47 / 70
9th sense
9th sense 2
「聞いた聞いた?
2組の木葉さん、あずさの幽霊見たって」
「5組の小林さんも、部活帰りに体育館で見たらしいよ!」
「木葉さんや小林さんって、『見える体質』だもんね」
「それで、あずさの幽霊って、どんなだったの?」
「廊下に立ってたんだって。顔とか胸からとかいっぱい血を流してて、制服も血みどろで。怖い顔でこっち睨んでたらしいよ」
「手に血だらけの封筒持ってたって話だけど、なんか意味あるのかな」
「怖い~~~、、、
なんであずさが、幽霊なんかになって出てくるのよぉ?!」
「いったいだれに、怨みがあるのよぉ~~;;;」
三日もしないうちに、あたしの目撃情報は学校中に広まってた。
こないだのアリサって子だけでなく、いろんな人があたしの姿を見たらしい。
そのだいたいが、『霊感体質』と言われてる女の子だった。
彼女たちの表現では、どうやらあたしは事故直後の血みどろの悲惨な姿をしてて、手にはラブレターを持って、恨みがましい顔をしてるらしい。
え~~?
今のあたしって、他の人からはそんな風に見えるわけ?
だいたいその、『霊感体質』ってのが、怪しすぎ。
本当にあたしのことをわかってくれたのは、如月摩耶くらいのもの。
彼女だけはあたしのこと怖がらず、真剣に話を聞いてくれて、力を貸してくれた。
生きてるときと同じように、、、
ううん。
生きてるとき以上にやさしく、真剣にあたしに接してくれた。
、、、その彼女も、もういない。
如月がいなくなった今、あたしに出口を指し示してくれる人は、だれもいない。
あたしは孤独。
『怨』だけの、真っ暗闇の世界で、あたしは見つからない出口を探して、ひとりでもがいてるだけ。
いったいどこへ行けばいいんだろ?
どこへ行けば、あたしは救われるんだろ?!
絶望。
それしか今のあたしには、見えてなかった。
そして、、、
それしか見てないあたしは、気がつきもしなかった。
怨みの真っ暗闇のなかで、ろうそくの炎よりも弱々しい光が、思い出したようにときおり、ポッと、浮かび上がっていたことに、、、
そんなさなか、事件は起こった。
「早く保健室に!
いや。
救急車を呼びなさい!
おまえらボケッと突っ立ってないで、早くそっちを抱えろ!」
顔色を変えて、体育の先生が指図する。
凍りついたように固まってたみんなは、その大声で我に返り、ザワザワと騒ぎはじめた。
何人かの女生徒が集まってきて、心配そうに声をかける。
「萌香、大丈夫?」
「萌香っ!?」
その輪に混ざって、あたしも砂浜に倒れ込んでる女生徒を見る。
それは、親友の萌香だった。
砂まみれでからだを丸めた萌香は、痛みに顔を歪め、歯を食いしばってる。
胸元からは血が噴き出し、真っ白な体操服をみるみる紅く染めていく。
予想もしてなかったできごとに、あたしは 固唾を呑んだ、、、
さっきまではなにごともなく、体育の授業を受けてたのに。
「では次、石谷萌香。やってみろ!」
「はい」
それは、鉄棒の授業中の出来事だった。
列から立ち上がった萌香は、自分の背より高い鉄棒の方へ歩み寄ると、軽くジャンプしてぶら下がった。
そのままからだを前後に大きく振り、勢いをつける。
最後にタイミングよくからだを跳ね上げ、逆上がりを成功させた、、、
かと思った寸前、まるで別の力が働いたかのように、萌香のからだは鉄棒を超え、手を滑らせて逆さまから落ちたのだ。
落ちるときに鉄棒で顔を打ち、さらに運の悪いことに、落ちた先の砂場にはライン引きが置いてあり、尖った金属の部分に胸を打ちつけてしまったらしい。
みんなが騒ぎ慌てる姿を、あたしはただ見てた。
萌香のことは憎かった。
チャンスがあれば復讐してやりたいと、ねらってたのは確か。
この鉄棒の授業でも、遠くから萌香を見ながら、『落ちればいいのに』と想ったりしてた。
だけど、、、
ほんとにそれが実現するなんて。
これはただの事故?
