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6th sense
6th sense 3
如月摩耶にラブレターを手に入れさせて数日。
ようやく航平くんに渡すチャンスがやってきた。
部活が終わった航平くんは、今日は和馬くんとも合流せず、ひとりで帰り支度をはじめたのだ。
これを待ってたんだ!
こうしてひとりになる時を!!
このあと航平くんは正門から出て、途中のコンビニに寄ってお好み棒と唐揚げ棒塩味を買い、私鉄の駅から電車で帰宅するはずだ。
航平くんにラブレター渡すには、正門の前で待ち伏せしてればいい!
教室で待機している如月の元に、あたしは一瞬でワープし、そのことを告げ、再び航平くんの元に戻って、彼のあとをつけた。
こういうときは霊って便利。自由に瞬間移動できるなんて。
この能力は生きてるときに欲しかったなw
ところが航平くんはこの日に限って、体育館を出ると、駅とは反対方向の裏門の方に向かった。
えっ?
まずい!
とりあえず如月に、予定変更を伝えなきゃ!
それでも正門にいる如月が、航平くんに追いつくのは大変かもしれない。
今日は失敗だったかぁ。
しかし航平くんは、裏門を出てすぐの小さな橋のところまで来ると、足を止めた。
欄干にもたれかかって小川の流れを見たり、小石を拾って川に投げたりして、時間を潰してる。
これならトロい如月でも、航平くんに追いつけるかもしれない!
「あ、あの… 浅井さん」
しばらくすると、裏門から如月が姿を現した。
こちらへ急ぎ足で駆け寄り、躊躇いながらも航平くんに呼びかけた。
ずっと走ってきたらしく、『はぁはぁ』と肩で息をして、頬がほんのりピンクに上気してる。
長い栗色の猫っ毛が、汗で首筋に張りついてるところが、なんだかエロっぽい。
こうして見ると、如月摩耶ってほんとに儚げな美少女で、女のあたしでさえドキッとしちゃう。
超絶美少女の如月にいきなり声をかけられ、驚いた航平くんは、慌てて手に持ってた小石を投げ捨てて、直立不動の姿勢をとった。
「え? な、なに? 如月さん」
「あの… お渡ししたいものがあって」
「渡したいもの?」
「はい…」
「な、なにを?」
「実は… 酒井さんから、頼まれていて…」
「酒井さんからっ?!」
「…は、はい」
目を丸くして驚いた航平くんは、穴の開くほど如月の顔を見つめ、次の言葉を待った。
なのに如月はモジモジしたまま、手紙を渡すことができない。
<ったく、なにやってんのっ?!
如月さん!
勇気出しなさいよっ!>
思わずハッパをかける。
その声にビクッとなった如月は、おずおずと後ろ手に抱えてた茶封筒を、航平くんの前に差し出し、まるで自分のラブレターを渡すかのように、はにかみながら言った。
「あの… このなかのものを、読んで下さい」
「これは、、、?」
訝しそうに航平くんは茶封筒を受け取り、しげしげと見つめてた。
如月はなにも言わない。
「如月さん。これ、、、 今見た方がいい?」
「え? い、いいえ。
帰ってからおひとりのときにでも、ごゆっくり…」
「そう、なんだ。じゃあ…」
航平くんは封筒をバッグにしまおうとした、、、
そのときだった。
「航平くん?!」
あたしたちの背後から、女の子の声がした。
振り向くと、そこには安藤未來が立ってて、疑惑の眼差しで航平くんと如月摩耶を交互に見てる。
もしかして、、、
航平くん、ここでミクと、待ち合わせしてたの?!
「如月さん、航平くんになんの用?
なんなの? その封筒!
いったいなにを渡したの?」
裏門から小走りにやってきたミクは、ふたりの間に割って入ると、威嚇するように如月を睨んで矢継ぎ早に訊いた。勢いに呑まれた如月は、肩を震わせながら泣き出しそうな顔をしてる。
「あぁ。安藤さん。
これ、『酒井さんからの頼まれもの』だって」
「あずさからの?!
