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5th sense
5th sense 4
「航平くん。さっきの話だけど…」
山頂の開けた公園の舗道で、ミクは突然立ち止まり、航平くんを振り向いた。
丘の下には、綺麗な夜景が広がってる。
街のイルミネーションが、宝石を散りばめたようにキラキラと瞬いてて、ムード満点。
「やっぱり、伝えといた方がいいと思うの」
「え? なにを?」
「あずさの気持ち」
「あず、、、 酒井さんの、気持ち?」
「ん… あずさはね」
「酒井さんは…」
「…航平くんが」
「ぼく?」
「…あずさは。航平くんのこと、好きだったの」
あああああ~~~~~~~っ!!
それをミクが言う?!
あたしが自分で伝えたかったのにっっっ!!!
「………」
航平くんはなにも言わなかった。
黙ったまま、ミクの話に耳を傾けてた。
「中学3年のときから、だったかな。
あずさは同じクラスの航平くんに憧れてて。
初恋、、、
だったかもしれないね。あずさにとっては」
「…」
「同じ高校に行けて、しかも1年でも2年でも同じクラスだったじゃない。
もう、『運命を感じる』って、あずさはすっごい喜んでた。
そんなあずさを見ながらわたしも、『いつか航平くんに、その想いが届くといいのに』って、ずっと応援してた」
「…酒井さんが、、、 初恋、、、 ぼくに。運命を感じるって、、、」
航平くんの目に、かすかに光るものがあった。
言葉の意味を飲み込むように、ミクの台詞をゆっくり、繰り返してる。
その声は、心なしか震えてた。
「あずさからはね。二年以上もずっと、航平くんへの気持ちを聞かされてきたの。
この公園で、航平くんのこと話してたこともあったな。
わたしもあずさも、航平くんとはほとんど話したこともなかったのにね。
それでも話が尽きなくて、日が暮れるまでずっと、ふたりで恋バナしてた。
ほら。
そこのベンチとか。
そこに座って街の景色を見ながら、いろんなこと話したっけ」
ミクが指差したベンチを、あたしは見た。
このベンチ、、、
そう。思い出した。
懐かしい。
はるか遠い、前世のことのように思える。
ミクって、そんなことも忘れないでいてくれたんだ。
『航平くんの気持ちを掴むには、待ってるだけじゃだめだよ。
あずさももっと、積極的にならなきゃ。
航平くんってちょっと奥手そうだから、あずさからアクション起こさなきゃ、いつまでたっても想いが伝わらないよ。
頑張んなよ。わたしも応援してるから!』
イマイチ告る勇気が出なくて、ヘコんでこのベンチに座り込んだあたしに、隣に座ったミクがやさしく両手で肩を包んでくれて、励ましてくれたっけ。
あのときの光景が、幻のように目の前をよぎって、漆黒の空の向こうに消えていく。
ミクには航平くんのことみんな話して、いちばんあたしの気持ちをわかってくれてた親友だった。
「だからわたし、あずさの気持ち、痛いほどわかる。
わたし、航平くんとの恋を、なんとか叶えてやりたかった。
ほんとはね、事故の前の日。
新学期になって、航平くんと同じクラスになれて、あずさもすっごい感動して。
『今夜中にラブレター書いて、明日、航平くんに告る』って、あずさ、張り切ってたの。
なのにあずさったら、航平くんに気持ちを伝える前に、事故なんかで死んじゃって。
ったく、ドジなんだから、、、」
そう言って、ミクは鼻をすすった。
涙が落ちてきそうになるのを無理にこらえながら、ミクは航平くんの顔を覗き込んで続けた。
「もし、あの世とかがほんとにあるなら、、、
あずさはきっと、向こうで後悔してると思うの」
「…後悔、か」
「永遠に伝えられない想いって、悲しすぎるもん」
「…そう、だよな」
「航平くんも、あずさのこと。好きだったんでしょ?!」
「…」
「ごめん。和馬くんから聞いたの」
「…」
「ふたり、両想いだったんだね…
ったく、もうっ。なんであずさが生きてるうちに、どうにかならなかったのかな~」
「どうにか、って…」
「じれったいのよね。ふたりとも。
お願いだから航平くんの気持ち、あずさに聞かせてあげて」
「…」
「きっとあずさも、喜ぶと思うから」
つづく
山頂の開けた公園の舗道で、ミクは突然立ち止まり、航平くんを振り向いた。
丘の下には、綺麗な夜景が広がってる。
街のイルミネーションが、宝石を散りばめたようにキラキラと瞬いてて、ムード満点。
「やっぱり、伝えといた方がいいと思うの」
「え? なにを?」
「あずさの気持ち」
「あず、、、 酒井さんの、気持ち?」
「ん… あずさはね」
「酒井さんは…」
「…航平くんが」
「ぼく?」
「…あずさは。航平くんのこと、好きだったの」
あああああ~~~~~~~っ!!