それとも、、、
つづく
2組の木葉さん、あずさの幽霊見たって」
「5組の小林さんも、部活帰りに体育館で見たらしいよ!」
「木葉さんや小林さんって、『見える体質』だもんね」
「それで、あずさの幽霊って、どんなだったの?」
「廊下に立ってたんだって。顔とか胸からとかいっぱい血を流してて、制服も血みどろで。怖い顔でこっち睨んでたらしいよ」
「手に血だらけの封筒持ってたって話だけど、なんか意味あるのかな」
「怖い~~~、、、
なんであずさが、幽霊なんかになって出てくるのよぉ?!」
「いったいだれに、怨みがあるのよぉ~~;;;」
三日もしないうちに、あたしの目撃情報は学校中に広まってた。
こないだのアリサって子だけでなく、いろんな人があたしの姿を見たらしい。
そのだいたいが、『霊感体質』と言われてる女の子だった。
彼女たちの表現では、どうやらあたしは事故直後の血みどろの悲惨な姿をしてて、手にはラブレターを持って、恨みがましい顔をしてるらしい。
え~~?
今のあたしって、他の人からはそんな風に見えるわけ?
だいたいその、『霊感体質』ってのが、怪しすぎ。
本当にあたしのことをわかってくれたのは、如月摩耶くらいのもの。
彼女だけはあたしのこと怖がらず、真剣に話を聞いてくれて、力を貸してくれた。
生きてるときと同じように、、、
ううん。
生きてるとき以上にやさしく、真剣にあたしに接してくれた。
、、、その彼女も、もういない。
如月がいなくなった今、あたしに出口を指し示してくれる人は、だれもいない。
あたしは孤独。
『怨』だけの、真っ暗闇の世界で、あたしは見つからない出口を探して、ひとりでもがいてるだけ。
いったいどこへ行けばいいんだろ?
どこへ行けば、あたしは救われるんだろ?!
絶望。
それしか今のあたしには、見えてなかった。
そして、、、
それしか見てないあたしは、気がつきもしなかった。
怨みの真っ暗闇のなかで、ろうそくの炎よりも弱々しい光が、思い出したようにときおり、ポッと、浮かび上がっていたことに、、、
そんなさなか、事件は起こった。
「早く保健室に!
いや。
救急車を呼びなさい!
おまえらボケッと突っ立ってないで、早くそっちを抱えろ!」
顔色を変えて、体育の先生が指図する。
凍りついたように固まってたみんなは、その大声で我に返り、ザワザワと騒ぎはじめた。
何人かの女生徒が集まってきて、心配そうに声をかける。
「萌香、大丈夫?」
「萌香っ!?」
その輪に混ざって、あたしも砂浜に倒れ込んでる女生徒を見る。
それは、親友の萌香だった。
砂まみれでからだを丸めた萌香は、痛みに顔を歪め、歯を食いしばってる。
胸元からは血が噴き出し、真っ白な体操服をみるみる紅く染めていく。
予想もしてなかったできごとに、あたしは 固唾を呑んだ、、、
さっきまではなにごともなく、体育の授業を受けてたのに。
「では次、石谷萌香。やってみろ!」
「はい」
それは、鉄棒の授業中の出来事だった。
列から立ち上がった萌香は、自分の背より高い鉄棒の方へ歩み寄ると、軽くジャンプしてぶら下がった。
そのままからだを前後に大きく振り、勢いをつける。
最後にタイミングよくからだを跳ね上げ、逆上がりを成功させた、、、
かと思った寸前、まるで別の力が働いたかのように、萌香のからだは鉄棒を超え、手を滑らせて逆さまから落ちたのだ。
落ちるときに鉄棒で顔を打ち、さらに運の悪いことに、落ちた先の砂場にはライン引きが置いてあり、尖った金属の部分に胸を打ちつけてしまったらしい。
みんなが騒ぎ慌てる姿を、あたしはただ見てた。
萌香のことは憎かった。
チャンスがあれば復讐してやりたいと、ねらってたのは確か。
この鉄棒の授業でも、遠くから萌香を見ながら、『落ちればいいのに』と想ったりしてた。
だけど、、、
ほんとにそれが実現するなんて。
これはただの事故?
