、そうそう今日はあの熊を鍋にするって」
「えっ! ごちそうだ!」
「わーい!」
さっきまで泣いていたのに、すぐに笑顔が広がる。
子どもは切り替えが早いな……。
「先生、その子はどうしたの?」
「あ……。あの、銀色の魔物が、咥えてたみたいで。今からこの子を休ませなきゃいけないから、僕は家に帰るね」
興味津々といった視線から逃げるように、僕は家まで走って帰った。
変につつかれて蛇が出てしまったらマズイ。まあ、蛇ではなく、狼だけれども。
さすがに、腕も痺れてきていた。元からそんなに力があるほうでもない。
「ふう……」
家について、もういいよ。と声をかけた途端、その子は腕の中からピョーンと飛び出て床にコロンと転がった。人の姿のままで。
「カラダ、固まるかと、オモッタ!」
どうやらおとなしかったのは、本当に僕のいうことを、素直にきいていたかららしい。
伸びをしたり、背中を床に擦りつけたり、跳ねてみたりとようやく訪れた自由を満喫している。
僕のコートは……アレはもう、ダメだな。
「オマエ、ナマエ、シアン?」
「いや、本当はリュシアンっていうんだ。みんなはシアンと呼ぶけどね」
「フゥン……」
みんながシアンと呼ぶのは僕の髪色が明るい水色だからというのもあるんだけど、彼は色がわからなかったらしく、ただ頷いた。
「君の名前は……ある?」
「ン。リゼル」
満面の笑み。思ったよりもずっと、表情豊かだ。
あと、なんか……。少し、喋り方が滑らかになってきてるような気がする。
まさか僕らが会話してるのを聞いて、学習したのか?
「オヤに、なってくれて、アリガトウ」
「あ……。うん」
実は覚悟も決まらないままに、そんな流れになってしまった。
あの場では連れ帰るしかないと思った。村の人にも僕が育てると公言したし、この子もそれを聞いていたし、今更撤回はできないだろう。
僕が躾ければ、人肉を食べないイイコに育つかな……。そうなると、いいんだけど。
「でも、どうして……。人間を親にしようと思ったんだい? その、君にとって、人間は天敵のようなものだよ」
「テンテキ?」
「この場合で言うなら……君を殺す確率が一番高い相手のことかな……」
「シアン、オレのこと、殺す?」
「殺さないよ……」
「ならいい。オレ、人間好き!」
それ、食べ物として、じゃないよな……。いや、そうなのか?
餌を傍に置いておきたいみたいな……。
「親代わりにはなるけど、僕のことは食べないって約束できる?」
「食べない。食べたら、なくなる」
当たり前のことを、大真面目に言っている。
でもどうやら餌扱いではないらしい。
「村の人も食べたらダメだよ。ご飯はなんとか、用意するから」
「ワカッタ」
素直すぎて逆に怖い。まだ子どもとはいえ、熊を一撃で倒すような力は持ってるんだ。僕なんて寝首をかかなくても簡単に食い尽くせる。
「人間は、オレタチ、食べる。オレ、知ってる。でもオレは、喰わない」
僕の不安を察したのか、必死にそう言ってくれた。
「そう。イイコ」
頭を撫でると、ギューッと抱きついてきた。
「モット!」
そういえば、寂しかったって言ってたっけ。
たくさん撫でると、甘えるように頬を擦りつけてくる。
僕が親……。僕の、家族か。
これから先どうなるかはわからないけど、僕の決断は間違ってなかったと、そう信じたい。
「あ……。そういえば、リゼル……怪我してない? 血がついてるけど」
「ヘイキ。これ、熊たおした時、ツイタ」
一応コートをまくって確認してみる。
ところどころ汚れるし血もついてるけど、見た感じ傷はなさそうだ……。良かった。
素っ裸なのに、まくられても恥ずかしがる様子は全然ない。
「とりあえず、身体洗おうか」
「……水、ヤダ」
身体を洗われるのが嫌とか、本当に犬みたいだな。
「汚れてると、一緒に寝てあげられないな。僕も汚れてしまうから」
こんなので効果があるかなと思ったけど、てきめんだった。
犬と違って人語を解してくれるところはとても助かる。
「カラダ洗う!!」
「よくできました」
「だからイッショに寝る……」
「うん」
そうだ。せっかくだから、記録をつけよう。
銀色の魔物に関する文献は少ないし、何かの役に立つかもしれない。
どうか……途中で終わることがありませんように。
特に今日は天気もよく、外を歩けば山桜が雨のようにふりそそぎ、肩を桃色に染めていく。
こんな日は薬草採取にもってこいだと、子どもたちを連れて森へ出かけた。