それをミクが言う?!
あたしが自分で伝えたかったのにっっっ!!!
「………」
航平くんはなにも言わなかった。
黙ったまま、ミクの話に耳を傾けてた。
「中学3年のときから、だったかな。
あずさは同じクラスの航平くんに憧れてて。
初恋、、、
だったかもしれないね。あずさにとっては」
「…」
「同じ高校に行けて、しかも1年でも2年でも同じクラスだったじゃない。
もう、『運命を感じる』って、あずさはすっごい喜んでた。
そんなあずさを見ながらわたしも、『いつか航平くんに、その想いが届くといいのに』って、ずっと応援してた」
「…酒井さんが、、、 初恋、、、 ぼくに。運命を感じるって、、、」
航平くんの目に、かすかに光るものがあった。
言葉の意味を飲み込むように、ミクの台詞をゆっくり、繰り返してる。
その声は、心なしか震えてた。
「あずさからはね。二年以上もずっと、航平くんへの気持ちを聞かされてきたの。
この公園で、航平くんのこと話してたこともあったな。
わたしもあずさも、航平くんとはほとんど話したこともなかったのにね。
それでも話が尽きなくて、日が暮れるまでずっと、ふたりで恋バナしてた。
ほら。
そこのベンチとか。
そこに座って街の景色を見ながら、いろんなこと話したっけ」
ミクが指差したベンチを、あたしは見た。
このベンチ、、、
そう。思い出した。
懐かしい。
はるか遠い、前世のことのように思える。
ミクって、そんなことも忘れないでいてくれたんだ。
『航平くんの気持ちを掴むには、待ってるだけじゃだめだよ。
あずさももっと、積極的にならなきゃ。
航平くんってちょっと奥手そうだから、あずさからアクション起こさなきゃ、いつまでたっても想いが伝わらないよ。
頑張んなよ。わたしも応援してるから!』
イマイチ告る勇気が出なくて、ヘコんでこのベンチに座り込んだあたしに、隣に座ったミクがやさしく両手で肩を包んでくれて、励ましてくれたっけ。
あのときの光景が、幻のように目の前をよぎって、漆黒の空の向こうに消えていく。
ミクには航平くんのことみんな話して、いちばんあたしの気持ちをわかってくれてた親友だった。
「だからわたし、あずさの気持ち、痛いほどわかる。
わたし、航平くんとの恋を、なんとか叶えてやりたかった。
ほんとはね、事故の前の日。
新学期になって、航平くんと同じクラスになれて、あずさもすっごい感動して。
『今夜中にラブレター書いて、明日、航平くんに告る』って、あずさ、張り切ってたの。
なのにあずさったら、航平くんに気持ちを伝える前に、事故なんかで死んじゃって。
ったく、ドジなんだから、、、」
そう言って、ミクは鼻をすすった。
涙が落ちてきそうになるのを無理にこらえながら、ミクは航平くんの顔を覗き込んで続けた。
「もし、あの世とかがほんとにあるなら、、、
あずさはきっと、向こうで後悔してると思うの」
「…後悔、か」
「永遠に伝えられない想いって、悲しすぎるもん」
「…そう、だよな」
「航平くんも、あずさのこと。好きだったんでしょ?!」
「…」
「ごめん。和馬くんから聞いたの」
「…」
「ふたり、両想いだったんだね…
ったく、もうっ。なんであずさが生きてるうちに、どうにかならなかったのかな~」
「どうにか、って…」
「じれったいのよね。ふたりとも。
お願いだから航平くんの気持ち、あずさに聞かせてあげて」
「…」
「きっとあずさも、喜ぶと思うから」
つづく
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