なんで如月さんがあずさから頼まれごとするのよ。友達でもないのに。
ちょっとそれ、見せてよ!」
「あっ。それは…」
如月が遮るよりも早く、ミクは航平くんの持ってた茶封筒を奪い取ると、無造作に手を突っ込んだ。
つづく
ようやく航平くんに渡すチャンスがやってきた。
部活が終わった航平くんは、今日は和馬くんとも合流せず、ひとりで帰り支度をはじめたのだ。
これを待ってたんだ!
こうしてひとりになる時を!!
このあと航平くんは正門から出て、途中のコンビニに寄ってお好み棒と唐揚げ棒塩味を買い、私鉄の駅から電車で帰宅するはずだ。
航平くんにラブレター渡すには、正門の前で待ち伏せしてればいい!
教室で待機している如月の元に、あたしは一瞬でワープし、そのことを告げ、再び航平くんの元に戻って、彼のあとをつけた。
こういうときは霊って便利。自由に瞬間移動できるなんて。
この能力は生きてるときに欲しかったなw
ところが航平くんはこの日に限って、体育館を出ると、駅とは反対方向の裏門の方に向かった。
えっ?
まずい!
とりあえず如月に、予定変更を伝えなきゃ!
それでも正門にいる如月が、航平くんに追いつくのは大変かもしれない。
今日は失敗だったかぁ。
しかし航平くんは、裏門を出てすぐの小さな橋のところまで来ると、足を止めた。
欄干にもたれかかって小川の流れを見たり、小石を拾って川に投げたりして、時間を潰してる。
これならトロい如月でも、航平くんに追いつけるかもしれない!
「あ、あの… 浅井さん」
しばらくすると、裏門から如月が姿を現した。
こちらへ急ぎ足で駆け寄り、躊躇いながらも航平くんに呼びかけた。
ずっと走ってきたらしく、『はぁはぁ』と肩で息をして、頬がほんのりピンクに上気してる。
長い栗色の猫っ毛が、汗で首筋に張りついてるところが、なんだかエロっぽい。
こうして見ると、如月摩耶ってほんとに儚げな美少女で、女のあたしでさえドキッとしちゃう。
超絶美少女の如月にいきなり声をかけられ、驚いた航平くんは、慌てて手に持ってた小石を投げ捨てて、直立不動の姿勢をとった。
「え? な、なに? 如月さん」
「あの… お渡ししたいものがあって」
「渡したいもの?」
「はい…」
「な、なにを?」
「実は… 酒井さんから、頼まれていて…」
「酒井さんからっ?!」
「…は、はい」
目を丸くして驚いた航平くんは、穴の開くほど如月の顔を見つめ、次の言葉を待った。
なのに如月はモジモジしたまま、手紙を渡すことができない。
<ったく、なにやってんのっ?!
如月さん!
勇気出しなさいよっ!>
思わずハッパをかける。
その声にビクッとなった如月は、おずおずと後ろ手に抱えてた茶封筒を、航平くんの前に差し出し、まるで自分のラブレターを渡すかのように、はにかみながら言った。
「あの… このなかのものを、読んで下さい」
「これは、、、?」
訝しそうに航平くんは茶封筒を受け取り、しげしげと見つめてた。
如月はなにも言わない。
「如月さん。これ、、、 今見た方がいい?」
「え? い、いいえ。
帰ってからおひとりのときにでも、ごゆっくり…」
「そう、なんだ。じゃあ…」
航平くんは封筒をバッグにしまおうとした、、、
そのときだった。
「航平くん?!」
あたしたちの背後から、女の子の声がした。
振り向くと、そこには安藤未來が立ってて、疑惑の眼差しで航平くんと如月摩耶を交互に見てる。
もしかして、、、
航平くん、ここでミクと、待ち合わせしてたの?!
「如月さん、航平くんになんの用?
なんなの? その封筒!
いったいなにを渡したの?」
裏門から小走りにやってきたミクは、ふたりの間に割って入ると、威嚇するように如月を睨んで矢継ぎ早に訊いた。勢いに呑まれた如月は、肩を震わせながら泣き出しそうな顔をしてる。
「あぁ。安藤さん。
これ、『酒井さんからの頼まれもの』だって」
「あずさからの?!
なんで如月さんがあずさから頼まれごとするのよ。友達でもないのに。
ちょっとそれ、見せてよ!」
「あっ。それは…」
如月が遮るよりも早く、ミクは航平くんの持ってた茶封筒を奪い取ると、無造作に手を突っ込んだ。
つづく
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