僕は村で子どもたちに薬草学と魔法学を教えて暮らしている。両親は子供の頃、銀色の魔物に食べられて死んでしまった。それからは村の大人たちが僕を育ててくれた。
その恩を返したいと、日中は小さな子どもたちのお世話を買って出ているのだ。
女の子が3人、男の子が4人。全部で7人。今日は2人来られなかったから、5人だけ。
子どもはみんな、素直で可愛い。何があっても、守ってあげたいと思っている。
「シアンセンセー、桜、綺麗!」
「うん。綺麗だねえ」
「お空晴れてて、ぽかぽか」
「眠くなっちゃうかな? 今日は勉強やめて、みんなでお昼寝する?」
「するー!」
薬草採取から、いいお昼寝場所探しに目的を変更し、僕らは桜舞う森の中をのんびりと歩く。
「鳥さん!」
「……本当だ。あんなにたくさん」
しかもかなり、上空だ。珍しい。確かあの鳥は普段もっと低空を飛ぶはず。懐っこくて、人にとまったりもするのに。
そういえば……。今日は、獣が全然出てこない。
うららかな春の陽気にごまかされていたけれど、とても静かすぎる。
「先生! あそこ、血が……たくさん!」
「えっ?」
「おっきいクマさん……死んでる」
喉元を噛みちぎられている。
大きな熊の死体に怯える子どもたちを庇うように、あたりを見回した。
少なくとも今、この平和な森にはこの大きな熊を一撃で倒せるだけの魔物がいる。
熊にしたって人間の怖さを知っているから、普段は森の奥から出てきたりしない。何かに追われていたと考えるのが妥当だ。
もし何かが出てきたら、僕では敵わない。それでもこの子たちだけは、守らなくては。
「みんな。今日はお昼寝は中止だ。帰ろう」
「シアン先生、怖い……」
「平気だよ。何があっても、僕が……」
がさりと音がして、後ろの草むらから銀色に輝く美しい狼が這い出してきた。
……銀色の、魔物……。
「きゃあああ!」
「やだ、おれ、食べられたくない!」
子どもたちが背中に回り込んでしがみついてくる。
僕は子どもたちの肩を押して魔物とは逆側に突き放した。
「ここは僕が食い止めるから、みんな、早く逃げて!」
「でも先生……ッ」
「いいから! 村に向かって走って!」
僕よりも大きな狼は、今にもこちらに飛びかかりそうな声を出して唸っている。
きっと僕なんかより子どものほうが柔らかくて美味しいだろうけど、一片たりともくれてやるわけにはいかない。
子どもたちが泣きながら走り出すのを確認し、僕は狼にしがみついた。
「僕を全部食べていいから、子どもたちは逃してやってくれ……!」
柔らかい毛が肌をくすぐる。死の恐怖が目の前にあるのに、心地よさが身体を満たした。
なんでだろう。敵意を……感じない。
桜の花びらが、一枚、一枚、銀色の毛皮にふりつもっていく。
それは酷く幻想的な光景で、こんな時だというのに魅入ってしまいそうになる。
「カテもシナイのに、コドモ、ニガス?」
「えっ!?」
銀色の魔物は人語を解するという話は聞いたことがあったけど、喋りかけてくるとは思わなかった。
人と同じように喋れる器官もなさそうなのに、どうやって声を出しているのか……。状況も忘れて喉に手をやると、狼はぐるると甘えるように唸った。
「オマエ、オレのオヤなる」
「オヤ? ……親?」
理解不能な言葉と共に、狼は小さな人間の子どもへと姿を変えた。
でも耳と尻尾は……そのままついてる。
「オヤ、コロされて、オレだけナッタ。サミシカッタ」
「殺された……」
聞くまでもない。この子の親を殺したのは、人間だ。
人は食べると強大な魔力が手に入るという銀色の魔物を狩り、銀色の魔物は人の肉を好む。
「オマエ、ヤサシイノ見てた。ずっと。オレにも、ヤサシイ?」
「ずっと、見てた? 僕を?」
尋ねると、こくんと頷く。今度は目の前で小さな黒い子犬の姿になってみせた。
化けるのはまだ不慣れなのか、ところどころに銀の毛が混じっている。
「タクサンノコドモと、イッショいた。オレフエテも、ヘイキだ?」
銀色の魔物は親の仇でもある。それでも。人間に親を殺されたこの子が庇護を求めて人里近くまで下りてきたことを考えると、冷たくすることなんてできなかった。孤独のつらさは、僕もよく知っている。
それに、僕の両親を殺したのは少なくとも……彼とは違う、個体だ。
キラキラとした金色の瞳が、僕を見ている。尻尾も揺れてる。
こうしていると、本当にただの子犬みたいだ。
撫でてとでも言いたげに見えて、おそるおそる頭に手を置くと、きゅうんと嬉しそうに鳴いた。
どうしよう。連れて帰るのか、この子を。
確かに子どもの扱いに慣れてはいるけど……親代わりなんて、僕につとまるのか?
