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10th sense
10th sense 5
ええええええええ~~~!!!!
なんなのよ?!
『オレは怖くて、あそこに行けなかった』って、、、
航平くんにはなにもしてないのに、どうして怖がられなきゃいけないの?!
しかも。
『ミクちゃんのことは、オレが守るから』?!
もしかして、あたしって悪役?
、、、ひどい。
ひどすぎるっ!!
下級霊の言うとおり、やっぱりあれはミクの計算のうちだったんだ。
あたしのこと思うフリを見せつけて、航平くんの気持ちをしっかり掴んじゃった!
ミクめ、、、
許さない!!
ミクだけじゃない。
航平くんだって!
葬式のあと、あたしのためにあんなに泣いてくれたのに。
あたしの写真をこっそり持ってたりするほど、あたしのこと好きだったのに。
こんなに簡単に心変わりするなんて。
絶対に許さない!!
あたしの怒りをよそに、ふたりは長いことキスをしてた。
愛おしそうに、航平くんは両手でミクをギュッと抱きしめる。
「あぁ、、、」
ミクは切なそうに息を漏らす。
ようやく唇が離れ、航平くんはミクを見つめた。
「好きだよ。ミクちゃん」
優しくささやく航平くん。
嬉しいような悲しいような、複雑な表情で航平くんを見上げてたミクだったが、その大きな瞳には、みるみる涙が溜まっていった。
「ごめんなさい。航平くん」
うつむいて顔に手を当てたミクは、小さく声を震わせた。
「わたしたち、、、 もう会わない方がいい」
「、、、え?」
航平くんが驚いて固まった隙に、ミクは腕からスルリと逃げて二•三歩離れ、背中を向けて言った。
「わたし、、、
幸せ過ぎて、あずさに申し訳ない。
航平くんの隣にいるのは、ほんとはあずさのはずだったのよ。
なのに、ちゃっかりわたしが、航平くんと仲良くなっちゃって。
わたし、死後の世界なんて、信じてなかった。
だから、あずさが死んでしまって、航平くんとつきあうことになっても、彼女に悪いなんて思ってもなかったし、むしろ航平くんの心の支えになりたいって思ってた。
でも、もしあずさが今もこのあたりにいて、成仏できずに彷徨ってるなら、もう無理。
わたしたちのことを見て、あずさはきっと怒ってると思う。
わたしのこと、恨んでると思う。
そんなんじゃ、怨霊になるのも、当たり前。
だってわたし、あずさを裏切ったんだから!
あずさが怨霊になったのは、わたしのせい! わたしが悪いのよ!」
「、、、ミクちゃん、そんなことないよ!」
興奮したように早口でまくしたてるミクに駆け寄り、航平くんはうしろから抱きしめた。
落ち着きを取り戻したミクは、うなだれて言った。
その声は涙で震えてる。
「わたし、あずさをこれ以上裏切れない。
わたしたち、今でも親友だもん。
親友から好きな人を奪うなんて、やっぱりできない。
わたしが身を引けば、あずさも恨む気持ちがなくなって、航平くんもきっと元気になれるだろうし、あずさだってちゃんと成仏できるかもしれない。
それしかもう、わたしがあずさにしてあげれることは、ないの。
それしかないのよ」
静かにそう言い終えると、ミクはそっと航平くんの腕をほどいた。
ビルの向こう側に沈みかけた夕陽の最後の残光が、ミクの顔に深い陰影を刻んでる。
航平くんを振り返り、ミクは寂しそうに微笑んだ。
「送ってくれて、ありがと」
「…」
「今日はここでいい」
「…」
「さよなら」
「…」
なにも言えないまま、小さくお辞儀して小走りに駆け去っていくミクを、航平くんは見送ってるだけだった。
『やった! とうとうあの女から、航平くんを取り戻した!
ミクのヤツ、いい気味!』
そういう思いとはうらはらに、あたしのなかに、なにかもやもやしたものが立ちこめてくる。
ほんとにこれで、よかったんだろか?
あたし、、、
なにか大切なこと。
忘れてるんじゃないだろうか?
