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9th sense
9th sense 8
どこに隠れてたんだろ?
一匹の下級霊があたしの足下から飛び出してきて、階段を下りようとしてる小島未希を、うしろから突き飛ばしたのだ!
「きゃっ!!」
小島未希はバランスを崩し、階段の上でよろける。
「危ないっ!」
うしろにいた航平くんは、とっさにかばおうとして手を出したが、一瞬遅かった。
小島未希はそのまま、階段のいちばん上から転げ落ちていった。
「きゃっ!」「うわっ!!」
航平くんの叫び声で、階段の途中にいたミクは、反射的に手すりにしがみつく。
ミクはすれすれでかわしたが、いちばん下にいた和馬くんは、小嶋未希ともつれあって玄関まで転がっていった。
「痛って~~~~;; 大丈夫か? 未希ちゃん?!」
「いっ。痛い! あ、足が、、、」
苦痛に顔を歪めながら、小嶋未希は右足首を押さえた。
和馬くんも肩を打ったらしく、痛そうにさすりながらも、心配そうに彼女が押さえてる足を覗き込んだ。
「やべっ! 血が出てるぞ! 航平っ!!」
階段を駆け下りた航平くんは慌ててリビングへ向かうと、救急箱を持ってくる。
ミクは恐怖でからだが固まったのか、階段の手すりにしがみついたままだった。
そんな光景を、あたしは傍らで見てた。
どうして、、、
どうしてこんなことになったのよ?
<ケケ。おまえもそれを望んでただろ?>
気味の悪い声が、どこからともなく聞こえてくる。
あたりを見ると、座り込んだ小嶋未希のうしろから、下級霊らしい黒い影が姿を現して、あたしの方に近寄ってきた。
<あんたなの? こんないたずらしたの!>
<おまえの代わりにやったんだぜ>
<あたしの代わり?>
<ミクを憎み、萌香を憎み、クラスのみんなを呪ってる。
そんなおまえの代わりに、オレ様がやっただけのことさ>
<…もしかして。萌香を鉄棒から突き落としたのも、あんた?>
<あの女は親友だったおまえを裏切って、ミクに手を貸してただろ。
相応の罰を与えてやらなきゃな。
おまえだって、いい気味だと思ってたじゃねぇか>
<そんな、、、 萌香はあたしの親友、、>
<よしな!
愛だの友情だの、くだらねぇ!
おまえを好きだったはずの男だって、別の女が言い寄ってくりゃ、簡単に心変わりするんだぜ。
見ろよ、あの男を!>
そう言って、黒い影は階段の方を指差した。
階段の手すりのところで動けなくなってるミクの隣に、航平くんが寄り添ってる。
庇うように肩に手をかけて、ミクをいたわってる。
、、、航平くんは、ミクを見つめてる。
決してあたしには向けられることのなかった、とってもやさしい瞳。
我に返ったミクが、航平くんにしがみつく。
そんな彼女を、航平くんはしっかりと抱きしめた。
<、、、>
<ケケ。航平はもう、あの女のからだに夢中だぜ。
愛だの恋だのなんて綺麗な言葉は、おのれの性欲を美化するための誤魔化しよ!
航平だって夜な夜なベッドで、卑猥な女の姿態を想像しながら、手を淫してる。
あの男の頭んなかは、いやらしい肉欲でいっぱいだ。
おまえの事なんかもう、これっぽっちも想っちゃいねえぜ。
ってか、死んじまったおまえの事なんか、忘れてぇんだとよ。
あたりまえじゃねぇか。
おまえと航平はもう、交合ることもできねえもんな。
航平には、用なしの存在なのよ!
人間はいつもそうだ。
おのれの欲のために、簡単に人を裏切る!
忘れちまう!
そんな薄情なやつらに、おまえは復讐してやりたくて、たまんねぇんだろうが!!>
『復讐』
下級霊の言葉が頭で渦巻く。
その瞬間、航平くんとミクの抱き合う姿が、血の色に染まった。
目の前に広がる景色が、真っ赤にしか見えない。
心の奥底にある憎しみのマグマが、グツグツと煮えたぎり、溢れ出してくる。
そんなあたしの気持ちを見透かすように、下級霊は意外な言葉を口にした。
つづく
一匹の下級霊があたしの足下から飛び出してきて、階段を下りようとしてる小島未希を、うしろから突き飛ばしたのだ!