何より、銀色の魔物が人に混ざって暮らせるものだろうか。
僕が答えられずにいると、彼は黒い耳をピンと立てて警戒体勢をとった。
「ニンゲン、たくさん、クル……!」
きっと子どもたちが助けを呼んでくれたんだ。
いくらこの子に敵意がないといっても、銀色の魔物の肉は人間にとって妙薬。自分で食べずとも、高値で売れる。
見つかれば狩られてしまうことは、想像に難くない。
撫でた時のぬくもりが、まだ手に残っている。
……見殺しになんて、できるはずがない。
「人間の姿になれる?」
再び人の姿になったその子の頭に持ってきていたタオルを頭巾のように巻き、身体を薄手のコートでおおった。
人でいうなら大体3、4歳くらいだろうか。この大きさなら抱えることもできる。コートに隠れて尻尾も見えないはずだ。
「いい? おとなしくしててね。絶対に声を出さないこと」
「ン」
しばらくすると、村の人たちが武器を持って駆けつけてきた。ざっと十人以上はいる。
「シアンくん、大丈夫か? 魔物は?」
「冒険者が追っていたみたいで、逃げていきました」
警戒するようにあたりを見回し、危険がないとわかると大きな溜息をついて肩を落とした。
悔しがる人、ホッとする人、僕の心配をしてくれる人、倒れている熊に喜ぶ人、様々だ。
「その子は……?」
「怯えるように、草むらに隠れていて。きっと魔物が餌として咥えていたのでしょう」
「そうだな。奴らは人間の肉を好むから……。君も、その子も無事で良かった」
僕は子どもをあやすように、身体を揺すった。実際にこのくらいの年齢なのかもわからなかったけど、赤子でも抱いているような気分になっていた。
「しばらくは、森には近づかないようにしてくれ」
「はい。お子さんたちを、危険に晒してしまってすみませんでした」
「何を言う。命をかけてまで、守ってくれたんだろう? みんな心配していたんだぞ」
横から、友人のコイズがドーンとぶつかるようにして、抱きついてきた。腕の中で魔物が、唸った気がした。
「本当に無事で良かった! シアン!」
コイズ。彼は僕より背が高く、逞しい。ツンツンとした緑色の髪が特徴的で、村の子供たちには雑草だとからかわれ親しまれている。歳は少し離れていて、僕は彼を兄のように思っていた。
先日結婚して、子供が産まれたばかり。なのに、こうして駆けつけてきてくれたんだ。
「それで、その子どもはどうするんだ? お前が育てるのか?」
「……うん。そうしようと、思ってる」
「おとなしいけど大丈夫か? 死んでたりしない?」
「平気だよ。酷く怯えていたから……。まだ、恐怖が薄れないんだと思う」
むしろ、今は本当に恐怖しているかもしれない。大勢の人間に囲まれて。
この人数では、この子が小さくなくとも退治されてしまう。
「しかし惜しかったな。肉を売れば向こう二年は村人全員が贅沢できるだけのお金になったのに」
コイズの言葉に、僕は思わず抱きしめる腕に力を込めた。
「……駆けつけてきてくれたと思ったら、まさかそっちが目的だったのか?」
「そ、そんなわけないだろ! 俺はお前を心配してだな」
村の人たちがドッと笑う。
村のみんなは、僕を本当の子どものように可愛がってくれた。僕にとっても、かけがえのない家族のようなものだ。
なのに僕は……親友にさえも内緒で、銀色の魔物を連れ帰ろうとしている。
まだ小さいとはいえ、厄災を招くことになるかもしれないのに。
何より大きくなって村の誰かに手をかけたら……そう考えると、足元から冷えていく感じがする。
「コイズ、シアンを村まで送り届けてくれ。私たちはもう少し、そのあたりを探ってみる。贅沢云々の前に、危険だからな……」
「熊も持ち帰らないとな! 銀色の魔物の肉は手に入らなかったが、今夜は熊鍋だ!!」