つづく
なんなのよ?!
『オレは怖くて、あそこに行けなかった』って、、、
航平くんにはなにもしてないのに、どうして怖がられなきゃいけないの?!
しかも。
『ミクちゃんのことは、オレが守るから』?!
もしかして、あたしって悪役?
、、、ひどい。
ひどすぎるっ!!
下級霊の言うとおり、やっぱりあれはミクの計算のうちだったんだ。
あたしのこと思うフリを見せつけて、航平くんの気持ちをしっかり掴んじゃった!
ミクめ、、、
許さない!!
ミクだけじゃない。
航平くんだって!
葬式のあと、あたしのためにあんなに泣いてくれたのに。
あたしの写真をこっそり持ってたりするほど、あたしのこと好きだったのに。
こんなに簡単に心変わりするなんて。
絶対に許さない!!
あたしの怒りをよそに、ふたりは長いことキスをしてた。
愛おしそうに、航平くんは両手でミクをギュッと抱きしめる。
「あぁ、、、」
ミクは切なそうに息を漏らす。
ようやく唇が離れ、航平くんはミクを見つめた。
「好きだよ。ミクちゃん」
優しくささやく航平くん。
嬉しいような悲しいような、複雑な表情で航平くんを見上げてたミクだったが、その大きな瞳には、みるみる涙が溜まっていった。
「ごめんなさい。航平くん」
うつむいて顔に手を当てたミクは、小さく声を震わせた。
「わたしたち、、、 もう会わない方がいい」
「、、、え?」
航平くんが驚いて固まった隙に、ミクは腕からスルリと逃げて二•三歩離れ、背中を向けて言った。
「わたし、、、
幸せ過ぎて、あずさに申し訳ない。
航平くんの隣にいるのは、ほんとはあずさのはずだったのよ。
なのに、ちゃっかりわたしが、航平くんと仲良くなっちゃって。
わたし、死後の世界なんて、信じてなかった。
だから、あずさが死んでしまって、航平くんとつきあうことになっても、彼女に悪いなんて思ってもなかったし、むしろ航平くんの心の支えになりたいって思ってた。
でも、もしあずさが今もこのあたりにいて、成仏できずに彷徨ってるなら、もう無理。
わたしたちのことを見て、あずさはきっと怒ってると思う。
わたしのこと、恨んでると思う。
そんなんじゃ、怨霊になるのも、当たり前。
だってわたし、あずさを裏切ったんだから!
あずさが怨霊になったのは、わたしのせい! わたしが悪いのよ!」
「、、、ミクちゃん、そんなことないよ!」
興奮したように早口でまくしたてるミクに駆け寄り、航平くんはうしろから抱きしめた。
落ち着きを取り戻したミクは、うなだれて言った。
その声は涙で震えてる。
「わたし、あずさをこれ以上裏切れない。
わたしたち、今でも親友だもん。
親友から好きな人を奪うなんて、やっぱりできない。
わたしが身を引けば、あずさも恨む気持ちがなくなって、航平くんもきっと元気になれるだろうし、あずさだってちゃんと成仏できるかもしれない。
それしかもう、わたしがあずさにしてあげれることは、ないの。
それしかないのよ」
静かにそう言い終えると、ミクはそっと航平くんの腕をほどいた。
ビルの向こう側に沈みかけた夕陽の最後の残光が、ミクの顔に深い陰影を刻んでる。
航平くんを振り返り、ミクは寂しそうに微笑んだ。
「送ってくれて、ありがと」
「…」
「今日はここでいい」
「…」
「さよなら」
「…」
なにも言えないまま、小さくお辞儀して小走りに駆け去っていくミクを、航平くんは見送ってるだけだった。
『やった! とうとうあの女から、航平くんを取り戻した!
ミクのヤツ、いい気味!』
そういう思いとはうらはらに、あたしのなかに、なにかもやもやしたものが立ちこめてくる。
ほんとにこれで、よかったんだろか?
あたし、、、
なにか大切なこと。
忘れてるんじゃないだろうか?
つづく
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