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小学校中学年編
ふれるその指(R15
しおりを挟む律が少し大人になった次の日の朝……。とても気まずそうにしているのが可愛くて、からかってやりたかったけど気持ちを考えて自重した。
名残惜しげに律を見送って、俺もいざ大学。でも夜のことを考えると講義なんか耳に入らない。もう一日そわそわしてた。
少し悩んだけど、やっぱり自慰は教えよう。そこから先は律の自由にさせてあげればいい。
できれば一人でする暇なんかないくらい、毎回俺がどうにかしてやりたいけど、そういうのは律がしたいって言うまで……我慢しよ。
一回やったらくせになって、毎回俺にねだってくれるよういなるならそれもよし。というかいい。むしろそうなってくれれば……。
そんなことを考えて、気付けば講義が終わっていた。
……俺、何しに大学来たんだろう……。
気を取り直してさっさと家に帰ると、玄関に律の靴。
やった、もう帰ってきてる。両親はいつものごとく仕事だし、早速律に性教育を……。
「ただいまー!」
浮かれて部屋に入って、いつものように律に抱きついて、というつもりだった。
部屋に入った途端、俺は固まった。律も固まった。
ちょっ……え! 俺が教えようと思ったのに、何で……一人で、して……っ。
「お、お帰り、早かった……ね」
そこまで言って、律が真っ赤になってボロボロ泣いた。
「わーっ、律、泣かなくていいから。俺だって一人でするし、恥ずかしくないから、普通だから!」
「……ん。うん、そうだよね。知ってる。でも恥ずかしいよ……」
まあ、それはそうか。俺だって見られたら恥ずかしいことは恥ずかしい。
でもこんな……。脱げかけの短パン、途中になって震えている小さな性器、律の泣き顔……。興奮するなって方がおかしいんですけど!
美味しそう……。くわえたい……。うう、だめ、だめだ……。
「……お兄ちゃん、勃ってる」
「うっ……。だ、だって、律がそんな格好してたら、それは……こうなる」
俺は後ろ手にドアを閉めて、律の隣に座った。
「誰かに教えてもらった? まさかしてもらった?」
初めの問いには頷いて、次は首を横に振った。とりあえず一安心。
そのあとで、周囲を見渡す。……エロ本もなし。
「とりあえず、擦ればいいって感じで教わった?」
「うん、そう。なんか、変な気持ちになった時に触ると、気持ちよくなるからって」
ただ触ると気持ちよくなるって教わった訳じゃないんだ。
勃起したら触れって言われたってことか。
「……じゃあ、そういう気持ちになったから触った?」
「あの、その、ね。お兄ちゃん、あれ以来させてくれないけど、前僕がしてあげたでしょ? それに、たまに一人でしてるの、これでしょ……?」
ばれてる……。まあ、恥ずかしながら、公開オナニーショーまでやってみせたもんな。……本当に恥ずかしいな、俺。
「お兄ちゃんもしてるんだなって思ったら、なんか、身体が、おかしくなってきちゃって……。あと、昨日の夢の……お兄ちゃんとか、思い出して」
「えっ」
俺!? 俺のこと!? 待て、しかも昨日の夢って、もしかして俺のこと考えて夢精したっていうのか!?
神様ありがとう……! そうか、律はちゃんと俺のこと……性的な意味で好きなんだ!
