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4th sense
4th sense 2
「あぁ… 酒井さんですか。ありがとうございます」
なにかから解き放たれたかのようにかのように、ほっと肩を撫で下ろした如月は、弱々しい笑顔をあたしに向けた。
<いっ、今のはいったいなんだったの?>
「あれは、、 下級霊や動物霊、成仏できない魂たちです」
<霊や魂? それがなんであんなにたくさん、、、>
「わたし、霊に憑かれやすい体質なのです」
<憑かれやすい?>
「はい。自分が見えるからかもしれませんけど、ああいった下級霊や行き場のない彷徨う魂を、わたしは引き寄せてしまうんです」
<引き寄せるって、、、 あんなにたくさん纏わり憑かれて、怖いとか気持ち悪いとか、、、 なんともないの?>
「もう、慣れました」
<慣れたって、、、
如月さんって、いつからあんなのが見えるようになったの?>
「物心ついた頃から」
<怖くなかった?>
「はじめのうちは恐ろしかったです。
昼でも夜でも、霊たちがわたしの周りを彷徨っていて…
だれに言っても信じてもらえず、それどころか、気味の悪いことを言う、変な子供と思われて。
ずっと孤独でした。
だけどそのうち、気がついたのです」
<気がついた?>
「霊たちもみな、孤独だということに」
<孤独、、、>
「ええ… 霊たちはみなひとりぼっちで、だれとも接することができなくて、寂しいのだと思います。
だから、自分のことを認めてもらえる人がいると、嬉しくなるのです。
それで、彼らが見えるわたしが頼られて、纏わり憑かれてしまう…」
<ええっ? そんなのウザいだけじゃん>
「そう思うこともありましたが… わたし自身がひとりぼっちだから、霊のおかげで慰められることもあるのです」
<…>
「大丈夫です。彼らは特に悪さをしてくるわけではないですから。ただ…」
<ただ?>
「霊障というか… あまり纏わり憑かれると、頭痛や吐き気がひどくなって、めまいがすることがあります。
そういうときは気持ちを鎮めて、霊たちに早く帰ってくれるように呼びかけるのですが、みんなわがままで、なかなか言うことを聞いてくれなくて…
でも、今夜は酒井さんが追い払ってくれて、助かりました」
<いや、あたしは別に、、、>
『特になにかしたわけじゃないんだけど、、、』
と言いかけて、はっと気づく。
<もっ、もしかして、、、 あたしも、如月さんに憑いてる霊のひとりってわけ??>
なんか、やだ。
生きてた頃のあたしって、いつもみんなに囲まれて、ワイワイ賑やかで、ひとりぼっちなんかじゃなかったのに。
今のあたしは話す相手もいなくて、如月に取り憑くしかないなんて、、、
なんか、みじめ。
だけど如月は、『安心して』とでも言いたげな優しい眼差しであたしを見つめ、かぶりを振った。
「酒井さんはわたしの同級生です。
素敵な方だなと、あなたのことをいつもまぶしく見ていました。
あなたが死んでしまって、わたしは本当に悲しく思いました。
だから、こうして今、あなたとお話できることが、なにより嬉しいのです。
あなたがこの世の執着を断ち切って、無事に来世に旅立てるまで、わたしは力をお貸しします」
如月摩耶!
なんていいヤツなんだ~!!
あんな変な霊どもに纏わり憑かれて、毎日苦労してるっていうのに。
そんなことも知らずに、『変人』とか『ネクラ』とか『頭おかしい』とか、みんなで陰口叩いてたなんて、、、
あたしってば、ほんっと無知でバカ。
「それで。こんな夜中に、なんのご用です?」
如月は訝しげに訊いた。
そうだった。
如月に訊きたい事があったから、ここに来たんだった。
彼女の真ん前に座り込み、あたしは真剣な瞳で尋ねた。
<如月さん。教えてほしいの!
こないだあなた、言ったよね?!
『恨みや憎しみを持った霊は、場合によっては実体化して、人間に害をなす』って>
「はい」
<ってことは、霊でも人間の世界に干渉できるってこと?