熊はすでに、横で解体され始めていた。
自分が仕留めた獲物を横取りされて、この子はどんな気持ちでいるだろう。
それにしても……いくら僕が言ったからとはいえ、本当におとなしいな。寝てるのかな。
「よし、行くぞ、シアン」
「うん。ありがとう」
コイズに肩を抱かれながら、村へ歩き出す。
自分でも気づかないでいたけど、僕は震えていたらしい。
疲弊しきった心を癒やすように背中を撫でられて、ようやく落ち着いてきた。
驚きのほうが勝っていたとはいえ、恐怖がなかったわけじゃない。本気で死ぬ覚悟をした。
「桜が綺麗だな」
「うん……」
「怖かったろ?」
「さすがにね」
「でも、子どもたちがホントにカッコよかったって言ってたぞ」
「そっか……」
「ミリアムなんて、絶対にお兄ちゃんのお嫁さんになるって息巻いてた」
「ハハ……。光栄だな」
会話をするごとに、腕の中の責任が重くのしかかってくる。
コートとタオルの隙間から顔を覗き込んでみると、パチリと目があった。起きてた。彼は大きな目をまん丸にして、ジッと僕を見ていた。
「お前、その子を育てるって言ってたけど……」
「な、何?」
まさか尻尾でも出ていたのかと抱え直す。
「親がまだ生きてる可能性っていうのは、ないのか?」
「ああ……。亡くなったと言ってたよ」
「一応、街とかで親を探してみたほうがいいんじゃないか?」
「そうだな。落ち着いたら……」
コイズは僕を心配してくれてるんだろう。
僕がこの子に自分を重ねて見てるって、きっとそう思ってる。
僕も小さい頃に、両親を失った。殺したのは銀色の魔物。
そしてこの子の親を殺したのは、僕たち人間。
同じような境遇に同情したし、縋られて手を離せなかった。
「結婚もまだなのに、子持ちとは。婚期を逃すぞ。いっそ本当に、ミリアムとの結婚もアリかもな」
「考えとく」
「本気か! 10歳差だぞ! うちの娘はやらんからな!」
「……冗談に決まってるだろ」
単にその台詞を言ってみたかっただけだったのか、コイズは満足そうに笑った。
娘が産まれてから、すっかり親馬鹿になっている。
そんな他愛ない会話をしながら、僕らは無事に村へと戻った。
……まあ、危険は僕の腕の中にいるのだし、平和なこの村付近で無事でなくなることなど早々ないのだけど。
「送ってくれてありがとう。コイズはこれからどうするんだ?」
「あの熊結構でかかったからなあ。持ち帰るの手伝ってくる。その子のこともあるだろうけど、お前はちゃんと休めよ。絶対に心臓がビックリしてるんだからな」
「ふふ……。平気だよ。それじゃ、今夜の熊鍋楽しみにしてる」
「おう!」
コイズを見送っていると、僕の帰りに気づいた村の子どもたちがワラワラと寄ってきた。
「センセ……! シアンセンセー! し、死んじゃったかと思ったあああ!」
「魔物は? 魔物は大丈夫だったの?」
「怪我してない?」
口々に僕の身を案じながら、大泣きで服に縋ってくる。
「少し血がついてるよう……怪我した?」
僕に一切怪我はない。だとすると、この子が怪我をしてるのかもしれない。おとなしいのも、そのせいかも。
「僕にはどこも、怪我はないよ。あっ、そうそう今日はあの熊を鍋にするって」
「えっ! ごちそうだ!」
「わーい!」
さっきまで泣いていたのに、すぐに笑顔が広がる。
子どもは切り替えが早いな……。
「先生、その子はどうしたの?」
「あ……。あの、銀色の魔物が、咥えてたみたいで。今からこの子を休ませなきゃいけないから、僕は家に帰るね」
興味津々といった視線から逃げるように、僕は家まで走って帰った。
変につつかれて蛇が出てしまったらマズイ。まあ、蛇ではなく、狼だけれども。
さすがに、腕も痺れてきていた。元からそんなに力があるほうでもない。
「ふう……」