それとも、、、
つづく
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
同じアパートに住む年上未亡人美女は甘すぎる。
ピコサイクス
青春
大学生の翔太は、一人暮らしを始めたばかり。
真下の階に住むのは、落ち着いた色気と優しさを併せ持つ大人の女性・水無瀬紗夜。
引っ越しの挨拶で出会った瞬間、翔太は心を奪われてしまう。
偶然にもアルバイト先のスーパーで再会した彼女は、翔太をすぐに採用し、温かく仕事を教えてくれる存在だった。
ある日の仕事帰り、ふたりで過ごす時間が増えていき――そして気づけば紗夜の部屋でご飯をご馳走になるほど親密に。
優しくて穏やかで――その色気に触れるたび、翔太の心は揺れていく。
大人の女性と大学生、甘くちょっぴり刺激的な同居生活(?)がはじまる。
母の下着 タンスと洗濯籠の秘密
MisakiNonagase
青春
この物語は、思春期という複雑で繊細な時期を生きる少年の内面と、彼を取り巻く家族の静かなる絆を描いた作品です。
颯真(そうま)という一人の高校生の、ある「秘密」を通して、私たちは成長の過程で誰もが抱くかもしれない戸惑い、罪悪感、そしてそれらを包み込む家族の無言の理解に触れます。
物語は、現在の颯真と恋人・彩花との関係から、中学時代にさかのぼる形で展開されます。そこで明らかになるのは、彼がかつて母親の下着に対して抱いた抑えがたい好奇心と、それに伴う一連の行為です。それは彼自身が「歪んだ」と感じる過去の断片であり、深い恥ずかしさと自己嫌悪を伴う記憶です。
しかし、この物語の核心は、単なる過去の告白にはありません。むしろ、その行為に「気づいていたはず」の母親が、なぜ一言も問い詰めず、誰にも告げず、ただ静かに見守り続けたのか——という問いにこそあります。そこには、親子という関係を超えた、深い人間理解と、言葉にされない優しさが横たわっています。
センシティブな題材を、露骨な描写や扇情的な表現に頼ることなく、あくまで颯真の内省的な視点から丁寧に紡ぎ出しています。読者は、主人公の痛みと恥ずかしさを共有しながら、同時に、彼を破綻から救った「沈黙の救済」の重みと温かさを感じ取ることでしょう。
これは、一つの過ちと、その赦しについての物語です。また、成長とは時に恥ずかしい過去を背負いながら、他者の無償の寛容さによって初めて前を向けるようになる過程であること、そして家族の愛が最も深く現れるのは、時に何も言わない瞬間であることを、静かにしかし確かに伝える物語です。
どうか、登場人物たちの静かなる心の襞に寄り添いながら、ページをめくってください。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
至れり尽くせり!僕専用メイドの全員が溺愛してくる件
こうたろ
青春
普通の大学生・佐藤健太は目覚めると、自宅が豪華な洋館に変わり10人の美人メイドたちに「お目覚めですか、ご主人様?」と一斉に迎えられる。いつの間にか彼らの“専属主人”になっていた健太は戸惑う間もなく、朝から晩までメイドたちの超至れり尽くせりな奉仕を受け始める。
還暦の性 若い彼との恋愛模様
MisakiNonagase
恋愛
還暦を迎えた和子。保持する資格の更新講習で二十代後半の青年、健太に出会った。何気なくてLINE交換してメッセージをやりとりするうちに、胸が高鳴りはじめ、長年忘れていた恋心に花が咲く。
そんな還暦女性と二十代の青年の恋模様。
その後、結婚、そして永遠の別れまでを描いたストーリーです。
全7話
中1でEカップって巨乳だから熱く甘く生きたいと思う真理(マリー)と小説家を目指す男子、光(みつ)のラブな日常物語
jun( ̄▽ ̄)ノ
大衆娯楽
中1でバスト92cmのブラはEカップというマリーと小説家を目指す男子、光の日常ラブ
★作品はマリーの語り、一人称で進行します。