想いが昂じればそのパワーで、ふつうの人間にも見えたり触ったりできるようになるってことなの?>
「それは…」
戸惑うように、如月は口を噤んだ。
つづく
なにかから解き放たれたかのようにかのように、ほっと肩を撫で下ろした如月は、弱々しい笑顔をあたしに向けた。
<いっ、今のはいったいなんだったの?>
「あれは、、 下級霊や動物霊、成仏できない魂たちです」
<霊や魂? それがなんであんなにたくさん、、、>
「わたし、霊に憑かれやすい体質なのです」
<憑かれやすい?>
「はい。自分が見えるからかもしれませんけど、ああいった下級霊や行き場のない彷徨う魂を、わたしは引き寄せてしまうんです」
<引き寄せるって、、、 あんなにたくさん纏わり憑かれて、怖いとか気持ち悪いとか、、、 なんともないの?>
「もう、慣れました」
<慣れたって、、、
如月さんって、いつからあんなのが見えるようになったの?>
「物心ついた頃から」
<怖くなかった?>
「はじめのうちは恐ろしかったです。
昼でも夜でも、霊たちがわたしの周りを彷徨っていて…
だれに言っても信じてもらえず、それどころか、気味の悪いことを言う、変な子供と思われて。
ずっと孤独でした。
だけどそのうち、気がついたのです」
<気がついた?>
「霊たちもみな、孤独だということに」
<孤独、、、>
「ええ… 霊たちはみなひとりぼっちで、だれとも接することができなくて、寂しいのだと思います。
だから、自分のことを認めてもらえる人がいると、嬉しくなるのです。
それで、彼らが見えるわたしが頼られて、纏わり憑かれてしまう…」
<ええっ? そんなのウザいだけじゃん>
「そう思うこともありましたが… わたし自身がひとりぼっちだから、霊のおかげで慰められることもあるのです」
<…>
「大丈夫です。彼らは特に悪さをしてくるわけではないですから。ただ…」
<ただ?>
「霊障というか… あまり纏わり憑かれると、頭痛や吐き気がひどくなって、めまいがすることがあります。
そういうときは気持ちを鎮めて、霊たちに早く帰ってくれるように呼びかけるのですが、みんなわがままで、なかなか言うことを聞いてくれなくて…
でも、今夜は酒井さんが追い払ってくれて、助かりました」
<いや、あたしは別に、、、>
『特になにかしたわけじゃないんだけど、、、』
と言いかけて、はっと気づく。
<もっ、もしかして、、、 あたしも、如月さんに憑いてる霊のひとりってわけ??>
なんか、やだ。
生きてた頃のあたしって、いつもみんなに囲まれて、ワイワイ賑やかで、ひとりぼっちなんかじゃなかったのに。
今のあたしは話す相手もいなくて、如月に取り憑くしかないなんて、、、
なんか、みじめ。
だけど如月は、『安心して』とでも言いたげな優しい眼差しであたしを見つめ、かぶりを振った。
「酒井さんはわたしの同級生です。
素敵な方だなと、あなたのことをいつもまぶしく見ていました。
あなたが死んでしまって、わたしは本当に悲しく思いました。
だから、こうして今、あなたとお話できることが、なにより嬉しいのです。
あなたがこの世の執着を断ち切って、無事に来世に旅立てるまで、わたしは力をお貸しします」
如月摩耶!
なんていいヤツなんだ~!!
あんな変な霊どもに纏わり憑かれて、毎日苦労してるっていうのに。
そんなことも知らずに、『変人』とか『ネクラ』とか『頭おかしい』とか、みんなで陰口叩いてたなんて、、、
あたしってば、ほんっと無知でバカ。
「それで。こんな夜中に、なんのご用です?」
如月は訝しげに訊いた。
そうだった。
如月に訊きたい事があったから、ここに来たんだった。
彼女の真ん前に座り込み、あたしは真剣な瞳で尋ねた。
<如月さん。教えてほしいの!
こないだあなた、言ったよね?!
『恨みや憎しみを持った霊は、場合によっては実体化して、人間に害をなす』って>
「はい」
<ってことは、霊でも人間の世界に干渉できるってこと?
想いが昂じればそのパワーで、ふつうの人間にも見えたり触ったりできるようになるってことなの?>
「それは…」
戸惑うように、如月は口を噤んだ。
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