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9th sense
9th sense 4
「え? なにを?」
「あずさちゃんの霊が、おまえに憑いてるって話」
「、、、」
「どうなんだよ?」
「、、、わからない」
「ってことは、否定はしないんだな」
「だから。わからないんだ」
話をしながら、航平くんは部屋のドアを開け、みんなを招き入れた。
ミクと小嶋未希は部屋の真ん中に置いてあったテーブルの前に座ったが、航平くんと和馬くんはドアの外に突っ立ったまま、まだ話を続けてる。和馬くんはひそひそ声で航平くんに訊いた。
「そういえばこないだ、ミクちゃんがお見舞いに来たんだろ?」
「あ? ああ、、」
「ちょっと耳にしたんだけど、いっしょにいるとき、鞄が落ちてきたって?」
「えっ?」
「それって、ポルターガイストかなんかか?」
「そんな大げさなものじゃ、、」
「あずさちゃんの霊が嫉妬したんじゃないか? おまえら、なにやってたんだ?」
「いや。まあ、、、 ちょっと、、、」
さすがに航平くんもほんとのことは言えず、顔を赤らめてる。
「ふうん、、、 まあいいや」
そう言うと、和馬くんはニヤリと笑った。
「そういえば、好きな男のところに毎晩夜這して、エッチする昔の怪談があるけど、おまえはどうなんだ?」
「え? なにが?」
「あずさちゃんはおまえのこと、好きだったんだろ。だったら夜な夜な、おまえに覆いかぶさってきて、エッチしたりとか」
「そんなこと…」
「羨ましい話だけど、生気吸い取られちゃおしまいだよな」
「おまえな」
にやけた微笑みを浮かべたあと、和馬くんは真顔に戻ってささやいた。
「とにかくミクちゃん、落ち込んでたぞ」
「、、、悪いことしたと思ってる」
「おまえ、『まだ吹っ切れない』とか言ったんだって?」
「ああ、、、」
「最悪だな」
ため息つきながら、和馬くんは続けた。
「ミクちゃんって一途でいい子なんだから、いい加減あずさちゃんの事は忘れろよ」
「それは努力してる、けど、、、」
「けど? 『あずさちゃんがまだ近くにいるみたい』に、感じるってわけか」
「ああ、、、」
「じれってぇな。おまえ、そもそも霊感とかないんじゃねぇか?」
「だけど、おかしいじゃないか」
反撃するかのように、航平くんは語気を荒げた。
「酒井さんがオレのこと好きだったんなら、取り憑いたとしても、オレを病気にしたり、祟ったりするはずないじゃないか。
好きな人を苦しめることなんか、できるはずないだろ」
「そりゃまあ、そうだろうけど、、、」
「だいたい、あの明るくて元気だった酒井さんが、如月さんを殺したりとか、石谷さんに怪我させたりとか、怨霊みたいなことするなんて、おかしな話だよ。酒井さんが人を呪うとか、わけわかんねぇ」
「オレだってそう思いたいよ。
でもあの世では、こっちのジョーシキが通用しないのかもしれないぜ」
そう言いながら、和馬くんは小嶋さんの方をチラリと見て、訊いた。
「、、、未希ちゃん。どう?」
探るように、ゆっくりと部屋のなかを見渡していた小嶋未希は、少し怯えるように、小声で答えた。
「、、、さっきからわたし、寒気がして」
「寒気?」
「ええ、、、」
そう言いながら恐る恐るあたりを窺ってた彼女は、あたしのいる方向でピタリと視線を止めると、まるで見えてるかのようにじっとこちらを見つめ、さらに小声でつぶやいた。
「確かにいる、、、
この部屋のなかに、酒井さんの霊が」
「え?」「え?」
航平くんとミクが同時に声を上げた。
ミクは肩をすくめて泣きそうな顔になり、航平くんはキョロキョロとあたりを見渡す。
『やっぱり』というように腕を組んだ和馬くんは、説明するように言った。
「未希ちゃんは『見える』んだよ」
「見える?!」
「おまえもあずさちゃんの言葉を聞きたくないか?」
「言葉? 聞けるのか?!」
「あずさちゃんが幽霊になってここに彷徨ってるのは、きっとなにか言いたいことがあるからだろ。
この世に残した未練とか、恨みとか。
未希ちゃんならその声が聞こえると思うんだ。だから来てもらったんだよ」