家について、もういいよ。と声をかけた途端、その子は腕の中からピョーンと飛び出て床にコロンと転がった。人の姿のままで。
「カラダ、固まるかと、オモッタ!」
どうやらおとなしかったのは、本当に僕のいうことを、素直にきいていたかららしい。
伸びをしたり、背中を床に擦りつけたり、跳ねてみたりとようやく訪れた自由を満喫している。
僕のコートは……アレはもう、ダメだな。
「オマエ、ナマエ、シアン?」
「いや、本当はリュシアンっていうんだ。みんなはシアンと呼ぶけどね」
「フゥン……」
みんながシアンと呼ぶのは僕の髪色が明るい水色だからというのもあるんだけど、彼は色がわからなかったらしく、ただ頷いた。
「君の名前は……ある?」
「ン。リゼル」
満面の笑み。思ったよりもずっと、表情豊かだ。
あと、なんか……。少し、喋り方が滑らかになってきてるような気がする。
まさか僕らが会話してるのを聞いて、学習したのか?
「オヤに、なってくれて、アリガトウ」
「あ……。うん」
実は覚悟も決まらないままに、そんな流れになってしまった。
あの場では連れ帰るしかないと思った。村の人にも僕が育てると公言したし、この子もそれを聞いていたし、今更撤回はできないだろう。
僕が躾ければ、人肉を食べないイイコに育つかな……。そうなると、いいんだけど。
「でも、どうして……。人間を親にしようと思ったんだい? その、君にとって、人間は天敵のようなものだよ」
「テンテキ?」
「この場合で言うなら……君を殺す確率が一番高い相手のことかな……」
「シアン、オレのこと、殺す?」
「殺さないよ……」
「ならいい。オレ、人間好き!」
それ、食べ物として、じゃないよな……。いや、そうなのか?
餌を傍に置いておきたいみたいな……。
「親代わりにはなるけど、僕のことは食べないって約束できる?」
「食べない。食べたら、なくなる」
当たり前のことを、大真面目に言っている。
でもどうやら餌扱いではないらしい。
「村の人も食べたらダメだよ。ご飯はなんとか、用意するから」
「ワカッタ」
素直すぎて逆に怖い。まだ子どもとはいえ、熊を一撃で倒すような力は持ってるんだ。僕なんて寝首をかかなくても簡単に食い尽くせる。
「人間は、オレタチ、食べる。オレ、知ってる。でもオレは、喰わない」
僕の不安を察したのか、必死にそう言ってくれた。
「そう。イイコ」
頭を撫でると、ギューッと抱きついてきた。
「モット!」
そういえば、寂しかったって言ってたっけ。
たくさん撫でると、甘えるように頬を擦りつけてくる。
僕が親……。僕の、家族か。
これから先どうなるかはわからないけど、僕の決断は間違ってなかったと、そう信じたい。
「あ……。そういえば、リゼル……怪我してない? 血がついてるけど」
「ヘイキ。これ、熊たおした時、ツイタ」
一応コートをまくって確認してみる。
ところどころ汚れるし血もついてるけど、見た感じ傷はなさそうだ……。良かった。
素っ裸なのに、まくられても恥ずかしがる様子は全然ない。
「とりあえず、身体洗おうか」
「……水、ヤダ」
身体を洗われるのが嫌とか、本当に犬みたいだな。
「汚れてると、一緒に寝てあげられないな。僕も汚れてしまうから」
こんなので効果があるかなと思ったけど、てきめんだった。
犬と違って人語を解してくれるところはとても助かる。
「カラダ洗う!!」
「よくできました」
「だからイッショに寝る……」
「うん」
そうだ。せっかくだから、記録をつけよう。
銀色の魔物に関する文献は少ないし、何かの役に立つかもしれない。
どうか……途中で終わることがありませんように。
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