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11th sense
11th sense 6
<阿鼻叫喚のはじまりよ>
あたしと目が合うと、もうひとりのあずさはニヤリと笑ってうなづいた。
それが合図だったかのように、地縛霊は思いっきり、航平くんを車道に突き飛ばした。
「キャッ!!」
ミクの叫び声が響いた。
航平くんの姿を目で追ってたミクには、単に航平くんが車道へよろけていき、膝から崩れ落ちたとしか見えないだろう。
「航平くんっ、危ないっ!!!」
両手をギュッと握りしめ、ミクは力の限り叫ぶ。
その声で、和馬くんも交差点の方を振り返る。
和馬くんだけじゃない。
バス停にいた数人の生徒も、航平くんに気がつき、口々に叫んだ。
「航平くんっ!」「なにやってんだバカ!」「早く逃げろよ!」
航平くんの目の前には、荷物をたくさん積んだトラックが、猛スピードで近づいてる!
“パパパパパパーーーーッ!!!!”
けたたましくクラクションを鳴らし、トラックは急ブレーキでタイヤを軋ませる。
だけど、膝をついてしゃがみ込んでる病気の航平くんに、トラックを避ける反射力はなかった。
航平くんとトラックが重なる。
なんとかしようと、ミクが交差点にダッシュしていくが、この距離で間に合うわけがない。
<やったねあずさ。これでもう航平くんはあんたのもんだよ。永遠に!
ミクにもだれにも、取られる心配はないよ!>
もうひとりのあずさは、勝ち誇ったように薄笑いを浮かべた。
その瞬間、あたしの目の前は真っ黒になった。
ブラックアウト。
「航平くんっ!!!!」
なにがなんだかわからなかった。
ただ、愛する人の名前が、交差点の喧噪に負けないくらいのボリュームで、響き渡った。
それは、、、
あたしの声だった。
気がつくとあたしは、道路の端っこで仰向けにひっくり返ってる航平くんに、馬乗りになってた。
なに?
いったいどうなってんの?
あたしの両手は、航平くんの胸を押さえてる。
お尻から、航平くんのぬくもりが伝わってくる。
ぬくもり?
あたし、航平くんの体温を、感じてるっ!!
“キキキキーーーーッ!!”
鼓膜を突き破るようなブレーキ音が、耳に突き刺さる。
間一髪!
トラックは航平くんとあたしの側を、ギリギリでかわした。
巻きおこった風で、あたしの髪がぐしゃぐしゃに乱れる。
「バカヤロー!! おまえら急に飛び出して、アブねーじゃねーか!!!」
運転手の怒声を残し、体制を立て直してトラックは走り去っていった。
あたしの姿、運転手には見えてる!?
あたし、、、
航平くんを突き飛ばして、助けたってわけ?
もしかして。
あたし、、、
今、、、
実体化してる??!!
「さっ、酒井、さん?!」
両目を思いっきり見開いて、混乱した航平くんは道路に横たわったまま、あたしの下で名前を呼んだ。
確かにあたし、航平くんに見えてるんだ!
「航平くん! 航平くん!
よかった!
助かって!!」
「酒井さん。どうして、、、」
「航平くんっ!!」
航平くんの頬で、透明な雫が弾けた。
やだ。
あたし、涙が出てる。
どんどん、どんどん、溢れ出してくる。
止められない!
航平くんの頬は、あたしの涙でぐっしょり濡れてしまった。
「酒井さんっ?!」
まだ状況が飲み込めてないみたいで、航平くんはあたしを見つめて、目をぱちくりさせるだけ。
あたしだって、なにがなんだかわかんない。
今までなにをどうやっても、航平くんにはあたしの姿、見えなかったのに。
航平くんを助けたいって一心で、実体化したとでもいうの?
わけわかんない!
だけど、これだけはわかる。
今、あたしは、航平くんと触れ合ってて、話をしてるんだ!
つづく
あたしと目が合うと、もうひとりのあずさはニヤリと笑ってうなづいた。
それが合図だったかのように、地縛霊は思いっきり、航平くんを車道に突き飛ばした。
「キャッ!!」
ミクの叫び声が響いた。
航平くんの姿を目で追ってたミクには、単に航平くんが車道へよろけていき、膝から崩れ落ちたとしか見えないだろう。
「航平くんっ、危ないっ!!!」
両手をギュッと握りしめ、ミクは力の限り叫ぶ。
その声で、和馬くんも交差点の方を振り返る。
和馬くんだけじゃない。
バス停にいた数人の生徒も、航平くんに気がつき、口々に叫んだ。
「航平くんっ!」「なにやってんだバカ!」「早く逃げろよ!」
航平くんの目の前には、荷物をたくさん積んだトラックが、猛スピードで近づいてる!
“パパパパパパーーーーッ!!!!”
けたたましくクラクションを鳴らし、トラックは急ブレーキでタイヤを軋ませる。
だけど、膝をついてしゃがみ込んでる病気の航平くんに、トラックを避ける反射力はなかった。
航平くんとトラックが重なる。
なんとかしようと、ミクが交差点にダッシュしていくが、この距離で間に合うわけがない。
<やったねあずさ。これでもう航平くんはあんたのもんだよ。永遠に!
ミクにもだれにも、取られる心配はないよ!>
もうひとりのあずさは、勝ち誇ったように薄笑いを浮かべた。
その瞬間、あたしの目の前は真っ黒になった。
ブラックアウト。
「航平くんっ!!!!」
なにがなんだかわからなかった。
ただ、愛する人の名前が、交差点の喧噪に負けないくらいのボリュームで、響き渡った。
それは、、、
あたしの声だった。
気がつくとあたしは、道路の端っこで仰向けにひっくり返ってる航平くんに、馬乗りになってた。
なに?
いったいどうなってんの?
あたしの両手は、航平くんの胸を押さえてる。
お尻から、航平くんのぬくもりが伝わってくる。
ぬくもり?
あたし、航平くんの体温を、感じてるっ!!
“キキキキーーーーッ!!”
鼓膜を突き破るようなブレーキ音が、耳に突き刺さる。
間一髪!
トラックは航平くんとあたしの側を、ギリギリでかわした。
巻きおこった風で、あたしの髪がぐしゃぐしゃに乱れる。
「バカヤロー!! おまえら急に飛び出して、アブねーじゃねーか!!!」
運転手の怒声を残し、体制を立て直してトラックは走り去っていった。
あたしの姿、運転手には見えてる!?
あたし、、、
航平くんを突き飛ばして、助けたってわけ?
もしかして。
あたし、、、
今、、、
実体化してる??!!
「さっ、酒井、さん?!」
両目を思いっきり見開いて、混乱した航平くんは道路に横たわったまま、あたしの下で名前を呼んだ。
確かにあたし、航平くんに見えてるんだ!
「航平くん! 航平くん!
よかった!
助かって!!」
「酒井さん。どうして、、、」
「航平くんっ!!」
航平くんの頬で、透明な雫が弾けた。
やだ。
あたし、涙が出てる。
どんどん、どんどん、溢れ出してくる。
止められない!
航平くんの頬は、あたしの涙でぐっしょり濡れてしまった。
「酒井さんっ?!」
まだ状況が飲み込めてないみたいで、航平くんはあたしを見つめて、目をぱちくりさせるだけ。
あたしだって、なにがなんだかわかんない。
今までなにをどうやっても、航平くんにはあたしの姿、見えなかったのに。
航平くんを助けたいって一心で、実体化したとでもいうの?
わけわかんない!
だけど、これだけはわかる。
今、あたしは、航平くんと触れ合ってて、話をしてるんだ!
つづく
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