つづく
「あずさちゃんの霊が、おまえに憑いてるって話」
「、、、」
「どうなんだよ?」
「、、、わからない」
「ってことは、否定はしないんだな」
「だから。わからないんだ」
話をしながら、航平くんは部屋のドアを開け、みんなを招き入れた。
ミクと小嶋未希は部屋の真ん中に置いてあったテーブルの前に座ったが、航平くんと和馬くんはドアの外に突っ立ったまま、まだ話を続けてる。和馬くんはひそひそ声で航平くんに訊いた。
「そういえばこないだ、ミクちゃんがお見舞いに来たんだろ?」
「あ? ああ、、」
「ちょっと耳にしたんだけど、いっしょにいるとき、鞄が落ちてきたって?」
「えっ?」
「それって、ポルターガイストかなんかか?」
「そんな大げさなものじゃ、、」
「あずさちゃんの霊が嫉妬したんじゃないか? おまえら、なにやってたんだ?」
「いや。まあ、、、 ちょっと、、、」
さすがに航平くんもほんとのことは言えず、顔を赤らめてる。
「ふうん、、、 まあいいや」
そう言うと、和馬くんはニヤリと笑った。
「そういえば、好きな男のところに毎晩夜這して、エッチする昔の怪談があるけど、おまえはどうなんだ?」
「え? なにが?」
「あずさちゃんはおまえのこと、好きだったんだろ。だったら夜な夜な、おまえに覆いかぶさってきて、エッチしたりとか」
「そんなこと…」
「羨ましい話だけど、生気吸い取られちゃおしまいだよな」
「おまえな」
にやけた微笑みを浮かべたあと、和馬くんは真顔に戻ってささやいた。
「とにかくミクちゃん、落ち込んでたぞ」
「、、、悪いことしたと思ってる」
「おまえ、『まだ吹っ切れない』とか言ったんだって?」
「ああ、、、」
「最悪だな」
ため息つきながら、和馬くんは続けた。
「ミクちゃんって一途でいい子なんだから、いい加減あずさちゃんの事は忘れろよ」
「それは努力してる、けど、、、」
「けど? 『あずさちゃんがまだ近くにいるみたい』に、感じるってわけか」
「ああ、、、」
「じれってぇな。おまえ、そもそも霊感とかないんじゃねぇか?」
「だけど、おかしいじゃないか」
反撃するかのように、航平くんは語気を荒げた。
「酒井さんがオレのこと好きだったんなら、取り憑いたとしても、オレを病気にしたり、祟ったりするはずないじゃないか。
好きな人を苦しめることなんか、できるはずないだろ」
「そりゃまあ、そうだろうけど、、、」
「だいたい、あの明るくて元気だった酒井さんが、如月さんを殺したりとか、石谷さんに怪我させたりとか、怨霊みたいなことするなんて、おかしな話だよ。酒井さんが人を呪うとか、わけわかんねぇ」
「オレだってそう思いたいよ。
でもあの世では、こっちのジョーシキが通用しないのかもしれないぜ」
そう言いながら、和馬くんは小嶋さんの方をチラリと見て、訊いた。
「、、、未希ちゃん。どう?」
探るように、ゆっくりと部屋のなかを見渡していた小嶋未希は、少し怯えるように、小声で答えた。
「、、、さっきからわたし、寒気がして」
「寒気?」
「ええ、、、」
そう言いながら恐る恐るあたりを窺ってた彼女は、あたしのいる方向でピタリと視線を止めると、まるで見えてるかのようにじっとこちらを見つめ、さらに小声でつぶやいた。
「確かにいる、、、
この部屋のなかに、酒井さんの霊が」
「え?」「え?」
航平くんとミクが同時に声を上げた。
ミクは肩をすくめて泣きそうな顔になり、航平くんはキョロキョロとあたりを見渡す。
『やっぱり』というように腕を組んだ和馬くんは、説明するように言った。
「未希ちゃんは『見える』んだよ」
「見える?!」
「おまえもあずさちゃんの言葉を聞きたくないか?」
「言葉? 聞けるのか?!」
「あずさちゃんが幽霊になってここに彷徨ってるのは、きっとなにか言いたいことがあるからだろ。
この世に残した未練とか、恨みとか。
未希ちゃんならその声が聞こえると思うんだ。だから来てもらったんだよ」
つづく
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