こればっかりは律が性的欲求感じられるようにならなきゃ判らなかったことだ。どうしよう、嬉しい。
影響与えそうなことばかりさせちゃった俺のせいかもしれないけど……。なるべく、そうならないように、俺から律の方にはあまり触れなかったはずだ。
「お兄ちゃん……。な、何で泣いてるの? やっぱ、やだった? 僕おかしい?」
「ううん。おかしくない。嬉しい」
律も怯えてる感じだった。そうだな、こういう感情は怖いよな。俺も何度、律に嫌われるって思ったか判らない。
相手に対して性的欲求を持つというのは、怖いものだ。それが大好きな相手であるなら、尚更。
それでも律は、俺が律のことを好きだって知ってるからまだいい。ただ、こういう感覚を得ること自体が初めてだから、そっちの方で戸惑っている気持ちの方が強いんだろう。
「それよりそれ、辛いだろ。前に律がしてくれたみたいに、今日は俺がしてやるから」
「あっ……。や、触っちゃ……」
ふにゃ、と律の顔が歪む。可愛い。可愛い律。もっと喘いで、俺にイク顔見せて。
「律、顔こっち」
「ん……んっ」
ちゅっとキスをして、舌を絡める。今日は思う存分、快楽を与えてやりたかった。
「や、やだぁ。な、なんか変……だよっ」
「いいよ。お兄ちゃんの手に出して。お漏らししそうでも大丈夫だから。それがイクってことだから」
「僕だけやっ……。お兄ちゃんのにも触るぅ」
「え!? まっ……俺はいっ……。んっ……」
キスをして、舌を吸われてジンと腰が痺れた。
弟に翻弄されるって、どうなんだ、それ。
でも凄く気持ちがいい……。
だってこの前無理矢理させたのとは違う。律が、自分の意志で、俺に触ってる。こんなの、感じない方がおかしい。
「ん、んんっ……律、律……あっ」
「お兄ちゃん……っ」
びくびくっと律の身体が震えて、俺も同時に律の手の中に熱を吐き出した。
なのに、律の手は止まらなくて、俺は力の入らない手でそれを必死に押さえた。
「律、も……。いい、いいから。一度イッたら、終わり……な?」
「ん……」
さっきから一人でしてた弟と同じくらいとか……。俺本当、早……。
でも仕方ないよな。好きな人としてるんだし。
「律、これ、初めて?」
「うん……」
律の目は快感でとろーんとしている。可愛い。
ああ、本当、律がイク前に帰ってこられて良かった……!
明日からは夏休みが始まるし、今日は学校から帰ってくるのも早かったはずだ。
もしかしたら、こういう話題をしていて、それで遅くなっていたのかもしれない。
今の子はマセてるから、夏休み前に彼女とどうこうとかそういう話とか……。末恐ろしい。
まあ、そういうのはたいてい、大人っぽい組とガキっぽい組に分かれて話をしているもんだ。
俺から見たら、律は後者なんだけどな……。
「凄いね、こんな……。気持ちいいものなんだ」
「もっと気持ちよくなれるんだぞ」
「え、本当?」
「でもそれは、律が大人になったらな」
「ええー……狡い」
俺だってできることなら教えたいさ! でもこんな幼い律に突っ込むとか絶対無理。舐めるのも、想像ならいいけど犯罪っぽくて、申し訳ない。
……何にって、両親に。すでにこの段階で、凄い罪悪感が押し寄せてる。
イッたあとっていうのは、こういう気分になりがちだ。イクまではもう、いっそのことあんなこともこんなこともしてやろうとか、思うんだけどな……。
「せっかくの夏休みなのに」
口を尖らせてるのが可愛くて、ちゅっとキスをした。
「その代わり、これならいいから、たっぷり触り合おう。お兄ちゃんもそれだけで充分気持ちいいし」
「ホント?」
「うん。律とこんなことできるなんて、夢みたいだ」
「じゃ、もっとしてあげる」
「えっ!? いや、今は、い……っん、ま、待って、律」
やばい。流される。というか律上手い。何で……こんな、上手いんだ……。
もしかして俺が下手なだけ?
「お兄ちゃん、いつもかっこいいのに、これすると……凄く可愛いんだ。可愛い顔、もっと見たいな」
「やっ、ばっ……! ちょ、これは恥ずかしすぎるって!」
「どうして? いや?」
「……ん、あ……。ハァ……。や、やじゃない、けどっ……」
……流された。そしてまた瞬殺な俺。情けないにも、ほどがある……。
「なんか、お兄ちゃん見てたらまた僕も、勃っちゃった……」
「じゃ、また……今度は俺が、してあげる」
でも律が可愛いから、まあ、いいか。
今年は恋人同士で過ごせる夏休み。ずいぶんと充実したものになりそうだ。
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