「きゃっ!!」
小島未希はバランスを崩し、階段の上でよろける。
「危ないっ!」
うしろにいた航平くんは、とっさにかばおうとして手を出したが、一瞬遅かった。
小島未希はそのまま、階段のいちばん上から転げ落ちていった。
「きゃっ!」「うわっ!!」
航平くんの叫び声で、階段の途中にいたミクは、反射的に手すりにしがみつく。
ミクはすれすれでかわしたが、いちばん下にいた和馬くんは、小嶋未希ともつれあって玄関まで転がっていった。
「痛って~~~~;; 大丈夫か? 未希ちゃん?!」
「いっ。痛い! あ、足が、、、」
苦痛に顔を歪めながら、小嶋未希は右足首を押さえた。
和馬くんも肩を打ったらしく、痛そうにさすりながらも、心配そうに彼女が押さえてる足を覗き込んだ。
「やべっ! 血が出てるぞ! 航平っ!!」
階段を駆け下りた航平くんは慌ててリビングへ向かうと、救急箱を持ってくる。
ミクは恐怖でからだが固まったのか、階段の手すりにしがみついたままだった。
そんな光景を、あたしは傍らで見てた。
どうして、、、
どうしてこんなことになったのよ?
<ケケ。おまえもそれを望んでただろ?>
気味の悪い声が、どこからともなく聞こえてくる。
あたりを見ると、座り込んだ小嶋未希のうしろから、下級霊らしい黒い影が姿を現して、あたしの方に近寄ってきた。
<あんたなの? こんないたずらしたの!>
<おまえの代わりにやったんだぜ>
<あたしの代わり?>
<ミクを憎み、萌香を憎み、クラスのみんなを呪ってる。
そんなおまえの代わりに、オレ様がやっただけのことさ>
<…もしかして。萌香を鉄棒から突き落としたのも、あんた?>
<あの女は親友だったおまえを裏切って、ミクに手を貸してただろ。
相応の罰を与えてやらなきゃな。
おまえだって、いい気味だと思ってたじゃねぇか>
<そんな、、、 萌香はあたしの親友、、>
<よしな!
愛だの友情だの、くだらねぇ!
おまえを好きだったはずの男だって、別の女が言い寄ってくりゃ、簡単に心変わりするんだぜ。
見ろよ、あの男を!>
そう言って、黒い影は階段の方を指差した。
階段の手すりのところで動けなくなってるミクの隣に、航平くんが寄り添ってる。
庇うように肩に手をかけて、ミクをいたわってる。
、、、航平くんは、ミクを見つめてる。
決してあたしには向けられることのなかった、とってもやさしい瞳。
我に返ったミクが、航平くんにしがみつく。
そんな彼女を、航平くんはしっかりと抱きしめた。
<、、、>
<ケケ。航平はもう、あの女のからだに夢中だぜ。
愛だの恋だのなんて綺麗な言葉は、おのれの性欲を美化するための誤魔化しよ!
航平だって夜な夜なベッドで、卑猥な女の姿態を想像しながら、手を淫してる。
あの男の頭んなかは、いやらしい肉欲でいっぱいだ。
おまえの事なんかもう、これっぽっちも想っちゃいねえぜ。
ってか、死んじまったおまえの事なんか、忘れてぇんだとよ。
あたりまえじゃねぇか。
おまえと航平はもう、交合ることもできねえもんな。
航平には、用なしの存在なのよ!
人間はいつもそうだ。
おのれの欲のために、簡単に人を裏切る!
忘れちまう!
そんな薄情なやつらに、おまえは復讐してやりたくて、たまんねぇんだろうが!!>
『復讐』
下級霊の言葉が頭で渦巻く。
その瞬間、航平くんとミクの抱き合う姿が、血の色に染まった。
目の前に広がる景色が、真っ赤にしか見えない。
心の奥底にある憎しみのマグマが、グツグツと煮えたぎり、溢れ出してくる。
そんなあたしの気持ちを見透かすように、下級霊は意外な言葉を口にした。
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